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2025/08/27

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.7


続いては昨年の夏にトレーニングで指したゲームをご紹介します。松村くんは現在、日本でトップクラスの力を持つユースプレーヤーで、こちらのトレーニングの主催者でもあります。毎回、オープニングを指定して集まったメンバーでラピッドを指すのが主な活動ですが、この時はNimzo-Indianがテーマだったため、白番黒番どちらでも指したい変化を調べてきました。

Kojima, S - Matsumura, C
Training

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. e3 d5 5. Nf3 O-O 6. Bd3

この日はオーソドックスなRubinstein Variationを選択しました。6. Bd2が現在はよく指されており、私も何回か経験がありますが、今回は古くからのメインラインに松村くんがどんなセットアップをするかが気になりました。

6... b6!?


白マスビショップの活用して普通に見えますが、センターへの反撃を優先するのが人気の変化です。6... c5 7. O-O cxd4 8. exd4 dxc4 9. Bxc4 b6と進めてIQPを決めてから、a8-h1の広いダイアゴナルをビショップで抑える、いわゆるKarpov Variationは手堅いでしょう。私は黒で主にこの変化を指していました。

7. O-O dxc4 8. Bxc4 Bb7 9. Qe2

他のオープニングでも、c4を黒から交換してからBc8-Bb7と組む変化はありますが、白のセンターの厚みを過小評価するべきではありません。遅かれ早かれc7-c5を狙うのであれば、上記のKarpov Variaitionの手順がやはり優秀に思えます。c7-c5が遅れるようであれば、c7のポーンは白から絶好のターゲットになります。

9... Nbd7 10. Rd1 Qc8?!


これは指されて少し驚いた手です。クイーンの避け場所はe7が安全で、じっくりc7-c5のチャンスを窺えます。c8の位置だと、Ra1-Rc1からクイーンもターゲットになってしまい、苦しい展開でしょう。

11. Bd2 Re8 12. Rac1 h6 13. a3 Bxc3 14. Bxc3

ここもIQPを早めに決めているKarpov Variationとの違いで、d4が孤立ポーンでない本譜では、白はd4-d5をじっくり狙えるため、c3はビショップの位置として悪くなく、黒が黒マスビショップを手放す代償が十分ではないように思えます。

14... Ne4 15. Be1! e5 16. Ba2!


e4のナイトはアクティブではありますが、白は黒マスビショップをキープしてゆっくり対処することで、十分にダブルビショップの強さが活きる展開を目指せます。白マスビショップも退いてcファイルを開ければ、次にQe2-Qc4を狙い、c7、f7にプレッシャーをかける準備が整います。

16... Ba6 17. Qc2 exd4 18. Qxc7! Qxc7

Bb7-Ba6はc4のマスをカバーしますが、代わりにe4のナイトが浮いてしまいます。ここはいずれにしても白勝勢ですが、一か八かc3にナイトを跳びこむべきではないかと、検討で松村くんに指摘しました。ちょうどこの頃に自身の著「チェスが強くなる人の本」の執筆が佳境で、その中で少し触れたInterferenceというタクティクスです。

18... Nc3!?
Analysis Diagram

19. Bxf7+!! (19. Qxc8? Ne2+ 20. Kh1 Raxc8) (19. Rxc3!? dxc3 20. Qxd7 Qxd7 21. Rxd7 cxb2 22. Bc3 Rad8 23. Rxd8 Rxd8 24. Nd4+- 試合後の検討ではこの変化を出しました。) 19... Kh8 20. Qxc8 Ne2+ 21. Kh1 Rexc8 22. Rxc8+ Rxc8 23. Be6+- 先にf7を取れば、すぐにc8でクイーンを交換する変化と違い、白は駒得のうえにe6のマスが使えて勝勢です。

19. Rxc7 dxe3 20. Rdxd7 exf2+ 21. Bxf2 1-0


本譜はd7のナイトも見捨ててきたため、白の駒得が大きくすぐに決着となりましたが、c7での交換で7段目を抑えられてしまっているため、黒はどうしても苦しいでしょう。長くNimzo-Indianのメジャーな変化は白側で避けてきましたが、こうしてある程度の自信をもって指せたのは良い経験でした。

2024/12/28

Hong Kong International 2024 Day2

香港島には可愛らしいトラムが走っています。

香港での大会2日目です。この日は1日2試合のスケジュールで、どちらもGMとの対戦でした。午前に対戦した、インドのGM Sethramanとの試合をご紹介します。ChessableではSethramanのSemi-Slavコースを買って勉強していたので、Semi-Slavをメインに用意していましたが、見事に外されました。

Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Sethuraman, S.P (GM, IND, 2586)
Hong Kong International 2024 (2)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 h6!?

研究はしていたものの、実戦では初めて遭遇する変化です。黒は1手待って白のセットアップを確認し、d7-d5を突くかどうかを決めます。

4. Nc3 Bb4 5. Bd2 b6 6. e3 Bb7 7. Bd3 O-O 8. O-O d6


Nimzo-Indianであれば、かつて指していたBc1-Bd2をやってみようと考えていました。この場合、黒のh7-h6がどのように働くのかはっきりしません。ここで8...d5 9. cxd5 exd5 10. Ne5の変化もh7-h6の必要性が見えません。

9. a3 Bxc3 10. Bxc3 Ne4 11. Bxe4!?

