ラベル Baku Olympiad の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Baku Olympiad の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016/09/17

Baku Chess Olympiad Closing Ceremony and Departure


オープンチームは、1位アメリカ、2位ウクライナ、3位ロシアでした。

バクーでのオリンピアードを終え、帰国して2日が経ちました。今夜の記事を最後として、オリンピアードについては終わりにしようと思います。

メキシコ戦を勝利で飾った私たちは、その日のうちに行われたクロージングセレモニーへと出席します。このブログでは日本チームの戦績ばかりで、トップ争いについては触れてきませんでしたので、上位がどうなったか、知らなかった人もいるかもしれません。オープンチームはアメリカとウクライナが最後まで競り、ぎりぎりでアメリカの優勝となりました。Caruana、Nakamura、So とスーパースター軍団の揃ったアメリカでしたが、30年ぶりとなるオリンピアード優勝です! Nakamura Hikaru が世に知られるようになってから10年以上経ち、Caruana とSo の加入で、アメリカも今度こそという思いがあったでしょう。Ivanchuk 抜きのウクライナも、5B のVolokitin の活躍もあり、よくここまで食い下がったと思います。

私たち日本チームは、メキシコ戦に勝った影響で大きく順位を上げ、スタートは97位ながら、全体で68位、Cクラスで5位という好成績でのフィニッシュとなりました。60位台のフィニッシュは、参加国が100か国を超えるようになったこの20年では初めてで、過去最高の順位と考えて良いでしょう! 格上からは白星が奪えず、やきもきすることもありましたが、最終戦で自分の仕事ができ、チームの順位のアップに貢献できたことは、とても嬉しく思います。

Baku Chess Olympiad Open Final Ranking


女子は中国、ポーランド、ウクライナの順位となっています。最終戦で中国 - ロシアという見ごたえのあるマッチとなり、2.5-1.5 でロシアを振り切った中国が優勝を決めました。Hou Yifan はラトビア戦で2200台に敗れる波乱がありましたが、その後は持ち直して星を重ねました。4,5B でも個人金メダルとなれば、中国の優勝は当然でしょう。

日本の女子チームは後半戦、3連勝後の連敗で、最終順位はスタートと同じ96位となりました。個人の課題は色々と見えたと思いますが、それでもタイトル保持者を2人出したのは、私の知る限り今回が初めてで、喜ぶべきことでしょう。次のオリンピアードは、どういったメンバーになるかまだわかりませんが、またそちらも期待したいですね。

Baku Chess Olympiad Women Final Ranking


一夜が明け、バクーを出る最終日は、朝から一部のメンバーでフレームタワー内のフェルモントホテルへと足を運んできました。日本チームは今回のオリンピアードで、山田くんがFM、星野さんがWFM、なつみがWCM のタイトルを新たに獲得しており、その証明書を取得できると聞いたためです。しかし、実際にはIM, GM などのノーム獲得者の証明書を発行していたようで、私たちには用のない場所でした。しかし、せっかく足を運んだので、19階からバクーの街並みを見ていくことにします。カスピ海沿いに広がる美しいバクーは、これまでオリンピアード訪れた都市の中でも、また来たいと思う気持ちの強い場所になっています。


午後は休憩日にパスをした、カーペットミュージアムへと行ってみることにします。バクーの観光名所の一つであるカーペットミュージアムには、古いものから新しいものまで、バクーの名物である絨毯が展示されており、実際に織る様子も見学することができます。


私にとって6回目となるオリンピアードでしたが、今は無事に終えることができて一安心です。個人的にはオリンピアードでの初めての勝ち越し、わずか1ではありますが、レイティングもプラスで終えることができたことを、上記のチームの最終順位とあわせて嬉しく思っています。その反面で、オリンピアードに臨む前の準備が、チームとして十分だったか疑問もあるため、また次のオリンピアードの日本チームをより良くするために、色々と考えていきたいと思います。次回、2018年のオリンピアードは、ジョージアのバツミでの開催となります。またそれに向けてこつこつと力をつけていきたいですね。

明日から始まるクラブ選手権では、多くのプレーヤーと会うことになると思いますので、そこでもオリンピアードの土産話ができればと思います。それではこれで、オリンピアードの記事をすべて終わりにしようと思います。2週間以上、日本チームを見守っていただき、本当にありがとうございました!

2016/09/16

Saturday Lecture on 24th September 2016


【日時】 2016年9月24日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Instructive Games in Baku Chess Olympiads
【テーマ詳細】

つい先日、世界トップクラスのGM たちが集まるチェスオリンピアードが、アゼルバイジャンのバクーで開催されました、アメリカが30年ぶりに劇的な優勝を果たしましたが、その陰には様々な名勝負とドラマがあります。そこで2か月ぶりの池上でのレクチャーは、終わったばかりのバクーでのチェスオリンピアードから、厳選したゲームをご紹介しようと思います。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

2016/09/15

Baku Chess Olympiad R11 Mexico - Japan


メキシコと対戦する日本オープンチーム Photo by Mrs. Hoshino

いよいよ2週間に渡るバクーのオリンピアードも、最終日を迎えました。最後のR11 は、日本男子チームはメキシコとの対戦になります。メキシコは8年前、北京のWorld Mind Sports Games でも対戦し、その際に私はメキシコの天才GM Manuel Leon Hoyos と試合をしてました。Leon はかつて、モレリアのトーナメントにて、若くしてIvanchuk のセコンドに抜擢されたプレーヤーです。現在は2400台に落ちており、今大会の代表を外れていますが、それでもGM Hernandez Guerrero を擁するメキシコは、強豪国であることは間違いありません。

しかし、試合の朝、目を覚ましてからボードペアリングをチェックしてびっくり。1B のHernandez Guerrero を外すというオーダーでした。実はメキシコは、2B のIM Capo Vidal が7連勝中でパフォーマンスが3000を超えており、彼に個人賞を取らせるためにもう1試合、白をもってプレーさせるという作戦に出たのです。完全に南條くんの相手だと思い、ノーチェックだった強敵に、黒をもって私のオリンピアード最終戦が始まります。

Capo Vidal, U (IM, MEX, 2314) - Kojima, S (IM, JPN, 2398)
Baku Chess Olympiad (11)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. Nf3 dxc4 5. a4 e6 6. e4 Bb4 7. Bxc4!?



