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2013/10/01

Polgar Chess Festival 2013 - Event Report Vol.2 -


午後1過ぎに会場に戻ると、Susan の同時対局は終わり、Sofia の番になっていました。彼女は現在イスラエルで、チェス関係だけでなくイラストレーターとしての仕事もこなしているようです。


IM Sofia Polgar - Medve, Mark 0-1!

1月のBela Perenyi memorial で、私とドローだったハンガリーの少年、Medve Mark はSofia を見事破ったようです。見学に来た私に気づき、次はこの手指すよ~とおどけて教えてくれる余裕も見せてくれました。Congratulations!


with Hungarian GM Zontan Almasi

そしてSofia の対局中、会場の奥で発見したのはハンガリーのNo.2 GM Zoltan Almasi です! 思い切って突撃して話をしたところ、昨年のイスタンブールオリンピアード前にフェリヘジ空港で挨拶したことを覚えてくれていました。ハンティマンシスクオリンピアードに引き続き、3回目のコンタクトに成功です。


with Rudakov, A and Russian GM Dobrov, V

会場に姿を見せるのは、なにもハンガリーのプレーヤーばかりではありません。私同様にケチケメートでの試合を終えて、ブダペストに戻ってきたばかりのロシアの少年、Rudakov, A とも再会を果たします。一緒にいるのは彼のコーチであるGM Dobrov! 最近は公式戦でのプレーをあまりしていないそうですが、今月のFS Rapid Tournament では、9戦全勝という驚くべきスコアで優勝を果たしています。(ちなみにこの2人、完全に親子だと勘違いしていましたが、Dobrov は私と4つしか年が違いませんでしたw)

他にも会場にはオーストラリアのBird, A や、2月のFS で対戦したFarkas, L とも顔を合わせて挨拶をしました。やはりハンガリーにいるチェスプレーヤーにとって、このイベントの価値というのは特別なものであるようです。


3時近くになると、子供たちが対局をしていたスペースに人だかりができています。まさか、今回のスペシャルゲストの登場かと思い、他の野次馬同様に突撃してみると...


Former World Champion, Garry Kasparov

やはり現れました! 元世界チャンピオンのGarry Kasparov です。このイベントに招かれていることは事前の告知で知っていましたが、こうして目の前にすると感激もひとしおです。それにしても、人垣が切れた途端に当然目の前に現れたので、本当にびっくりしました!(笑)

この後、写真撮影をしていたiPhone の電池が切れそうになり、この日2度目の撤退を決めて、一旦アンダンテに戻ります。そこで管理人の山本さんを誘い、4時過ぎに再び会場へ。このイベントに興味を持ち、会場に遊びに来てくれた2人のお客さんとも合流し、計4人のパーティーでイベントを周ることになります。


with Hungarian GM Csaba Balogh
Photo by Yamamoto

会場に戻ってすぐに発見したのは、もう1人のハンガリー代表メンバー、Csaba Balogh です! 彼とは初コンタクトですが、このチャンスを逃す私ではありません(笑) 日本からチェスの勉強に訪れていることを伝えると、快く記念撮影に応じてくれました。実を言えば彼のプレースタイルについてはさほど詳しいわけではありませんでしたが、アンダンテに戻ってから調べたところ、めちゃめちゃ強い正統派1.e4 プレーヤーでした。今年は少しレイティングを落としているようですが、まだまだこれからハンガリーのチェス界を背負って立つ人物です。


Balogh と別れ、一緒にいた3人をショップに案内していると、なにやら1階ステージに人だかりの気配が。単身その群衆に飛び込むと、不思議な形のケーキを切り分けてお客さんに配っているところでした! このようなサプライズも、こうしたイベントを盛り上げる重要なアイテムでしょう。それにしても係りのお姉さんたち、ちょっと豪快に切り分けすぎじゃないですかね(笑)


Photo by Yamamoto

アンダンテに滞在中の2人のお客さん、ユミさん、ケンさんとケーキをつつきながら、このケーキは何の形だったのかを推理してみます。ヒントはケーキに貼られた、5種類のハンガリーを代表するスポーツ (後で別の写真を見て、チェス、水泳、フェンシング、体操、ボートと判明) のマークと、ステージの上で流れる、ハンガリー人選手が活躍するそれらスポーツの競技中のVTR。そう、あの不思議な形のケーキは、表彰台を表していたのです!