直前まで、11. Be1と退いてダブルビショップを持つつもりでしたが、ハンガリーのGM Aczelの試合でこのアイディアを見たことがあったので試してみることにします。異色ビショップになっても、白はすぐに黒マスビショップのダイアゴナルを開き、黒キングにプレッシャーをかけます。

11... Bxe4 12. d5 Bxf3?!


12... exd5 13. Qd4!が私のアイディアでした。ナイトと取る手は単純にビショップが使いやすいことを考えれば、黒にとってややリスキーです。代わりに12... Nd7!?は指せる手です。

13. Qxf3 e5 14. Qg3 Nd7 15. f4 Re8 16. fxe5

g7でのメイトがあるため、すぐにポーンを交換する必要はないのですが、プレッシャーをためてどのように進めるかが分かりませんでした。fファイルと閉じるアイディアもあるとは思いつつ、白の優位が確信できなかったのは反省です。16. e4! Qe7 17. Rf3 f6 18. f5!+/- この局面はクイーンサイドからの黒の反撃が十分であるため、センターを閉じても白にはQg3-Qg4,Rf3-Rg3,Bc3-Bd2のような組み換えで、黒キングにプレッシャーをかけ続けることができます。

16... Nxe5 17. Rf5 f6 18. Raf1 Kh7 19. Bxe5 Rxe5 20. Rxe5 dxe5


ピースを交換してポーンストラクチャーをかえます。白はクイーンサイドにポーンマジョリティがあるため、それを活かしてパスポーンをセンターに作れれば、チャンスがあると考えました。

21. e4 a5 22. Qc3 a4 23. c5

b2-b4からすぐにaファイルを開かれるのは、ルークでの反撃があるので避けておきます。このc4-c5からでも、a,cポーンをバラバラに残してチャンスがあると思いましたが、Sethuramanはこれを上手く守ります。

23... bxc5 24. Qxc5 Rb8 25. Rf2 Qd6 26. Qc4 Rb3!


この手は見ていませんでした。黒はa4を取らせる間にa7-g1ダイアゴナルでの反撃を準備します。白はb2を守る手が無いので、ドローにするしかありません。

27. Qxa4 Qb6 28. Qd7 Rxb2 29. Qf5+ Kh8 30. Qc8+ Kh7 31. Qf5+ 1/2-1/2

続く午後の試合は幸運なことにウクライナのGM Bernadskiyとのペアリングになりましたが、序盤から中盤にかけて徐々にまずくしてしまいました。最後、相手が決めるところでブランダーがあったのですが、それに気づかず悔しい負けです。こちらの試合もどこかでご紹介したいと思います。

12/27 15:30 Player's Meeting, 16:00 R1 Wong, C (HKG, 1925) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 0-1
12/28 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Sethuraman, S.P (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
12/28 16:00 R3 Bernadskiy, V (GM, UKR, 2546) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 1-0
12/29 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Nissinen, N (CM, HKG, 2190)
12/30 10:00 R5
12/30 16:00 R6
12/31 10:00 R7
01/01 10:00 R8
01/02 10:00 R9

Hong Kong International 2024 R4 Pairings
Hong Kong International 2024 Live Games

私は次は香港のトッププレーヤーの1人、Nissinenとの試合です。負けたのに相手のレイティングがあまり落ちず、ラッキーなペアリングになっています。ここをしっかり勝って、再び勝ち越し状態に入りたいですね。午後のブリッツトーナメントは不参加の予定ですので、試合が終わったら少し街を散策してみようと思います。

2024/07/08

Nimzo-Indian Fianchetto Variation


昨日は久々に都内でのトレーニングに参加してきました。今回のテーマはNimzo-Indianで、基本的に白黒1回ずつを指すことになります。私は1局目、白を持って松村くんにRubinstein Variationを指して勝ち。2局目は黒を持って東野さんとの対局になりました。Nimzo-Indianを黒番で指すのは久々です。

Higashino, T - Kojima, S
Training

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. g3!?

Nimzo-Indianに対してフィアンケットは少し珍しいですが、指されてみて東野さんらしいチョイスだとも思いました。白は変化によってはc4を取らせ、Catalanのように指すことができます。

4... O-O 5. Bg2 d5 6. Nf3 c6!?


c4を取るタイミングを迷いましたが、先にSlavのフォーメーションにしておきます。試合後に6... dxc4 7. 0-0 Nc6 8. Qa4 Nd5という手順があることを確認しました。

7. O-O Nbd7 8. Qc2 dxc4

クイーンがc2に上がるのはCatalanらしい手ですが、これならc4を取って勝負することにします。c3にナイトの位置を決めていることにより、白には分かりやすくc4を取り返す手がありません。個人的には8. Nd2!?からc4を守られたうえ、e2-e4を目指すプランのほうが嫌でした。

9. Rd1 Qe7 10. e4?!


ここは10.Ne5!のほうが優れた手でした。c4を取り返す準備になりますし、e5でのナイト交換はdファイルを開き、Nc3-Ne4-Nd6のような駒組み、またはBg2-Be4からh7を狙うような駒組みが可能になり、白としては指しやすい状況です。本譜のe4-e5を押し込む作戦も場合によって強力ですが、ここでは黒に単純な返しがあります。

10... e5! 11. Bg5?!


