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2013/12/11

2013年後半の遠征を振り返って

スペインバルセロナから2回目の更新です。無事に家に帰るまでが遠征ですが、一応試合はすべて終了しているので、今回の遠征を通して改めて感じたことや、今後のことについて、いくつか書き出してみようと思います。ちょっと長くなりそうなので、あまり興味のない人は適当に読み飛ばしてください(笑)

(1) 3つ目のIM ノームについて


今回の3か月に渡る遠征の最大の目標は、何といっても2月までの遠征で取り損ねた、3つ目のIMノームの獲得でした。すでにこちらのブログでは経緯を説明していますが、10月のFirst Saturday の最終戦で敗れたことで、一度はこの大会でのノーム獲得は無理だと思われました。しかし、ハンガリーチェス連盟の協力もあり、11月のFIDE Congress で、9R までの戦績でのノームが認められることとなり、私としては大変嬉しかったです。日本人として初めてのIM Elect になれたことは、今回の遠征の最低限のハードルクリアと言えるでしょう。今回の遠征中、たくさんの応援メッセージを送ってくださった皆さん、そしてノーム獲得が決まった11月半ばに、お祝いのメッセージを送ってくださった皆さんには、改めてこの場で感謝の言葉をお送りしたいと思います。

(2) レイティング2400到達について

こちらはノームを3つ揃えることよりも苦労しています。私が今、ノームを取れるような戦績で連続3大会をプレーできれば、レイティングは2400に到達するでしょう。しかし、良い時があれば悪い時もあるのが人間というもので、なかなかそう簡単にはいきません。実際、ノームを揃えてから2400到達までに、数年かかっているプレーヤーもいます。マヨルカの大会を終えても、私のレイティングは2350台でストップしており、残りの50弱を稼ぐにはもう少し時間が必要です。こちらは私にとって、来年クリアすべき次なる目標となるでしょう。こちらも、なるべく早くに達成したいですね。

(3) ノビサドのトーナメントについて

ノビサドの大会は初めてのセミクローズドで、IM セクションと言いながらGM がいたり、IM ノームの最低基準である平均レイティング2230を超えない可能性があったりと、なかなか怪しいシステムでした。それでも、ノビサド自体は良い街だったと思いますし、宿や値段も納得できるレベルでした。オーガナイザーのGM Sinisa も親切で良い人でしたね。今後、日本からわざわざセルビアに飛ぼうとはあまり思いませんが、ハンガリーを拠点にするのであれば、セルビアの大会は気楽に足を伸ばしやすいと思います。

(4) アグリジェントのトーナメントについて


シチリア、アグリジェントの大会は3泊4日で7R という弾丸日程でしたが、ヨーロッパの代表クラスであるGM 2人と対戦できたのは良い経験でした。(結果もついてくれば、なお良かったのですが...) そして、この大会を調べていて気づいたことですが、イタリアは意外と賞金付きのオープン大会が多く、その一部はFIDE の大会HP に掲載されていません。(ここ重要!) イタリアの大会を探すためには、こちらのHP をチェックするのが良いでしょう。

そしてもう1つ、重要なことです。イタリアで開催されている各大会の賞金額は様々ですが、おそらく優勝賞金が500ユーロを超えると、GM が参加するようになります。GM は(基本的には)チェスのプロであるため、賞金を稼ぐためにオープン大会に参加します。GM は一般的に参加費がタダですが、500ユーロ未満の優勝賞金であるならば、割に合わないと考えるGM が多いのではないでしょうか。もちろん、場所による交通費やスケジュールも関係してくるので、厳密には言い切れないですが、割と良い線をついている気がします。この辺りのことは、アメリカの大会事情に詳しい上杉くんにも聞いてみたいですね。とにかく、これから海外大会のレベルを予想する際は、優勝賞金をチェックすることは必須にしようと思っています。

(5) チェコのトーナメントについて


ブルノ、ピルゼンでの15日間、16試合は、私のこれまでの人生において最長のFIDE 公式戦連続記録でした。私の他には、カザフスタンのWIM Abdulmalik、ウクライナのIM Piankov、ロシアのGolcman らも2つのトーナメントに連続で参加しており、これはスケジュールを組んでいるオーガナイザー側の意図通りと言えるでしょう。多くの試合をまとめてこなしたいプレーヤーにとって、こうしたオーガナイザー同士が連携したトーナメントというのは、大変ありがたいものです。

さらに、これらの大会の良い点として次に挙げられるのは、参加費が安いことです。私はホテルではなくホステルに泊まったため、1大会の参加費と宿泊費は75ユーロずつほどでした。私がこれまで参加してきた大会の中でもダントツの最安値ですし、なかなかこれを下回るオープン大会を探すのは難しいと思います。ちなみにIM タイトルを獲得すれば、参加費はタダになるので、さらに安くなります。

その代り、優勝賞金はイタリアより下がり、9R のブルノで40000円程となります。シチリアのアグリジェントよりも、列車やバスが利用できるブルノ、ピルゼンのほうが交通の便は良いはずなのに、GM が参加しなかった理由がこれでしょう。GM との試合を求めるならば、こうした優勝賞金の低い大会は避け、チェコでももっと大規模な、プラハオープンなどに目をつけると良いかと思います。

