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2012/11/05

Practical Pawn Ending

昨日は試合がなかったため、先月のCAISSA のゲームを振り返り、面白かったポジションを振り返ろうと思います。ハンガリーに来て一番良かったことは、自身でたくさんゲームをこなして経験を積めることですが、周りでハイレベルなゲームが常に行われており、それを見て勉強できるのも、私にとって大きなプラスです。


FM Arjun, B (2293) - IM Kislik, E (2413)
Caissa IM October 2012
Position After 59. Rc8

Kislik が序盤で早々にエクスチェンジアップし、黒勝ちになるだろうと思って見ていましたが、なぜか気がつくとこのような形に。Arjun のパスポーンはプロモーション直前で、黒がパスポーンを止めるためにルークを切れば、順当に白勝ちになると私は考えました。本譜は59... h5 からその通りの展開になったのですが、私は試合中、ポーンエンディングにするとどうなるのかを読んでいました。結論から言えばこちらもダメなのですが、考えてみる価値はもちろんあります。

59... Rxd7+ 60. Kxd7 Rxe6 61. Kxe6 Kxc8 62. g5!



白が勝つためのオンリームーブです。gポーン1つで、黒のキングサイドの2ポーンを抑え込みます。ポーンエンディングでは、ポーンの数はもちろんですが、それ以上にポーンとキングの位置が重要だということを示す、お手本のようなポジションになりました。ポーンを突かずにキングが寄る手はダメで、逆に黒勝ちになってしまいます。62. Kf6?? h5 63. gxh5 gxh5 64. Kg5 Kd7 65. Kxh5 Ke6 66. Kg4 Ke5-+

62... a5 63. Kf6 Kd7 64. b4 axb4 65. axb4 Kd6 66. Kg7 Ke6



ポーンレースにしても、黒は間に合いません。66... Kd5 67. Kxh7 Kc4 68. Kxg6 Kxb4 69. Kf5 Kc3 70. g6 b4 71. g7 b3 72. g8=Q b2 73. Qa2 Kc2 74. Ke4-+

67. Kxh7 Kf7 68. Kh6 Kf8 69. Kxg6 Kg8 70. Kh6 Kh8 71. g6-+



最後はクイーンサイドにキングを寄せるまでもなく白勝ちです。Arjun がここまでをきちんと読んで59. Rc8! を指したのであれば、彼のエンドゲームの技術は大したものだと思います。そして黒のポーンがh7 ではなくh6 にいれば、59...Rxd7+! が成立したことを考えると、なかなか面白いポジションなのではないでしょうか。(ポーンがh7とh6 にある場合で何が違うか、エンドゲームトレーニングのテーマなどにすると良さそうです。)

2012/05/30

Middlegame and Endgame Studies In The Practical Games

ハンガリーに来て1カ月近くたち、2つのIM トーナメントが終わりました。色々と勉強になることは多いですが、チェスは結局のところ、序盤の準備の問題ではなく、地力の強いほうが勝つ、という当たり前のことを、改めて認識しています。もちろん、対戦相手と色が事前にわかる総当たり形式でのトーナメントでは、普段のスイス式のトーナメントよりも、相手の研究はやりやすいと言えます。しかし、いくら優勢のポジションを築いても、中盤の構想力や、終盤の知識がなければポイントを失ってしまいます。そこで今日は、CAISSA のゲームの中から、興味深かった中盤、終盤をご紹介しようと思います。

Galyas, M (IM, HUN, 2403) - Wang, D (CHN, 2130)

黒はd4 のアウトポストを中心にうまく駒を組んでいるように見えますが、白もしっかりとd5 のアウトポストでナイトを安定させています。加えて、黒はd6,f5 に弱点となるポーンがあるのに対し、白には特に弱点はありません。ここからのGalyas の手の作り方には、是非注目していただきたいと思います。

19. Kh1!?


キングを白マスに避けることで、次の手の準備となります。

19... a6 20. Bxd4!?


ダブルビショップを消してしまいますが、その代わりにeファイルを活用できるようになります。

20... Bxd4 21. Qf3 Qh4 22. Nc7!