11. d5 Nb6ならば黒はd5ポーンにゆっくり対応し、後にc5のマスを活用して十分に優勢です。11.dxe5 Nxe5 12.Nxe5 Qxe5ならば黒はc8のビショップも展開できるようになって不満が無いですが、まだこちらが本譜よりも良かったでしょう。

11... h6! 12. dxe5 hxg5! 13. exf6 Qxf6-+

ダブルビショップを貰ったうえ、次にe5がナイトの跳ぶ絶好のマスとなり、1ポーンアップ以上の黒は勝勢と言えます。

14. Qe2 g4! 15. Nd4 Ne5


これで形勢判断も分かりやすくなりました。e5のナイトはc4を守ったうえ、f3,d3への跳びこみが可能です。g4まで進んだポーンはダブルポーンでありながら、f2を抑え込むことでe5のマスを確保し続けることに一役買っています。

16. Rac1 Bc5 17. Nf5 Bxf5

Ne5-Nd3の跳びこみでエクスチェンジアップを決めても良かったのですが、e5のナイトは好守に利く良いピースなので、もう少し様子を見ることにします。

18. exf5 Qxf5 19. Ne4 Rfe8 20. Qc2 Bb6 21. Nd6 Qxc2 22. Rxc2 Re7 23. Nf5 Re6 24. Rcd2 Rae8 25. h3 gxh3 26. Bh1 Nd3 27. Kh2 Nxf2 0-1


駒得とピースの働きの良さを活かしてそのまま勝ちました。Nimzo-Indianを久々に指してみると楽しいですね。この調子で今週末から始まるジャパンチェスクラシックスも頑張ろうと思います。

2022/01/03

Vezerkepzo GM Christmas 2021 R7

Espresso Embassy のチェスボード机もようやく使うことができました。駒は持参した妻のものです。

年が明け、最初の試合がやってきました。相手はインドの女子プレーヤー、14歳のSahithi Varshini です。11月はIMセクションで大きく勝ちこし、レイティングを2200に乗せて上のGMセクションに初チャレンジのようでした。

Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Sahithi Varshini (WFM, IND, 2216)
Vezerkepzo GM Christmas 2021 (7)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3!? Bb4 4. Bd2!?

この遠征では3. Nf3 をメインに準備していましたが、一昨年から少し指していたNimzo-Indian 4. Bd2 Variation を元日に調べ直し、このゲームに投入しました。局面は早々に、Semi-Slav Anti-Meran のようになります。

4... O-O 5. Nf3 d5 6. e3 Nbd7 7. Rc1 Re8 8. Qc2 9. Be2 h6 10. O-O Bd6 11. Rfd1 Qe7


正直に言えば、クイーンを上がってくれることを期待して11. Rfd1 を指しました。個人的にはd2 のビショップがdファイルをブロックしているため、d1 のルークを気にせずにすぐにe6-e5 のアクションを起こされるほうが嫌でした。11... dxc4! 12. Bxc4 e5 13. dxe5 Nxe5 14. Nxe5 Bxe5 15. Ne2 Qc7= これくらいで黒は不満がありません。黒マスビショップはBf8-Bb4-Bd6 と組みなおしてテンポロスしていますが、白もd2 のビショップの位置が理想的か疑問です。

12. h3 dxc4 13. Bxc4 e5 14. Nh4! Nb6?!

これは指したくなるのが分かりますが、ナイトが跳ぶのは別のマスのほうが良かったでしょう。14... Nf8! 15. dxe5 (15. Nf5 Bxf5 16. Qxf5 e4= これは使いづらい白マスビショップを捌いて黒は問題ありません。) 15... Qxe5 16. Nf3 Qh5= 白がアドバンテージを取るにはもう一工夫必要です。

15. Ng6! Qc7?!


自然なクイーンの避け場所に見えますが、ビショップを互いに取り合うのが黒のベストでした。15... Qd8! 16. Nxe5 Bxe5 17. dxe5 Nxc4! 18. exf6 Qxf6 (ここでポーンをクイーンで取り返せるのが、d8 に退くポイントです。) 19. Be1+/=

16. Nxe5 Nxc4?!

16... Bxe5 17. dxe5 Qxe5 18. Bd3+/- 黒は自分だけビショップを失う少し嫌な展開ですが、これで耐えるほうが良かったでしょう。本譜もやりたいことは分かりますが、こちらもきちんと読んでおり、相手の読み抜けに気づいています。

17. Nxc4 Bh2+ 18. Kh1 b5 19. Na5!


おそらく相手はここにナイトの逃げ場があることを見落としていたのでしょう。ナイトとビショップの取り合いであれば、1ポーンアップの白は満足です。黒がポーンを失った代償を伴って戦うには、ダブルビショップをキープしたまま、特に白マスを上手く活用するほかありません。

19... b4 20. Na4?!

しかし、私もこれが試合で唯一と言って良い緩手でした。黒が弱めたクイーンサイドを利用するには、c5 のマスを抑えておいたほうが良いと思ってa4 にナイトを跳ばしましたが、白のキングサイドも手薄なので、g3 のマスをカバーするために20. Ne2! と下がるほうが良かったでしょう。20. Ne2! Ne4 21. Be1 Bg3!? (21... Qxa5 22. Kxh2 Qxa2 23. Qxc6+- 試合中はa2 との取り合いを気にしましたが、問題無いようです。) 22. f3!? Bxe1 23. fxe4+/- こうしたピースの取り合いは考えていませんでした。多少キング前を弱めても、ピースを減らしていけば1ポーンアップの白は満足です。

20... Ne4 21. Bxb4 Bf5 22. Qe2 Bg3! 23. Rxc6!