今大会、私は黒番でのd4対策は、Nimzo-Indian のつもりでしたが、Capo Vidal がSlav Exchange とLondon を指しそうだったので、1... d5 で受けてみようと思いました。ところがどっこい、彼はSlav の中でも攻撃的なギャンビットの変化を選びました。私もそうくるのであれば、真っ向から受けて立つほかありません。

7... Nxe4 8. O-O Nf6 9. Bg5 Nbd7 10. Qe2 O-O


以前研究した、Mamedjarov - Postny のゲームで、黒がQd8-Qc7、Bb4-Bd6 と組んでいたのを思い出し、まずはそのセットアップを目指します。

11. a5?!N



白が指したこの手を見てとても驚きました。a5 のポーンはただで取ることができ、特に危険なタクティクスなどもないように見えたのです。ただよくよく読んでみると、白はポーンを捨てた代わりに黒の遅い展開でバランスを取ろうとしているため、a3-f8 のダイアゴナルから黒マスビショップが離れるのは、さらに展開を遅らせることに気付きました。それでも黒陣は固く、白のアタックを十分捌けると判断して、相手のチャレンジを受けることにします。

11... Bxa5 12. Ne5 Bb4


ここでビショップをa5 に残したままだと、次にf7 を取られてしまうため、すぐにビショップを戻します。c7 から当初の予定通りにd6 でもOK ですが、d6、e7 の両方に退くチャンスのあるb4 を再び選びました。

13. Rfe1 Qc7 14. Bd3 Bd6 15. Rac1 a6 16. Qe3 Nd5



私がQd8-Qc7、Bb4-Bd6 の後に指したいと考えていたのは、このナイトの1手です。駒得している黒にとってありがたい、ピース交換を狙うとともに、f7-f6、f7-f5 などとポーンを進め、キングサイドをディフェンスする意図があります。

17. Qh3 f5!


g7-g6 も考えましたが、h6、f6 を弱めるほうが、白にチャンスを与えてしまうのではなかと思いました。そこで思い切ってfポーンを進めますが、大丈夫だと思っていた手筋に一つ読み落としがありました。

18. Nxd5?!



Capo Vidal は1ポーンを取りかえす手筋を見つけたようですが、それよりも実戦的には以下のように指すほうが良いと思います。18. Bxf5 Rxf5 19. Nxd5 exd5 20. Qxf5 Nxe5 21. Qf4! h6! (21... Ng6?? 22. Re8+ Nf8 23. Rxf8+!-+) 22. dxe5 Bf8!!


Analysis Diagram

これはとても見つけるのが難しい手ですが、こうしなければ黒は負けになってしまいます。実際、私も試合中に読めておらず、この変化に飛び込んでいた場合、どのように試合が進んでいたかはわかりません。23. Bh4 g5 24. Bxg5 hxg5 25. Qxg5+ Qg7-/= コンピュータは2ピースを得た黒良し評価ですが、まだまだどうなるかわからないでしょう。

18... exd5 19. Bxf5 Nf6!


私は上記の変化にするか、ポーンを返したつもりでおとなしく戦うかで悩みました。しかし、21. Qf4! が見え、それに対する応手が分からなかったため、より黒にとってわかりやすい、本譜を選ぶことにします。

20. Be6+ Bxe6 21. Qxe6+ Kh8



これで黒はポーンを返しても、1ポーンアップの駒得を保っており、はっきりと優勢なことが分かります。次の手はNf6-Ne4 や、Ra8-Re8 を嫌ったのだと思いますが、ここでのビショップナイトの交換は、黒にとってありがたいと感じました。

22. Bxf6 Rxf6 23. Qh3 Kg8 24. Rc2 Re8 25. Rce2 Rfe6


2つのルークをeファイルに重ね、e5 のナイトを消そうとします。

26. f4 Qb6! 27. Qd3 Bxe5!



ここでは少し迷いましたが、Ne5-Nd7 がある以上、c6-c5 は少し早く感じ、もうビショップとナイトを好感してしまうことを決めました。

28. Kh1!?


ここは他の手でもだめですが、それでもこの手は読んでいなかったので驚きました。28. fxe5 c5! 29. dxc5 Qxc5+ 30. Kh1 Rxe5!-+, 28. Rxe5 Rxe5 29. Rxe5 Rxe5 30. fxe5 Qxb2-+ どちらも黒は駒得を広げ、勝勢となります。

28... Qxd4! 29. Qxd4 Bxd4 30. Rxe6 Rxe6 31. Rxe6 Bxb2-+



ここではエクスチェンジを捨てても、4コネクテッドパスポーンを作れば勝ちになると読み切りました。黒のポーンが、c3、もしくはa3 に到達した時点で、白はルークでパスポーンを止められないことが分かります。

32. Re7


32. Re8+ Kf7 33. Ra8 b5 34. Ra7+ Ke8 35. Rxa6 c5-+ でもあまり変わらず黒の勝ちです。

32... b5! 33. Ra7 c5 34. Kg1


ここでキングを動かす手ではどうしようもないので、ほとんど読んでいませんでした。34. Rxa6 c4 35. Kg1 c3 36. Rc6 b4 37. Kf2 b3 38. Ke2 c2 39. Kd2 d4! 40. Rc7 d3 41. Rc6 c1=Q+ (42... Ba3 からb3-b2 でも、もちろん勝ち。) 42. Rxc1 Bxc1+ 43. Kxc1 Kf7-+ これで勝ちを考えていましたが、Misha が検討戦で、b3,d3 のFlouting Square であれば、黒はキングサイドのポーンが無しでも勝てると教えてくれました。


Reference Diagram

1. g4 Kg7 2. h4 Kg8 3. f5 Kf7! (46... Kg7?? 47. h5 Kf7 48. h6 Kf6 49. g5+ Kf7 50. g6+ Kf6 51. h7 Kg7 52. f6++-) 47. h5 Kg7 48. g5 Kg8 49. g6 Kg7-+ これでツークツワンクとなり、黒勝ちです。