クイーンが入ってきた一瞬の隙を突いて、ナイトの位置を切り替えます。アウトポストはナイトにとってもちろん良い位置ですが、ずっとそこがベストとは限りません。

22... Rac8 23. Ne6 Rf7 24. Ng5 Rf6 25. g3 Qh6 26. Re6!?


白はとうとう、eファイルから切り込むチャンスを得ました。f7 でのナイトフォークがあるので、黒はこのルークを取ることができません。

26... Qf8 27. Qh5 h6 28. Rde1 Rxe6 29. Rxe6 Bg7 30. Nf7+ Kg8 31. Nxh6+ Bxh6 32. Rxh6 1-0



黒の細かいミスもありますが、それよりも白のダイナミックなピースプレーが印象的でした。誰も思いつかないような絶妙手を連発したわけではないですが、指すべき良い手をきちんと指し続けられることが、Galyas の強さなのではないかと思います。

Vamos, V (HUN, 2232) - Lyell, M (FM, ENG, 2184)

次はこちら。黒は1ポーンアップしており、キングもカットオフしているので、うまく指せば勝てそうに見えますが・・・

66. Rb3 f4?!


試合後にMark はこのポジションを私に見せ、66... Re1-+ で簡単に黒勝ちだったと説明しました。本譜の手順でも勝てますが、確かに白ルークを1段目に下げさせないほうが、黒としては楽にパスポーンを進めることができます。

67. gxf4 Kxf4 68. Rb4+ Kg5 69. Rb1 f5 70. Rg1+ Kf6 71. Rf1



白は1段目でポーンをアタックし、黒がパスポーンを進めるのを妨害します。この形はどんなプレーヤーも勉強が必須なルークエンディングですが、皆さんは正解手順が分かりますか?私は高校生の頃、渡辺暁さんのHP で、これを勉強しました。

71... Rd8+! 72. Kc4 Rd2?!


Mark 程のベテランFM が、このエンドゲームを知らないのは意外でした。試合後、私はMark に以下のラインを指摘しました。
72... Kg5! 73. Rg1+ Kh4 74. Rf1 Kg4 75. Rg1+ Kh3 76. Rf1 Rf8!


白キングが2ファイル離れているので、ルークをパスポーンの後ろに回す余裕があります! 77. Kd3 Kg2 78. Rf4 Kg3 -+

73. Kc3 Re2?


ルークを下げ、上記と同じアイディアでキングが上がれば、黒はまだ勝つことができます。

74. Kd3 Re4 75. Kd2 f4 76. Re1!



ルーク同士をぶつけ(当然ポーンエンディングドローだと判断したうえで)、キングでパスポーンを止めにいくのが、白としては正しいディフェンスです。

76... Rd4+


76... Rxe1 77. Kxe1 Ke5 78. Kf2 Ke4 79. Ke2= ならば、ドローのポーンエンディングです。

77. Ke2 Kf5 78. Rb1 Kg4 79.Rg1+ Kf5 80. Rb1 Re4+ 81. Kf1 Re3 82. Kf2 Rh3 83. Rb8 Rh2+ 84. Kf3 1/2-1/2


今回は幸いにも私にとって苦手の、エンドゲームでのヘマは出ませんでしたが、次のトーナメントでも大丈夫かは、もちろん分かりません。0.5ポイントが運命を分ける可能性のあるIM トーナメントでは、こういったゲームを勝ち切れるか、そしてドローに持ち込めるかが重要ですので、しっかり復習をしたうえで、また次のトーナメントに臨もうと思います。もちろん、Kantor 戦、Farkas 戦で現れた、中盤での構想力の弱さも、大きな課題として取り組むつもりです。

2011/12/15

Looking for the right rook road

今日は昼のトレーニングで、非常に勉強になるルークエンディングが出てきたため、それをご紹介します。解析にはコンピュータを使いましたが、よく分かっていない部分もたくさんあります。明後日の忘年会でのネタの一つになるでしょう。

Position after 49...Ke4

黒はポーンダウンですが、キングの位置が良く、dファイルのパスポーンをサポートできる点が反撃の糸口になりそうです。

50. Re6+!?


すぐにポーンを取りに行く手に対しては、黒は以下の様に指します。
50. Rxh6 d4 51. Kf2 d3 52. Rd6 Rb1 53. h4 g4 54. h5 Ke5 55. Rxd3 Rxb6


これはドローに持ち込めるのではないかと私は考えているのですが、簡単には判断できません。要検討ポジションです。

50... Kd3 51. Kf2 d4!? 52. Kf3


白は実戦的にチャンスの多い変化を選択しました。以下の二つの変化であれば、黒としては問題なくドローに持ち込めます。
52. g4 Kc2 53. Rd6 Kc3=, 52. Rxh6 Kd2=

52... h5 53. g4 h4 54. g3 hxg3 55. Kxg3 Kd2?!