23手目で何を指すか、最も慎重に考えました。23. Be1?! Bxf2! 24. Bxf2 Qxa5 25. b3 Qd5! と進めば、黒は1ポーンダウンながらe4 のマスとe3 のポーンを抑え込んで戦えそうです。

23... Bxf2

23... Nxf2+ 24. Qxf2 (24. Kg1? Qf4! 25. exf4 Rxe2 26. Rf1? Nxh3+ 27. gxh3 Be4!-+ は大逆転で白キングがメイトされます。) 24... Qxc6 25. Nxc6 Bxf2 26. Ne7+ Rxe7 27. Bxe7 Bxe3 28. d5+/= 黒の23手目も難しい選択肢が多く、白も間違えると大変な状況になります。本譜はクイーンを交換して大きな脅威は去ったように見えますが、リードしているポーンを守り切るのが意外と難しい局面でした。

24. Rxc7 Ng3+ 25. Kh2 Nxe2 26. Bd6!?


ルークでビショップを当てられる手は大丈夫だと判断して指した手ですが、この時点の予想よりも実際の局面が複雑で、もう少し慎重に読んで指すべきだったと反省しています。26. Rc5 Bg3+ 27. Kh1 Bf2 28. Bd2 Ng3+ 29. Kh2 Bd3! 30. Nc3 ももう1つの選択肢で、形勢は不明です。

26... Rad8 27. Rf1!

この手は26手目を指した時点で第1候補でしたが、g1 でチェックされる可能性があることに気づいて読みなおしました。この手が成立しないと26手目が間違いになってしまうので、かなり焦りました。白は常にBf2-Bg3+ を警戒していないといけません。

27... Bxe3


27... Bg1+? 28. Rxg1 Nxg1 29. Nb7! Rd7 30. Rxd7 Bxd7 31. Nac5!+- がナイトを逃がしつつビショップを攻撃し、g1 のナイト取りとのダブルスレットを作るぴったりのアイディアでした。

28. Nb7 Bd3?


上記の変化同様、b7 にナイトが入る手がルークを当てつつビショップを守る素晴らしい手で、d6 でルークを切られてもNa5-Nb7-Nd6 と移動したナイトがルークとビショップをフォークする最高の位置にいます。これで26... Rad8 に完全に対応して勝ったと思ったのですが、それは相手のミスに助けられた結果でした。ここは28... Rc8! 29. Rxf5 Rxc7 30. Bxc7 Re7! (この手が7段目で串刺しになっていることに気づいていませんでした。) 31. Nc3 Nxd4 32. Nd5 Rxc7 33. Nxc7 Nxf5= こうしてピースの数も同じにされたうえ、e3、d4 と連続でポーンを取られてしまえば形勢は互角でしょう。

29. Rfxf7 Bxd4 30. Nxd8 Rxd8 31. Rfd7+-

こうしてルークを貰ったうえで、ビショップも守り切ってb8-h2 のダイアゴナルを抑え続けられれば白の勝勢です。それでも最後まで気を抜かずに指しました。

31... Ra8 32. Nc3 Nxc3 33. bxc3 Bf6 34. Rxa7 Re8 35. Be7!


ルークも交換してしまえば、あとはパスポーンを進めるだけです。

35... Be5+ 36. Kh1 Be4 37. Rd8 Rxd8 38. Bxd8 Bxc3 39. Bb6 Kh7 40. a4 1-0

この大会待望の初勝利でありながら、2022年の公式戦初白星となりました。思い切って序盤から変えてみて良かったと思います。次は3大会連続となるGM Nagy との試合です。前回は最終戦だったこともあり、あっさりドローになりましたが、今日はどうでしょうか。勉強させてもらおうと思います。

12/26 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Aditya, V P (IND, 2281) 0-1
12/27 15:00 Leszko, B (FM, HUN, 2253) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/28 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Ajay, K (IM, IND, 2401) 1/2-1/2
12/29 15:00 Pechac, J (GM, SVK, 2584) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1-0
12/30 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Trost, E (CM, SWE, 2271) 1/2-1/2
12/31 11:00 Mihok, O (GM, HUN, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
01/01 Rest Day
01/02 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Sahithi, V (WFM, IND, 2216) 1-0
01/03 15:00 Nagy, G (GM, HUN, 2527) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
01/04 10:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Avinash, R (IND, 2391)

Vezerkepzo GM Christmas 2021 Standings

+5 Pechac
+2 Mihok、Nagy
+1 Ajay、Aditya
-1 Kojima、Avinash、Trost
-4 Leszko、Sahithi

Pechac はGM 以外との試合を、色に関係なく全て勝ちそうな勢いです。5つ勝ち越すには、これくらいのプレーが必要なのだといみじみ思います。

2020/10/19

The Right Moment to Capture A Pawn


試合もしばらくなく、10月は全然ブログを更新できていなかったため、リハビリがてら試合の解説を1つ書こうと思います。8月に参加した名古屋の東海オープン初戦、長瀧くんとのゲームです。

Nagataki, K - Kojima, S
Tokai Open 2020 (1)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. e3 O-O 5. Nf3 d5 6. Be2 c5 7. O-O cxd4 8. exd4 dxc4 9. Bxc4 b6 10. Qb3!?


