上位陣に悔しい連敗を喫した後のラウンドは、17歳のイスラエル人との対戦です。レイティングは2000台ですが、ゲームを見ている限り内容は悪くありません。少ないデータから試合の準備を行い、勝負に臨みました。
Atnilov, M (ISR, 2099) - Kojima, S (FM, JPN, 2339)
First Saturday IM November (8)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. c4 Nf6 5. Nc3 e6!?
First Saturday IM November (8)
Panov Botvinnik の5... e6 ラインを黒で指すのは初めてです。彼もおやっ?という顔をしたのが分かりました。5... Nc6 が今までのメインでしたが、IQP ポジションも私にとっては得意なスタイルです。
6. Nf3 Bb4 7. cxd5 Nxd5 8. Qc2 Qc7!?
8... Nc6 がメインですが、ここはサブのラインをチョイス。c3 でピースを交換し、白のポーンストラクチャーに弱点を作る戦法で戦います。
9. Bd2 Nd7 10. Rc1 Bxc3 11. bxc3 N5f6 12. Bd3 b6
どんなゲームがあったかは忘れてしまいましたが、ここまではひとまず満足です。黒はソリッドなポーンストラクチャーと、不満なピースがないことで、白のダブルビショップとのバランスを取ります。また、白はBb7-Bxf3 を避けたいので、多少ピースを捌かなければなりません。
13. O-O Bb7 14. Ng5 h6 15. Ne4 O-O!?
ここでピースを2枚捌いておけば、白のアタッキングチャンスは格段に減り、イコアライズまであと一歩であることは分かっていました。しかし、どうしても勝ちの欲しいこのラウンドでは、多少リスクを承知でもピースを残すことにします。15... Nxe4 16. Bxe4 Bxe4 17. Qxe4 O-O=
16. f3!?
私にとって非常に評価の難しい手です。e4 のマスを強めてb7-g2 の利きからキングを守りますが、その代わりにe3 のマスや、g1-a7 のダイアゴナルを弱めます。コンピュータはこの手がベストだと評価しますが、人間的には評価が分かれそうです。
16... e5!?
センターポーンを捌いてc3 に孤立ポーンを残そうとするのは、Nimzo-Indian でもよく見られる指し方です。ここでは特に、Bd2-Be1-Bg3 とビショップを組み直されるのを嫌い、早めに仕掛けることにしました。
17. Nxf6+ Nxf6 18. dxe5 Qxe5 19. Rfe1 Qc7
思い描いていたポジションになりました。オープンなポジションのダブルビショップは怖いですが、孤立したcファイルのポーンがあるため、お互いにバランスはとれていると思います。黒が次の考えるべきことは、どのファイルにルークを回すかです。
20. c4 Rfe8 21. Bc3 Nd7
e4,d5 の両方を抑えられてしまったので、ナイトをf6 から組み変えます。Nf6-Nh5-Nf4 を狙う選択肢もあったでしょう。
22. Bh7+!? Kh8 23. Bf5
白は黒キングをh8 に移動させることで、g7 を取った際にチェックになる+h6取りがスレットになる、といったメリットを得ます。意外と白の攻撃がいやらしいので、ここから黒マスをブロックすることに。
23... Ne5 24. Qd2 f6 25. Bb1
c3-g7 をブロックしたのは良かったのですが、代わりにg6 のマスを中心に白マスを弱めてしまいます。b1-h7 のダイアゴナルにビショップとクイーンを重ねて、h7 のメイトを狙う白に対し、ここは丁寧かつ大胆なディフェンスを使います。
25... Qc5+! 26. Bd4 Rad8 27. Red1
黒はルークをセンターに回しつつ、白ルークをe1 から外させるのがポイント。もう一つのルークはもちろんダメです。27. Rcd1? Qxd4+! 28. Qxd4 Rxd4 29. Rxd4 Nxf3+ 30. Kf2 Nxe1 31. Bg6 Rc8 32. Kxe1 Bxg2-/+
27... Qf8!?
ゲーム中、このディフェンスしか見えなかったのですが、もう一つシンプルなアイディアがありました。27... Qa3! 28. Qc2 Kg8!= こういった冷静なディフェンスは、私の苦手とするところ。確かに黒もf3 取りからのメイトスレットのチャンスを見せているので、白としては対応が難しそうです。
28. Qc2 f5! 29. Kh1?
お互いを通してこの試合で初めて、悪手と呼べる悪手が跳び出しました。両者ともすでに相当持ち時間が少なく、ここからは気合の勝負です。29. Qxf5? Qxf5 30. Bxf5 Bxf3!=/+, 29. Bf2! Rxd1+ 30. Rxd1 Rd8 31. Rxd8 Qxd8 32. h4+/=
29... Nxf3! 30. gxf3 Bxf3+ 31. Kg1 Bxd1
何かキングに迫る手はないかとも考えましたが、ここは時間もないのでマテリアルを取ることに。実際、これで正解です。
32. Rxd1 Re4!-/+
センターに回したルークを最大限使うことで、さらにポーンを回収します。時間切迫の状況ではまだ安心できませんが、冷静になってみると黒のアドバンテージはかなり大きいことが分かります。
33. Bf2 Rg4+ 34. Kf1 Rxd1+ 35. Qxd1 Rxc4 36. Bd3 Rc7 37. Qf3 Rf7
2ピースを捨て、ルークと3ポーンを取ったところでディフェンスに戻ります。クイーン交換をするか、しっかりディフェンスを読んだうえでルークをアクティブに使えれば、黒勝ちのゴールが見えてきます。
38. Bd4 Qa3 39. Qa8+?
時間が増える寸前での痛いミス。a2 のポーンを取れれば、黒はさらに楽な展開になります。
39... Rf8 40. Qf3 Qxa2-+ 41. h4 Qf7 42. Qf4 Rd8 43. Qe5? Qd7 0-1
最後は相手の集中が切れたか、ピースが落ちてリザイン。時間切迫になってからは技術よりも、気持ちの勝負であったように感じました。そして、ようやく6試合ぶりの白星を迎え、なんとか勝ち越し状態に戻しました。残り3試合でなるべくレイティングをプラスにしたいところです。
トップ争いはどうなっているかと言えば、上位陣はこんな感じです。
Liu Guanchu 7/8 (残り、Stigar、Kislik、Battey に1/3以上でノーム確定)
Massoni Michael 6/8 (残り、Wittmann、Stigar、Kislik に2/3以上でノーム確定)
Hou Qiang 5.5/8(残り、Kojima、Szeberenyi、Aryan に2.5/3以上でノーム確定)
上の2人はノームに手が届きそうですが、(Liu Guanchu はどう間違えても取るでしょう)問題はHou Qinag です。初戦負けた彼がここまでの追い上げを見せるとは、正直驚きました。今日、私がストップをかけられるか、彼にとっては大きな一戦です。
3 件のコメント:
8R、9Rとすごい、すごい‼ とても良い試合だった、ということで、
何だかこっちまでウキウキしてしまいます\(^o^)/
昨日、いい予感がしてる、って言いましたよね!!
バッチリ当たってましたよ(#^.^#)
おめでとうございます‼ あと2試合、頑張って!!!
chess.com 始めました。1200点から始まり今1900点。よろしくお願いします▼o・~・o▼ピカチュウ~
Yumiさん いつもありがとうございま~す。
体調も良くなりましたし、このまま良い流れでケチケメートにも向かいたいですね。
残りの2試合もしっかり指してきます!
匿名さん 1900まですぐでしたか?! 結構お強いですね。
私も久々にChess.com に復帰したので、対戦することがあればよろしくお願いします!
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