34... c4 35. Kf2 c3 36. Rc7 b4 37. Ke2 b3 0-1



最後はルークとキングでもパスポーンを止められないことがはっきりとし、白はリザインしました。レイティングは下の相手ですが、この大会で誰も止められなかった相手を、最終戦でストップできたのはとても嬉しいことです! 隣のボードの南條くんも、私が試合を終えた時点で勝勢、奥の山田くんも相手がリザインする直前で、マッチの勝利を早くも確信しました。

Mexico - Japan 1-3

Capo Vidal, U (IM, MEX, 2314) - Kojima, S (IM, JPN, 2398) 0-1
Cofre Archibold, N (FM, MEX, 2255) - Nanjo, R (IM, JPN, 2340) 0-1
Garcia Guerrero, I (FM, MEX, 2308) - Averbukh, A (JPN, 2223) 1-0
Flores Guerrero, J (IM, MEX, 2345) - Yamada, K (CM, JPN, 2100) 0-1


南條くん、山田くんが無事に勝ち、メキシコを下してのオリンピアードフィニッシュです! レイティングが上の1,2B はともかく、200以上のレイティング差を跳ね返して勝利を収めた山田くんは、大金星といえるでしょう。また明日のオリンピアードまとめ記事でも書きますが、この勝利で山田くんは勝率が65%を超え、オリンピアード規定によりFM のタイトルを獲得しています。

Japan - Australia 1-3

Ishizuka, M (JPN, 1778) - Richards, H (WIM, AUS, 2199) 0-1
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Nguyen, T (WFM, AUS, 2119) 1-0
Sakai, A (JPN, 1703) - Guo, E (WIM, AUS, 2035) 0-1
Fukuya, N (JPN, 1636) - Jule, A (WIM, AUS, 2000) 0-1


3連勝中で上がってきた女子チームは、最後はカナダ、オーストラリアに連敗です。それでも、星野さんのみが白星を挙げ、彼女もまた勝率65%達成、WFM のタイトルを獲得しています。

色々と書きたいことは多いですか、残りは明日の記事にまわすとします。ひとまず、プレーしていた選手の皆さんと、観戦、応援してくださった皆さん、2週間に渡るオリンピアード、お疲れ様でした!

2016/09/13

Baku Chess Olympiad R10 Japan - Azerbaijan 3

オリンピアード10R のこの日は、日本チームにとって苦しい1日でした。オープンはアゼルバイジャン3、女子はカナダとともに各上のチームとの対戦です。アゼルバイジャン3 は、7月のU16 World Youth Olympiad の代表メンバーたちです。

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Asadli, V (FM, AZE, 2406)
Baku Chess Olympiad (10)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nc6 7. Nc3 a6 8. h3 Bd7 9. e4 e5 10. dxe5 dxe5 11. Be3 Be6 12. b3!?



以前、GM Fominyh と指した際は、12. Qa4 b5! と指されて敗れました。それ以来少し考えていて、初めて試すこちらの手を選びます。ちょうど試合の日の朝、このラインになるかもしれないと思って調べなおしていました。

12... Rb8 13. Qc1!?


この変化では、このようにクイーンをc1 に振り、d1 のマスはルークのために空けておくアイディアがしばしば見られます。13. Kh2!? もありえる手ですが、私は次の黒の手を覚悟のうえでクイーンを動かしました。

13... Nd4 14. Kh2?!



このタイミングでキングが上がる手は、d4 にナイトを残させてしまうのでいまいちでした。代わりに、14. Rd1! Nxf3+ 15. Bxf3 Qc8 16. g4!+/= と指すべきであるというのが、コンピュータの指摘です。 私としては、なるべくgポーンを伸ばしたくはなかったでこの変化をあきらめたのですが、私の予想よりも本譜の流れは白にとって嫌でした。

14... Ne8 15. Rd1 c5!


指される前までは、d5 をアウトポストにしてくれるのはありがたいと思っていましたが、センターにアウトポストを抱えるのはお互い様で、黒にとって困ることはありません。それよりも、d4 のナイトが全く消えないことが、白にとって重荷となります。

16. Ng5 Nd6 17. Qd2 Bd7!



これも指されてからうまく構想だと思いました。d5 を全くカバーしないのは変に見えますが、ビショップはBe6-Bd7-Bc6 とダイアゴナルを切り替え、e4 にプレッシャーをかけられる位置に移動します。

18. Rac1 Bc6 19. h4


e4 のポーンがアタックされている以上、f3 にはナイトを動かしづらいので、h3 に退けるようにマスを作ります。アイディアはOK ですが、これを決断するのに時間を使いすぎたことが、後の重要なポジションで負担となります。

19... h6 20. Nh3 Kh7 21. Nd5 Rc8 22. Re1



私はe4 のポーンを孤立に、e5 のマスをアウトポストにすることを嫌い、自分からfポーンを突きませんでしたが、22. f4! exf4 23. Nhxf4 Re8 24. Qd3 と指すほうが実際には良かったかもしれません。細かな形の良しあしを気にするよりも、h3 のナイトを早くプレーに戻すというアイディアです。

22... f5 23. exf5 gxf5 24. f4?


この手はとても悪く、ほぼ黒の勝ちを決めてしまいます。私としては時間のない中、f5-f4 をされてキングの前を崩されてはたまらないと考え、指した1手でしたが、f4 のマスが使えない状態で、e5-e4 と伸ばされるのは予想よりもずっと白が厳しい形でした。このあたりの判断は、まだKing's Indian の理解の浅さの表れかもしれません。代わりに24. Qd1! からQd1-Qh5 という手を見せておけば、まだ勝負は分からなかったでしょう。

24... e4!-/+ 25. Nc3 Rc7 26. Red1 Rd7 27. Qe1 Ne8 28. Nf2 Nf6!



