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2019/12/01

31st IVL Tournament Report


昨日、11/30 にIVL が開催され、前回に続いてのフル参加でした。今回は名古屋オープンで声をかけた高橋くんと、数年ぶりとなるポール飯沼さんが参加し、計8人でのスイス式でした。(写真を取り損ねたのは不覚です...)

私は初戦、塩見さんに勝ったゲームは良かったものの、2R の野口さん、3R の青嶋くんとの試合でドローを蹴って勝ちにいき、両方時間落ちで敗れました。時間が落ちるのは優勢なポジションで決めきる力がないためですので、その点をしっかり見直してまた次の試合につなげたいと思います。今夜は4R の古谷くんとの試合をご紹介します。

Furuya, M - Kojima, S
31st IVL (4)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 e6 8. Ne5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 Nd7 11. f4 Be7!? 12. h5?!



2016年に登場した11... Be7 ラインはまだ広く知られていない変化だと思います。12. Bd2 Nxe5 13. fxe5 Bxh4 14. O-O-O Bxg3 15. Qxg3 Ne7 16. Qxg7 Rg8 と進むメインラインは、現在ではドローが有力ということで落ち着いています。本譜のように遅れてh4-h5 と押し込む手は、7... e6 ライン特有の白が1手得をしてNf3-Ne5 ができたメリットを消してしまいます。

12... Ngf6 13. Bd2 O-O 14. O-O-O c5 15. Ne2 cxd4 16. g4


前回のIVL でも、古谷くんは別の変化で面白いタイミングのg2-g4 を見せてくれ、とても勉強になりました。しかし、ここではe5 に孤立ポーンを作るデメリットが大きいでしょう。16. Nxd7 Qxd7 17. Qxd4 でも黒は満足なエンドゲームですが、本譜のような弱点を作ることなく指せるため、ベターだったかもしれません。

16... Nxe5 17. fxe5 Nd5



e5 のポーンを狙うのであれば、17... Nd7 もあったと思いますが、ここはもう少し積極的に動きます。g4-g5 もさほど危険はなく、黒はキングサイドを気にすることなくアタックのチャンスをセンターとクイーンサイドで求められるでしょう。

18. Qxd4 Rc8 19. Kb1 Qc7 20. Nc3 Rfd8 21. Qe4 Qc4!?


21... Nb6 からNb6-Nc4 を狙う作戦も魅力的ですが、e5 の孤立ポーンの弱さを考えれば、イコールのルークエンディングでも黒の勝つチャンスは十分です。リスクを取らず、安全なエンドゲームに持ち込んで確実にポイントを挙げるのは私のチェスの1つの特徴です。

22. Qxc4 Rxc4 23. Rdg1 Bb4



白の反撃の狙いがg4-g5 であることは分かっていましたが、それを許してもポーンストラクチャーを乱し、ピース交換を進めれば勝てると思いました。しかし、試合後に古谷くんから23... Bg5! を指摘されます。こちらであれば白のg4-g5 のチャンスを一切消したうえ、本譜同様にピース交換を進められそうです。

24. g5 Nxc3+ 25. Bxc3 Bxc3 26. bxc3 hxg5


ここまで捌けばgファイルを開けられてもさほど危険はないですが、26... Kf8! ならばh6 に残るポーンをルークではアタックしづらい形ですので、さらに白が苦しいダブルルークエンディングだったでしょう。

27. Rxg5 Kh7! 28. Rhg1 Rg8



通常であれば、こうしたパッシブディフェンスはルークエンディングにおいてもったいないですが、ここではcファイルのダブルポーン、eファイル、hファイルの孤立ポーンと白に弱点が多いため、しっかり守るべきポーンを守った後、十分に駒を取りにいくチャンスがあるでしょう。