黒はやや難しいラインを選んでしまいました。
55... Rb3 56. Kf2 Kc3 57. Rc6+ Kd3 58. Rd6 Kc4 59. Rg6 Rb2+ ならば特に難しくなく、ドローでしょう。

56. Kf3?!


悪い手ではないですが、黒の応対が簡単になります。黒がより正確に指さなければいけないのは、
56. h4! gxh4+ 57. Kxh4 Rd5 58. b7 Rd8 59. g5 Rb8 60. Rb6 d3 61. g6 Kc2 62. Rc6+ Kb2 63. Rd6 Kc2 64. g7 d2 65. Kg5 d1=Q 66. Rxd1 Kxd1 67. Kf6 Ke2 68. Ke6 Kd3 69. Kd6 Rg8 70. Ke6 Rb8 71. Kd6 Rg8=


という変化でした。最後の形はルークエンディングでは有名なモチーフです。

56... d3 57. Ke4 Rb4+ 58. Kf5 Rb5+ 59. Re5 Rxb6 60. Kxg5 Rd6=



ここまでくればドローにできることは間違いありません。ルークを切らせた後、2コネクテッドパスポーンを追いかけます。

61. h4 Kc2 62. h5 d2 63. Re2 Kd3 64. Rxd2+ Kxd2 65. h6 Ke3 66. h7 Rd8 67. Kf6 Rh8 1/2-1/2



ルークエンディングは、エンドゲームの中でも特に難解です。私もこの試合は何度も並べ直して復習しようと思います。

2011/10/11

A Studying Day

今日は起きるとなぜか三阪さんが私の家におり、一緒にチェスをすることになりました。Japan Open での私の試合→三阪さんの試合→ルークエンディングのスタディという順で見ていくと、五時間程が経過していました。誰かと一緒にチェスをしていると、時間が過ぎるのもあっという間です。

R3 Sano,T - Kojima,S

18. Bc1?!


この手は特に働かないうえ、黒の狙いに気付いていないことが分かります。18. Rfe1 ぐらいで良いでしょう。

18... Bh2+ 19. Kh1 Bf4 20. Bc2 Bxc1 21. Rxc1 Qf4


このように黒マスビショップを交換してクイーンを潜り込ませれば、黒は安全にイニシアチブを得ることができます。

22. Rce1?


決定的なミスです。22. Rcd1-Kg1 としていれば、白に大きな問題はないでしょう。

22... Nd2! 23. Rg1


このポジションはBehind the Scene でも取り上げられていました。

23...Rxd4!! 24. cxd4 Nf3!


綺麗なタクティクスが決まりました。白は決定的なマテリアルを失います。

25. g3 Nxe1+ 0-1


今大会ではエクスチェンジサクリファイスを三回を行い、二回成功、一回失敗しました。失敗した塩見さんとの試合は後日の解説にまわし、もう一つの成功例はチェス通信の原稿に使います。

ルークエンディングのスタディについては、私自身の手で調べてから記事にしようと思います。

2011/07/19

What's the Kasparian Position(2)

前回の続きで、Kasparian Position の実戦例をご紹介します。

GM Glek,I (2566,GER)-Leitao,R(2545,BRA)
Wijk aan Zee(11)


after 64.Rb4

ブラジルの若きGMは、ここでベテラン相手に勝ちを逃してしまいます。

64...Rc1+?