麻布の後輩である長瀧くんとは、合宿での同時対局でこそ何回も指していますが、公式戦はこれが初めてでした。この白の10手目は深く知りませんでしたが、d5 を抑えながらビショップナイトの交換を強制するため、理にかなっていると思います。ビショップが下がる手には、d4-d5 の押し込みが強力です。

10... Bxc3 11. bxc3 Nc6!?


11... Bb7 と迷いましたが、まずはNc6-Na5 の狙いに何で対応するか様子を見ることにします。しかし、ここで白の応手がまずく、ゲームの流れは一気に黒に傾くことになります。

12. Bb5?! Bd7 13. Bg5? Na5!


この13手目が、先日のパズルの出題で出したポジションの正解手です。黒はまずは白マスビショップを交換してしまい、白のダブルビショップのアドバンテージを消すとともに、c4 のマスを弱めます。

14. Qa4 Bxb5 15. Qxb5 Qd5!


この手がさらにクイーン交換を迫り、c4 のマスとc3 の弱点を際立たせます。さらにはこうしてクイーンが避けられるということは、Bc1-Bg5 のピンは役に立たず、逆にg5 のビショップはNf6-Ne4 からターゲットにされて白が困ってしまいます。

16. a4 Ne4


クイーンを黒から交換してしまうことも考えましたが、d5 でのクイーン交換でポーンがeファイルからdファイルに移動する形は、e4 とc4 を抑えられるようになるため、孤立ポーンでも黒は悪くないでしょう。16. Qxd5 Nxd5 でも黒は満足ですが、e4 にナイト、d5 にポーンでも良さそうだと判断し、クイーンは白から取ってくるのを待つことにします。

17. Rac1 Rfc8 18. Qxd5 exd5 19. Bd2 Rc4-+


すでに黒はcファイルをコントロールしてc3 とa4 を狙っているため、白のポーンは落ちることが確定しています。このゲームではここから、黒がいつ、どのポーンを取るかをテーマに見ていただければと思います。

20. Ra1 Rac8!


黒はこの局面でポーンを取れますが、確実に落ちるポーンを慌てて取る必要はありません。なるべく全てのピースを働ける状態にし、相手の反撃に極力備えてからポーンを取るのが正しい判断だと思いました。働きの悪いd2 のビショップを簡単に捌かせたくないという点も重要です。

21. Rfe1 f6 22. h3 Kf7!


こうしてキングがf7 に上がっておけば、e4 のナイトが消えてもeファイルからの白ルークの侵入を防ぎ、白に反撃のチャンスを与えません。 e5, g5 のマスに白ナイトが跳ぶチャンスもきちんと消しています。

23. Ra2 Nb3 24. Rb2 Nbxd2 25. Nxd2 Nxd2 26. Rxd2 Rxa4


ここまで準備できてから、ようやく黒はポーンを取りにいきます。c3 から取っても黒が勝つでしょうが、a4-a5 と押し込まれることを気にしなくて良いほうが簡単だと思い、aポーンを取ることにします。

27. f4 Rxc3 28. f5 Rac4 29. Rde2 Rc7


2ポーンを取った後は、きちんと7段目にルークを戻し、白ルークの侵入を防いでおきます。

30. Kh2 Rd3 31. Re8 Rxd4 32. Ra8 Re4 33. Rxe4 dxe4 0-1


ルークも1つ交換し、白から手を作るチャンスもなくなったため、ここで白はリザインとなりました。相手の緩手をついて駒得を決めてから、焦らず丁寧に指せたのが良かったと思います。

2020/07/24

Japan Chess Classic 2020 Day2


ジャパンチェスクラシック2日目です。今回の試合で使われているチェスピースとボードは新型コロナウイルス対策として、試合が終わるたびにアルコール除菌されています。

Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Scott, T (JPN 2190)
Japan Chess Classic 2020 (2)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. e3 O-O 5. Bd2!?



新しい試みとして序盤のレパートリーに加えたのは、Nimzo-Indian の5. Bd2!? 変化です。近年急速にトップGM の間で指される頻度が多くなってきています。

5... d5 6. Nf3 b6 7. cxd5 exd5 8. Rc1 a6 9. Bd3 Re8?!


e5 のマスを抑えるピースは、d7 かc6 に展開するナイトと、Bb4-Bd6 と退き直すビショップの2つであるべきだと思います。いずれにせよ本譜のように、Nf3-Ne5, f2-f4 と組むつもりでしたが、本譜では弱くなったf7 を気にしなくてはいけなくなります。

10. Ne5! Bd6 11. f4 c5 12. O-O Bb7 13. Be1!



これがf2-f4 とのセットで使えるマヌーバリングです。5手目で消極的に見える位置に展開されたビショップは、h4-d8 の強力なダイアゴナルを抑えにいくことになります。

13... cxd4 14. exd4 Nc6 15. Bh4! Na5


d4 を無視できるのが白のセットアップのポイントです。15... Nxd4 16. Bxh7+! Kxh7 17. Nxf7! (17. Qxd4?? Bc5-+) 17... Qe7 18. Nxd6 Qxd6 19. Qxd4+/- こうしてf7 を取り、黒マスビショップを消してからであれば、白は安心してナイトを取ることができます。

16. Qf3! b5 17. Kh1 h6 18. Rce1!



リスクを冒してd5 を取ったり、g2-g4 と仕掛けるよりも、eファイルを抑えてからb1-h7 のダイアゴナルを利用しにいきます。

18... Be7 19. Bxf6!