h3-h4 を指した時から危惧していた、g4 のマスの弱さまで利用されてしまえば、白にはなすすべがありません。

29. Nd5 Nxd5 30. cxd5 Rxd5 31. Nxe4 fxe4 32. Bxe4+ Kh8 33. Bxd5 Qxd5 34. Qf2 Re8


時間が全くない中、駒を捨てて何か手を作ろうとしましたが、相手が決め手を作るのを助けてしまうだけでした。

35. Bxd4 Bxd4 36. Qd2 Qf3 37. Re1 Rg8 38. Rg1 Bxg1+ 39. Rxg1 Re8 40. Qd6 Kg7 41. Qc7+ Kg8 42. Qd6 Qg4 0-1



何もできず負けたゲームでした。途中、自分が正しく形勢判断ができていないこともありましたが、過去に対戦した2400台の中で、最も強かったのではないかという印象を受けました。次に会うときは彼は2500 になっているでしょう。私もまだまだ勉強が必要です。

Japan - Azerbaijan 3 0-4

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Asadli, V (FM, AZE, 2406) 0-1
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) Bashirli, N (FM, AZE, 2387) 0-1
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Gadimbayli, A (FM, AZE, 2294) 0-1
Tang Tang (JPN, 2108) - Gasimov, P (FM, AZE, 2323) 0-1

Canada - Japan 4-0

Zhou, Q (FM, CAN, 2367) - Ishizuka, M (JPN, 1778) 1-0
Yuan, Y (WIM, CAN, 2205) - Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) 1-0
Botez, A (WFM, CAN, 2092) - Shibata, M (JPN, 1638) 1-0
Ouellet, M (WCM, CAN, 1992) - Fukuya, N (JPN, 1636) 1-0


チームはオープン女子ともに4-0 でのストレート負け。最終戦直前でこれは痛い結果でしたが、こういうこともあると割り切るしかありませんね。今日行われた最終戦はすでに終わっていますが、それはまた明日以降の記事で結果とゲームをお届けします。

2016/09/12

Baku Chess Olympiad R9 Saudi Arabia - Japan


日本 vs. サウジアラビア Photo by Alex

今大会、私はR9 のサウジアラビア戦で初めての抜け番をもらいました。サウジアラビアが相手であれば、私が抜けても戦力的に十分勝てるであろうことや、山田くん、Alex のFM 獲得チャンスを残すことを考慮してのオーダーです。オリンピーアドでは、9試合以上で65% 以上の勝率を挙げれば、レイティングが2300に到達しなくともFM のタイトルを獲得することができます。直前のラウンドまでに6試合をし、4P 獲得している山田くんのゲームを今夜はご紹介します。

Al Habeeb, E (KSA, 2030) - Yamada, K (CM, JPN, 2100)
Baku Chess Olympiad (9)

1. Nf3 Nf6 2. d4 d5 3. g3 e6 4. Bg2 Be7 5. O-O O-O 6. c4 dxc4 7. a4?



山田くんはこのオリンピアードで、7. Qc2 a6 8. a4 と1試合指されており、対戦相手はそれを研究してきたのでしょう。しかし、付け焼刃の研究だったためにクイーンを挟む大切な1手を忘れてしまい、黒に簡単な展開にされてしまいます。黒がa7-a6 と指していないのであれば、a2-a4 は意味を成しません。

7... c5! 8. Qc2?


ここでポーンを捨てては勝負になりません。せめてc5 を取るべきでしょう。

8... cxd4 9. Qxc4 Nc6 10. Rd1 e5-+



私はライブを見ていて、この時点で試合は終わったと思いました。1ポーンアップ、白マスビショップの働きの悪さを改善済み、ピースの展開良しの黒は、どのようにでも白を料理できます。

11. e3 Be6 12. Qb5 a6 13. Qf1 Bb3 14. Rd2 Qb6


私は14... Bb4 を指すと予想していましたが、もちろん本譜でも大丈夫です。

15. exd4 exd4 16. Qd3 Rad8 17. Re2 Be6 18. Ne1 Nb4 19. Qd2 d3 20. Re5 Ng4 21. a5 Qc7 22. Re4 Bc5 23. Rf4 Nxf2 24. Rxf2 Nc2 25. Ra4 Nxe1 26. Qxe1 Bxf2+ 27. Qxf2 Qxc1+ 28. Bf1 Qxb1 0-1



一番対戦相手とのレイティング差が小さく、結果を心配していた山田くんでしたが、全く問題なかったですね。しかしこのラウンド、Alex が前のラウンドに続いて敗れてしまい、4-0 でのフィニッシュとはなりませんでした。4B に入った唐堂くんは怪しいゲーム運びでしたが、なんとか勝って今大会初白星です。

Saudi Arabia - Japan 1-3

Masrhi, A (KSA, 1900) - Nanjo, R (IM, JPN, 2340) 0-1
Bukannan, A (KSA, 1890) - Averbukh, A (JPN, 2223) 1-0
Al Habeeb, E (KSA, 2030) - Yamada, K (CM, JPN, 2100) 1-0
Al Turky, F (KSA, 1861) - Tang Tang (JPN, 2108) 0-1


United Arab Emirates - Japan

Ishizuka, M (JPN, 1778) - Nouman, A (WIM, UAE, 1983) 1-0
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Jehad, A (UAE, 1668) 1-0
Shibata, M (JPN, 1638) - Bashaer, K (WCM, UAE, 1584) 0-1
Fukuya, N (JPN, 1636) - Wadima Humaid S H AlKalbani (UAE, 1606) 1/2-1/2


連勝中だった女子チームは、少し厳しいかと思われたアラブ首長国連邦とのマッチを、見事2.5-1.5 で乗り切って3連勝となりました! 観戦していた日本のチェスファンは、1B の石塚さんが完全に負けのポジションから、不死鳥のようによみがえって逆転する様を見たことでしょう。今大会、苦しんでいた女子大将はここで大きな1勝を挙げ、大事なマッチの勝利に貢献しています。


日本の女子たちは、コメンテーターとして有名なアメリカのGM Seirawan と交流できたようです。

今日のR10 はともに厳しい相手とぶつかります。勝ち、ドロー、勝ちでポイントを積み重ねてきたオープンチームは、アゼルバイジャン3との対戦です。オリンピアードでは毎回、開催国のみ複数チームを出場させることが許されており、多くの場合、下のチームは有望なジュニアプレーヤーで構成されています。今回も例にもれず、アゼルバイジャン3は全員がジュニアFM のチームで、レイティングでいえばザンビアよりも手ごわい相手でしょう。昨日は貴重な休みを貰い、連続で白の私がなんとかポイントを取り、マッチで勝つチャンスも作り出したいですね。

