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2025/08/20

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.6

松本チェスクラブには昨年から、例会に2回、大会に2回足を運んでいます。今年の4月以降、クラブの運営体制が変わっても、活動自体は問題なく継続されているようでなによりです。今夜はそんな松本チェスクラブの第1回大会から、中学生のRyuくんと指したゲームをご紹介します。

Ryu, C - Kojima, S
1st Matsumoto Open(5)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. Nf3 Nd7 7. Bd3 Ngf6 8. O-O e6 9. Re1 Bd6!?

この試合はCaro-Kann Classicalの、h2-h4がない変化でした。この局面では9... Be7が手堅いですが、こちらも指すことができます。

10. c3


10. Nf5 Bxf5 11. Bxf5 O-O 12. Bd3と進んだ場合、黒は白マスビショップを手放すことになりますが、代わりに白のピースの展開を遅らせてバランスが取れています。

0... Qc7 11. Qc2 Bxd3 12. Qxd3 O-O 13. Bd2 Rad8 14. Re2 c5 15. Ne4 Nxe4 16. Qxe4 cxd4 17. cxd4

d4が孤立すれば黒はひとまず作戦成功です。17. Qxd4 Ne5! 18. Nxe5 Bxe5 19. Qxe5 Qxe5 20. Rxe5 Rxd2=/+ ならば、白はポーンを乱さない代わりに7段目にルークを侵入されてしまいます。

17... Nf6 18. Qd3 Bf4?!


IQPの原則に従ってマイナーピースを交換しようと思いましたが、白の黒マスビショップはあまり働きが良くないため、少し白を助けてしまったようです。e2のルークの横利きが開くのももう少し気にするべきでした。代わりに18... Rc8くらいで先にcファイルを抑え、d8にはもう1つのルークを置けば黒が優勢です。

19. Rc1 Qb8 20. Qb3 Bxd2 21. Rxd2 Rd6 22. Rdc2 Nd5 23. a3 h6 24. g3 Rb6 25. Qd3 Qd6 26. Ne5 Qe7 27. Nc4 Rc6 28. Ne3!

f3からナイトを組み替え、e3まで運んでd5のマスを奪い返すのが白の好判断です。cファイルをがっちり握られていると、孤立ポーンを持たせていても黒が良いとは言えなくなってきました。

29... Rxc2 29. Rxc2 Nb6 30. Qe4 Qd7 31. Qe5 Rc8


本当はルークを残してd4にプレッシャーをかけたいところでしたが、Rc2-Rc7を防がなくてはいけないためにルーク交換を仕掛けざるをえません。ナイトとクイーン、あるいはクイーンだけのエンドゲームになれば完全に互角です。

32. Rxc8+ Qxc8 33. Qc5 Qd8 34. Nc4 Nxc4 35. Qxc4 a6 36. b4 Qd7 37. Kf1 Qb5 38. Qxb5?

ここしかチャンスは無いと思い、クイーン交換を仕掛けたところ、相手はそれに乗って自分からクイーンを取ってきました。しかし、白のa,bポーンが動けない状態で、黒のbポーンのみ動く手が残っているポーンエンディングは、黒にテンポ調整のチャンスがあります。正しくは38. Qe2! として黒からのクイーン取りを待つべきでした。

38... axb5 39. Ke2 Kf8 40. Kd3 Ke7 41. Ke4 Kd6 42. g4 g6 43. f3 f5+ 44. Ke3 g5?


このポーンエンディングで正確な判断ができなかったのは大きな反省です。ポーン交換のタイミングは遅らせても支障ないと思いましたが、相手がfポーンでしか取り返せず、e4のマスのコントロールを失う今がベストでした。44... fxg4! 45. fxg4 Kd5 46. h4 g5 47. hxg5 hxg5 48. Kd3 e5 49. dxe5 Kxe5 50. Ke3 b6!-+ ここで突けるポーンが1つ残っていることで白に手番を渡し、ツークツワンクにできれば黒の勝ちでした。

45. h3!=

これでg4でのポーン交換の際にhポーンで取り返せれば、白は黒キングのe4への侵入を阻止できます。

45... Kd5 46. Kd3 b6 47. Kc3 fxg4 48. hxg4 Kd6 49. Kd2 Kc6 50. Kc2 Kd5 51. Kd3 e5 52. dxe5 Kxe5 53. Ke3 Kd5 54. Kd3 Ke5 55. Ke3 Kd5 1/2-1/2



大会の最終戦で、優勝を逃がす痛いドローでした。この1年、国内大会で難しいポーンエンディングもいくつか目にしていますので、自分が失敗したものも教訓にしてレベルアップしていきたいですね。

2025/08/16

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.5


久々に去年~今年の未公開棋譜を振り返るシリーズです。この2年間は東海オープンに続き、5月の中部ラピッド選手権で名古屋に遠征をしています。2024年中部ラピッド最終戦の東芝さんとの試合は、優勝を決めるために落とせない一戦でした。

Higashishiba, T - Kojima, S
Chubu Rapid Open 2024 (5)

1. e4 c6 2. Nf3 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Nf6 5. Qe2 Na6!?