ここまで準備すれば、ビショップナイト交換をしてもキングサイドを押し切れると判断します。次のQf3-Qh5-Qf5 のマヌーバリングを考えると、黒が序盤でRf8-Re8 を指したダメージが明らかになります。

19... Bxf6 20. Qh5! Bxe5 21. fxe5+-



こうしてfファイルを開ければ、f7 へのアタックとQh5-Qf5-Qh7 の構想で勝負は決まりです。

21... Qg5 22. Qxf7+ Kh8 23. Rf5 Qe7 24. Qg6 Qe6 25. Rf8+ 1-0


最後はきっちりメイトで連勝を決めました。しかし、午後のラウンドが問題です。


Otawa, Y (JPN, 2122) - Kojima, S (IM, JPN, 2397)
Japan Chess Classic 2020 (3)
Position after 36. Ba3

1ポーンアップで黒が勝勢ですが、ここでひどい手を指してしまいました。36... Qd3 からビショップを追い出し、aポーンを進めるプランくらいで良かったでしょう。

36... Rd8?? 37. Qc7!+-


c6 のナイトは取られても、Rd8-Rd2 と入って黒勝ちだと読んでいました。しかし、実際には本譜のように指されると、g2 の前にf7 が問題となり、白の大逆転が起こります。

37... Kh7 38. Qxf7 Rg8 39. Qxe6



会場を出てから、黒キングの避ける位置はQe6-Qf5 でのチャックが入らないよう、h8 のほうが良かったのかと思いました。しかし、こちらも37... Kh8 38. Qxf7 Rg8 39. Bf8! Nd8 40. Bxg7+ Kh7 41. Qf6!+- がh6 取りのスレットになっているため、黒のナイトフォークは有効ではありません。

39... Nd4 40. Qg4 Qa6 41. Rd7 Qb6 42. e5 Nc6 43. Qe4+ Kh8 44. Rd6 Rc8 45. Qg4 Qc7 46. f4 Rd8 47. Qe6 Nd4 48. Qd5 Rxd6 49. exd6 Qc3 50. d7 1-0


ポーンを2つ取られて以降は何もなく、ずるずると負けてしまいました。残り時間もあっただけに、悔いの残るミスでした。また明日、気持ちを切り替えて頑張ります。

Fukuda, T (JPN, 1740) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 0-1
Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Scott, T (JPN 2190) 1-0
Otawa, Y (JPN, 2122) - Kojima, S (IM, JPN, 2397) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Yesbolatova, A (KAZ, 1814)

Japan Chess Classic 2020 R4 Pairings


明日はカザフスタンの女性との対戦です。初めての相手ですので、どんな試合になるか楽しみにしようと思います。3連勝組の直接対決も、どのような結果になるか楽しみにしています!

2016/10/06

Chess.com Isle of Man International R5


5R のあったこの日は、お昼ご飯に新しいお店を開拓してみることにします。会場の先の通りにあるTea Junction というカフェレストランは、少し前に見つけて気になっており、実際に入ってみると、小さなシャンデリアや俳優の肖像画のあるオシャレな内装で、ゆったりとお茶を楽しめる専門店でした。


紅茶はこのように葉のサンプルを渡され、香りを確かめながら好みのものを注文することができます。フォートナム&メイソンのアフタヌーンティーも良かったですが、私はこちらのお店ほうが好きなお茶を選ぶことができて気に入りました。お茶とパニーニで、久々にゆっくりととした昼食の時間を過ごし、この日の試合に向かいます。

5R の相手はアイルランドから来ている18歳の少年です。レイティングは1900 ですが、直前のラウンドには2200 に勝っていますし、初戦も隣のボードでIM 相手にしっかりと指しているのを見ていました。絶対に勝ちたいラウンドですので、油断せずに試合に臨みます。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman, R (IRL, 1923)
Chess.com Isle of Man International (5)

1. Nf3 e6 2. c4 Nf6 3. d4 c5 4. Nc3 cxd4 5. Nxd4 Bb4 6. g3 O-O 7. Bg2 d5 8. O-O!?



手順こそ一般的なものではないですが、Nimzo-Indian の一変化です。2012年にハンガリー留学を始めた当初、Nimzo-Indian を積極的に受けていたので、その頃の研究を思い出しながら指していきます。この変化では8. cxd5 と取るほうが多いですが、私はCatalan スタイルでc4 を一時的に取らせるラインを勉強していました。

8... dxc4 9. Qa4 Qa5!?


メインの手はどれだか思い出せませんでしたが、Qd1-Qa4 の直後でクイーンをぶつけられたらどうしようかと考え始めました。クイーンの交換後はピースの展開の早さと、黒のピースの働きの悪さを上手くつかなければ、ポーンの代償を得ることができないため、良い選択だと思います。

10. Qxa5 Bxa5 11. Ndb5 Rd8!



相手はこの手を指すのに、驚くべきことに50分近くも費やしてきました! 11... Nc6 12. Rd1 a6 13. Nd6 Bxc3 14. bxc3 Nd5 15. Nxc4!? このようにc3 を取らせ、黒マスの弱さで代償を取りにいくのは、今大会も参加しているベテランGM Romanishin のアイディアです。このラインに比べ、先にdファイルを取りにいくのは自然だと思います。

12. Bf4N


私としては、d6 を抑えなければb5 にナイトを跳んだ意味がないため、この手だろうと思って指しました。実戦では12. Rd1 Rxd1+ 13. Nxd1 というゲームが残っており、こちらのほうがe6-e5 でテンポを取られない点で良かったかもしれません。

12... Nc6 13. Rfd1 e5 14. Bg5 Be6 15. Bxf6?!