一方で女子はカナダが相手です。WFM ではなく、FM を持っているZhou Qiyu が率いる、平均2200近いチームです。初戦のアゼルバイジャン2と同等の相手に、日本の女子がどのようなプレーをするでしょうか。残りの2試合も、応援をよろしくお願い致します。

Japan - Azerbaijan 3

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Asadli, V (FM, AZE, 2406)
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) Bashirli, N (FM, AZE, 2387)
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Gadimbayli, A (FM, AZE, 2294)
Tang Tang (JPN, 2108) - Gasimov, P (FM, AZE, 2323)

Canada - Japan

Zhou, Q (FM, CAN, 2367) - Ishizuka, M (JPN, 1778)
Yuan, Y (WIM, CAN, 2205) - Hoshino, K (WCM, JPN, 1802)
Botez, A (WFM, CAN, 2092) - Shibata, M (JPN, 1638)
Ouellet, M (WCM, CAN, 1992) - Fukuya, N (JPN, 1636)


2016/09/11

Baku Chess Olympiad R8 Japan - Zambia


ザンビアのIM Kayonde と Photo by Alex

女子チームがザンビアを破った翌日、今度はオープンチームがザンビアとの対戦になりました。私の対戦相手は6年前のオリンピーアドではUR でしたが、それからめきめきと力をつけ、今年7月の大会でIM タイトルを獲得しています。貴重な白を持ち、負けられない一戦です。

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Kayonde, A (IM, ZAM, 2422)
Baku Chess Olympiad (8)

1. Nf3 d5 2. d4 c6 3. c4 e6 4. Qc2 dxc4 5. Qxc4 Nf6 6. Bg5 Be7 7. e3 h6 8. Bh4 Qa5+



オープニングの準備は早々に外れ、Triangle の一変化になります。私はここでのチェックに対し、慎重に読んで本譜のように進めることにします。

9. Nbd2 g5 10. Bg3 g4?! 11. Ne5 Ne4 12. O-O-O!


d2 のナイトを守るためにはこれしかないという1手ですが、相手はこれを読み落としていたようです。クイーンサイドキャスリングした白キングの守りはやや薄そうにも見えますが、それはキングサイドを崩してしまった黒も同じです。ならば、ピースの展開の早さで、白はすでに十分なアドバンテージがあるでしょう。

12... Nxg3 13. hxg3 Nd7 14. Nxg4 f5 15. Ne5?!



しかし、1ポーンを取った直後が正確ではありませんでした。f7-f5 はe6 のポーンとe5 のマスを弱めているので、そこを突ければしっかりと白が優位に試合を進められるはずです。メインで考えていたのはナイトを捨てる変化ですが、15. Qxe6 fxg4 16. Bc4 Nf6 17. Qf7+ Kd8=/+ それはこのように逃げられ、ピースの代償が十分ではありません。そこでポーンを返しても、白が良いと確信できる変化に飛び込もうとしますが、試合中になぜか全く考えなかった15. Nh2! ならば、白は駒得をキープしたまま戦うことができます。

15... Nxe5 16. dxe5 Qxe5 17. Nf3


Bf1-Be2-Bh5+ を入れる変化とどちらにするか悩みましたが、白マスビショップはBf1-Bc4 からe6 を狙うことを決めます。

17... Qf6 18. Qf4 Qg7 19. Qc7 O-O 20. Bc4 Bf6 21. Qxg7+



ここはb2 を守るためにクイーンを交換するしかないと思いましたが、b2 をあえて捨てる変化も面白いでしょう。21. Qd6!? Bxb2+ 22. Kb1 Qf6 23. Nd4 Bxd4 24. Rxd4 こうなれば、白は次にhファイルにルークを重ねることができ、攻勢です。

21... Kxg7 22. Nd4 Re8 23. Rh5 a6!


クイーン交換をしても、e6 とh6 へのプレッシャーで白はチャンスを作れるかと思いましたが、黒はゆっくりとそれを緩和できるように指していきます。

24. Rdh1 c5! 25. Nb3 b5 26. Be2 c4 27. Nd4 Rh8



27... Bb7 28. Bf3 Bxf3 29. gxf3 Bxd4 30. exd4 Rh8= 本譜でも大きな問題はないですが、このようにマイナーピースを全て捌いてしまうほうが、黒にとっては簡単だったでしょう。

28. g4 Bxd4 29. exd4 Bd7 30. Bf3 Rad8 31. gxf5 exf5 1/2-1/2


30手を超えた直後にドローオファーされ、この試合では無理をせずに受けることにしました。チームは調子を上げてきた南條くんが勝ったものの、Alex が敗れたために2-2 のドローとなっています。ここまで3勝2敗3ドローというチームの戦績は、私の個人戦績と全く同じですね。

Japan - Zambia 2-2

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Kayonde, A (IM, ZAM, 2422) 1/2-1/2
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) - Phiri, R (IM, ZAM, 2342) 1-0
Averbukh, A (JPN, 2223) - Mwali, C (IM, ZAM, 2335) 0-1
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Chumfwa, K (IM, ZAM, 2240) 1/2-1/2

Japan - Barbados 3.5-0.5

Ishizuka, M (JPN, 1778) - Blackman, K (WCM, BAR, 1642) 1/2-1/2
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Murray, D (BAR, 1419) 1-0
Sakai, A (JPN, 1703) - Sandiford, S (BAR, 1226) 1-0
Fukuya, N (JPN, 1636) - Nurse, L (BAR, 1291) 1-0


女子チームは無事に格下のバルバドスを下し、チームとして連勝を挙げています。これで男子チーム同様、3勝を挙げたことになります。この調子で今日の試合もポイントを取ってもらいたいですね。

今日のR9 はオープンがサウジアラビア、女子がアラブ首長国連邦との対戦です。私は初の抜け番のため、試合を観戦しながらこうしてブログを書いています。私が抜けた代わりに復帰した唐堂くん、そして残り試合でのポイント次第では、FM 獲得のチャンスがある山田くんとAlex に、特に頑張ってほしいですね。願わくばこのラウンドは、4-0 で勝ってほしいと思います。オリンピアードのゲーム観戦は、引き続きChess24 がおススメです!