当時勉強していたChessableのコースでこれが勧められていましたが、かなり珍しい変化です。Na6-Nb4からc2を狙う含みを見せておき、白の出方を伺います。

6. d4 Nxe4 7. Qxe4 Qd5 8. Qxd5 cxd5 9. Bb5+ Bd7 10. Bxd7+ Kxd7 11. c3 f6!


e5のマスを早めに受けておき、Nf3-Ne5を止めておきます。クイーン交換まで済ませているため、将来的なe6の弱さもさほど気にならないでしょう。

12. h4 e6 13. Bf4 Be7

ドローを目指すのであれば、13... Bd6からビショップ交換を狙う手もありえます。しかし、e7でもa3-f8ダイアゴナルで強力に利くビショップですので、残しておいても悪いはずはありません。この判断が後に黒にチャンスを呼びこむことになります。

14. Ke2 Rac8 15. Rac1 Rc6 16. Rhd1 Rhc8 17. h5 Nc7 18. Bxc7?!


Nc7-Ne8-Nd6のマヌーバリングを恐れたとのことでしたが、それならばd6での交換でも遅くありません。いずれにせよ、黒がビショップを持つ展開になれば、b7-b5-b4のマイノリティアタックもやりやすく、黒は互角以上の形勢で満足です。

18... R8xc7 19. Ne1 Bd6 20. g3 b5 21. a3 a5 22. Nd3 e5 23. dxe5 fxe5 24. f4 exf4 25. gxf4 Rc4

d3に切り替えた白のナイトは、f4,e5,c5,b4の重要な4マスを抑えていますが、それゆえにd3から動きづらい点が気になります。コンピュータ評価はまだ互角ですが、どちらに転ぶかと言われると黒に転びそうな展開に見えます。

26. Kf3 Kc6 27. Rg1 Rf7 28. Rg4 Re7!?


g7は多少気になりますが、eファイルからの侵入を見せて白キングに揺さぶりをかけます。

29. Nf2?


d3のナイトは好位置であるため、これを動かすのは危険です。29. Rd1 Rce4 30. Rd2 として2段目を守れば白は問題ありません。

29... b4?!

ナイトが離れたのでb4を仕掛けるチャンスだと思いましたが、より着目すべきはc5のマスでした。29... Bc5! ならば白はe3のマスを受けることができず、ナイトも危険な状態です。

30. axb4 axb4 31. Nd3 Kb6 32. cxb4 Rce4 33. Nc5 Rxb4 34. Nd3 Rbe4 35. Rc3 Re3+ 36. Kf2 Re2+ 37. Kf1 Rh2 38. Rb3+ Kc7 39. Rg5 d4 40. Ra5?


キングへプレッシャーを積極的にかける狙いですが、g7への当たりを外してしまうと、e7のルークが自由になってしまい、黒のほうが早くダブルルークを活用して白キングへの攻撃を仕掛けられるようになってしまいます。代わりに40. Rbb5! がb2を受けつつ、様子を見る1手として良かったでしょう。

40... Re3

d3のナイトに揺さぶりをかけるつもりでしたが、40... Ree2 と素直に7段目のダブルルークにして、メイトに近い状態を作っておくほうがシンプルです。

41. Ra7+?


a5にルークを振った以上指したくなる手ですが、黒キングは危険なくするすると逃げてしまいます。41. Ra4! Re4 42. Rc4+ Kd7 43. Rb6 Rd2 44. Rcc6= ならば、白も6段目のダブルルークを作って問題ない局面でした。

41... Kc6 42. Ra6+ Kd5 43. Kg1 Rd2 44. Rb5+ Kc4-+

ダブルルークのチェックを振り切った黒キングは、逆に白の2ピースにフォークをかけ、決定的な駒得で黒勝勢となります。

45. Rxd6 Kxb5 46. Nf2 Re1+ 47. Kg2 Ree2 0-1


Caro-Kann Two Knightsは、黒から様々な変化があるので選ぶ楽しみがあります。また違う形も別の機会にご紹介したいと思います。

2025/06/16

Chubu Rapid Open 2025

昨日は名古屋で開催された中部快速オープンに参加してきました。すでに10回以上参加している1日制の大会で、毎年この大会のために名古屋遠征できることを楽しみにしています。昨年は1つドローがありましたが、今年はなんとか全勝での優勝を果たすことができました。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2278) 5/5
2nd Place Noda Ryo (JPN, 1796) 4/5
3rd Place Higashishiba Teruomi (JPN, 1907) 4/5

Chubu Rapid Open 2025 Final Standings


今大会一番の山場は、3連勝同士で迎えた4Rの東芝さんとの試合でした。序盤で優位になったにもかかわらず、適切なプランが分からずに苦戦します。今夜はこちらのゲームをご紹介させていただきます。

Higashishiba, T (JPN, 1907) - Kojima, S (IM, JPN, 2278)
Chubu Rapid Open 2025 (4)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nd2 e6 5. Nb3 c5 6. dxc5 Bxc5 7. Nxc5 Qa5+ 8. c3 Qxc5 9. Nf3 Qc7!?