29. R5g3 Rf4!?


少し悩みましたが、f7 を守りつつ、e5、h5 の孤立ポーンをルークの横利きで狙います。

30. Rd1 Rf5 31. Rd7 Rf8 32. Rxb7 Rxe5 33. Rf3 f6 34. Rg3 Rg5 35. Rxg5 fxg5



こうしてキングでサポート可能なパスポーンができれば後は簡単です。

36. Rb4 Kh6 37. Rb7 g4 38. Rxa7 g3 0-1


最終戦、ポールとの試合も悪い序盤をなんとか盛り返して逆転勝ちし、なんとか勝ち越しで終えることができました。優勝は私に勝った野口さんと青嶋くんで、互いに4勝1敗です。次回は2週間後の開催ですが、私は残念ながら参加できません。仕事後、夕方にでも顔を出せればと思います。

2018/05/27

28th IVL Tournament Report


昨日はIVLが開催され、13名のプレーヤーが集まりました。Tuさんは直前に参加できなくなってしまい残念でしたが、こうして久々の開催にも参加者が集まってくれることを嬉しく思います。大会の進行は、リスト1の私と青嶋くんが直接対決でドローとなり、ともに3.5/4で最終戦を迎えました。私は馬場さんに白を持ちます。

Kojima, S - Baba, M
28th IVL(5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6



馬場さんとのこれまでの対局ではGrunfeld になることが多かったので、King's Indian のチョイスには少し驚きました。この日、私は白3試合で全てKing's Indian でした。

6. O-O Nc6 7. Nc3 Bf5


Panno Variation の中でも少し珍しい変化を指されました。これまで7... Bg4, 7... a6, 7... Bd7, 7... e5 は経験がありますが、この手は初めてです。少し考えて、最近好んで指しているポーンストラクチャーにできることに気付き、その変化を選ぶことにします。

8. d5 Na5 9. Nd4 Bd7 10. b3 c5 11. dxc6 Nxc6 12. Bb2 Rc8



私は白のdポーンと黒のcポーンを交換し、Symmetrical English からセンターポーンを交換するポーンストラクチャーにしました。昨年のNihal Sarin戦以降、互いにキングサイドフィアンケットを組んだうえで、このポーンストラクチャーで戦うことを好んでいます。本譜では、馬場さんは白にナイトを残す選択肢を与えましたが、それが嫌であれば12... Nxd4 13. Qxd4 Bc6 という流れもありえたでしょう。

13. Nc2 a6 14. Ne3 Qa5 15. Qd2 Qh5 16. Ncd5


d5のマスをナイトでコントロールすることは、このポーンストラクチャーにおいてとても大切です。いくつかマイナーピースを交換しても、白はd5のコントロールを持ち続ることで指しやすさがあると考えています。

16... Ng4 17. Nxg4 Bxg4 18. Bxg7 Kxg7 19. Rfe1 Qe5 20. Rac1 Rfe8 21. Rc3!?



このルークはcファイルに重ねることも、eファイルに振ることも状況を見てありえます。

21... Be6 22. Re3 Qd4 23. Rd3 Qc5 24. Rc1


d5のナイトは居座られたままでは嫌ですが、黒としてはビショップと交換するのも大きな決断です。白はナイトを取られた際、ルーク、ポーン、ビショップのどれで取るのもありえるでしょう。この状況であれば、ルークで取るつもりでした。

24... Ne5 25. Rdc3 Bxd5?!



最初はc8のルークが落ちるため、変な手だと思っていましたが、少し考えて黒のアイディアを理解することができました。しかしそれを踏まえても、この交換は白にとって良いものです。黒はd5のナイトが厄介で、b3-b4 などの手を警戒し続けないとしても、もう少しピース交換は我慢しなければいけなかったでしょう。

26. cxd5 Qb4??


