5月にハンガリーに来てから、IM Galyas とは6回対戦し、4敗2ドローです。7回目の対戦となる昨日は、是が非でもポイントを取りたいところでしたが、大切なポジションでミスが出ました。
Galyas, M (IM, HUN, 2412) - Kojima, S (FM, JPN, 2282)
Ⅲ. Sárkány - Aranytíz International Master Tournament IM (3)
1. d4 d5 2. Bg5!?
Ⅲ. Sárkány - Aranytíz International Master Tournament IM (3)
トリッキーなオープニングですが、World Blitz などで時々見られます。数年前に発見し、ベストだと思ったラインを試してみます。
2... h6 3. Bh4 c6 4. e3 Qb6 5. b3 e5!
黒はセンターポーンを伸ばし、スペースを広く取ろうとします。6.dxe5? Qb4+ でピースが落ちるのが、2... h6 を挟んだ狙いです。
6. Nf3 e4 7. Nfd2 Be7 8. Bg3 Nf6 9. c4 Bg4 10. Be2 Bxe2 11. Qxe2 O-O 12. O-O Qa6!?
ここでちょっと捻った手を指してみます。c4-c5、b3-b4-b5 といった、クイーンサイドでのアクションを止めるため、ポーンを挟んでクイーンを向かい合わせます。
13. Nc3 Nbd7 14. h3 Rac8 15. c5!?
この手は少し意外でした。クイーン交換した後は、クイーンサイドを簡単に固めることができます。
15... Qxe2 16. Nxe2 a5 17. a3 b5 18. b4
18. cxb6?! Nxb6 はa3 が弱点として残るうえ、黒はc6-c5 とポーンを突き直すチャンスを得ます。
18... a4
正直なところ、クイーンサイドを完全に固めたので、これでドローは堅いと思っていました。実際にコンピュータの評価もほぼイコールなのですが、白にチャンスが全くないか、そして黒が間違える危険性がないかと言えば、話は別です。
19. Nb1 Bd8 20. Nbc3 Bc7
黒マスビショップを交換すれば、c7、b8 といったマスが活用できるようになり、白がb5 をサクリファイスするのも容易ではなくなります。
21. Bxc7 Rxc7 22. Ng3
白はクイーンサイドで手を作れなくなったので、戦場をキングサイドに移します。最初は少し焦りましたが、時間をかけてベストディフェンスを探します。
22... g6! 23. f3 exf3 24. gxf3 Rd8! 25. e4 Nf8 26. e5 Ne8 27. f4
黒は押し込まれているように見えますが、きちんと対応すれば白からはさほど危ない狙いを作ることはできません。しかし、次の一手は軽率でした。
27... Ne6?!
このマスをナイトでブロックするのが、22手目から目指した形でした。しかし少し焦りすぎで、すぐにこの手を指してしまうのは逆効果です。27... f5!= ならば、黒はアンパッサンからのf4-f5 にも、簡単に対応できます。
28. Rad1 f5 29. exf6!
ナイトに完璧にブロックされていては、e5 のプロテクテッドパスポーンは何の役にも立ちません。白はポジションを開き、ピースの位置の差でアドバンテージを得ようとします。
29... Nxf6?
自然に見えるこの手が、白にチャンスを与える決定的なミスとなりました。少し見つけづらいですが、29... Nf8! 30. Rde1 Nxf6= が正解で、ナイトをe6 から予め退いておくことで、白のf4-f5 に対して、g6-g5 とポーン交換を避けることができます。
30. f5! gxf5 31. Nxf5+/-
もちろん覚悟していたポジションですが、持ってみて予想よりもはるかに対応が難しいことに気がつきました。単純なh6 取りの狙いに満足な受けがありません。
31... h5 32. Rde1!
さらにうっかりしたことに、f5 のナイトがd4 のポーンを守ったことにより、ルークがフリーになったことを見落としていました。徐々に白と黒でピースの働きの差が大きくなってきます。
32... Kf7 33. Nd6+ Ke7 34. Re2 Rg8+ 35. Kh2 Rg6 36. Rfe1 Kd7
ナイトを取らせて2ピースルークにするこの手が、うまいディフェンスになるかと思いましたが、次の手を完全に見ていませんでした。
37. Nf7+- Nxd4 38. Ne5+ Kc8 39. Nxg6 Nf3+ 40. Kh1 Nxe1 41. Rxe1 Rg7 42. Ne5 1-0
Galyas に対して、どうしてここまで勝率が悪いのか、自分でもよく分かりません。また次回の対戦から出直しです。
昨日はハンガリーの建国記念の日で、夜にはドナウ川沿いに多くの花火が打ち上げられたそうです。試合前には見に行くつもりでしたが、敗戦のショックでパスしました... 花火は来年の夏、日本で楽しもうと思います。
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