ダブルラウンドだった3日目を含め、R3-5 はまとめて更新します。3R で私はスウェーデンのベテランFM Lundin に割とあっさり負け。10月からそうですが、黒番では負けるときは10数手で見落としがあり、30手付近でリザインせざるをえないというゲーム展開がいくつかあります。手堅く指していることを心がけてはいるつもりなのですが、どうも考えと盤上での手が上手くマッチしていないような感じがします。
4R はモンテネグロではもう顔なじみのGM Nikcevic との3回目の対戦です。10月は負け、11月は勝ちで、お互いに意識せざるをえない相手です。
Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Nikcevic (GM, MNE, 2434)
Third Saturday GM December 2018 (4)
1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. Qc2 c5 5. a3 Bxc3!?
Third Saturday GM December 2018 (4)
先月の試合とはここで手を変えてきます。c7-c5 とビショップナイト交換の変化は珍しいですが、手順前後で4... 0-0 の変化になることがほとんどです。
6. Qxc3 b6 7. g3
前日のDrasko戦と基本の駒組みは同じでいきます。しかし、本譜のd7-d5 を防ぐのであれば、早めにb2-b4 としておくのが良かったかもしれません。Kramnik の試合をチェックしていたはずが、忘れていました。
7... Bb7 8. Bg2 O-O 9. O-O d5!?
b2-b4 が遅かったためにこの手を許しました。前日のDrasko戦と比較すると、d7-d6 がない分、黒が1テンポ得をしています。
10. cxd5
この手は悪いわけではないのですが、Hedgehog の経験が十分でない私としては避けるべきだったかもしれません。本譜のReversed Sicilian の形は白がOKですが、ややパッシヴであるとも言えます。10. b4 もしくは10. d3 と様子を見る選択肢もありました。
10... Nxd5 11. Qc2 Nc6 12. b3 e5 13. Bb2 Re8 14. d3?!
e5-e4 の押し込みを防ぐためには自然な手に見えます。しかし、Nc6-Nd4 の跳び込みを防ぐためには、14. e3! を先に指すべきでした。14... Qd7 (14... e4? 15. Nh4!) 15. d3 Rad8 16. Rfd1 f6 は、白黒反転のReversed Sicilian です。白が黒のように低く構え、d3-d4 ないしはb3-b4 のブレイクを目指す展開ですが、10手目の選択はこういう形を白で指したいかどうか、という話になります。
14... Nd4!
次にe2-e3 を突こうと思っていた私は、この手でしまったと思いました。d4 でのピース交換からeファイルを開く展開は、e2 をアタックしやすくなる黒に好ましいはずです。
15. Qd1 Qd7 16. e3 Nxf3+ 17. Qxf3 Rab8 18. Qe2
e2-e3 のポーンの形にはしましたが、不必要なピースの捌きを入れてしまい、d3, b3 の弱点が気になる展開になってしまいます。まだここからbポーンかdポーンのブレイクが決まれば勝負は分かりませんが、この後の指し方が消極的過ぎました。
18... a5 19. Qc2 Nf6 20. Bxb7 Rxb7 21. Rad1?!
私はチャンスがあるとすれば、ブレイクはd3-d4 だと思っていました。しかし、そのdポーンブレイクを成功させるために必要なのは、c5 のポーンを削ることです。21. b4! axb4 22. axb4 cxb4 23. Qc4 ならば、aファイルとcファイルを開いてルークとクイーンをアクティブにすると同時に、d3-d4 のチャンスを作ってd3 の負担を軽くすることができます。一時的に捨てたポーンは取りかえせればそれで良し、取りかえせなくてもピースのアクティビティーとe5 へのプレッシャーで問題無いという評価ができます。本譜は積極性を欠き、黒に楽をさせてしまう流れで、この辺りがHedgehog の経験不足でした。
21... h5! 22. Rfe1 Qf5
白のキング周りの白マスは弱く、黒はじっくりとそれを利用します。ナイトは白マスに利くが、黒マスビショップは決して白マスに利かないというのもポイントです。
23. a4 Rd7 24. Qc4 Red8 25. d4
なんとかd3 の負担を減らそうとポーンを進めましたが、これはAnisimov戦と同じで、ただのターゲットにしかなりません。
25... Ne4! 26. Qc2
g3 取りにはe3-e4 の返しがあることに気付いてクイーンをc2 に退きましたが、白からは特にスレットやブレイクがあるわけではなく、やはりジリ貧です。
26... h4 27. Qe2 cxd4 28. exd4 Ng5!
eファイルを開いてくれるのはありがたいと思い込んでいましたが、これでf3 のマスを狙われるといよいよ厳しくなります。ポーン交換を挟んだのは、白にf2-f4 をさせないようにするためでした。
29. Kh1 exd4 30. f4 Re7!
ポーンアップになった黒は、30... Ne6 くらいでゆっくり指しても勝てると思いますが、Nikcevic は厳しい手で勝負を決めにきます。
31. Qxe7 Qd5+ 32. Re4 Nxe4 33. Kg1
33. Rxd4 Nxg3+ 34. Kg1 Qh1+ 35. Kf2 Qf1+ 36. Ke3 Qe2# ポーンを取りかえそうとしても、ダブルチェックからぴったりメイトです。
33... d3 34. Qxh4 Qc5+ 35. Kh1 Rd6 36. Rf1 d2 37. Qg4 Nf2+ 0-1
最後、Nikcevic が隣のボードからクイーンを取ってきたので、37... d1=Q?? か?と思いましたが、そんなはずはありませんでした。この試合は完全に作戦負けで、私が自分の経験不足な形に自分からしてしまった感じがします。これも勉強ではあるのですが、次回はもう少し白がアドバンテージを活かしやすい違った指し方をしてみようと思います。
12/15 14:00 (22:00) Tsolakidou, S (IM, GRE, 2387) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/16 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Drasko, M (GM MNE, 2438) 1-0
12/17 09:00 (17:00) Lundin, J (FM, SWE, 2312) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/17 15:00 (23:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Nikcevic (GM, MNE, 2434) 0-1
12/18 14:00 (22:00) Stajonovic, M (GM, SRB, 2522) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1/2-1/2
12/19 Rest Day
12/20 14:00 (22:00) Kushager, K (FM, IND, 2305) - Kojima, S (IM, JPN, 2409)
12/21 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Benkovic, P (IM, SRB, 2401)
12/22 14:00 (22:00) Ivic, V (IM, SRB, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2409)
12/23 10:00 (18:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Bodda, P (WIM, IND, 2273)
Third Saturday GM December 2018
+2 Kushager, Tsolakidou
+1 Ivic, Nikcevic, Benkovic,
+-0 Stajonovic, Lundin
-2 Drasko, Kojima
-3 Bodda
今日の5Rはすでに終わり、Misha とはドローにしています。明日の休憩日はじっくりと準備をして、後半の4試合でなるべく勝てるように頑張りたいですね。
1 件のコメント:
you touched queen とか言ったらどうなるんですかね
▽o・~・o▽
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