2016/09/10

Baku Chess Olympiad R7 Tunisia - Japan


クリスタルホール内の試合会場 Photo by Alex


後半戦から会場内へのカメラ持ち込み、および写真撮影が許可されるようになりましたので、ようやく写真で会場の様子をお伝えできます。残り5試合となったR7 は、アフリカのチュニジアとの対戦です。上2人は2100、下2人はは1900ですので、マッチに勝つのはもちろん、なるべくポイントを取りたいラウンドです。

Mabrouk, F (TUN, 2145) - Kojima, S (IM, JPN, 2398)
Baku Chess Olympiad (7)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. g3 Bb4+ 5. Bd2 Be7 6. Bg2 O-O 7. Qc2 c6 8. O-O b6 9. Bf4 Bb7 10. Nbd2 Nbd7 11. e4 Rc8 12. e5 Ne8 13. h4 c5 14. Ng5 g6 15. cxd5 cxd4 16. Qd1 Bxg5 17. Bxg5 f6 18. exf6 Ndxf6 19. dxe6 Bxg2 20. Kxg2 Qd5+ 21. Kg1 Qxe6 22. Nf3 Ne4 23. Nxd4 Qf7 24. Qb3 Rc4 25. Be3 N8d6 26. Rac1 Nc5 27. Qd1 Rxc1 28. Qxc1 Qxa2 29. Bh6 Re8 30. b4 Nce4 31. Qa1 Qf7 32. Bf4 Nc4 33. Re1 Qd5 34. Nf3 Ned6 35. Rxe8+ Nxe8 36. Ne5 Nxe5 37. Qxe5 Qxe5 38. Bxe5 Kf7



序盤はお粗末なので、このゲームをエンドゲームを取り上げようと思います。苦しい展開からなんとか挽回した黒は、このビショップvs. ナイトのエンドゲームを勝ちにいくことにします。検討でも話題の中心になったのは、黒はキングを早くセンターに上げるべきか、それともaポーンを進め、早めにアウトサイドパスポーンを確定させるかということです。コンピュータはパスポーンの価値を高く評価しますが、私は黒マスビショップが抑えるa1 のマスを取りに行くのは容易ではなく、黒が勝つという自信がありませんでした。実際に、38... a5 39. bxa5 bxa5 40. Kf1 Kf7 41. Ke2 Ke6 42. Ba1 と進めてみたポジションを考えましたが、黒が勝ちなのかよくわかりません。そこで私はキングを先に上げ、白のbポーンをターゲットとして残す作戦を選びました。もちろん、白が次に指す可能性がある、b4-b5 に対してもある程度読んだうえの結論です。

39. b5 Ke6 40. Bb8 Kd7


時間の増える40手目、相手はこれでどうだとばかりに固定したa7 を狙いますが、私は落ち着いてキングを寄せます。白がa7 を取ろうものなら、Kd7-Kc7 からビショップはトラップされてしまいます。これで次にNe8-Nd6 からb5 のポーンを取りにいけば、黒が勝てると読んで相手の手を待ちますが...

41. g4?



結論から言えば、この手は悪手で黒の勝ちになります。しかし、私は自分の読み間違いに気付いて愕然とします。勝ちだと思ったポーンエンディングは負けだったのです! 41... Nd6? 42. Bxd6 Kxd6 43. f4! Kc5 44. g5! Kxb5 45. f5! gxf5 46. h5+- これでブレイクスルーを成功させた白は、先にクイーンを作って勝ちとなります。38... a5 のほうが良かったかと後悔もしましたが、私はナイトを上手く使い、チャンスを作れる可能性に気付きました。ちなみに白の正解は、41. f4! Nf6 42. Kg2 Nd5 43. Be5 Nb4 44. Kf3 a5 45. bxa6 Nxa6 46. Kg4= と進めることで、本譜の指し方を黒に許さず、ドローに持ち込むことができます。

41... Nf6! 42. f3 Nd5!


ナイトがb5 のポーンを狙えるマスが、d6 とc7 だけだと決めつけていたのが私の間違いで、もっと広く盤を使い、d4,c3.a3 も利用すればb5 を取れるようになることに気付いたのです。

43. Be5 Ke6 44. Bb8 Kd7 45. Be5 Ne3!



このマスがポイントで、次にc2,c4 に行けるようになります。c2,c4 からはそれぞれ、d4,a3 とa3,d6 にナイトが飛ぶチャンスがあり、いずれもb5 のポーンをアタックできます。これらのマスをビショップ一つでカバーし、ナイトのジャンプを封じることは不可能です!

46. Bb8 Kc8! 47. Bd6 Nc2 48. f4 Nd4?


望んだ通り、b5 のポーンを取れる位置にナイトを運びましたが、これが早すぎたため、白にドローチャンスを与えてしまうことになります。相手がこの手筋に気付かなかったのは、ラッキーでした。正しくは48... Kd7!1 49. Be5 Na3!-+ と指し、キングを1歩キングサイドに近づけておけば勝勢でした。

49. Kf2?



このポジションで白がドローに持ち込む手筋を探すのは簡単ではないでしょう。白の望みはたった一つ、キングサイドのブレイクスルーしかありません。49. Be5! Nxb5 50. f5 gxf5 51. g5 Kd7 52. h5 Ke7 53. g6 hxg6 54. h6 Nd6 55. Bxd6+ Kf7 56. Bb8 a6 57. Bf4= このように2つのポーンを犠牲にしても、hファイルのパスポーンを進めれば、黒はそれを止めるためにナイトを捨てざるをえません。そうなればドローは間違いないでしょう。

49... Nxb5 50. Be5 Kd7 51. f5 gxf5 52. g5 Ke6


黒がキングをセンターに戻している状況では、すでにブレイクスルーは遅すぎます。後はクイーンサイドにできたコネクテッドパスポーンを進めつつ、ブレイクスルーに気を付けていれば黒の勝ちです。