64...h3! 65.Rg4+ Rg6 66. Rh4 (66. Ra4 g2-+) 66... h2+ 67. Kg2 Rh6 68. Rg4+ Kf6 69. Rf4+ (69. Kh1 Rg6-+) 69... Kg5 70. Rf1 Kg4
71. Ra1 h1=Q+ 72. Rxh1 Rxh1 73. Kxh1 Kf3-+ (I.Glek)

65. Kg2 Rc2+ 66. Kg1 Rh2 67. Rb6=
これで黒に勝ちのないKasparian Position になりました!あとは黒キングの位置を確認しながら、6段目でディフェンスします。

67...Kf7

67...Kh7 68.Ra6 Rb2 69.Ra4=

68. Rh6 Ke7 69. Rg6 Kf8 70. Rf6+! Ke8 71. Re6+! Kd7 72.Rh6! h3

73.Ke7 Rg6 74.Kf7 Rh6 75.Kg7 Ra6= ならば、前回やった通りのドローポジションです。

73. Rg6 1/2-1/2

今週末の24日(日)には、吉祥寺チェスクラブでエンドゲームをテーマとしたレクチャーを行います。Kasparian Position のような難しい内容ではなく、ちょっとしたアイディアをいくつかご紹介しようと思うので、是非、吉祥寺まで足をお運びください。

2011/07/16

What's the Kasparian Position? (1)

アメリカから帰国後、Dvoretsky's Endgame Manual でルークエンディングの勉強をしています。昔は冒頭のポーンエンディングからちんぷんかんぷんで、読み進めるのが大変でしたが、最近は多少理解ができるようになってきました。アイディアが分かってるくると、エンドゲームの勉強は楽しいものだということを実感しています。

さて、昨夜のことですが、the Kasparian Position というものを勉強しました。これは今まで勉強したことがなく、全く知らなかった内容なので、今日はこれをご紹介しようと思います。以下のポジションで白番だとすると、白はどのように指せばよいでしょうか。
White to Move

Dvoretsky's Endgame Manual ではこれをソ連のマスターの名を取って、the Kasparian position と呼んでいます。(他の本では調べても出てこなかったため、あまり一般的な名称ではないのかもしれません。)白は2コネクテッドパスポーンがあるため、簡単に勝てそうに見えます。しかし、実際には黒にはタフなディフェンスがあり、白はポーンを進めることが容易ではありません。。例えばいきなりポーンを突こうとすると失敗します。

1.Kb2 Rh3 2.h6? Rg3! 3.Rg7+ Kh8
と進むと、黒は次にルークを捨てればステールメイトなので、ルークでチェックをかけ続ければドローです。4.Kc2 Rc3+!=

しかし、よく考えてみると黒も指せる手がかなり限られていることが分かります。白は5段目にルークを持ってくることができれば、キングをg,hファイルに寄せていって勝ちとなるため、
(黒番だとして)1...Kf8 2.Rf7+! Kg8 3.Rf5+-
(黒番だとして)1...Rd3? 2.Rc7 Rd5(3.Rb5を防ぐ)3.h6+-(次に4.Rc8#がスレット)で両方とも白勝ちです。 このことは黒がRg3-Rh3と指し続けるしかないことを意味します。

では、白はキングをg,hファイルに寄せていけば、黒はRg3-Rh3をキープし続けられないので、簡単に白勝ちになるんじゃないの?と思われるかもしれません。それがそう簡単ではないのです。

もし、黒のルークがh3にいるときに白がKg2と指すと、驚くべきことに黒はRa3!とルークをg,hファイルから外すことができます。これはRa5-Rg5+(!)がチェックとなるため、白がhポーンを進められないことを利用したアイディアです。つまり白は何も考えずキングを寄せていっても、Kf2 に対してRh3 と指されるとツークツワンクとなり、勝つ方法がないのです。
White is in zugzwang!

しかし、これを逆に考えれば、黒のルークがh3にいるときに白がKf2と指せば、黒がツークツワンクになるということです。つまり答えは...

