2012/11/18

Polgar Chess Festival - Hungarian Legends -

ケチケメートに移動する前、午前中にブダペスト市内で開催された、Polgar Chess Festival に顔を出してきました。短い時間でしたが、足を運んで本当に良かったと思えるイベントでした!私の覚えた感動を余すことなくお伝えするのは難しいですが、少しでも写真でその雰囲気が伝わればと思います。


会場はSYMA Event and Congress Centre、レッドメトロのブダペスト東駅(Kelti)の先にあり、前日に入念な下見を行ってきました。朝10時前にアンダンテを出て、トラムとメトロを乗り継いで会場を目指します。


イベント開始の10時には少し間に合いませんでしたが、無事に会場に到着。入り口をくぐると、早くもその熱気が伝わってきます。同時対局に参加しない一般の観戦者は入場が無料であること確認し、いざイベントホールへ。


最初に目に飛び込んできたのは、なんとボクシングリング(笑)イベントHP で事前に見て知ったいましたが、午後にはチェスボクシングが行われるそうです。かつて日本でも行ったことがありますね。


リングと逆サイドには滑り台が。ボクシングリングと滑り台が、両方置かれているイベント会場というのも実に珍しいと思います(笑)この辺りで客層をチェックし、メインのターゲットが子供であることが分かりました。ボクシングも真剣ではなく、レクリエーション的なものかもしれません。(もしくは、ハンガリーの子供たちは意外と血を見るのが好きなのか...)


こちらは今イベントのパンフレット。おそらく世界で最も有名であろうチェスプレーヤーの三姉妹、Sofia Polgar、Judit Polgar、Susan Polgar (写真の左から順番通りです)が今回のメインゲストです。特にJudit Polgar はハンガリーのアイドル的存在で、歴史上最も強い女子プレーヤーです。


そしてリング脇ではスクリーンを使い、Sofia Polgarがチェスのルール説明を子供たちに向かって行っています。今回のメインゲストの一人であり、International Master でもあるSofia が自らルール説明を行っていることに、ちょっと感心してしまいました。


ルール説明を離れ、とりあえず会場を一周することに。若き日の(今でも若いですが)Judit がKasparov と対戦している映像が、別のスクリーンに流れていました。


こちらは同時対局の席です。各席に違う国旗が置かれており、そんなに世界中から参加希望者がいるのか!とただ驚くばかりです。そして各チェスセットに一つずつ、スポンサーであるNatur Aqua のミネラルウォーターが置いてることにも注目です!


オリンピアード会場でもよく見かけるような、巨大チェスセットは子供たちに大人気です。


こちらはこのイベントのロゴのようです。会場内の風船にもプリントされていました。先程、ルール説明の際に使われていた駒のデザインは、これだったんですね。


そして各スポーンサーが自社をアピールするブースも設置してありました。こちらは電子機器メーカーのようで、コンピュータが並んでいます。現代社会に、もはやパソコンは欠かせない存在ですが、チェスの勉強にもそれは言えることです。チェスをやるなら是非うちのパソコンで!というのは、良い着眼点かもしれませんね。


私も最新のWindows8 を体験してきました。iPad などで慣れている人は特に驚かないかもしれませんが、私は初のタッチパネルに感動です!


そして電子機器の次に並んでいたのは、陶器のメーカーです!ハンガリーではこういったものが有名ですが、まさかチェスのイベントと組んでくるとは...しかし、この先を少し見ると色々と納得できました。


こちらは粘土をこねるところから。形が出来たら別スペースで焼けるのでしょうか。子供も大人も真剣です。


チェスピースはアートとしても注目されるもの。ルークやナイトの形を模した陶器が、ここで販売されています。


毎日、ポーンを振って塩コショウを出す食卓というのも面白いですね(笑)


当然のように、本の販売が行われているブースもありました。こちらは言わずと知れたPolgar の電話帳。攻撃力も防御力も高そうです。


こちらは様々なチェスセットで子供たちが遊んでいます。(大人の姿もちらっと見えますが)


塗り絵!こういったシンプルなアイディアも、子供向けのイベントでは良いですね。


再び大スクリーンの前に戻ると、Gyre Judit の文字が。なんだこりゃ?と思っていましたが、どうも子供たちが声を合わせてJudit を呼ぶところだったようです。これは良いタイミングで戻ってきた、と思いつつ、私も子供に負けず声を張り上げます(笑)


するとJudit が私のすぐ脇から登場!メインの登場に、子供たちもヒートアップです。(私も当然負けていません)


そして、彼女が登場して何をするのかと思いきや、Judit の実戦をモデルにした問題をスクリーンに映し、希望した子供が前に出て、それを解くというゲームが始まりました!これは実に面白いアイディアですね。ここでもWindows8 が活躍し、スクリーンを触りながら、サクサクとポジションを進めていました。


見事正解した女の子には、Judit からBravo! の声が。これは子供たちにとって、忘れられない思い出になるでしょう。


別角度から。子供たち、ヒートアップしすぎでJudit もタジタジです(笑)


プロブレムの後は場所を移し、三姉妹によるサイン会が始まりました。皆さん、我先にと押しかけます。


オープンから1時間、午前11時になると高らかに音楽が鳴り響きました。何事かと思ってホール中央に移動すると、白黒のピースに扮した少女たちによるダンスが、オリンピアードばりに行われていました。ブダペストはオペラが有名ですので、彼女たちはバレエ団に所蔵して、真剣にバレリーナを志す子供たちなのでしょう。


バレエ団のセレモニーが終わると、いよいよ同時対局のスタートです。国旗の並んでいた対局場には、関係者が集まってきました。左からIA のOrzo氏、Judit の旦那兼マネージャー(と予想)、Judit Polgar、司会のお姉さんです。


各国の子供たちが(どうやってこんなに集めたんでしょうか?後でOrso氏に聞いてみることにしましょう。)次々と握手をして、Judit との対局が始まりました。そして対局者には初手を指した直後に、Judit から記念品のプレゼントが。こういったちょっとした気配りも、こういったイベントには大切ですね。

この後の展開や他のイベント内容も大変気になるところですが、私は今日からケチケメートで始まるCAISSA に参加するので、この辺りでタイムアップです。後ろ髪を引かれる思いで会場を後にすることを決めました。

ところが最後の最後で思わぬサプライズが。ドレスデンオリンピアードで私と対戦した、アイルランドのNo.1 プレーヤー、GM Alex Baburin氏を会場で見かけたのです!間違いないよな~と思いつつ、駆け寄って話しかけてみました。2009年に彼が来日した時には、東京でレクチャーも受けているので、当然と言えば当然ですが、向こうも私の事を覚えていてくれて嬉しかったです。私が痩せたから、誰だか分からないという可能性はありますが(笑)

Polgar Chess Festival はこんな感じでした。私としては、ハンガリー国内でのPolgar姉妹(特にJudit)の人気を体感することができましたし、今後、私が日本で企画するイベントに向けての良い刺激も受けることができました。時間のない中、本当に行くことができて良かったです!

この記事自体は、写真が多すぎてダラダラと書いてしまいましたが、これでもずいぶんと絞ったつもりなんです。ご容赦ください!それでは、今日から始まるCAISSA も頑張ってきます。

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