53. Bb2 Nd6 54. Kf3 a5 55. Bc3 a4 56. Kf4 Ne4 57. Bb4 b5 58. h5 Nf2 59. Kf3 Nd3 60. Bc3 Kf7 0-1



このラウンドは南條くんのみドローで、他の3人は無事に勝ちました。これでチュニジアを破り、次のラウンドではまた強豪とぶつかります。

Tunisia - Japan 0.5-3.5

Mabrouk, F (TUN, 2145) - Kojima, S (IM, JPN, 2398) 0-1
Meftahi, H (IM, TUN, 2119) - Nanjo, R (IM, JPN, 2340) 1/2-1/2
Ben Ammar, M (TUN, 1929) - Averbukh, A (JPN, 2223) 0-1
Ben Youssef, A (TUN, 1893) - Yamada, K (CM, JPN, 2100) 0-1


一方で女子もザンビアを下し、オープン、女子揃っての日本チーム白星となっています。坂井さんは今大会、待望の初白星ですね。

Zambia - Japan 1.5-2.5

Mwango, L (WFM, ZAM, 1935) - Ishizuka, M (JPN, 1778) 1-0
Hamoonga, L (WCM, ZAM, 1783) - Sakai, A (JPN, 1703) 0-1
Kabamba Mulwale Bwalya (ZAM, 1683) - Shibata, M (JPN, 1638) 1/2-1/2
Lubuuto Bwalya Mulwale (ZAM, 1529) - Fukuya, N (JPN, 1636) 0-1



そして一つ、嬉しいニュースです。女子の5B でプレーしていたなつみが、5試合中3.5P という戦績で、WCM のタイトルを獲得できることがこの時点で確定しました。WCM の規定は7試合以上で50%以上の勝率を挙げることですので、彼女はあと2試合プレーすれば、結果にかかわらずタイトル獲得となります。最短4試合で獲得が決まるWCM ですが、5試合でで確定は、私の知る限り日本の女子プレーヤーで最短の記録です! この1年半以上、二人三脚で頑張ってきましたので、私としてもとても嬉しいです。この日、Mamedyarov のサインも貰えてご満悦の彼女は、残り4試合で2.5P 以上を挙げれば、WFM のタイトルも獲得することになります!

さて、バクーのオリンピアードも残りは4試合となり、ゴールがおぼろげながら見えてきました。日本チームは、オープンがここまで3勝3敗1ドロー (スリランカ、サントメ・プリンシペ、チュニジアに勝ち)、女子は2勝4敗1ドロー (パレスチナ、ザンビア勝ち) という結果になっています。少しでも上の順位を目指すため、残り試合も勝ち星を積み重ねたいですね。R8 はオープンが女子に続いてザンビア、女子がバルバドスとの対戦になります。ザンビアは6年前のオリンピーアドでも対戦し、その際はさほど強くなかったですが、今回は全員がIM というパワーアップを果たしています。特に私と対戦するKayonde Andrew は、当時は5B でUR ですが、今回は2422 のIM です。前半戦以来の白も引けたので、ここはガンガン行こうと思います!

Japan - Zambia

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Kayonde, A (IM, ZAM, 2422)
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) - Phiri, R (IM, ZAM, 2342)
Averbukh, A (JPN, 2223) - Mwali, C (IM, ZAM, 2335)
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Chumfwa, K (IM, ZAM, 2240)

Japan - Barbados

Ishizuka, M (JPN, 1778) - Blackman, K (WCM, BAR, 1642)
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Murray, D (BAR, 1419)
Sakai, A (JPN, 1703) - Sandiford, S (BAR, 1226)
Fukuya, N (JPN, 1636) - Nurse, L (BAR, 1291)





2016/09/09

Baku Chess Olympiad R6 Luxebourg - Japan

バクーオリンピアード後半戦が始まりました。R6 の相手は少し各上のルクセンブルクです。私の相手であるIM Wiedenkeller は、直前でフィンランドのGM Nyback を破るなど、ここまで絶好調でレイティングを大きく上げています。

Wiedenkeller, M (IM, LUX, 2458) - Kojima, S (IM, JPN, 2398)
Baku Chess Olympiad (6)

1. c4 e5 2. g3 Nf6 3. Nc3 c6 4. d4 exd4 5. Qxd4 Na6 6. Bg2 Bc5 7. Qe5+ Be7 8. Nh3!?



この2年間、1. c4 e5 を再び研究し始め、いくつかの実戦経験も積んできました。このラインは青嶋くん、野口さんと指していますが、その際は8. Nf3 でした。h3 に飛んだナイトは、Nh3-Nf4 からd5 の孤立ポーンを攻撃できるのであれば良いですが、黒がd5 にナイトを置けるとなれば、良い働きをするか疑問です。

8... O-O 9. O-O Re8 10. Qd4 d5!


かつて野口さんとの試合では、f3 にナイトがいるにも関わらずこの手を指し、d5 に弱いポーンを作ってひどい目にあいました。h3 にナイトが飛んだ形のポイントは、d4 のクイーンが守られていないため、黒はd5 のポーンをすぐに取りかえさず、Na6-Nb4 ができることです。

11. cxd5 Nb4! 12. d6 Qxd6 13. Qxd6 Bxd6 14. Rd1



Nb4-Nc2 のフォークと、Nb4-Nxd5 を避けるために、白はクイーンを交換することにしますが、これで黒は序盤、満足な形になりました。ここからは、e2 のポーンを狙いにきいます。14. Bf4 Bf8!=/+ ならば、白はh3 のナイトの行き場に困るでしょう。

14... Be5 15. Bf4 Bxc3


ここは相手の誘いに乗り、ビショップナイトの交換からポーンをもらいに行きます。

16. bxc3 Nbd5 17. Bd2 Rxe218. c4 Nb6 19. Nf4 Re8 20. Rdc1 Bf5



当然の1手で、b1 のマスを抑え、b7 を攻撃されにくくします。これでポーンの代償は十分ではないと思いますが、まだまだダブルビショップの力は侮れません。

21. a4 g5!?


a2-a4-a5-a6 の構想は当然考えていました。それに対し、f4 のナイトをh3 に戻し、そのナイトを負担にすることで対抗します。g2 のビショップは、h3 に戻ってきたナイトを守っていなければいけないため、a4-a5-a6 から、すぐにc6 を取れないことがポイントです。

