2012/07/28

CAISSA 2012 July 7th and 8th round - Consecutive Draws -

7、8R は連続ドローです。これで長かった5連続黒を乗り切りました。残りの2試合、連続白に勝負を託します。

Xu, Y (CM, CHN, 2165) - Kojima, S (FM, JPN, 2290)
CAISSA 2012 July IM (7)

1. e4 e6 2. d3 d5 3. Nd2 Nf6 4. Ngf3 b6!?



KIA 対策には非常に多くのラインがありますが、今回はAntic の勧めであるこの手を試してみます。アイディアは前回指した、4...Nc6 と似ています。

5. g3 dxe4 6. dxe4 Bb7 7. Qe2 Nc6 8. c3


8.Bg2? Nb4! ならば、すでに白は困っています。

8... a5


First Saturday の最終戦と同様、a6 にビショップを運ぶ準備をします。f1-a6 のダイアゴナルをどう抑えるか、ここで白は考える必要があります。

9. Nc4!?



この手は私の研究から外れるものでしたが、本で進められていた手よりもベターである気がします。9.Bg2 Ba6 10.Nc4 e5 11.0-0 Bc5 12.Nh4 0-0 が私の準備でした。

9... Bc5


c6 のナイトが浮くことを嫌い、Bb7-Ba6 を保留します。本譜のこの後の流れが嫌であるならば、9... h6!? 10. Bg2 Bc5 11. O-O O-O= もあったかと思います。

10. Bg5 h6 11. Rd1 Qe7 12. Bxf6 Qxf6 13. Bg2 O-O



ここは白にe4-e5 を突かすことを許すべきかどうか、かなり悩みました。13... e5!? 14. O-O Ba6 15. Rd5 O-O 16. b3 Ne7 17. Rxe5 Nc6 18. Rd5 Qxc3= という変化も面白いでしょう。

14. O-O Rad8 15. e5 Qe7


黒はダブルビショップを得ましたが、白にはスペースがあり、e4 のマスを活用したピースのマヌーバリングが考えられます。局面評価はイコールと言ったところでしょう。

16. Nfd2!



当然の一手です。ビショップのダイアゴナルを開きつつ、ナイトを組み変えます。

16... Rd7


この後の展開を考えれば、Nd2-Nb3 とa2-a4 の両方を防ぐ、16... a4!? もありでした。

17. Be4 Rfd8 18. a4!?


この単純な手を見落としていました。黒のb6-b5 を止めておくことでc4 のナイトを安定させ、Qe2-Qf3 からc6 のナイトを狙います。h1-a8 のダイアゴナル上にある、2つのマイナーピースをどう守るかが黒の課題となります。

18... Qg5



e5 をアタックすることで、すぐに19.Qf3 と指されるのを防ぎます。黒が早々に勝負にいくならば、思い切ってエクスチェンジを捨てるというアイディアも、検討では出ました。

18... Rd5!? 19. Bxd5 (もちろん白は、すぐに取らなくてもOK です。) 19... exd5 20. Ne3 Qxe5


Analysis Diagram

黒がh1-a8 のダイアゴナルを開ければ明らかに良さそうですが、白は当然、d4 をブロックするでしょう。それでも、エクスチェンジの代償はありそうです。

19. Bg2


私はもし白が19.Kg2 と上がるようであれば、Rd7-Rd5 からのエクスチェンジサクリファイスの出番だと、試合中考えていました。

19... Qe7 20. Be4 Qg5 21. Bg2 Qe7 22. Be4 1/2-1/2


最後は、お互い進展なくドロー。次の対戦では何を指すか、また考えようと思います。


少し情けない話ですが、Xu Yi に今大会は負けなかったことで一安心です。昨晩はデザートまで付けて、少し食べ過ぎてしまいました。実際に目撃すると分かりますが、Xu Yi のプレーは非常にパワフルで、私でも見つけられない手を実戦でバシバシと指します。もし来月にでも3つのノームを達成するようであれば、思い切ってインタビューを申し込んでみようかとさえ思います。

続いて、今日の午前に行われたSarosi 戦です。


Sarosi, Z (IM, HUN, 2266) - Kojima, S (FM, JPN, 2290)
CAISSA 2012 July IM (8)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Bb4 5. cxd5 exd5 6. Bg5 h6 7. Bxf6 Qxf6 8. Rc1!?



QGD Ragozin の少し珍しい変化になりました。白が素早くcファイルをサポートすると、黒はc7-c5 と突くプランを諦めて、QGD Exchange のポーンストラクチャーにせざるをえなくなります。

8... c6 9. a3 Bxc3+ 10. Rxc3 O-O 11. e3


このポジションが黒のプランの分かれ目になりそうです。遅れているクイーンサイドのピースをどう配置するかがポイントです。

11... Bf5



黒の主張するポイントは、e4 のマスです。ここに将来的にナイトを置くことができれば、クイーンサイドもサポートしつつ、キングにプレッシャーをかけることができます。また、Ne4-Nd6 と退いて、ナイトをキープしながら柔軟に使える位置でもあります。私はシンプルに、そのe4 のマスをサポートできるようにビショップの位置を決めました。

11... Bg4 (このアイディアもあったようで、黒は駒を交換して局面を単純化します。) 12. Be2 Nd7 13. O-O Rae8 14. Ne5 Bxe2 15. Nxd7 Qd6 16. Qxe2 Qxd7 1/2-1/2 Taimanov,M-Smyslov,V/ Dortmund 1961

12. Qb3 Qe7


もともと、このクイーンはナイトのためにf6 のマスを明け渡すつもりだったので、f6 から動かすことには抵抗がありませんが、b7 がアタックされているので、b8 のナイトの展開に一工夫必要になります。

13. Be2 1/2-1/2



勝負はここからというところで、相手からドローオファー。続けるとすれば、13. Be2 Rc8 14. O-O Rc7 15. Ne5 Nd7 16. Nxd7 Rxd7= ぐらいだと読みましたが、あまり黒に面白みのなさそうなポジションですし、午後も試合があるのでオファーを受けました。

さて、昨日私がXu Yi とドローになったので、彼はIM ノーム獲得のためには、あと2試合で1勝1ドローである必要があります。今日のSarosi 戦は黒ですが、勝負にいくのか、それとも明日のZhu Yansen 戦を勝ちにいくのか、午後はそこをチェックしたいと思います。私の午後のラウンドはZhu Yansen なので、こちらは是非とも勝ちたちところです。

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