これは正真正銘のブランダーでした。正しいクイーンの避け場所はもう一つのマスですが、それでも26... Qa5 27. f4! Rxc3 28. Qxc3 Qxc3 29. Rxc3 Ng4 30. Bf3 f5 31. Rc7+/- と進み、ルークが7段目に侵入して白が優勢です。

27. a3 1-0



a5-e1 のピンはキープし続けることができませんし、27... Qg4 28. f4! Rxc3 29. Qxc3 でもe5のナイトがピンで落ちてしまいます。馬場さんとの試合では珍しく、あっさりとした決着でした。

青嶋くんも最終戦で勝って、ともに4.5/5 で同時優勝です。以前は会場を借りる時間にも余裕があり、タイブレークのブリッツもきちんとして順位を決めていましたが、現在は時間の都合上それができません。タイブレークのブリッツはそれ自体がやっても見てても楽しいイベントですので、また時間に余裕のある際はやってみたいですね。それではIVL メンバーの皆さん、また次回の開催でもよろしくお願い致します。

2018/01/28

27th IVL Tournament Report


昨日、都内で今年初となるIVL が開催されました。参加者は10名で、今回も平均が2200を超えるようなレベルの高いトーナメントになりました。私は嬉しいことに、昨年1回も達成できなかった午前午後フルでの参加となり、全5試合を指してきました。この日はどの試合も、上手くプランを立てることができましたので、その中から1試合ご紹介しようと思います。

Kojima, S - Shiomi, R
27th IVL (3)

1. Nf3 d5 2. d4 e6 3. c4 c5 4. e3 Nf6 5. Nc3 a6 6. cxd5 exd5 7. g3!?



Semi-Tarrasch に対して、g2-g3 を突くアイディアは、何年か前からチェックしていました。この数年でGM が白で勝つゲームをちらほら出てきたため、実戦投入してみます。

7... Nc6 8. Bg2 c4 9. Ne5 Be7 10. O-O O-O 11. b3!


c5-c4 の押し込みに対しては、このbポーンを使ったブレイクが有効です。この時点で私はすでに、c5 をアウトポストにし、ポジショナルプレーで勝負する構想を決めています。

11... cxb3 12. Nxc6 bxc6 13. axb3 Rb8



クイーンサイドのポーンストラクチャーが決まり、白はひとまず満足です。白のb3 のポーンは弱そうですが、黒はa6 とc6 の2つのポーンが弱く、c5 のマスも気を付けなければいけません。コンピュータはQd1-Qc2 を許さない13... Bf5 が正解だと示しますが、白は同じ構想でc5 のマスを狙い、優位に試合を進めることができそうです。

14. Ba3!


Bc1-Be3-Bc5 といったマヌーバリングで黒マスビショップを交換し、c5 のアウトポストを活用するゲームは時々ありますが、これに比べると白はテンポアップでビショップを交換しています。そのうえ、d4 にポーンを残しているストラクチャーであるため、c5 のコントロールも強くなっています。

14... Re8 15. Qc2 Qb6



試合後、このクイーンの位置はNc3-Na4 から当てられてしまうため、良くないのではないという話を塩見さんとしました。しかし、そうでなくとも白のNc3-Na4-Nc5 のアイディアを完全にストップすることは難しく、黒が何を指すかはかなり悩みます。

16. Bxe7 Rxe7 17. Rfb1


ここは一度b3 を守りましたが、私が見落としたのは、17. Rfc1! Qxb3 18. Qxb3 Rxb3 19. Nxd5!+/- という手です。b3 の弱い孤立ポーンと、d5 のセンターポーンの交換であれば、白は満足してエンドゲームに突入できるでしょう。

17... g6 18. Na4! Qc7 19. Rc1!+/-



上記の変化に後れを取りながらも、白はヘビーピースをcファイルに重ね、理想的な形を作れました。g7-g6Bc8-Bf5 を狙う自然な手に見えますが、f6 のナイトを浮かせてしまうという落とし穴があります。Na4-Nc5 が待ち構えているため、黒はビショップでc6 を守ることも難しく、すでに苦しい状況と言えるでしょう。

19... Qb7 20. Qxc6 Ne4 21. Qxb7 Bxb7 22. Bxe4!?