(6) マヨルカのトーナメントについて


マヨルカは再びIM ノームを目指すクローズドトーナメントでしたが、ノームを目指さなくても良いということで、のびのび指すことができたような気がします。これまで公開していませんでしたが、この大会の参加費は6泊7日、朝食と夕食が付いて合計350ユーロです。私はさらにノームを達成していると理由で、50ユーロ値切り、300ユーロにしてもらいました。(ブリッツから参加したため、エキストラの2泊分をさらに払っていますが) この値段が安いか高いかの判断は人それぞれだと思いますが、マヨルカのビーチに面した四つ星ホテルが、宿泊場所+試合会場であることを考えれば、十分に安いと私は思います。おそらく、夏の観光シーズンを外しているために、実現可能な値段なのでしょう。観光客の多い真夏にこの値段であれば、完全に赤字である気がします... 値段と内容を考えれば、今後IM トーナメントを探す人には、是非お勧めしたい大会です。

そしてこの大会中、WIM Dave の母親から、現在私がいるバルセロナの夏のオープン大会は良いと勧められました。振り返れば、昨年の春に浜松の大会に参加した際も、対戦した秋山ヒメナさんから、スペインの大会は良いと言われていたのでした。スペインのオープン大会についてはまだしっかりと調べていませんが、イタリア、チェコと同様に、今後の長期遠征を考えて良い国であることは確信しています。

(7) ハンガリーを離れた理由について

ここは今日の記事でも一番大切なだと思うところです。私は3つ目のノームを達成したことで、ハンガリーのノームトーナメントにこだわる必要がなくなり、近隣の国の大会に足を運ぶようになりました。結果的にレイティングは大きく稼げませんでしたが、これは正解だったと思っています。

私がハンガリーの外に出た一番の理由は様々ですが、一番は私以外のプレーヤーも参加しやすい大会を発掘することにあります。(ノビサドとスペインはさておき) イタリア、チェコの大会はどちらも良いもので、今後、日本から団体での参加を検討する価値は十分にあるでしょう。私が経験してきた団体での海外オープン大会参加は、フランスのカペル、タイのバンコク(もしくはパタヤ)、マレーシアのクアラルンプールなどですが、ヨーロッパ方面で、もう少し数を増やしていくべきだと思っています。なんといっても、チェスはヨーロッパが本場ですからね! 私も昔は井上さん、馬場さんらに案内されて海外大会についていくだけの小僧でしたが、最近は後輩を引き連れて、こうした大会を周らなければいけない立場です。後輩たちに、勝手にここに行けというのは酷な話ですからね。そのためにも、どこのどういった大会が参加しやすいかを、自らチェックする必要があります。

最近は大学生たちの交流が盛んな割には、彼らだけで海外の大会にチャレンジしようという流れは、今のところあまり見えてないように思えます。(去年のマレーシアぐらいですかね) 私も情報の提供や、可能であれば自身の参加という形でサポートをしていくので、私よりも若い世代には、もっと積極的には海外のオープン大会に参加してほしいと思います。過去にカペルやマレーシアに参加した先輩方にも、どんどん話を聞いてみてください。チェスのレベルに関係なく、海外の大会に参加するということは、特別な経験になるはずです。

(8) 私の今後について

なんで12月中に帰ってくるの? といまだに聞かれることがありますが、これはブログにすでに書いた通り、ヨーロッパには180日中90日しか滞在してはいけないという、シェンゲン協定のためです。もう説明するのが面倒なので覚えてください(笑) これを厳密に守るならば、私は3月の半ば頃まで、ヨーロッパに戻ることはできません。南條くんからは、すぐアメリカにでも行けば? と言われましたが、いまのところそうする予定はありません。

13日の帰国後は、しばらくは日本でレッスンやレクチャーの日々に戻りつつ(依頼はいつでもどうぞ!)、次は3月末、チェコツアーの一環である、タイのLanta Open への参加を考えています。こちらはまた後日の記事で詳しく扱いますが、先に情報を知りたい方は、大会名から飛べるリンク先をチェックしてみてください。そして(7)と繋がりますが、やる気のある大学生たちと参加できれば面白いかなと考えています。もちろん社会人も歓迎ですよ!