Caro-Kann は様々な研究に目を通していますが、こちらはJobavaの勧める手です。クイーンを早めに退いてe5を狙い、白のセットアップを早めに決めさせます。

10. Bf4 Nc6 11. Be2 Nge7 12. Nd4 Nxd4 13. cxd4 Nc6 14. O-O?!


本譜のb2を捨てるプランは難しいですが、白が手堅く指したければ避けるべきでしょう。14. Qd2! と先にクイーンを上げておき、d1にルークが移動する準備をすれば本譜の流れにはなりませんでした。

14... Qb6 15. Be3 Qxb2 16. Bd3 Bxd3 17. Qxd3 Qb6 18. Rab1 Qc7 19. Qb5 Rb8

思わずポーンアップした黒ですが、ここはb7を返すことも考えました。19... O-O!? 20. Qxb7 Qxb7 21. Rxb7 Na5! こうしてc4のマスにナイトを置けば、働きの良いナイトと働きの悪いビショップの構図を作ることができます。しかし、せっかくのポーンを返してでもこうすべきか判断ができませんでした。

20. f4! O-O 21. f5 Ne7?!


ここはf5を早めにカバーし、反撃するべきだと思ったのですが、c7のクイーンhが狙われることをなぜか失念していました。21... Na5!? からc4を目指すプランはやはり有力です。

22. Rbc1?!


22. f6! Nf5 23. Rfc1 Qd8 24. Bf2 はポーンの代償がある難しい局面です。私はRf1-Rc1,Qc7-Qd8抜きでこの局面を考えており、ポーンの代償を軽視していました。

22... Qb6! 23. Qxb6 axb6 24. fxe6 fxe6 25. Rc7 Rxf1+ 26. Kxf1 Nc6

黒はポーンストラクチャーを乱しましたが、ポーンアップをキープしたままエンドゲームに入りました。b7の守りにルークは縛られているように見えますが、タイミングを見てaファイルからの反撃を仕掛けることができます。またここでは、26... Nf5! 27. Bf2 h5! としてf5のマスを確保し、ナイトを強く使うアイディアも有力です。

27. h4?! h6?!


お互いにキングサイドを見ていましたが、より重要なのはクイーンサイドです。aファイルからの反撃は当然考えていたものの、なぜかa2を落とす前にbポーンを極力伸ばすアイディアを考えていませんでした。27... b5! が強力な1手です。

28. g4 Na5?!


c4へのナイトの侵入は様々なタイミングで考えていましたが、e6、b7を落とす前にできる限りの準備をしておくべきです。ここが最後のb6-b5のチャンスでした。

29. Re7 Nc4 30. Bc1 Ra8 31. g5?!

指されてみて、g5-g6が嫌なアイディアだと思ったのですが、ここはaポーンを受けておくほうが良かったようです。しかし、31. a3! Nxa3 32. Bxa3 Rxa3 33. Ke2 Rg3 34. g5! hxg5 35. hxg5 Rxg5 36. Rxe6= がドローに持ち込めるエンドゲームだと読むのは、なかなか大変でしょう。

31... Kf8! 32. Rxb7 hxg5 33. Bxg5 Rxa2 34. Rb8+?!


ここはe6を取りにいく判断をしますが、逆に黒キングを積極的に使わせてしまうため良くなかったようです。ルークは7段目で黒キングの動きを制限したまま、34. Kg1!? のようにじっと待つ手をコンピュータは推奨しますが、積極的に反撃を作りにいきたい気持ちも理解できます。

34... Kf7 35. Rb7+ Kg6 36. Re7 Nd2+?

g7を捨てた際のhポーンの脅威がいかほどか判断できず、残り数秒で弱気な手を指してしまいました。36... Kf5! 37. Rxg7 Ke4! 38. h5 Rh2 39. h6 b5 40. h7 b4 41. Rb7 b3 42. Bf6 b2-+ 白がh8を抑える速度に、十分bポーンが対抗できるのは意外でした。d2でのフォークがあり、b1でのプロモーションは有効です。

37. Ke2 Ne4+ 38. Kd3 Ra3+ 39. Ke2 Nxg5 40. hxg5 Kxg5 41. Rxe6 Kf5 42. Rd6??


ここは42. Rxb6= でドローでしたが、おそらく黒キングの動きを見誤ったのでしょう。黒はd5を守りつつ、d4を取りにいく余裕があります。

42... Ke4! 43. e6 Kxd4 44. Rxb6 Re3+?