過去にa6 Slav を羽生さんと研究した際にも、似たポジションでこの交換を試して良くなかったことを、試合後の振り返りで思い出しました。私としては、ポーンストラクチャーを乱し、d5 とe4 のマスを使いやすくするプラスが大きいかと思いましたが、ダブルビショップを失うマイナスをもう少し考えるべきでした。15. Rxd8+ Rxd8 16. Bxc6 bxc6 17. Nxa7= ならば、イコールでゲームは続くでしょう。

15... Rxd1+?!


15... gxf6! 16. Ne4 Rab8! (16... f5 17. Nc5 e4 18. g4!) 17. Nxf6+ Kg7 18. Nd5 a6 19. Nbc3 Rd7=/+ 私が用意していたのは、Nc3-Ne4-Nc5 というアイディアでしたが、冷静に考えれば黒はf6 のポーンを返し、ダブルビショップで優位に試合を進めることができます。b7 にもう少しかけられると思っていたプレッシャーは、簡単にかわされてしまいます。

16. Rxd1 Bxc3 17. bxc3 gxf6


こうなってみて、ここからどうするか改めて作戦を立てます。Nb5-Nd6 はdファイルでピンにされてしまうため、もはや有効ではありません。Rd1-Rd6 とルークが侵入する手も、d8 でルークをぶつけられてしまい、ポーンを取りかえすことができません。すると勝てるかどうかわかりませんが、ピースを交換してルークエンディングに持ち込むくらいしか、白には手立てがないことがわかります。

18. Bxc6 bxc6 19. Nc7 Rb8 20. Nxe6 fxe6 21. Rd6



この時点で相手は10分を切っているのに対し、私は1時間10分ほど残っていました。経験の浅いプレーヤーであれば、このルークエンディングは十分に間違える可能性があると思いながらも、黒のベストディフェンスは私もよく分かっていませんでした。

21... Rb1+


21... Rb6 22. Rd8+ Kg7 23. Rd7+ Kg6 24. Rxa7 Rb1+ 25. Kg2 Rc1 26. Ra6 Rxc3 27. Rxc6 Ra3 28. Rxc4 Rxa2= このように進め、ダブルポーンは持ちながらもキングサイドで4対4 のポーンを持つ形に持ち込むのが、黒としては最も簡単にドローに持ち込む方法です。しかし、ルークを敵陣に飛び込みたくなる気持ちはよく理解でき、私もb1 かb2 のどちらかばかり読んでいました。

22. Kg2 Rc1?


これで白がはっきり有利になったと感じました。1ポーン足りていない白ですが、あっという間にポーンの数が逆転します。22... Kf7 23. Rxc6 Rb2 24. a4 Rxe2 25. Rxc4 Kg6 26. Rc7 a5 27. Rc5 e4 28. Kf1 Rc2 29. Rxa5 Rxc3 これならば白はもちろんゲームを続けますが、黒がきちんと指せばドローになるでしょう。

23. Rxe6 Rxc3 24. Rxf6 Ra3 25. Rxc6 Rxa2 26. Rxc4 Rxe2 27. Ra4 e4 28. Kf1! Rb2 29. Rxe4-+



aファイルのパスポーンはきちんとルークで止めにいけば怖くないため、消しにいくべきはe4 のポーンです。白が間違えて29. Rxa7? e3! と進めば、黒はドローに持ち込めるでしょう。

29... Rb6 30. Re7 Ra6 31. h4 Ra5 32. Kg2 h5 33. Kf3 Kf8 34. Rb7 Kg8 35. Kf4 Kf8 36. f3 Kg8 37. Re7 a6 38. Re5 Ra4+ 39. Kg5 Rb4 40. Ra5!


黒は最後にトラップを用意しています。40. Kxh5?? Rb5!-+ となれば、大逆転で黒の勝ちです。

40... Rb5+ 41. Rxb5 axb5 42. Kf5 1-0



上記のh5 を取ってしまった変化は、白キングがスクウェアに間に合いませんが、g5 からならばぴったり間に合っています。1900 相手にかなり怪しい試合をしてしまったことを反省しつつ、これで再び浮上できたことに胸をなでおろしています。そしてこの日は、マイナーセクションでプレーしていたなつみも、非常に内容の良いチェスでリスト1 のプレーヤーを下し、優勝争いにしっかりと残っています。

Fukuya, N (WCM, JPN, 1647) - Smith P (ENG, 1743)
Chess.com Isle of Man International (3)

1. e4 d5 2. exd5 Qxd5 3. Nc3 Qa5 4. d4 c6 5. Bd2 Qc7 6. Nf3 Nf6 7. Bc4 e6 8. Qe2 Be7 9. O-O-O Nbd7 10. g4 Nb6 11. Bd3 Bd7 12. Ne5 h6 13. h4 Rf8 14. g5 hxg5 15. hxg5 Ng8