ちょっと長くなりすぎましたが、ひとまず書きたいことは書き切りました。それでは皆さん、また12月13日以降、再び日本でよろしくお願い致します。ブログに書けない内容の裏話などは、また飲み会の席のお楽しみにということで(笑)

2013/11/24

Czech Tour Brno Open final round and a night in Praha


Brno Open 2013 入賞者たち

あまり時間がないので、簡単に結果報告から。最終戦はドローで、私は6.5/9 でフィニッシュ。それでも、1-4B も全ドローだったため、私は滑り込みで3位入賞となりました。リストは3だったので順当と言えばそうかもしれませんが、海外での初入賞なので(イタリアの7位はカウント外!)、やはり嬉しいものです。しかし、悲しいことにレイティングはマイナス3でした(笑)

Semenova, E (WIM, RUS, 2177) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)
Brno Open (9)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. f4 e6 8. Nf3 Nd7 9. h5 Bh7 10. Bd3 Bxd3 11. Qxd3 Ngf6 12. Bd2 Qc7 13. Ne5 c5 14. O-O-O cxd4 15. Qxd4 Bc5 16. Qa4 O-O 17. Nxd7 Nxd7 18. Ne4 Nb6 19. Qb3 Be7 20. Kb1 Rfd8 21. g4 Qc6 22. Rde1 Rd4 23. Qe3 Rad8 24. Bc1 Nc4 25. Qf3 f5!?



このエンドゲームは黒に分があると読み、勝負を仕掛けます。

26. gxf5 exf5 27. Ng5 hxg5 28. Qxc6 bxc6 29. Rxe7 Rd1 30. Rxd1 Rxd1 31. b3 Nd2+?!


ところがこちらが緩手で、切り捨てたもう1つが正解でした。31... gxf4! 32. Re2 f3 33. Rf2 Ne5 34. Kb2 Re1!! 35. Bg5 Re2 36. Rf1 f2 37. Bh4 f4! 38. Kc3 Re3+ 39. Kb4 Ng4-+

32. Kb2 g4 33. Re6 Nf3 34. Rxc6 Re1! 35. Rc3 g3?!



ここですぐにエクスチェンジを取りに行かず、35... Kh7 からもう少しじっくり構えれば、まだ黒にチャンスのある展開だったでしょう。

36. Rxf3 g2 37. Rg3 g1=Q 38. Rxg1 Rxg1 39. Be3 Rf1 40. a4 a6 41. b4 Kf7 42. c4 Rf3 43. Bd2 Ke6 44. a5 Kd6 45. b5 axb5 46. a6 Kc6 47. cxb5+ Kb6 48. Ba5+ Ka7 49. Bb4?!


ここは私が最初に読んだ、49. Bc7! で白勝ちでした。しかし、難解な変化です。 49... Rd3 50. Be5 Rd5 51. Bxg7 Rxb5+ 52. Kc3! (52. Kc2? Rb4 53. Be5 Rc4+ 54. Kd2 Ra4 55. h6 Ra2+ 56. Ke3 Rh2 57. Bg7 Rh4 58. Kf3 Kxa6 59. Ke3 Kb5 60. Kd4 Rxf4+ 61. Ke5 Rf1 62. h7 Rh1 63. h8=Q Rxh8 64. Bxh8=) 52... Rc5+ 53. Kd4 Rc1 54. h6 Rh1 55. Ke5 Rh5 56. Kf6 Kxa6 57. Kg6+-

49... Rf2+?!



ここでFM Burdalev には49... Kb6! でドローではないかと指摘されました。 50. Ba5+ (50. Bc5+ Kxc5! 51. a7 Rf2+= このパペチュアルチェックでドローというのが、彼の指摘で、確かにその通りです。) 50... Ka7 51. Bc7!+- しかし、やはりこの1手を見つければ白の勝ちです。

50. Kb3 Rf3+ 51. Kc2


51. Ka4! Rxf4 52. Ka5+- で白の勝ちになることは、互いに検討で見つけています。

51... Rxf4 52. Bc5+ Ka8 53. Kd3?



勝ちを逃す大きなミス! 私はこれに助けられました。53. Kb3! でa4 のマスを抑えておけば、b5-b6-b7 からチェックによるb8 のマスのコントロールで白勝ちです。

53... Ra4!= 54. Bd4 Ra3+ 55. Ke2 Ra5 56. Bxg7 Rxb5 57. h6 Ka7 58. h7 Rb8 59. h8=Q 1/2-1/2


2コネクテッドパスポーン+ビショップ vs ルークのエンドゲームはほとんど経験がなく、指してみないと良く分からないところがあって勉強になりました。しかし、勝ちにいってここまで悪くなるとは... 幸運に助けられた3位入賞でした。

11/16 16:00 R1 Kreyssig, B (GER, 1837) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/17 09:00 R2 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Kotva, M (CZE, 1996) 1-0
11/17 16:00 R3 Blahynka, M (CZE, 2188) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/18 16:00 R4 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311) 0-1
11/19 16:00 R5 Stanek, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/20 16:00 R6 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Golcman, E (RUS, 2209) 1-0
11/21 16:00 R7 Grove, M (SCO, 2078) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/22 16:00 R8 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Plat, V (IM, CZE, 2472) 1/2-1/2
11/23 09:00 R9 Semenova, E (WIM, RUS, 2177) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2

Brno Open 2013 Final Standings

The 1st Prize Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311)
The 2nd Prize Kantans, T (FM, LAT, 2412)
The 3rd Prize Kojima, S (FM, JPN, 2364)

なんだかんだで、2300以上が上位を占める結果となりました。まぁ当然と言えば当然でしょう。それでも、最終戦もドローでしのぎ、優勝を果たしたAbdumilak の活躍には目を見張るものがあります。