ケーキを食した後は、いよいよ今イベント最大の目玉である、世界最強の女子プレーヤー、GM Judit Polgar の同時対局がスタートします。私以外にも、これを楽しみにやってきたお客さんも多いでしょう。中高生の頃から彼女のゲームを並べてきて、昨年からはハンガリーでプレーしている私にとっても、Judit の生でのゲーム観戦は大変貴重なものです。


そしてJudit の対局中、他の2人の時とは異なり、同じ会場内でいくつかのイベントが同時進行で行われていました。Judit の回る対局スペース内には巨大なキャンバスが置かれ、(おそらく) ハンガリーのプロの画家と、Sofia に手によって絵が描かれていきます。


30分以上かけてキャンバスに描き出されたのは、向かい合うキングとクイーン! なんとも幻想的な雰囲気を持つ絵が完成しました。


そして会場の隅では、Kasparov のサイン会が! こちらもファンにはたまらないサービスでしょう。老若男女関係なく、チェスボードや書籍、果ては着ているシャツにまで、サインをねだって彼に押しかけていました。


もう1つの隅では、子供たちがパソコンに向かって対局を行っています。最初は単に、スポンサーであるMicrosoft が提供している製品で遊んでいるのかと思っていましたが、これはとんでもない勘違いでした! 彼らはハンガリーのU8~U14 の代表たちで、アメリカの同年代の代表たちと、オンラインでのラピッドマッチの真っ最中だったのです。


結局U8 代表の少女がドローを獲得したことで、ハンガリーユースチームの勝利が決まったようです。対局後にはSusan が駆けつけ、アメリカとテレビ電話をつないだうえで、インタビューに答えていました。


サイン会を終えたKasparov は、Judit が回る対局スペースに自身も入り、中から各ボードの様子を確認し始めました。Kasparov にチェックされながら手を指すという状況は、なんとも緊張して悪手を出してしまいそうです(笑)

この後、Judit の試合が終わらないうちに、さらに奥の特別室でKasparov の同時対局がスタートしました。しかし、こちらはなんと、プレスと参加選手以外立ち入り禁止! No Audience で、残念ながら私は会場に踏み入ることができませんでした。すでに引退したKasparov の生のチェスを拝む絶好の機会でしたが、時間も押していましたし、誰でも入れるようにしては部屋がパンクしてしまうのでしょう。こればかりは仕方がないのかもしれませんね。


with GM Susan Polgar
Photo by Bogad, P

最後は3姉妹の長女、Susan に挨拶をして会場を後にしました。朝の7時前に起きてから、12時間近くをこのイベントを楽しむために費やしたことになります。8日間の大会が終わって次にすることが、1日チェスイベントの見学とは、私も根っからのチェス馬鹿ですね(笑) とにかく大満足の1日でした。

イベント成功のために会場を駆けずり回っていたスタッフの皆さん、メインの3名とゲストのGarry、会場に足を運んだチェスプレーヤーの皆さん、そしてイベントに付き合ってくださった4名の日本人の皆さん、お疲れ様でした and ありがとうございました! こうしたチェスの魅力を伝えるイベントは、チェスプレーヤーにとっても、これからチェスの世界に入ってくる人たちにとっても、大変影響の大きい物でしょう。私もまた日本でイベントを企画したいなと考えつつ、チャンスがあれば別の国のイベントにも参加してみたいと思う今日この頃です。

