正直、この人形はちょっと・・・という感じでしたが、同行者はかなり気に入ったようです。
こちらは珍しい、石を削り出して作った(ポーンはまんま石ですね)チェス盤です。
昼時には多くのレストラン、カフェが客の呼び込みをしています。それにしても、この量はすごい。
これまであまり気付いていませんでしたが、このようなキモカワイイグッズを売る店は意外と多いようです。
目当ての物を購入し、3時半にアンダンテに戻りました。足が棒状態のまま、私にしては珍しく、ほぼノープリパレーションで試合に臨みます。
Kojima, S (FM, JPN, 2282) - Teng, J (CHN, 2122)
First Saturday 2012 August IM (9)
1. Nf3 Nf6 2. c4 c6 3. d4 d5 4. Nc3 Bf5?!
First Saturday 2012 August IM (9)
対戦相手のTeng Jiarong は先月、ハンガリーでFIDEレイティングを付けたばかりの少年です。FM クラスを2つ優勝してIM クラスに殴り込みをかけてきましたが、ここまでの戦績は1勝5敗2ドローで、流石にこのレベルに挑むのは早かったように思えます。実際、試合経験の少なさから、早い段階でミスが出ます。
5. cxd5 cxd5
5... Nxd5 がベターです。本譜のラインでは、黒がなぜ4...dxc4 と取るのが一般的なのかが、よく理解できると思います。
6. Qb3! b6
黒はb7 を守るうまい方法がありません。b7-b6 は一見シンプルな解決方法に見えますが、c6 の白マスを弱めることは黒にとって大きな痛手となります。
7. Bf4 Nc6 8. e4!
8. e3 がデータベースでは多い手でしたが、私は本譜がベストだと信じます。白はポーンを捨てることで展開を早め、黒が弱めた白マスを利用して手を作ります。以前、汐口くんとのChess.com のゲームでも、同じポジションを持った記憶があります。
8... Na5
8... dxe4 9. Bb5 exf3 (9...Bd7? 10.Ng5! e6 11.Bxc6 Bxc6 12.Nxe6!+-) 10. Bxc6+ Bd7 11. Bxf3! Rc8 12. Bb7+- これでエクスチェンジが落ち、白の勝勢です。
9. Bb5+?!
自然に見えるこの手が緩手でした。ここではすでに白は、勝負を決めることができます。9. exf5!! Nxb3 10. Bb5+ Nd7 11. axb3 a6 (私はこの時点で2ピースクイーンではダメだろうと、読みをストップさせてしまいました。)
12. Nxd5! Ra7 13. Rxa6 Rxa6 14. Bxa6+- 白はさらにc7 でのチェックのスレットが残っており、黒は厳しい状況が続きます。
9... Bd7 10. Qa4 dxe4 11. Ne5 a6 12. Bxd7+ Nxd7 13. b4!
e4 のポーンを回収することは、このポジションではさほど重要ではありません。それよりも、c6、c7 といった弱いマスにピースを入れ、黒キングとクイーンにプレッシャーを掛け続けることのほうが大切です。
13... Nb7 14. Nc6! Qc8 15. Nd5 e5
もう一つの候補手である15... Nd6 16. Rc1 Qb7 17. Bxd6 exd6 18. O-O Rc8 19. Rfe1 f5 20. b5 axb5 21. Qxb5+- も白の勝勢です。黒は依然1ポーンアップでありながら、圧倒的な展開の遅れにより窮地に立たされています。
16. Bxe5?
9手目のタクティクスを見逃した以外、ここまでうまく指してきたはずでした。しかし、ここでポーンを取り返す駒を間違え、おかしな方向へと向かい始めます。
16. dxe5? Nbc5! 17. bxc5 Nxc5 18. Nxb6 Nxa4 19. Nxc8 Rxc8 20. Nd4 Nc5=/+ はなんと黒が優勢になります。
16. Nxe5! b5 17. Qb3 Nxe5 18. dxe5+- 正解はシンプルにc6 のナイトをどかす手で、これならば次にRa1-Rc1 が指せるため、白のアタックはさらに厚みを増すことになります。
16... b5 17. Qc2 Nxe5 18. dxe5 Nd8!
このシンプルな手を見落としていました。16手目の時点で私がメインで読んでいたのは、18... Nc5!? 19. bxc5 Qxc6 20. Qxe4 Rc8 21. O-O Bxc5 22. Rac1 で、センターのナイトの力により、これでもやや白が指しやすいと思います。
19. Rc1 Nxc6?
正直、これでまた勝勢になったと一安心しました。19... Qxc6! 20. Nc7+ Kd7 21. Nxa8 Qxa8 22. Qd2+ Ke6 23. Rd1 ならば、形勢はアンクリアーです。白はc6 のナイトを取り返す以外ないと考えたことが、彼の勘違いであり、敗因です。
20. Qxe4!+-
白は重要な1ポーンを取り、さらにはRxc6-Nf6+ のスレットを作っています。黒にはc6 のナイトを守る方法がありません!
20... Qb7 21. Rxc6 Ra7?
粘るならば、21... Rc8 22. Rxc8+ Qxc8 23. O-O+- でしょう。これでも黒には1ポーンの代償が全くなく、白は問題なく勝てそうです。
22. Nc7+ Qxc7 23. Rxc7 Rxc7 24. O-O Be7 25. Qa8+ Bd8 26. Rd1 Ke7
26... O-O 27. Qxd8!+- も絶望的です。
27. Qxa6 f6 28. Qd6+ Kf7 29. e6+ Kg6 30. g4 Kh6 31. h4 g6 32. g5+ fxg5 33. hxg5+ Kh5 34. Qh2+ Kg4 35. Rd5 Rc1+ 36. Kg2 Rc3 37. Rd4+ Kf5 38. Qf4+ 1-0
最後はキングを誘いだし、メイトに。途中、アドバンテージを失ったかと思い冷やりとしましたが、なんとか無事に勝てて良かったです。
今日はいよいよ最終戦です!相手はIM To Nhat Minh、ここまでの通算成績は私の2勝1敗と勝ち越しており、今日勝つことができれば、完全に得意な相手となるでしょう。何を指してくるか全く読めな相手なので、オープニングの用意よりも別の事に時間を割こうと思います。
そして日本ではジャパンリーグが終わったようですね。結果の情報も入ってきていますが、一応公式発表を待ってから、こちらでも記事として扱おうと思います。とりあえずは参加者の皆さん、お疲れさまでした!
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