1.Ka2!!
1テンポロスして寄れば良いのです。

1.Kb2? Rh3 2.Kc2 Rg3 3.Kd2 Rh3 4.Ke2 Rg3 5.Kf2 Rh3 6.Kg2 Ra3! 7.Rb7 Ra5 8.Rh7 (8.h6? Rg5+=) 8...Ra3 9.Kh2 Rb3 10.Ra7 Rb5=

1.Rb7? Rg5 2.Rh7 Rg2!=


ちなみに1段目を使って1テンポロスしようとしても、うまくいきません。

1.Kb1? Rb3+! 2.Kc1 Rc3+ 3.Kd2 Rh3! 4.Ke2 Rg3 5.Kf2 Rh3=

1...Rh3 2.Kb2 Rg3 3.Kc2 Rh3 4.Kd2 Rg3 5.Ke2 Rh3 6.Kf2+-
Black is in zugzwang!

これで黒は次にRg3を指すことができず、ツークツワンクです。2つ前の図とポジションと同じですが、こちらは黒番であることがポイントです!

6...Ra3 7.Rd7 Rh3 8.Rd5 Kg7 9.Kg2 Rh4 10.Kg3+-

あとはRd7+から黒のキングを後退させ、白のキングをh6に向かわせるか、h6にポーンを進めれば白勝ちです。一部解説を割愛しているところがあるので、Endgame Manual が手元にある方はご自身でも確認してみてください。次回は同じくEndgame Manual から、Kasparian Position の実戦例をご紹介します。

2011/05/21

Gelfand's Rook Ending

Candidates Matches Final 初戦のGrischuk-Gelfandで、興味深いルークエンディングが現れました。私は白のGrischukが勝つかと思いましたが、結果はドローでした。Chessbaseの解説を読む限り、Gelfandは正確に指して、1ポーンダウンながら危なげなくドローだったようです。私はこれをすぐには理解できなかったため、今日ここで取り上げようと思います。

Grischuk,A(2747)-Gelfand,B(2733)
Candidates Matches Final(1)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Be7 5. Bf4 O-O 6. Rc1 c5 7. dxc5 Bxc5 8. e3 Nc6 9. a3 d4 10. exd4 Nxd4 11. b4 Nxf3+ 12. Qxf3 Bd4 13. Nb5 e5 14. Bg5 Re8 15. Bxf6 e4 16. Bxd8 exf3+ 17. Kd2 Rxd8 18. Nxd4 Rxd4+ 19. Kc3 fxg2 20. Bxg2 Rg4 21. Rhd1 Be6 22. Bxb7 Rxc4+ 23. Kb2 Rxc1 24. Rxc1 Rd8 25. Kc3 Kf8 26. b5 Ke7 27. a4 Rd6 28. a5 Kd8 29. b6 Bc8!
30. Bxc8 Kxc8 31. Kb4+ Kb8 32. bxa7+ Ka8 33. Rc8+ Kxa7 34. Rc7+ Ka6 35. Rxf7 Rg6 36. h3 Rg2 37. f4 Rg3 38. f5 h5 39. h4 Rg4+ 40. Kc5

私はこの辺りで、真剣にこのルークエンディングがどのような結末を迎えるのかを考え始めました。同時にコンピュータにもこの局面をかけ、形勢を確認します。すると42手目がポイントで、白が勝つとコンピュータは評価しました。しかし、それは幻だったようです・・・

40...Rxh4 41. Rxg7 Rf4 42. Rg6+

私はこの手がミスで、Grischukが勝ちを逃したのだと思いました。ところがそれは間違いで、白はa5を取らせないようにしても、勝つことはできません。私が考えていたのは、42.Rg6の代わりに42.Rg5です。

42. Rg5 h4 43. Rh5 h3 44. Kd6 h2 45. Ke6 Rf2 46. f6 Re2+ 47. Kf7 Rf2 48. Kg7 Rg2+ 49. Kh7 Rf2
このような形にすれば、本譜とほとんど同じで黒はドローに持ち込めます。

42...Kxa5 43. Rg5 h4 44. Rh5 h3 45. Kd6 h2 46. f6+ Kb6 47. Ke6 Rf2 48. f7 Re2+ 49. Kf6 1/2-1/2
最後は、黒が後ろからルークでのチェックをかけ続け、キングが離れれば...Rf2でポーンを狙ってドローになります。h2にポーンがあるために、ルークをぶつけるルセナポジションのアイディアが使えないことがポイントです。

Grischuk-Gelfandのマッチは、Game2もドローのルークエンディングとなり、Game3は短手数ドローでした。Game4からの後半戦に注目しましょう。

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