22. Nh3 h6 23. a5 Nbd7 24. Ra3 Rad8



少し迷いましたが、まだ動いていないピースをアクティブにして、ポーンを取りあうことにします。相手はh3 のナイトが使えておらず、バックランクが弱いため、ここは間違いなく押していると感じていました。

25. Be3 Ne5 26. Bxa7 Nxc4 27. Rf3 Nd6 28. Rb3 Nb5 29. Bb6 Rd7


ここでルークをどこに置くか迷いました。選んだ手は少し無難すぎるので、大胆に7段目に飛び込む29... Rd2 か、a5 のポーンを狙う29... Ra8 の、どちらが良かったでしょう。

30. f4 g4 31. Nf2 Nd5 32. Bc5 Ra8 33. Ra1 Ndc3



ここはb7-b6 ができなかったのが予想外でしたが、慌てずにピースのポジションを良くして、プレッシャーをかけ続けることを心がけます。Nc3-Ne2-Ned4 までいければ黒は大きなチャンスを掴みますが、白は当然それを防ぎます。

34. Bf1 Rd2 35. Be3 Rd7 36. Bb6 Rd2 37. Be3 Rd7


ここは時間も少なく、37... Rc2! と指すのを躊躇ってしまいました。7段目にルークを残すことが客観的に考えて良いことは分かっていますが、c2 のルークは一時的に動けるマスが全くなく、読み落としでトラップなどがあったら大事なマッチで負けになる危険が高いと思ってしまったのです。実際にはc2 のルークをアタックにしにいける駒は、白には一つもありません。ここでドローかと思いきや、白から手を変えてきます!

38. Rb2 Re8 39. Bc5 Ne4!?



時間が増える40手直前で、これを仕掛けます。黒はポーンを返してしまっても、自分にだけ価値のチャンスがある、ルーク+異色ビショップのエンドゲームに持ち込もうとします。

40. Nxe4 Bxe4 41. Re1


ここでWiedenkeller からドローオファーがありました。今大会、ドローオファーは互いに1回ずつしかできないという新ルールが採用されています。私がこれを蹴った場合、私から改めてしたドローオファーを彼が受けるか、3回同一か、ブックドローしかドローにはなりえないことになります。私は少し考え、ここで受ける理由はないと判断してゲームを続けます。

41... f5 42. Bc4+ Kg7 43. Bxb5?!



異色ビショップはドローのチャンスが多いとされますが、ルークが残っており、白はh2 のポーンが弱いとなれば、黒にだけチャンスがあるでしょう。ここはピースを残したほうが、白にとっては良かったかもしれません。

43... cxb5 44. Rxb5 Red8?!


しかし、私にも緩手が出ます。確実に7段目にルークを入れるためには、44... Rc8! と指し、c2 への侵入を伺うべきでした。

45. Bb4?!



45. Be3! Rc8 46. Rb2 ならば、白はしっかりと7段目を守り、黒に簡単にチャンスを与えなかったでしょう。

45... Rc8! 46. Rc5 Rxc5 47. Bxc5 Rd2


ルークは1つ交換しましたが、黒はルークを7段目に入れ、Rd2-Rg2+ から、h2 のポーンを取ることをスレットにしています。これでまだ先は長くとも、勝ちチャンスがきたと思いました。

48. Rc1 Kf7 49. Bf2 Ra2 50. Rc7+ Ke6 51. Bb6 Kd5?



指した直後に、大事な試合で何をやっているのだろうと落ち込みました。h2 はいつでも取れるため、キングを先にクイーンサイドに寄せていく構想は良いでしょう。h2 を取った際に、Bb6-Bf2 で一時的にルークが閉じ込められることを気にしましたが、キングでa5 のポーンをアタックすれば、ビショップはa5 の守りに戻らないといけないことに気付いたのです。しかし、キングの寄るマスが当然間違っています... 51... Rg2+ 52. Kf1 Rxh2 53. Rh7 Kd6 54. Bf2 Kc6 55. Be1 Kc5-/+ このエンドゲーム、白は頑張ってディフェンスに奔走するでしょうが、おそらく黒が勝てるでしょう。

52. Rxb7 Kc4 53. Rd7 Ra1+ 54. Kf2 Ra2+ 55. Ke3 Ra3+ 56. Kf2 Ra2+ 57. Ke3 Ra3+ 58. Ke2 Bf3+


b7 を失った以上、黒からのパペチュアルチェックでドローにするしかないでしょう。

59. Kf2 Ra2+ 60. Ke1 Ra1+ 61. Kf2 Ra2+ 1/2-1/2



このマッチでは、南條くんが連勝できたのは良かったのですが、4B では唐堂くんが相手の美しい指しまわしにより短手数で負け。Alex もパペチュアルチェックのチャンスを蹴って勝負にいき、負けになってしまいました。2.5-1.5 の惜敗ですので、私がひどい手を指さず、勝っていればという気持ちが強いです。各自、反省をもってまた次のラウンドに臨みたいと思います。

Luxembourg - Japan 2.5-1.5

Wiedenkeller, M (IM, LUX, 2458) - Kojima, S (IM, JPN, 2398) 1/2-1/2
Berend, F (IM, LUX, 2328) - Nanjo, R (IM, JPN, 2340) 0-1
Linster, P (LUX, 2233) - Averbukh, A (JPN, 2223) 1-0
Mertens, M (LUX, 2181) - Tang Tang (JPN, 2108) 1-0

Japan - Surinam 1-3

Ishizuka, M (JPN, 1778) - dos Ramos, R (WFM, SUR, 1821) 0-1
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Adhin, A (WCM, SUR, 1616) 1/2-1/2
Sakai, A (JPN, 1703) - Kaslan, C (WCM, SUR, 1665) 0-1
Fukuya, N (JPN, 1636) - Frijde, R (WCM, SUR, 1605) 1/2-1/2


女子もスリナム相手に1P 取ったのみで、敗れてしまいました。後半戦、オープン女子そろっての負けの嫌な流れを変えるために、今日のR7 はしっかりと星を取ってきたいと思います。オープンはチュニジア、女子はザンビアと、ともにアフリカの国との対戦になります。

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.