私もここはひどいミスでした。44. e7?? Re3+ がeポーンを止めるアイディアだったのですが、それが頭にあったために本譜でもパスポーンをe3から止めに行ってしまいました。パスポーンに対応するのは当然ですが、g7を生かさなければフィリドールポジションになってしまいます。44... Ra7! ならばeポーンを止めつつ、自身のgポーンを守ることができて黒の勝勢です。

45. Kd2 Re5 46. Rb4+ Kc5 47. Rg4 g5 48. e7 Kd6 49. e8=Q Rxe8 50. Rxg5 Kc5


互いのポーンを取り合い、黒のdポーンだけが残るルークエンディングになりました。白キングはすでにポーンをブロックする位置にいるため、理論的にはドローですが、実戦ではこうした局面でも間違えて決着がつくことも少なくはないため、当然黒は最後まで指します。

51. Rg7 Rh8 52. Kd3 Rh3+ 53. Kd2 Kc4 54. Rg4+ d4 55. Rg8 Rh2+ 56. Kd1 Kc3 57. Rc8+??

フィリドールポジションの必修局面が現れました。このオフェンス側キングが6段目、ポーンが5段目の状況ではディフェンス側がドローに持ち込める手は1つしかありません。57. Rd8! Kd3 58. Kc1 Rh1+ 59. Kb2 Ke3 60. Kc2!= ここでキングを寄り、d4-d3のポーンの前進を止めるのが必須です。それを実現するためには、白は早い段階でルークをポーンの後ろに回すしかないのです。

57... Kd3 58. Ke1 Rh1+ 59. Kf2 Kd2


白キングを追い出し、黒キングが逆に潜り込めばルセナポジションになります。

60. Ra8 d3 61. Ra2+ Kc3 62. Ra3+ Kc2 63. Ra2+ Kb3 64. Rd2 Kc3 0-1

なんとかこの試合を勝ち、4連勝となりました。最終戦は同じ4連勝の野田くんとの優勝争いを制し、9回目の中部快速オープン優勝を決めています。0.5Pでも落とせばレイティングマイナスだったため、プレッシャーはありましたが、なんとか結果を残すことができて安心です。来年も10回目の優勝を目指して頑張ります! 参加者、運営の皆さん、今年もありがとうございました。
大会後は久々にひつまぶしをいただきました。週末は鰻屋を含めどこも混む名古屋ですが、事前に予約しておけば楽に入れるようです。

2025/05/07

Japan Chess Championship 2025 Day5

今年の全日本チェス選手権入賞者たち

昨日、今年の全日本チェス選手権も最終日を迎え、9試合を戦い抜いたプレーヤーたちの最終順位が決まりました。私はトップボードでTuさんとトップボードでドローになり、6.5/9でのフィニッシュになりました。Tuさんの単独優勝は4日目終了の段階で決まっていましたが、6.5Pグループはなんと7人が並び、タイブレークで私は5位に決まりました。6R終了時点で18位だったため、前半の停滞を考えれば十分な戦績です。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Tran Thanh Tu (IM, JPN, 2420) 8/9
2nd Place Chen Muxi (CHN, 2188) 6.5/9
3rd Place Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2349) 6.5/9
4th Place Otsuka Shou (FM, JPN, 2339) 6.5/9
5th Place Kojima Shinya (IM, JPM, 2315) 6.5/9
6th Place Yamamoto Soichiro (JPN, 1963) 6.5/9
7th Place Okuno Rion (JPN, 2125) 6.5/9
8th Place Matsuyama Koya (JPN, 2001) 6.5/9
9th Place Yamada Kohei (FM, JPN, 2182) 6/9
10th Place Kobayashi Atsuhiko (CM, JPN, 2106) 6/9

Japan Chess Championship 2025 Final Standings


最終戦でTuさんと対戦することはこれまでの大会でほぼありませんでしたので、多少の緊張はありました。しかし、2023年神戸のジャパンチェスクラシックスで勝って以来、色に関係なくドローが続いています。ゲーム内容を見れば強さは感じますが、かつて持っていた苦手意識はだいぶ払拭されてきていると言えます。

Tran, T T (IM, JPN, 2420) - Kojima, S (IM, JPN, 2315)
Japan Chess Championship 2025 (9)

1. e4 c6 2. Nf3 d5 3. d3 Bg4!?

以前の対戦でもこの変化でしたが、すっかり忘れて準備不足でした。3... dxe4 4. dxe4 Qxd1+ 5. Kxd1 Nf6の変化を指しても良いのですが、この変化を試すということは白がこのクイーン交換をしていたがっているとも取れます。そこでしっかり準備したわけではないですが、Two Knights メインラインのアイディアを使える、3... Bg4をやってみることにしました。

4. h3 Bxf3 5. Qxf3 e6 6. g3 Nd7 7. Bg2 g6!?


f3のナイトを消している分、白はe5,d4の利きが弱くなっています。7... Bc5も自然なピースの展開ですが、私は先述のセンター2マスを抑えることを優先しました。

8. O-O Bg7 9. exd5!? cxd5 10. c4

d5でのポーン交換はかなり意外で、9. Qe2のように退いてから、f2-f4を目指すのが普通だと感じました。本譜はd5にプレッシャーを素早くかけ、g2のビショップの存在を主張する作戦ですが、黒は黒マスのコントロールでこれを上手く捌くことができます。