ここはビショップを残すアイディアもあったと思いますが、ナイトさえ消してしまえばc5 のアウトポストを白は完全にコントロールでき、黒からの反撃をほぼ抑え込むことができます。クイーンを交換したことで、弱くなったキング前の白マスを利用される心配もなく、白はほぼリスクのないエンドゲームを、余裕をもって指すことができます。

22... dxe4 23. Nc5 Rc7 24. Ra5 Bc8 25. Rca1 Rb5 26. Rxb5 axb5 27. Kf1 Bh3+ 28. Ke1 Bg2 29. Kd2 Rc6 30. Ra8+ Kg7 31. Rb8 Bf1 32. Nxe4 Ra6 33. Nc3 Ra3 34. Kc2 Kf6 35. Kb2 Ra5 36. Rb6+ Ke7 37. b4 Ra8 38. Nxb5



ゆっくりと白のポーンをかすめ取り、反撃を許さなければ白の勝ちは揺るぎません。最後まで油断せず、指し切れたと思います。

38... Bc4 39. Na3 Bd5 40. b5 Kd7 41. Ra6 Rb8 42. Kc3 Bb7 43. Rf6 Bd5 44. Kb4 Rc8 45. Ra6 Bb7 46. Ra7 Rb8 47. Nc4 Kc7 48. Na5 1-0



続く4,5R も青嶋くん、汐口くんに勝ってパーフェクトスコアでの優勝を決めました! 結果を振り返ってみるとフル出場こそ2年ぶりですが、去年の一部参加を含めれば、4月に南條くんに敗れて以来、IVL ではドローも無しの10連勝となっています。ラピッドはクラシカルの公式戦とは違うものですが、こうして結果を数字で残せるのはやはり嬉しいものです。次回のIVL 開催は未定ですが、連続優勝を目指してまた頑張りたいと思います。


いっぷくでの対局の様子, Photo by Fujita

そしてIVL 終了後は、清澄白河のいっぷくに移動し、七盤初心者のためのチェスレッスンを開催してきました。こちらの講座には、前回12月を超える15名もの受講者に集まっていただき、いっぷくの店内は大盛況でした! 2時間のレッスン後、1時間近くも残って対局をするお客さんがほとんどで、多くのかたにチェスを楽しんでいただけたこと、とても嬉しく思っています。普段チェスのプレーヤーとして競技に参加されているかたはあまりおらず、将棋や囲碁をメインでやっているというかたが多いのも、ここでのレッスンの特色であり、面白い点だと思っています。引き続き、いっぷくさんにはお世話になり、こちらのイベントも続けていく予定です。次回は2/16(金) 19時からの開催予定です。

2017/12/13

26th IVL Tournament Report


先週末の日曜日に久々の、そして今年最後のIVL が開催されました。私は前半の3試合を指し、後半は篠田くんに交代することにして参加してきました。10名でのスイス式ですが、参加者のレベルが高いため、前半から当たりはかなり厳しいものになります。私は初戦で東野さんに勝った後、馬場さんとの対戦になりました。今年はJapan League、名古屋オープンと、大事な試合で敗れています。

Baba, M (FM, JPN, 2306)- Kojima, S (IM, JPN, 2402)
26th IVL (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 e6 8. h5



少し考えて、7... Nd7 ではなく7... e6 のラインにしてみることにしました。馬場さんは7... Nd7 と同じようにh4-h5 と進めますが、私は8. Ne5 と指すほうが良いと思っています。(黒がd7 にナイトを出すのを遅らせたため、この手が可能になります。) 7... Nd7 のラインに手順前後することも十分あり得ますが、私は途中で外します。

8... Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 Nf6 11. Bd2 Be7 12. O-O-O c5!?