優勝したAbdumilak と、コーチのGM Arutunian、ブルノの最強タッグです。


レイティング別セクションの入賞者たち。右から3番目が、私と最後に対戦したWIM Semenova です。

試合後はバスでプラハに向かい、7時45分の友人との待ち合わせのために大急ぎでホステルにチェックイン。昨年、イスタンブールとロンドンで、待ち合わせに1時間遅れるという失態を犯した私に、3度目のミスは許されません(笑) 初めて来る夜のプラハを駆け抜け、なんとか無事に時間通りに友人の丹野さんと再会を果たすこととなりました。


プラハ到着後、すぐに地図をゲット。この河川に分断された首都は、どこかを連想させます。

そして友人との待ち合わせ場所、フローレンツのバスターミナルでは、さらなるサプライズが私を待っていました。突然、知らない人に「Shinya Kojima だよね?」と話しかけられ、戸惑っていると、昨年8月のCAISSA GM クラスに出てたプレーヤーだと教えてくれました。(おそらく7月の間違いだと思いますが) それにしてもなんという偶然! 彼はCzech League の最中で、本当にたまたま私を見かけたそうです。うっかり名前を確認し忘れてしまいましたが、なんとか調べてみるつもりです。


夕飯は2人でイタリアンへ。1年ぶりの再会に話題は尽きることなく、閉店まで3時間ほどしゃべり通しでした。また東京での再会を楽しみにしています!


プラハの短い夜を過ごしたのは、こちらのMosic House です。立派なホテルですが、一部はドミトリー部屋として泊まることができ、1泊わずか5ユーロでした。立地条件も良く、なぜこの値段が可能なのか、首をかしげるばかりです。

そして今日はプラハからピルゼンに移動し、もう少しでPilsen Open の初戦スタートとなります! 簡単なプラハ観光と初戦の記事は、また明日以降の更新でお届けしようと思います。

2013/11/23

Czech Tour Brno Open 8th round


ビールの空きグラスを次々と洗う食堂のおばちゃん

ブルノで過ごす最終日前日、8R はリスト1 のIM Plat にヒット。いつものように、試合前にゆっくりと過ごす時間はありません。それでも昼食時には駅前は出て、気になった肉屋の経営する食堂に入ってみます。食事をする人は半分ほどで、おじさんたちは平日の午前中だというのに、手にはビールのグラスが。これがチェコの日常なのでしょうか(笑)


こちらで頼んだのはメンチカツとポテトサラダ。メンチは作り置きかと思いましたが、どんどん注文が入り、どんどん揚げるのでしょう。きちんとアツアツでした。これで28チェココロナとは、肉屋直営ならではの安さです。


食後は手袋を買いました。こちらは40チェココロナ、180円くらいです。これで残りの1週間も、チェコの寒さを乗り切れるでしょう。買い物を済ませた後は、とっとと会場に戻って試合に備えます。


ようやく2番ボードまで復帰です

Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Plat, V (IM, CZE, 2472)
Brno Open (8)

1. Nf3 c5 2. c4 e6 3. Nc3 Nc6 4. g3 Nf6 5. Bg2 Be7 6. O-O O-O 7. d4 d5 8. cxd5 exd5 9. Bg5 Be6



まさかのQueen's Gambit Tarrasch Variation、そして古いラインです。これに対しては、本で読んだ少し白が良くなるラインを試します。

10. dxc5 Bxc5 11. Bxf6 Qxf6 12. Nxd5 Qxb2 13. Nc7 Rad8 14. Qc1 Qxc1 15. Raxc1 b6!?


ここで私の知識を外れましたが、15... Bb6 よりもこちらが多く指されているようです。異色ビショップですが、ポーンストラクチャーが良い白はわずかなチャンスがあるでしょう。

16. Nxe6 fxe6 17. Rc4?!



この手は元世界チャンピオン、Petrosian, Tigran も指していますが、このタイミングではあまり良い手ではなかったかもしれません。b7 のポーンを早く突いたことで、すでにNc6-Nd4 が可能なので、それを止める17. e3!? は、より白にチャンスを残しそうです。

17... h6!?


18. Nxd4 Rxd4 19. Rxd4 Bxd4 20. e3 Bc5 21. Rd1 Rf7 22. Be4 g6 23. h4 Rc7 24. Kg2 Be7 25. Kf3 Kg7 26. Rd2 Bb4 27. Rc2 Rxc2 28. Bxc2 Kf6 29. Bd3 h6 30. Be4 g5 31. h5 Be1 1/2-1/2 / Petrosian, T - Spassky, B / 1969

18. Rfc1 Rd6 19. Bh3 e5 20. Kg2 Nd4 21. Nxd4 exd4 22. R4c2 h5 23. Kg1 h4!?



私は試合後、彼に23... g5 はどうなのかと話してみました。コンピュータはこちらでも本譜でもイコール評価ですが、g5-g4 からビショップの働きを制限され、f2 のポーンをターゲットとして残されるほうが実戦的には嫌なような気がします。

24. Kg2!?


一度下がったキングが上がるのは、h5-h4 と突かれたことで、g7-g5-g4 を恐れなくて良くなったためです。

24... Rdf6 25. Rf1 Rd8 26. Rd1 Rdf8 27. Rf1 Kf7!?