10... Ne7 11. Nc3 O-O! 12. Rd1


12. cxd5 Ne5! 13. Qe4 Nxd5 14. Nxd5 exd5 15. Qxd5 Qxd5 16. Bxd5 Nxd3ならば黒はポーンを取り返し、異色ビショップで安全にドローを目指せる局面です。

12... Ne5 13. Qe2 N5c6

ナイトを組み替え、Nc6-Nd4の跳びこみを準備しておきます。これこそf3でナイトを消し、フィアンケットで黒マスビショップをe5、d4に利かせてきた狙いです。白は白マスで勝負、黒は黒マスで勝負しているような様子です。

14. Bg5 Qd7 15. Rac1 Rac8 16. Qd2 Rfe8 17. cxd5 Nxd5 18. Ne4!?


d3を孤立にしてでもナイト交換を避けて勝負してくるのは、Tuさんならありえる(私ならばやらない)と思いました。とは言え、d5のアウトポストナイトは消される心配なく、f6の重要なマスを守っているので、e4のナイトが何か黒キングに大きなプレッシャーをかけてはいません。18. Nxd5 exd5 19. Rc5 Nd4!が私の読みで、こちらのほうがポーンストラクチャーは対称で安全ですが、d5を捨ててe2、c2のマスを狙う反撃でバランスが取れていると考えていました。

18... b6 19. h4 h5 20. Kh1 1/2-1/2

最後は20... Nd4から勝負にもいけますが、Tuさんからドローオファーがあり、ここで試合を終わらせることにしました。とにかくファイティングが多い私とTuさんの試合にしては、珍しい短手数ゲームでした。

今年も無事に全日本チェス選手権が終わり、まずは一安心です。私自身、優勝はかなり遠ざかっていますが、全日本は2012年から13回連続5位以内入賞(2021年はコロナ禍により中止)と、安定した戦績を残していることは、ある程度満足しています。今年は10位以内も怪しいかと、3日目終了時点では思っていました... 毎年、しっかりした運営をしてくださっている日本チェス連盟のスタッフたち、そして後援してくださっているアルゼンチン大使館に深く感謝いたします。また次の大会でお会いしましょう。
今年はアルゼンチンワインではなく、ラテンアメリカの伝統菓子、ドゥルセ・デ・レチェをいただきました。キャラメルのようなものだとイメージしていますが、どんな味かこれから食べてみることを楽しみにしています。

2025/05/02

Japan Chess Championship 2025 Day1

今年もGWに突入し、全日本チェス選手権が始まりました。私にとっては21回目となる全日本チェス選手権で、中止になった2021年を除き連続参加記録を更新しています。去年は全日本チェス選手権で初めて初戦黒星を喫したため、今年は気を引き締めて最初のゲームに臨みます。初戦の相手であるSharmaくんとは、下北沢の同時対局や横浜のブリッツ大会で対戦していますが、クラシカルの公式戦は今回が初めてです。

Sharma, S (JPN, 1842) - Kojima, S (IM, JPN, 2315)
Japan Chess Championship 2025 (1)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. c4 e6 5. Nc3 Bb4 6. cxd5 cxd5 7. h4 h6 8. g4 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 Nc6

Caro-Kann Advanceの中で最近見かけるようになった、c2-c4からポーン交換の変化です。本譜は自然にピースを展開しましたが、黒マスビショップとナイトを交換してポーンストラクチャーで勝負するアイディアもありました。10... Bxc3+!? 11. bxc3 Nc6

11. h5 Nge7 12. Nge2 Qd7 13. Bd2 O-O-O 14. O-O-O Kb8 15. Kb1 Nc8


c8にルークを置く前にナイトをマヌーバリングするアイディアは、1月のハノイの試合でも使いました。c4に跳びこんで白キング前を狙うナイトは、Ruy LopezやItalianのNg3-Nf5に近いイメージです。

16. f4 Nb6 17. f5 Nc4 18. Rh3

18. Bc1としてb2を守る手を考えていました。白の黒マスビショップは働きの悪いピースに思えるかもしれませんが、c1-h6のダイアゴナルを抑え続けることで、f5-f6からg7を崩し、h6を将来的に攻める狙いを持ちます。手数をかけてもこのビショップを消し、黒マスの支配力を強められたことで黒は良い流れがきたと感じました。

18... Nxd2+! 19. Rxd2 Rc8 20. Rd1 Na5 21. Qb5 Qxb5 22. Nxb5 Nc4


クイーンを交換しても、黒マスの支配力でd2やe3のマスを狙えば黒は面白い局面だと考えました。

23. Nf4 Rc6 24. a3

試合後、Sharmaくんには先にfファイルを開いておくアイディアを指摘しましたが、24. fxe6 fxe6 25. a3 Rf8!が良い反撃の手になることを見落としていました。

24... Bd2 25. Ne2?


この弱気なナイト退きは助かりました。25. Nxe6! Rb6! (25... fxe6 26. b3 Nxa3+ 27. Nxa3 Bg5 28. Rf1+/-) 26. Nd6 Rxd6! 27. exd6 fxe6 28. fxe6 Bg5 29. d7 Kc7 ならば形勢不明のエンドゲームです。

25... Bg5! 26. Rdd3?