b8 のナイトの位置を決めていないため、早いのこのブレイクが面白いと思っています。

13. Be3 Qa5 14. Kb1 Nc6 15. Ne5?!



アグレッシブではありますが、黒マスビショップを諦めてしまうのは、キングサイドを攻めようとしても、エンドゲームを戦ううえでも白にとって得策とは言えないでしょう。

15... Nxd4 16. Bxd4 cxd4 17. f4 Rd8 18. Ne2 O-O 19. g4 Nd5


私はナイトをアクティブに使おうとしましたが、e5 のナイトを交換するのが安全、という判断もあったようです。19... Nd7 20. Nxd7 Rxd7 21. Nxd4 Rfd8 22. c3 Bf6 23. Qe3 Bxd4 24. cxd4 Qa4-/+ とすれば、ポーンを返しても黒が有利なエンドゲームであることは間違いありません。

20. Qg3 Nc3+!?



時間を使い、このアイディアを見つけました。黒はポーンを返しても、エンドゲームに持ち込むアイディアが安全です。

21. bxc3?


白はキングを危険にさらして攻め合うのは少し無茶でしょう。ここは21. Nxc3 dxc3 22. Qxc3 Qxc3 23. bxc3 Bd6 として、ポーンストラクチャーの乱れたエンドゲームを戦うべきだったと思います。

21... Qb5+ 22. Ka1 Qxe2 23. Qd3 Qxd3 24. Rxd3 dxc3 25. Rxc3 Bf6



e2 に侵入してきたクイーンを無視できないため、白は気が進まなくともクイーンを交換するしかありません。こうなれば黒ははっきり駒得のエンドゲームで、上記の変化よりも勝ちやすいでしょう。

26. Rc4 Rc8! 27. Rxc8 Rxc8 28. Kb1 Bxe5 29. fxe5 Rc4


ビショップナイトを交換しても、g4、e5 を弱点にし、ルークエンディングでの勝ちを目指します。これはさらに駒得を拡大し、勝てるだろうと読みましたが、ここから少し不正確なプレーで局面を難しくしてしまいます。

30. Rd1 Rxg4 31. Rd8+ Kh7 32. Rd7 Rb4+



32... b5! 33. Rxa7 Rg5 34. Rxf7 Rxh5 35. Kb2 Rxe5-+ ならば、本譜と違いaポーンではなくbポーンが黒に残るため、白にはまだパスポーンができておらず、黒の勝勢だったでしょう。

33. Kc1 Rb5 34. Rxf7 a5 35. Kd2 Rxe5 36. Rxb7 Rxh5 37. c4 Rh2+?


ここでaポーンを取りにいったのが大きな判断ミスでした。白は残ったcポーンと、aポーンを犠牲にする間に上がったキングで勝負ができます。代わりに37... Kg6! 38. Kc3 Kf6 39. Kd4 Rh2 40. c5 Rxa2 41. c6 Rc2 42. c7 g5-+ ならば、黒のパスポーンも早く、本譜よりも難しくなかったと思います。

38. Kd3 Rxa2 39. c5 Ra1 40. Rb2! Rf1 41. c6 Rf8 42. Kd4 g5 43. Ke5 Kg6



私は白のパスポーンを正面からルークで攻撃する必要はないと感じました。43... Rc8!? 44. Kd6 g4 45. c7 h5 46. Kd7 Rxc7+ 47. Kxc7 h4 48. Kd6 g3 49. Kxe6 h3 50. Rb7+ Kh6 51. Kf6 g2 52. Rb8 Kh5 53. Kf5 Kh6 54. Kf6= こうしてメイトスレットを絡めながらドローにするアイディアは、ぜひとも覚えておきたいと思います。

44. Kxe6 h5 45. Ke7 Rg8?!


ここは45... Rf7+! 46. Kd6 g4 47. Rb7 Rf6+ 48. Kd7 g3 49. c7 Rf8! 50. Rb8 Rf7+ 51. Kd8 Rxc7 52. Kxc7 h4-+ と指していれば、白はルークでも黒の2コネクテッドパスポーンを止めることができず、黒勝ちでした。本譜ではチェックでテンポを稼いでいない分、1手遅くなっています。

46. c7 g4 47. Rb8 Rg7+ 48. Kd6 Rxc7 49. Kxc7 Kg5?