2013/09/30

Polgar Chess Festival 2013 - Event Report Vol.1 -


ケチケメートでのトーナメントを終え、ブダペストに戻ってきた翌日の29日、私にとって待ちに待ったイベントが開催されました。それはハンガリーでも最大規模のチェスイベント、Polgar Chess Festival です。ハンガリーの伝説とも言えるPolgar 3姉妹のイベントに、今年は丸一日参加するために、わざわざ28日を1日2試合のスケジュールに切り替えたのでした。(Polgar 姉妹についての詳しい説明は、過去の記事をご覧ください。)

会場はドナウ川沿いの美術館、Palace of Arts。アンダンテから、4番6番トラムのいずれかと、2番トラムを乗り継いで20分ほどで到着します。数人の友人を誘いましたが、朝から乗ってきたのはこちらで獣医学を学ぶ大学生のみ。まずは2人で会場へ向かいます。


会場に到着してすぐに目についたのは、エントランスの巨大チェスセットです。オリンピアードなど、こうした大きなチェスイベントには不可欠な道具ですが、やはりこの日も子供たちに大人気でした。


10時のオープン直後は、さほど大きなイベントがまだ開始されていなかったため、会場内の展示を軽く見て回ることにします。昨年は巨大な体育館が会場でしたが、今年は美術館の一階、二階が会場であるため、それに関連付けた催しが多くみられました。こちらは木製のチェスピース制作コーナー。


風船によるチェスセットの制作コーナー。このような子供が喜ぶチェス関連の出し物のアイディアには、ただ驚くばかりです。


ショップに並ぶのは、チェスピースを模した陶器製の食器たち。こちらは昨年も見かけましたが、やはりポーンの形をした塩コショウの瓶は少し欲しくなります。


今イベントのために運び込まれた商品は少数で、普段、美術館として営業している際に販売されているものが、ショップの大半を占めていました。その半分はこうした美術書です。


しばらくするとメインのイベントホールである2階では、子供たちによる10分切れ負けのミニトーナメントが開催されていました。参加している子供たちも、後ろで見守る保護者たちも真剣そのものです。


子供たちの対局場を離れてさらに奥に進むと、サイン入りのチェスボードを発見します。Polgar 3姉妹は当然として、他に誰のサインがあるのか聞いたところ、現世界チャンピオンのVishy Anand だという回答が! このボードはお客さんの誰かがゲットしたのでしょうか。


こちらがこのイベントメインの3姉妹。左から三女のJudit Polgar、次女のSofia Polgar、長女のSusan Polgar です。


会場の最も奥、2階の突当りが3人のPolgar たちが30面同時対局を行うホールでした。最初に行われるSusan Polgar の同時対局前に、使用されるチェスセットをチェックしてみると、なんとこのイベントのための特別仕様であることに気づきます! 普通に購入すれば、1つ1万~2万円近くはするであろうこの高級セットが、さらに特別製になって30面も用意されているとは舌を巻くばかりです。


予定の10時半を少し過ぎた頃、長女で元女子の世界チャンピオン、Susan Polgar の30面同時対局がスタートしました。参加者はすべて事前エントリーで、飛び込みはキャンセル待ち扱いということでしたが、このスペシャルイベントをキャンセルする人はほぼいなかったでしょう。


姉のSusan が対局を行う中、次女のSofia は子供たちからのサインねだり攻撃を捌いているところでした。メインとお客さんの距離の近さは、このイベントの1つの魅力であると感じます。


Photo by Imazeki

2階にはさほど広いスペースではありませんでしたが、フリー対局コーナーも設置されていました。しばらく見ていて、かなり強いなと思ったハンガリーのプレーヤーは、後で話をしに行ったところ2300クラスだという回答が。彼と指せなかったのは残念でしたが、代わりに4人のプレーヤーとブリッツを行いました。上の写真はFirst Saturday FM クラスの常連で、カメラマンでもあるMiklos さんとの試合の様子です。


会場には高めの軽食しかなかったため、昼過ぎに一度会場を離れて昼食を探しに行きます。多少中心街に戻っても、この日は日曜であまり店が開いておらず、結局マクドナルドに入ることにしました。ここでセットを頼んだはずでしたが、しきりにポテトは?と聞かれるので、じゃあそれもと答えると、トレーには2つのポテトが(笑) ここで文句を言ってキャンセルにしないあたり、私もまだまだです。