Rc6-Rb6のアイディアを見落とし、一気に決着がつきました。26. Nbc3 f6!で黒は良い流れですが、まだ勝負は分かりません。

26... Rb6! 27. a4 a6 28. b3 axb5 0-1


思いがけずピースを取ることができ、勝利を収めました。続く2Rは同じく初対戦となるベトナムのNguyen Tuan Anhさんに、有利な序盤から勝てるエンドゲームに入ったと思ったのが勘違いで、なんとかドローに持ち込む展開になってしまいました。まだまだ全日本チェス選手権は始まったばかりですので、気を取り直して2日目もしっかりプレーしていこうと思います。

Japan Chess Championship 2025 R3 Pairings


2025/01/08

Hanoi GM1 chess tournament 2025 Day6

ハノイのGMトーナメントもいよいよ最終日を迎えました。最後はベトナムの天才少年Dauくんに黒、スリランカ代表のLiyanageに白のダブルランドです。午前中に指したDauくんとの試合をご紹介します。

Dau, K D (IM, VIE, 2410) - Kojima, S (IM, JPN, 2316)
Hanoi GM1 chess tournament 2025 (8)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. g4!?

Caro-Kann Advanceのいくつかの変化をこの1年で使っているDauくんですが、かなり珍しい4. g4できました。もしかしたらと思い、試合前に少し見ていて良かったです。

4... Bd7 5. Nc3 c5 6. dxc5 e6 7. Be3 Qc7 8. Qd2 Bxc5 9. Bxc5 Qxc5 10. f4 Ne7 11. Nf3 h5!?


この反撃を入れずにa7-a6、Nb8-Nc6にするか悩みましたが、hファイルが開く展開は黒にとってありがたいと考え、仕掛けることにします。

12. Rg1 hxg4 13. Rxg4 g6 14. Bd3 Nbc6 15. O-O-O O-O-O

白マスビショップの働きに不満はあるものの、黒は目指していた手堅いセットアップになりました。キングサイド、クイーンサイドでバランス良く手を作れるポイントを探します。

16. Kb1 Kb8 17. a3 a6 18. h4 Nc8!?


Rd8-Rc8がオーソドックスですが、c8のマスは先にナイトを使い、Nc8-Nb6-Nc4の構想を見せておきます。

19. Rg2 Nb6 20. Qf2 Qxf2 21. Rxf2 Nc8!

クイーンを交換すればキングへのダイレクトアタックのチャンスはぐっと減り、主戦場はキングサイドになります。b6に行ったナイトは再度キングサイドに戻り、忙しく働きます。

22. Rh2 N8e7 23. Ne2 Rdf8!


f7を守るだけでなく、f7-f6からfファイルを開くアイディアを見せておきます。これで白はf4ポーンの守りを少し意識しなければいけません。

24. Rg1 Rh6 25. Kc1 Kc7 26. Kd2 Na7!?

これはキングを上げた際の構想で、使いづらい白マスビショップをb5でぶつけて交換する狙いです。こうしたポーンストラクチャーでは、d4に白のナイトが居座り、黒がパッシブな白マスビショップで対抗できない構図を避けるべきです。

27. Ned4 Bb5 28. Bxb5 Nxb5 29. Nxb5+ axb5 30. Nd4 Kb6


25手目でキング上がったのは、この際にb5のポーンを守れるようにするためです。ナイトが1枚ずつで、d4のマスも完全に確保しているわけではないので、これは白がチャンスを作るのは難しいと思っていました。

31. Rh3 Nc6 32. Nf3 Ne7 33. Rgh1 Rh5 34. Ng5 Nf5 35. Rb3 Nd4 36. Rd3 Nf5 37. Rb3 Nd4 38. Rd3 Nf5 39. Rb3 Nd4 1/2-1/2

最後は互いに進展を作ることができず、形勢互角でドローです。午後の試合も割と上手く指すことができ、最終日は2つのドローで大会を締めくくりました。お疲れ様でした!

1/3 15:00 R1 Gomez, J P (GM, PHI, 2405) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 1/2-1/2
1/4 09:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Tran, T M (GM, VIE, 2437) 0-1
1/4 16:00 R3 Setyaki, A J (IM, INA, 2417) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 1/2-1/2
1/5 09:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Lee, J (IM, KOR, 2438) 1/2-1/2
1/6 09:00 R5 Dang, H S (FM, VIE, 2338) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 0-1
1/6 16:00 R6 Nguyen, A D (GM, VIE, 2429) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 0-1
1/7 09:00 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Jani, K R (IND, 2319) 1-0
1/8 09:00 R8 Dau, K D (IM, VIE, 2410) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 1/2-/1/2
1/8 16:00 R9 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Liyanage, R D (IM, SRI, 2397) 1/2-1/2

Hanoi GM1 chess tournament 2025 Pairings and Results

+3 Dang, Tran
+1 Gomez, Nguyen,
+-0 Setyaki, Lee
-1 Liyanage, Dau
-2 Kojima
-4 Jani

