連続ドローの後で、どうしても勝ちが欲しい5Rは、デンマークのベテランFM が相手です。50年以上のチェスキャリアを持ち、今年73歳になった対戦相手は、このトーナメントでもここまで1勝1敗2ドロー。全盛期の勢いはなくとも、決して弱い相手ではありません。
Kojima, S (FM, JPN, 2339) - Holm, S (FM, DEN, 2272)
First Saturday IM November (5)
1. Nf3 e6 2. d4 d5 3. c4 Nf6 4. Nc3 Be7 5. Bf4 c5 6. dxc5 Na6
First Saturday IM November (5)
このラインはあまりチェックしておらず、どこかでe2-e4 とポーンを突き捨てるアイディアを、Topalov のゲームで見たことがあるなと思うぐらいでした。自分なりに指しやすい形をイメージして、序盤のセットアップを決めます。
7. cxd5
7. e3 Nxc5 8. cxd5 Nxd5 9. Nxd5 exd5 10. Be5+/= このような形はd4,e5 のコントロールとIQP により、白がやや指しやすいことは分かっていましたが、好みの問題で、あまり単純化しすぎることを避けます。
7... exd5 8. g3!?
e2-e3 を遅らせたことにより、白マスビショップをフィアンケットする可能性が残っています。一風変わったQueen's Gambit Tarrasch をイメージして指していきます。
8... Nxc5 9. Bg2 O-O 10. O-O Be6 11. Rc1 Qb6 12. Qd4!
黒のナイトがc6 にいないため、このマスでクイーンを使うことができます。d1をルークのために空けつつ、Nc3-Nxd5-Nxe7+ のスレットを作ることで、b2 のポーンを守ります。
12... Rac8 13. Rfd1 Rfd8 14. Be5 h6 15. h3 Ncd7!?
どこまで膠着状態が続くかと思っていましたが、ここで黒からポジションを動かしてきます。しかし、私はクイーン交換は白にとってありがたいと考えていました。すでにエンドゲームを見据えて、勝負をかけます!以前に比べてエンドゲームの技術が格段に上がったとは思っていませんが、それでも多くの実戦を経て、あまり恐れなくなったことは確かです。
16. Qxb6 Nxb6 17. Nb5!?
ここはじっくり17. Bd4 Nfd7 18. Nd2 と指すチョイスもありましたが、本譜の変化が見えたために敢えて素早く仕掛けます。
17... Rxc1 18. Rxc1 a6 19. Bc7 Ra8 20. Bxb6 axb5
17手目以降、一気に局面が動きます。互いに7段目にルークを入れる展開は白が有利と判断し、これに飛び込みました。
21. Bd4!? Rxa2 22. Rc7 Bd6 23. Rxb7 b4 24. Rb6?!
試合中、この手で勝ったと錯覚していました。当然のようにNf3-Ne5-Nd3 というマヌーバリングから、b4 のポーンを狙うことも考えていましたが、一旦ビショップを下げさせてからでも良いと思っていたのです。黒はもちろん、それを防ぐために次の一手をチョイスします。24. Ne5! Ne4 (24... Ra1+ 25. Kh2 Rd1 26. Nd3 Rd2 27. Bf3+/=) 25. Nd3 Ra4 26. 26. Nf4!? Bc8 27. Rb5 b3 28. e3+/=
24... Ne4!
この手は黒のカウンタープレーの軸になると常々考えていながら、d6 のビショップを守る手でもあることを見落としていました。こうなるとf2 へのアタックがあるため、Nf3-Ne5 のアイディアを遅らせたことが痛手となります。
25. Ne5 Ra1+ 26. Kh2 Bxe5 27. Bxe5 Nxf2 28. Bd4 Ne4 29. Rb8+ Kh7 30. Rxb4 Re1=
ダブルビショップ頼みで試合を続けようとしましたが、これで異色ビショップになることが決まり、ドローを覚悟しました。
31. Bf3 Ng5 32. g4 Nxf3+ 33. exf3 Rd1 34. Kg3 Rd3 35. Bc3 Rd1 36. Rd4 Rxd4 37. Bxd4 g5 38. b4 Bd7 39. h4 gxh4+ 40. Kxh4 Kg6 41. f4 f5 42. g5 hxg5+ 43. fxg5 f4 44. b5 Bxb5 45. Kg4 f3 46. Kxf3 Kxg5 47. Ke3 1/2-1/2
IQP の弱点が常に残る以上、全体的にもっとじっくり指しても良かったと、振り返ってみて反省しました。もう少しクラシカルなIQP のゲームも、勉強してみようかと思います。
そして昨日、初めてベールを脱いだLiu Guanchu の1. e4 対策は、驚きのAlekhine Defence でした。イスラエルの2000台を潰し、ここまでの戦績は4.5/5 で、すでに4つ勝ち越しです。今日私がストップをかけなければ、完全に独走態勢に入るため、やすやすと連続IM ノームを取らせないように頑張ります!
...本音を言えば、自分がそこに入っていれば、何人IM ノームを取っても良いのですが(笑)そして大会中は仕方がないのですが、ある程度生活に変化が欲しい今日この頃です。
5 件のコメント:
今日の大一番、頑張ってきてください‼
結果報告、待っています。
スパゲッティ、何だか太麺ですね…!
手料理を頂けるとは、小島さんモテモテですね。
あー残念、残念… どんな試合運びだったのかはわかりませんが、
本当に、残念でしたね。お疲れ様でした!
今朝はこちらの時間で朝早くから気になって見ていました…
残念でしたがまた次に進むのみですね。
本当に、お疲れ様でした。
まだ後半戦がありますね‼ 気持ちを入れ替えて頑張ってください‼
応援してます!!!
COM山COM吉改め「くりりん」(critter)は8手目g3に替えてe4を推薦しています。f6とc5の2枚のナイトでe4を押さえられてしまうので今のうちにブチかませという手なんでしょうか。怖いですねぇ
Yumi さん いやぁ、内容も良く、最後まで分からないゲームだっただけに残念です。後ほど記事を公開します。
shin ほぼ毎日、誰かしらの手料理だよ(笑)
匿名さん とうとうCOM山COM吉の正体が明らかになりましたね(笑)e2-e4 がちらっと書いた、Topalov のゲームで出てきたアイディアです。(Topalov のゲームはナイトを交換したうえでですが)私も試合中考えましたが、普通に取られた際に白にアドバンテージがあるのかが分からず、堅い本譜をチョイスしました。
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