16. Nxf7! Rxf7


ここはエクスチェンジを切る手が大正解で、逃げ遅れていた黒キングは大変な目にあいます。16... Kxf7?? 17. Qh5+ g6 18. Qxg6# ならば、即勝負ありです。

17. Bg6 Kf8 18. Bxf7 Kxf7 19. Qf3+ Ke8 20. Rh8 Kd8 21. Rxg8+ Be8 22. Ne4 Nc4 23. Nc5 Bxc5 24. dxc5 1-0



一番大事なポジションで決定的な手を見つけることができ、一気に勝ちを手繰り寄せました。残りは4試合ありますが、このまま私はU2400 での優勝を、彼女はマイナーセクションでの優勝を果たせればと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923) 1-0
Shyam S (GM, IND, 2552) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)

マン島のトーナメントも半分を消化し、今日からは後半戦に突入します。R6 は再びインドのGM で、Shyam との対戦です。彼は初戦で2200 に負け、その後も格下としか試合をしておらず、そこでもポイントを落としています。今大会絶不調な彼との対戦で、私もポイントを取らせてもらいたいところです。今日は再び中継のボードに戻りますので、日本時間の21時半からゲームをチェックしてみてください!

Chess.com Isle of Man International R6 Live Games

2016/08/13

Japan League 2016 Day1 Tournament Report


今日から4日間、夏の祭典、ジャパンリーグが蒲田で開催されています。中国からGM2人、WGM2人がゲストとして参加しており、昨年を上回る59名の参加者が集まっています。私は初日の今日、初対戦となる東北の本田くんと、麻布の先輩である坂井さんに勝ち。13人いる連勝グループに入っています。

Sakai, E (JPN, 2019) - Kojima, S (IM, JPN, 2394)
Japan League 2016 (2)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. e3 O-O 5. Nge2 c6!?



サマーオープンに続いて指された、Nimzo-Indian Rubinstein 5. Nge2 には、新しい変化を試してみようと思っていました。現在進行中のWorld Junior では、アメリカのXiong, Jeffery がこの変化で黒勝ちとなっています。アイディアは、メインラインのようにBb4-Be7 と退くのではなく、Bb4-Ba5-Bc7 と退いて、ビショップをゲームに戻すことです。

6. a3 Ba5 7. Qc2 d5 8. Ng3 Nbd7 9. b4 Bc7 10. Bd3 dxc4 11. Bxc4 e5=


私はすでにこのポジションで満足しています。形はSemi-Slav Anti-Meran に似ていますが、2手かけて到達したg3 のマスが、f3 よりもナイトにとって良いのかはやや疑問です。

12. O-O exd4 13. exd4 Nb6 14. Bd3 Re8!?



私はここではd4 を取らず、あえて弱点として残してプレーします。14... Qxd4 15. Bg5 h6 16. Rad1 Qe5 17. Be3 と進めば、白はピースの展開の早さと黒キングへの攻撃のチャンスで、ポーンの代償があるでしょう。

15. Bb2 Be6 16. Nce4 Nxe4 17. Bxe4 Qh4


IQP を持たせている黒にとって、マイナーピースの交換は望むところです。d5 のコントロールは多少気にしつつも、h2 への攻撃を見せて、g3 のナイトをの動きを制限します。

18. Bd3 Nd5 19. b5?!



b2-b4 と伸ばした以上、こうして仕掛けたくなる気持ちはわかりますが、開いたcファイルを使いやすいのは黒です。19. Rae1 のような手のほうが良かったでしょう。

19... cxb5 20. Bxb5 Rec8 21. Qd2 Bf4 22. Qd3 Nf6!?


最初の作戦は、22... Bd6 と退き、cファイルを開いておいてからNd5-Nf4 とするつもりでした。しかし、少し気が変わってダイレクトにNd5-Nf6-Ng4 を狙ってみることに。気になるh2 へのアタックをどのように受けるべきか、白はしっかりと読まなくてはいけません。

23. d5?!



ポーンを捨ててb2 のビショップの利きを開くよりも、23. Rfe1 で堅実に守るほうがよかったでしょう。23. Rfe1 Ng4?! 24. h3 Nxf2 25. Kxf2 ならば白は大丈夫です。Rc8-Rc2 に対して、eファイルでルークを挟むディフェンスをできるのが、23手目のポイントです。

23... Nxd5 24. Rad1 Nf6 25. Bxf6?! Qxf6 26. Nh5 Bxh2+!


これでさらに駒得を拡大し、勝負ありです。初めて指すこの変化は、Semi-Slav に似ていて、自分にはとても指しやすそうだという感触をつかむことができました。

27. Kxh2 Qh4+ 28. Kg1 Qxh5 29. Ba4? Bc4 0-1



まだまだJapan League は始まったばかり。明日は中国のマスターたちに、日本の2200台たちが挑む注目の2日目です! 3R のペアリングは、以下のように発表されています。

Alex - Zhou Jianchao
Lu Shanglei - 松尾
青嶋 - Ni Shiqun
小島 - 大山
阿部 - Wang Jue
馬場 - Gary
山田 - 塩見


私は明日、イングランドのU17チャンピオン、大山彰人くんとの対戦です。出会った4年前よりも、はるかに実力は上がっているでしょう。初めての公式戦での対戦、とても楽しみにしています。

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