2つ負け越しの戦績は喜べるものではないですが、よく一昨日の連敗から立て直したとも思っています。また力をつけてGMトーナメントにはチャレンジしたいですね。明後日の朝には帰国しますので、東海オープン参加者の皆さんは名古屋でよろしくお願いいたします。
今大会は会場から徒歩3分のホテルに移り、快適に参加することができました。近くの30000ベトナムドン(180円)バインミーにも大いに助けられています。

2025/01/04

Hanoi GM1 chess tournament 2025 Day2

ハノイのGMトーナメント2日目です。今回の試合会場はCultural Exchange Centerの3階で、1階では今日からアート系のイベントが開催されています。盛況でなによりなのですが、音が3階まで届いてきて気になるので、明日は耳栓をして試合をしようかなと思います。

さて2日目はダブルラウンドです。午前のTran Tuan Minとの試合は満足な序盤だったはずですが、要所で構想が上手く見つけられず、ずるずると悪くなってナイトのエンドゲームで敗れました。午後はインドネシアのIM Setyakiと3回目の対戦です。一昨年のブダペストでは負け、中国ではドローでした。

Setyaki, A J (IM, INA, 2417) - Kojima, S (IM, JPN, 2316)
Hanoi GM1 chess tournament 2025 (3)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 c5 6. c3 Nc6 7. O-O Bg6 8. Be3 cxd4 9. Nxd4 Nxe5 10. Qa4+ Nd7 11. c4 Ngf6 12. Nc3 a6!?N

Setyakiがこの変化を指してくることを予想し、新しい手を準備していました。12... e5 13. Nxd5! Nxd5 14. cxd5 exd4 15. Bxd4は白がピースを捨てても代償があり、これを避けるアイディアを見つけ出しました。

13. cxd5 exd5 14. Bf3 Bd6 15. Nxd5 Nxd5 16. Bxd5 O-O


1ポーンを返してキャスリングをし、安全な局面を目指します。

17. Qd1

本譜はNd7-Nb6を避けて早めにクイーンが逃げましたが、試合後にナイトがe6に入るべきだったかと聞かれて驚きました。その手こそが私が準備していたメインラインです。17. Ne6 fxe6 18. Bxe6+ Rf7 19. Rfd1 Ne5 20. Bc5 Nd3 21. Rxd3 Bxh2+ 22. Kxh2 Qxd3 23. Re1 Kh8 24. Bxf7 Bxf7= この局面は黒大丈夫であると研究しました。

17... Nc5 18. Bf3 Qf6 19. b4! Nd3?!


c5からナイトがe4,d3のどちらを目指すか悩みましたが、やや緩い手を選んでしまいました。19... Ne4! 20. Qb3 Be5 21. Rad1 Rac8 22. b5 Rc3 23. Qd5 Rxe3 24. fxe3 Nc3 25. Qxb7 Nxd1 26. Rxd1 Qg5 27. Kf2 Qh4+ 28. Kf1 axb5=/+ ならば黒やや良しという評価で、確かに白はキング周りを気にしなければいけない分、指しづらそうです。

20. Bxb7! Rad8 21. Qf3!

この手でクイーンが素早くdファイルから逃げ出し、ルークの脅威を避けられることを見落としました。

21... Qxf3


21... Qe7 22. Bxa6 Nxb4 23. Be2 Qe5 24. g3 Bc5 25. Nb5 Nd3と進む変化はポーンの代償がるようですが、かなり難しいです。一方、21... Be5 22. Qxf6 Bxf6 23. Nc6!があり、d4,a1のピースを狙うアイディアは上手くいきません。

22. Bxf3 Nxb4 23. a3 Nc2 24. Nxc2 1/2-1/2

ポーンも対称の位置で残っていて優劣がないため、形勢は完全に互角です。相手のドローオファーを受けました。ナイトの跳びこみで不正確な手を指したことが悔やまれます。

1/3 15:00 R1 Gomez, J P (GM, PHI, 2405) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 1/2-1/2
1/4 09:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Tran Tuan Minh (GM, VIE, 2437) 0-1
1/4 16:00 R3 Setyaki, A J (IM, INA, 2417) - Kojima, S (IM, JPN, 2316) 1/2-1/2
1/5 09:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Lee, J (IM, KOR, 2438)
1/6 09:00 R5 Dang Hoang Son (FM, VIE, 2338) - Kojima, S (IM, JPN, 2316)
1/6 16:00 R6 Nguyen Anh Dung (GM, VIE, 2429) - Kojima, S (IM, JPN, 2316)
1/7 09:00 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Jani Kushal R (IND, 2319)
1/8 09:00 R8 Khuong Duy Head (IM, VIE, 2410) - Kojima, S (IM, JPN, 2316)
1/8 16:00 R9 Kojima, S (IM, JPN, 2316) - Liyanage, R D (IM, SRI, 2397)