昼食後には友人と別れ、1人で会場に戻ります。ここまでは軽いウォームアップ。午後しばらくしてからが、このイベントの本番です! 使いたいすべての写真を1つの記事に乗せると読みづらくなるため、今回のレポートは2回に分けることにします。

Vol.2 へ続く

2013/09/20

Polgar Chess Festival 2013 Preview


Polgar 3姉妹、左からJudit、Susan、Sofia Chessdom より

去年は11月の開催でしたが、今年はラッキーなことに9月です。ハンガリーで恐らく最も大きなチェスイベント、Polgar Chess Festival は、今年9/29(日)の開催となります。昨年はCAISSA の開始日と被ったため、午前中の2時間ほどしか顔を出せませんでした。今年はCAISSA の最終日と被っていますが、これならばスケジュール調整は何とかできそうです。ケチケメートから急いでブダペストに戻り、半日ほどこのイベントを楽しめればと思います。

ご存じない方のために説明しておきますと、Polgar 3姉妹はハンガリーの伝説とも言われるチェスプレーヤー姉妹です。現在はアメリカに住み、世界のチェスプレーヤーがチェックする超人気ブログ、Susan Polgar Chess Diary News and Information を持つのは長女のSusan Polgar です。現在はアクティブプレーヤーではないですが、タイトルはGM で、元女子世界チャンピオンでもあります。

次女のSofia Polgar は他の2人に比べてさほど有名ではないですが、IM とWGM のタイトルを持ち、現在はイスラエルに住んでいます。姉同様にチェスコーチの仕事もこなしており、昨年のPolgar Chess Festival では、彼女自らが子供たちに対して、ルール説明から行っているのに感銘を受けました。

そして何よりメインは、3女のJudit Polgar でしょう。15歳でGM のタイトルを獲得し、現在まで68期世界女子ランキング1位、間違いなく歴史上で最も強い女子チェスプレーヤーです。オリンピアードで、男子、女子の区分ではなく、オープンセクション、女子セクションに分かれているのは、Judit がハンガリー国内で男子代表よりも強かったため、そちらに代表入りするために、ルール変更された結果だと聞いています。チェスは男性のほうが女性より強い。そんな世界の常識を覆したのが、このJudit という女性です。(当然のことながらJudit は現在も、オリンピアードではハンガリーのオープンセクション代表メンバーの1人です! )


昨年のPolgar Chess Festival での、Judit と子供たちの同時対局の様子

そんな3姉妹がブダペストに集結し、1年に1度開催されるのがこのPolgar Chess Festival です。体育館ほどのホールで、3姉妹による同時対局、子供向けの講座、フリー対局スペース、チェスグッズ販売、チェスボクシングなどなど、様々なブース、イベントが用意されており、チェスがわからない人でも必見のイベントだと断言できます。昨年は忙しかったこともあり、1人で急ぎ足の見学でしたが、今年はブダペストの友人たちを誘ってこちらに参加してきたいと思います! CAISSA だけでなく、こちらの報告もお楽しみに~。

Polgar Chess Festival 2013


そして昨日はブダペストで開催中の、レスリング世界選手権を友人たちと見学してきました。テレビでの観戦経験はあっても、生は初めてです! ハンガリーはレスリングも強豪国のようで、予想していたよりもずっと、会場内は盛り上がっていました。


日本のエース、吉田沙保里は55kg 級で危なげなく優勝し、14回連続での世界選手権優勝となりました。続く伊調馨も63kg 級で優勝。試合中の2人の写真がうまく撮れなかったのは、少し残念です。


試合観戦後の打ち上げは、Kempinski Hotel 内にある日本食レストラン、NOBU で初めて食事をいただきました。寿司、てんぷらをはじめ、様々な日本料理を堪能させていただき、とても感謝しています。また帰国前に、足を運んでみたいですね。
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