黒は当然ですが、あくまで勝負です。h5-h4 の1つの狙いはhファイルをオープンにし、そこからルークの侵入チャンスを作ることなので、白はそれを防ぎます。

28. Bg4 Rh8 29. h3!? hxg3 30. fxg3 Rxf1 31. Kxf1 Kf6 32. Kg2 Ke5 33. Rc1!


ビショップとポーンによって、完全にクイーンサイドのオープンファイルをふさがれている白のルークにとって、fファイルから活用のチャンスができたことはありがたいでしょう。

33... g6 34. h4 Rd8 35. Rd1 b5 36. Rc1 Kd6 37. Rf1 Ke7 38. Rc1 Bb6 39. Rc6 Kf7 40. Be6+ Kg7 41. Bb3 Re8 42. Re6 Rxe6 1/2-1/2



ルークは1枚交換した後は、多少の窮屈さも解消し、特に問題はなかったでしょう。大きなアドバンテージを得たポジションもなかったですが、GM に近いレベルのIM に大事な試合を負けずに乗り切れたのでOK とします。


1番ボード、FM Kantans - WIM Abdumalik は黒が1ポーンアップになりましたが、異色ビショップで耐え切った白がドローに持ち込み、なんとかKantans は面目を保ちました。その代り、3-5番ボードはすべて決着がつき、私の所属する6P グループが増えてきました。すでに同率優勝を決めているAbdumalik以外、入賞の行方は完全に最終ラウンドの結果次第となります。

11/16 16:00 R1 Kreyssig, B (GER, 1837) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/17 09:00 R2 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Kotva, M (CZE, 1996) 1-0
11/17 16:00 R3 Blahynka, M (CZE, 2188) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/18 16:00 R4 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311) 0-1
11/19 16:00 R5 Stanek, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/20 16:00 R6 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Golcman, E (RUS, 2209) 1-0
11/21 16:00 R7 Grove, M (SCO, 2078) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/22 16:00 R8 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Plat, V (IM, CZE, 2472) 1/2-1/2
11/23 09:00 R9 Semenova, E (WIM, RUS, 2177) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)

Brno Open 2013 9R Pairings

1B IM Plat, V (6) - WIM Abdumilak, Z (7)
2B IM Strebkovs, A (6) - FM Kantans, T (6)
3B WIM Semenova, E (6) - FM Kojima, S (6)
4B Kearns C (5.5) - FM Burdalev K (6)

最後はなかなか面白いペアリングになりました。IM Plat は1R 以来となる1番ボードに返り咲き、Abdumilak の独走を白で止めに行きます。まさか簡単にドローにはしないでしょう。ここまで大会を率いてきたAbdumilak も、黒で2400台との連戦を乗り切らないと単独優勝にはなりません。

私は8R 終了時で2位グループの6P、タイブレークで4位につけています。最終戦は予想外の2100台、WIM Semenova, E を引いたので、ここをきっちり勝って、同時優勝を狙っていこうと思います。この大事な最終戦には、久々のレイティングプラスもかかっていますからね。それでは試合に行ってきます!


会場では即日、全ボードの棋譜がゲットできます。棋譜を回収した後、すぐにデータにするあたり、Brno Open の運営陣は優秀ですね。ちゃっかりラウンドごとに10チェココルナ取っていますが(笑)

2013/11/22

Czech Tour Brno Open 7th round


Brno Open もいよいよ終盤です。7R を迎えるこの日は朝からあいにくの雨模様。ただでさえ寒いチェコの11月なのに、さらに体が冷えるようになります。さすがにそろそろ、何か防寒具を買わなくては。


いつものサンドウィッチの昼食後、今度はこちらのケーキにトライしてみます。Medovy Dort というこちらは、蜂蜜とナッツを使ったもので、どうやらウクライナのケーキのようです。(チェコ語のレシピを発見して解読しましたw) 前日のシュピチュカに比べれば甘さは控えめ、食べやすいと思います。


食後はブルノ中心地を少しぶらぶらしてみることに。聖ヨハネ大聖堂脇からは、ブルノの町が一望できます。しかし、天気が良くないのが残念ですね。


聖ヨハネ大聖堂からは、まだ足を運んでいないシュピルベルク城にも行ってみようかと思いましたが、なぜか迷いました(笑) 仕方ないので、5番トラム沿いをてくてくと歩き、まだ歩いていない地域を散策してみます。チョコレートの表記にひかれてこちらの店を覗いてみると...