Hanoi GM1 chess tournament 2025 Pairings and Results

新年のハノイは年末同様、観光客であふれています。夜になると道路を埋めるように席が作られ、左右の店から呼び込みを受けます。

2024/12/31

Hong Kong International 2024 Day5

試合後のイベントで一般参加者と指す左のプレーヤーが、現在トップのGM Bai Jinshiです。

大晦日に香港は大会5日目を迎えました。2024年の最終戦はインドネシアのGM Priasmoroです。2018年のバツミオリンピアードでで盟友、Seanに紹介されてから、いつか対戦してみたいと思っていたプレーヤーです。現在、上の世代が引退気味のインドネシアにおいて、トップに立つプレーヤーの1人であることは間違いありません。

Priasmoro, N (GM, INA,2445 ) - Kojima, S (IM, JPN, 2326)
Hong Kong International 2024 (7)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 c5 6. O-O Nc6 7. Be3 cxd4 8. Nxd4 Nxd4

Priasmoroは少し珍しい変化を選んできました。8... Nge7ならば、昨日指した変化と合流しますが、私はすぐナイト交換のほうが指しやすいと考えました。

9. Qxd4 Ne7 10. Bb5+ Nc6 11. Qa4 Qc7


ここはクイーンをc8に置く手もあると調べていましたが、意味がよく分かりませんでした。11... Qc8! 12. c4 a6 13. Bxc6+ Qxc6 14. Qxc6+ bxc6= こうしてみると、あえてc8だったのはルークとクイーンの連携を残すことで、a7-a6を突くチャンスを残しておくことだと分かります。

12. c4 dxc4 13. Nd2 Be7 14. Nxc4 O-O 15. Bxc6 bxc6 16. Rfd1 Be4 17. Qa5!?

白はここでクイーン交換をしかけ、ポーンストラクチャーの良さを主張します。ここはクイーン交換に応じても良かったですが、少しリスキーですが面白い変化に跳びこみます。

17... Qb8 18. Rd7 Bb4 19. Qc7 Qb5 20. Rc1 Bd5 21. b3 Bc5


21... a5 22. Nb6 Rae8= でも良かったとコンピュータは指摘しますが、行き場のないルークがe8へ行くのは少し指しづらいでしょう。黒から黒マスビショップを交換するのはd6を弱めて少し危ないようにも見えますが、d5のビショップは強力なので勝負できると考えました。

22. Bxc5 Qxc5 23. Qd6 Qd4!

このポジションは評価が難しいですが、センターに移動できた黒クイーンは強力で、a2,f2,e5等を狙えるチャンスがあって面白い局面だと思いました。実際、白はルークを7段目に送り込んでいますが、f7の突破はなかなか実現しません。

24. h3 h6 25. Ne3 Qb2 26. Rc2 Qa1+ 27. Kh2 a5 28. Rd2 Qc3 29. Rc2 Qd4?


黒クイーンの位置はどこがベストか、この数手で色々と考えていました。白クイーンの動きを制限するためにe5には当てておくとして、隅のa1とセンターのd4であれば、f4でのチェックやa5-a4のサポートにもなる後者が自然に思えます。しかしこれが大失敗で、次の1手を失念していました。代わりに29... Qa1 30. Rd2 Qc3=のドローを受け入れるしかありません。

30. Rc4!

d4の位置にクイーンが行くと、d5のビショップがピンになるのは分かっていましたが、c6取りばかりを計算していました。これで2つ目のルークが攻めに参加すると状況は一変します。

30... Qb2 31. Rf4 Qxa2?


ルークのf4への振りは予想外でしたが、頭を切り替えて冷静にディフェンスを考えるべきでした。31... Rae8!からQd6-Qe7を防いでおけばまだ勝負は分かりません。

32. Qe7! Rae8 33. Qh4 Qb2 34. Ng4 Kh8 35. Nxh6 1-0

30手目手前まで、ドローでは弱気だと思えるほどかなり良い感じで指せていただけに、少しがっくりくる負け方でした。

12/27 15:30 Player's Meeting, 16:00 R1 Wong, C (HKG, 1925) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 0-1
12/28 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Sethuraman, S.P (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
12/28 16:00 R3 Bernadskiy, V (GM, UKR, 2546) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 1-0
12/29 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Nissinen, N (CM, HKG, 2190) 1-0
12/30 10:00 R5 Lam, C (CM, HKG, 2065) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 0-1
12/30 16:00 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Jiang, L (CHN, 1861) 1/2-1/2
12/31 10:00 R7 Priasmoro, N (GM, INA,2445 ) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 1-0
01/01 10:00 R8 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Shen, F (CHN, 1980)
01/02 10:00 R9

Hong Kong International 2024 R8 Pairings
Hong Kong International 2024 Live Games

2025年の指し始めは中国のジュニア、Shenとの対戦です。R6のJiang同様、レイティングの割りにパフォーマンスが良い嫌な相手ですが、年明け最初のゲームとして良い指し方がしたいですね。

2024年最終日ということで、皆さん、今年もブログの閲覧や応援をありがとうございました! 2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
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