残り時間の少ない中、正しい手を選べませんでした。こういったルークvs. コネクテッドパスポーンの勝負では、ポーンを先に進めるかキングを先に進めるか悩むものですが、ここではポーンを単に進めるだけで白は困っていました。49... h4! 50. Kd6 h3 51. Ke5 h2 52. Rh8 g3-+ 確かにこれでプロモーションは防げません。

50. Kd6 Kf4 51. Rf8+ Kg3 52. Ke5 h4 53. Ke4?


最後は馬場さんから決定的なミスで勝負ありです。試合後に私が指摘したのは、53. Kf5! からg4 のポーンを狙うアイディアで、これならばドローになります。53. Kf5 Kh3 (53... h3 54. Rg8 h2 55. Rxg4+ Kh3 56. Rg8=) 54. Rd8 g3 55. Rd3 a4 56. Kg5 Kh2 57. Kxh4 g2 58. Rh3+ Kg1 59. Ra3 Kf2 60. Ra2+ Kf3 61. Ra1=

53... h3 54. Ke3 h2 55. Rf1 Kg2 0-1



最後は相手のミスに助けられはしましたが、非公式戦とはいえ久々に馬場さんに黒で勝てたのは嬉しかったです。それにしても、ルークvs. パスポーンの計算は難しいですね。私はこの後の3R では青嶋くんに勝ち、3連勝で篠田くんにバトンタッチとなりました。私と代わった篠田くんは汐口くんに敗れたものの、最終戦で塩見さんに勝って小島、篠田組が4/5 でフィニッシュ。一方で馬場さんは私に敗れた後、Antonさん、東芝さん、汐口くんに3連勝で4/5 となり、ダブル優勝となっています。

3R での交代後、私は妻と生徒宅のクリスクマス会へ。その会終了後はIVL の集まりに戻り、忘年会でした。(写真を撮り忘れたのは失敗でした...) 今年もまだ残っていますが、忘年会をやると1年の締めという気がして、今年を振り返ってしまいますね。来年も国内外の公式戦、そしてIVL でも良い試合と結果を出せるようにしたいと思います! IVL メンバーの皆さん、2017年もありがとうございました!


忘年会解散後は三々五々、麻雀組、帰宅組などに分かれます。私は馬場夫妻たちと新宿のタピオカミルクティーの有名店、春水堂へ。私はお酒を飲まないので、飲み会の後は2次会というよりも、一杯お茶やコーヒーが欲しくなります。

2017/06/25

25th IVL Tournament Report


6/24 に25回目となるIV League が開催されました。今回はリストが上位から、南條くん、羽生さん、青嶋くん、馬場さん、Antonさん、私と豪華なメンバーが揃い、白熱した戦いが繰り広げられました。前回のIVLで初優勝を飾ったAntonさんは、今回も好調でスタートから星を重ねます。彼からはベストゲームだという3R の棋譜を貰っているため、今夜はそれをご紹介しようと思います。

Kockum, A F (FM, SWE, 2365) - Sano, T (JPN, 2148)
25th IVL (3)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 c5 4. d5 exd5 5. cxd5 d6 6. Nc3 g6 7. h3 Bg7 8. e4 a6 9. a4 O-O 10. Bd3 Nbd7



Antonさんはここ2回のIVL で、篠田くん、東野さん、佐野さんと3連続で、Benoni をこのModern Variation で受けています。この先の本譜の流れが嫌であれば、黒には10... Nh5!? と早めに跳び、f4 のマスを受けておくアイディアもあったでしょう。11. g4!? Nhf6 と戻っても、白はキングサイドキャスリングがしづらく、h7-h5 から崩すチャンスもあるので、黒は大丈夫だと思います。