かなり本格的なチョコレート専門店でした。スタンダードな量り売りのチョコから、クリスマスシーズンということでサンタやベルをかたどったチョコ、写真のようにラップに包まれてすでにセットになっているチョコレートなど、種類は豊富です。80チェココルナのセットを購入し、店内を撮影させてもらいました。


サンタの隣にいるのは、クリスマスシーズンに現れるという悪魔のような生物、クランプスでしょう。ここチェコだけでなく、ハンガリー、オーストリアなど周辺のヨーロッパ各国で、このクランプスのキャラクター商品を多く見かけることができます。

思わぬ収穫を得た後は5番トラムでCelni に戻り、試合の準備をと整えます。相手は2000台ですが、試合を調べていると今年のIcelandic Open でGM Steingrimsson に勝っていることが判明! 油断せずに試合に臨みます。


Grove, M (SCO, 2078) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)
Brno Open (7)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. N1e2 e6 7. Nf4 Bd6 8. h4 Qc7 9. Qf3!?



この1ポーンサクリファイスは、ケチケメートでSean に見せてもらっていました。しかし、c2 を取って実際に問題がないのかどうかは、初めて真剣に盤上で考えます。

9... Nd7!?


9... Bxc2 10. Ngh5! g6 11. Ng7+ Ke7 は怪しい展開です。私は相手の誘いに乗らず、ポーン取りは諦めて安全に指すことを心がけます。

10. Nxg6 hxg6 11. Ne4 Ngf6! 12. Bd3



白がダブルビショップ取りを諦めるのは、特に不思議ではありません。12. Nxd6+ Qxd6 13. c3 0-0-0 と進めば、このラインの典型的な形となり、黒の展開の早さは十分にダブルビショップに対抗できるものでしょう。

12... Nxe4 13. Bxe4 Nf6 14. Bd3 Qb6!


簡単に白にもクイーンサイドキャスリングさせては面白くないので、b2,d4 をアタックすることで、黒マスビショップの展開を妨害しておきます。

15. c3 O-O-O 16. b4??



信じられないブランダーです。d4 をクイーンで取った際、ルークとビショップがダブルアタックになるため、黒はこのb4 のポーンを取ることができます。私からは試合後、彼に指摘したのは16. g3 e5 17. dxe5 Bxe5 18. Kf1!? とゆっくりポジションを改善していくというもの。白の問題はすべて解決してはいませんが、本譜のように焦ってポジションを崩してはいけません。

16... Bxb4! 17. Rb1?


さらに首をかしげるような手が続きます。白がポーンの代償を求めるためには、17. Bd2 Bd6 18. Rb1 Qc7 19. g3 e5-/+ としてbファイルからのアタックに期待するしかありませんが、代償が十分でないことは明らかです。

17... Bxc3+ 18. Ke2 Qa5! 19. a3 Qh5! 0-1



2ポーンアップになった黒はクイーン強制交換で、白のあらゆるカウンタープレーをシャットアウトします。この後、d4 のポーンも落ちる白は、ここで勝負を諦めざるを得ないでしょう。わずか1時間半での決着でした。


私より上位のボード、1-3 も全て各上が勝ちました。7R が終了し、なんだかんだでレイティング上位勢がトーナメントをリードする形になっています。それでもやはり、13歳のAbdumalik が1P リードで単独首位というのは、驚くべきことです。彼女にとって試練となるのは、本当の強豪と当る最後の2試合でしょう。(自分が本当の強豪に入っていないところが悲しいw)

11/16 16:00 R1 Kreyssig, B (GER, 1837) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/17 09:00 R2 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Kotva, M (CZE, 1996) 1-0
11/17 16:00 R3 Blahynka, M (CZE, 2188) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/18 16:00 R4 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311) 0-1
11/19 16:00 R5 Stanek, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/20 16:00 R6 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Golcman, E (RUS, 2209) 1-0
11/21 16:00 R7 Grove, M (SCO, 2078) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/22 16:00 R8 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Plat, V (IM, CZE, 2472)

Brno Open 2013 R8 pairings

1B FM Kantans, T (5.5) - WIM Abdumilak, Z (6.5)
2B FM Kojima, S (5.5) - IM Plat, V (5.5)

いよいよトップ勢同士の対戦です。1994年生まれのIM Plat はここまで5連勝で、先にAbdumilak を削りに行ってほしかったですが、色の関係で私に当たるのは仕方がありません。リスト1 のIM が相手でも、ここは負けるわけにはいかないので、なんとか食らいついて最終戦に逆転優勝の望みをつなげたいと思います。


ブルノについて1週間ですが、全くチェコ料理らしきものを食べていないことに気づき、夕飯はどこかレストランに入ってみることにします。そう決めて地球の歩き方に載っていたレストランを目指しますが、やはり迷子に... ブルノの路地裏は難しいですね。仕方なく入ってみた店もビールのみで「食べ物? なんもないよ!」と言われる始末。本当にブルノはビールばかりのバーが多く、手頃なレストランが見つかりません!


しばらく雨のブルノを彷徨い、ようやく料理も出す店を見つけました。メニューを見せてもらい、料理を数品と、そして折角なのでチェコのビールを頼んでみます。アンダンテで友人に、「チェコのビールは舌の上で溶ける! 他とは違うんだ」と言われていましたが、残念ながら普段ビールをほとんど飲まない私には、美味しいビールなのかは判断ができませんでした。飲みやすいとは思いましたけどね。ちなみに、私が自分の意志でビールを注文したのは、人生で初めてのことです。

そして料理を待つこと15分ほど...