11. Bf4 Qe7 12. O-O Nh5 13. Bh2 Ne5 14. Be2 Nxf3+ 15. Bxf3 Nf6 16. e5!?


Benoni ではときどき見られるポーンサクリファイスです。白はポーンを捨てる代わりにdファイルのパスポーンと、ナイトが跳ぶのに絶好の、d5,e4 といったマスを得ます。

16... dxe5 17. d6 Qe6 18. Re1 Ne8 19. Ne4



このナイトはd6 を守りつつ、c5 のポーン取りかえしとg5 跳びを見せる、黒にとって嫌な存在です。

19... Rb8 20. Qd2 b6 21. Rad1 Bd7 22. Ng5!


白はテンポ良くdファイルにヘビーピースを重ね、d6 のポーンを守ってからナイトをアタックに使いにいきます。このナイトはクイーンをe6 のマスを追い出しつつ、f7 を狙う働きをしています。

22... Qb3 23. Bxe5! Qxa4 24. Bxg7 Kxg7 25. Qc3+ Kg8 26. Re7!



依然として黒は1ポーンアップですが、7段目にルークが侵入され、f7 がいよいよ危なくなってきます。白はd1 のルークのお守りさえなえれば、次にBf3-Bd5 とビショップを進めて勝負を決められそうです。ここからのAntonさんのアタックの作り方に、ぜひ注目してみてください。

26... Rd8 27. Qe5! Bc6 28. Nxf7!


ここでナイトをサクリファイスし、白は決定的な攻撃を作り出します。f3 のビショップが消えるとd1 のルーの守りもなくなるため、黒のカウンターは多少ありそうにも見えますが...

28... Rxf7 29. Rxf7 Kxf7



もう1つの先にビショップを取る変化に対しては、29... Bxf3 30. Rd3!! このルーク避けで白の勝ちです! ルークをビショップとクイーンから避けつつ、3段目で振ることで、黒のキングを一気に追い詰めます。

30. Qe7+ Kg8 31. Qxd8 Bxf3 32. d7!!


f3 のビショップを取らせただけでなく、d1 のルークも無視します! 黒はカウンターを続けることも、クイーンを残したままプロモーションを止めることもできません。

32... Qxd1+ 33. Kh2 Qd6+ 34. g3 Bc6 35. dxe8=Q+ 1-0



こうして綺麗なフィニッシュで佐野さんを下したAntonさんが単独3連勝。次のラウンドで馬場さんにこそ敗れましたが、最後は南條くんに勝って、連続でのIVL 優勝を決めました。


一方で馬場さんも、南條くん、青嶋くんにドローのみで他の3試合を勝ち。Antonさんと並んで4P となり、同時優勝となっています。Antonさん、馬場さん、おめでとうございます! 今回は会場の都合でタイブレークまではできず、2人同時優勝という扱いですが、タイブレークのブリッツも毎回盛り上がりますので、時間が許せば次回はタイブレークをやりたいですね。

1st-2nd Place Kockum, A F (FM, SWE, 2365) 4/5
Baba, M (CM, JPN, 2378)
3rd-5th Place Nanjo, R (IM, JPN, 2444) 3/5
Kojima & Sano (JPN, 2317)
Higashino, T (JPN, 2128)


私個人としては、午前の2R のみ参加でどちらも勝ち。青嶋くんに勝てたゲームは内容は良かったと思っていましたが、やや形勢判断の甘いところや、詰めが緩かったのを反省します。最近は5R フルでの参加がなかなかできないので、次回は自分も1日時間が取れるスケジュールでIVL を企画したいと思います。IVL 参加者の皆さん、今回もお疲れ様でした。また次回もよろしくお願い致します。


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