なんか、グングニルみたいの来ましたけど(笑)


ベーコンで巻いたチキンと野菜のグリル、と言えば簡単な料理に聞こえますが、まさかこのように出てくるとは思いませんでした。野菜はパプリカ、タマネギ、トマトですね。それにしても本体のグングニル、熱くて持てず、どのように食べて良いのかわかりません。結局ナプキンを掴んで上部を持ち、下からせっせと肉と野菜を順に外しながら食べていきました。ビールとサラダ、フライドポテトをつけて料金は300チェココルナ。なかなか満足な夕食でした。

2013/11/21

Czech Tour Brno Open 6th round


この日もトラムに揺られて駅前へと出かけていきます。ブルノのトラムチケットは、車内の刻印を押してから15分、30分、60分、24時間有効など、何種類かあって当然値段もバラバラです。会場の最寄り駅、Celni から駅までは、一番安い15分20チェココルナのチケットで十分で、この日、駅前に出る一番の目的は銀行を探すことでした。


お昼ご飯にはいつものサンドウィッチに加え、ブルノのあちこちで見かけるこのケーキを食べてみました。調べてみたところ、この塔のようなケーキはシュピチュカというらしく、「頂上」、「先端」といった意味があるそうです。中身は卵のキュールクリームをカカオクリームで包んであり、それをさらにチョコレートでコーティングしてあります。(ちなみに調べたらこう書いてあっただけで、ペロッ、これは卵のキュールクリーム!と判断したわけではないですよw) 上から下までひたすら甘いので、苦手な人も多いかと思います。

そして、食後に警官を捕まえて銀行の場所を聞いたところ、「それならば、ここから2番トラムで5駅ほど行ったCelniの近くにあるよ」という衝撃的な答えが(笑) 私そこから来たんですけどと苦笑しつつ、ホステルへと戻ります。


これまでCelni 周辺は何もないと高を括ってあまり散策もしませんでしたが、とても大きなSPAR がありました。SPAR とは、ハンガリーでもよく見かけるヨーロッパ大手のスーパーマーケットで、ブダペストマラソンのメインスポンサーなども務めています。ここでなんとか銀行を発見。チェコでもしばらく生存できそうです。

それでは6R の棋譜解説へ。相手は今年で77歳になるロシアのプレーヤー、Golcman です。


Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Golcman, E (RUS, 2209)
Brno Open (6)

1. Nf3 f5 2. d3 Nf6 3. e4 d6 4. Nc3 Nc6 5. Bg5



この日は何となく気が向き、久々にAnti Dutch を指してみることにします。ここでは5. exf5 Bxf5 6. d4 Nb4 7. Bb5+ c6 8. Ba4 も考えましたが、あまりこうした白マスビショップの使い方は好みではありません。

5... e5 6. exf5 Bxf5 7. d4 h6!? 8. Bxf6


この手は白にとってすごく有効ではないと思いましたが、Anand - Carlsen を見ていてチェスはオープニングではないと知ったので(そしてそれは、これまで多くの実戦でも経験してきていることです。)、ナイトビショップの交換を早々に仕掛け、ポジションのバランスを早くに崩すことにしました。

8... Qxf6 9. Nd5 Qd8?



この手はすでに黒にとって致命的なエラーと言えます。9... Qf7! 10. Ne3 O-O-O ならば、黒は何も問題がなく、白としてはどのようにしてチャンスを作りに行くか、頭を悩ませることになるでしょう。

10. Bd3!


白にとって非常に重要な、戦略的一手です。ビショップを片方失っている白にとって、残ったビショップを交換し合うことは、相手のダブルビショップを消すという点で有効です。それに加え、ここではh7-h6 を突いたことで弱くなったg6 のマスを活用されてしまうため、黒としては白マスビショップの交換が望ましくありません。

10... g6 11. Bxf5!?


11. Qe2 Bg7 12. dxe5 dxe5 13. O-O-O+- これですでに勝勢とコンピュータは示しますが、私はエキサイティングなピースサクリファイスが見えた為、その誘惑に耐え切れません。

11... gxf5 12. Nxe5!



Tal であれば、10秒でこのサクリファイスを実行するでしょう。細かい駒数の計算よりも、アタックのチャンスとイニチアチブが重要だと考えるためです。(さすがに私はもう少し読みましたけどねw)

12... dxe5 13. Qh5+ Kd7 14. Qxf5+ Kd6


14... Ke8 15. Nf6+ Ke7 16. dxe5+- では、黒はどうしようもありません。

15. dxe5+ Kc5



黒のキングは安全な場所を求めて疾走しますが、そんな場所は盤上のどこにも存在しません。15... Kxd5 16. O-O-O+ Kc5 17. Rxd8 Rxd8 18. Rd1+- とクイーンを捨てても、3ポーンを持つ白のマテリアルのリードは勝ちに十分でしょう。

16. b4+!?


16. Nf6!? Qd4 17. Rd1 Qxe5+ 18. Qxe5+ Nxe5 19. Rd5+ Kb6 20. Rxe5+- こうしてe5 のポーンを取らせても、ピースを取り返せるのは読み落としていた変化です。私はそれよりも、a1 のルークを攻めに参加させることを選びます。

16... Nxb4 17. Nxb4 Kxb4 18. Rb1+ Kc5


18... Ka4 19. Qe4+ Ka5 20. Qxb7 c6 21. Qxc6 Rb8 22. O-0+- これでも黒のキングは絶望的な状況でしょう。

19. e6+ Kc6 20. Qb5+ Kd6 21. Rd1+



これで白はクイーンを取り、残りは時間の問題です。

21... Kxe6 22. Qc4+ Kf6 23. Rxd8 Rxd8 24. O-O Bd6 25. Qd4+ Kg6 26. Qxa7 b6 27. Re1 Ra8 28. Qb7 Rxa2? 29. Qe4+


あとはクイーンとルークを組み合わせ、メイトまで一直線です。

29... Kg7 30. Qg4+ Kf8 31. Qc8+ Kg7 32. Qd7+ 1-0



こうしたアタッキングスタイルは、私が一番に得意とするところではありませんが、こうしたプレーもできることを時々はアピールしておかなければいけませんね(笑) これで4勝1敗1ドローで、優勝を再び狙える位置まで戻ってきました。残りは3戦で、1試合も気が抜けません。


6R の1番ボードはなかなか面白い組み合わせ。72歳のIM Piankov と、13歳のAbdumilak の対戦です。持ち時間はあまり使わないながら、内容はのらりくらりとしたPiankov のチェスでしたが、Abdumilak が一瞬のスキを突いて優勢のクイーンエンディングに。しかし、Piankov はベテランならではのテクニックで、以下のポジションに持ち込みました。


Piankov - Abdumilak

e8 のクイーンが、a4,h5 を守り、h4 のポーンは取られた瞬間にパペチュアルチェックが入ります。これは黒に勝つ方法がなく、ドローで2人は合意しました。

そろそろ大会も終盤なので、私個人だけでなく、上のペアリングをすべて確認しておきます。

11/16 16:00 R1 Kreyssig, B (GER, 1837) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/17 09:00 R2 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Kotva, M (CZE, 1996) 1-0
11/17 16:00 R3 Blahynka, M (CZE, 2188) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/18 16:00 R4 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311) 0-1
11/19 16:00 R5 Stanek, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/20 16:00 R6 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Golcman, E (RUS, 2209) 1-0
11/21 16:00 R7 Grove, M (SCO, 2078) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)


勝ったのに7R の対戦相手はレイティングが落ちました! スコットランドのGrove は2200台に1人勝っていますが、ゲームを見る限りは、さほど脅威となる相手ではないはずです。ここもしっかりと勝って逆転優勝の望みを作っていこうと思います。そしてなにより、スコットランドのNo.1 GM に勝っておいて、2000台に負けるわけにはいかないですからね! 

Brno Open 2013 7R pairings

1B WIM Abdumalik,Z (5.5) - WIM Semenova, E (5)
2B IM Plat, V (4.5) - IM Piankov (5)
3B Blahynka, M (4.5) - FM Kantans, T (4.5)
4B Grove, M (4.5) - FM Kojima, S (4.5)
5B IM Strebkovs, A (4.5) - FM Burdalev, K (4.5)

いまだ単独トップを守る13歳のAbdumalik は、ロシアのWIM とSemenova と対戦で、1B が女子対決という珍しい事態になりました。Burdalev に負け以外、下に5勝という実力の分かりにくいSemenova ですが、ここはAbdumalik のポイントを削り、大会を盛り上げてもらういたいところです。

遅れてきたリスト1, Plat は初戦で1800台にドロー、2R で寝坊負けというひどいスタートでしたが、さすがの4連勝で2番ボードまで上がってきました。Piankov おじいちゃん相手にどのようなチェスを指すのか、2400代後半の実力を見せてもらおうと思います。

私と3R でドローにした15歳のBlahynka 少年も、まだ上位ボードに残っています。6R はロシアのIM Chudinovskikh のひどいブランダーから逆転勝利。まだまだ怪しいチェスですが、リスト2 のKantans からもポイントを挙げるようであれば、今大会のジュニア賞は確定でしょう。ここも注目のボードです。

ラトビアのIM Strebkovs も下に3ドローと調子は良くありませんが、2300台の実力者でまだまだ上を荒らすチャンスはあるでしょう。2B と同じここのマスター対決も、周りの注目を集めることと思います。


会場には本以外のチェスグッズもそろっています。チェスのネクタイ、590チェココルナ、ビショップの置物、300チェココルナなど(笑)


この日の夕飯はSPAR 内にあるレストランに駆け込みましたが、閉店間際で温かいメインディッシュがすでに片づけられていることに、サラダを取ってから気づきました。泣く泣くサラダとスープのみの夕飯に。か、悲しい...

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