2023/07/31

SixDays July-August 2023 GM B Tournament Preview

チェコオープンが終わったばかりですが、ブダペストに移動し次のトーナメントが始まります。SixDaysは比較的新しいノームトーナメントで、その名の通り6日間で9試合の日程をこなします。参加するプレーヤーだけでなく、初戦から最終戦までのペアリング、スケジュールもすでに公開済みです。

7/31 16:00 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Ngo, B (FM, USA, 2345)
8/01 10:00 R2 Chandran, K (FM, USA, 2333) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
8/01 16:00 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Levine, J (FM, USA, 2356)
8/02 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Mirzoev, A (GM, AZE, 2395)
8/02 16:00 R5 Plat, V (GM, CZE, 2516) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
8/03 16:00 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Liu, E (CM, USA, 2327)
8/04 10:00 R7 Horvath, A (GM, HUN, 2369) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
8/04 16:00 R8 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Fromm, M (FM, GER, 2457)
8/05 09:00 R9 Pribelszky, B (FM, HUN, 2402) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)

SixDays July-August 2023 GM B Standings

チェコでは2100台にことごとく苦戦した私が、2300以上しかいない今大会でどこまで戦えるでしょうか。初戦は若いアメリカのマスターが相手です。頑張ってきます!

2023/07/30

Czech Open 2023 R9

12日間過ごしたパルデビィツェを離れました。今回はラピッド含め、苦戦することが多かったです。最終戦は久々に短手数ドローにしました。

Dylag, E (WFM, POL, 2109) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
Czech Open 2023 (9)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. e3 e6 7. Bxc4 Bb4 8. O-O O-O 9. Nh4 Nbd7 10. h3 Bg6 11. Nxg6 hxg6 12. Qb3 1/2-1/2

指すならば12... Qb6 ですが、早々にドローオファーがきたので、これを受けて今大会を終わらせました。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142) 1-0
7/25 15:00 Classical R5 Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/26 15:00 Classical R6 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Musial, T (CM, POL, 2176) 1/2-1/2
7/27 15:00 Classical R7 Kearns, C (GER, 2184) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1-0
7/28 15:00 Classical R8 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Ocelak, J (CM, CZE, 2158) 0-1
7/29 15:00 Classical R9 Dylag, E (WFM, POL, 2109) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2

次の大会情報は明日にでも公開します。早く調子を上げていきたいですね。引き続き頑張ります。

2023/07/29

Czech Open 2023 R8

試合会場は酒類の持ち込みが禁止されていますが、会場を一歩出るとビールやちょっとした食事を売るテントが張られています。今回は飲んでいませんが、私も10年前のチョコ遠征ではピルゼンのビール博物館でビールをいただきました。チェコビールの1つのブランドと言えば、ピルスナービールです。

8Rはチェコのジュニアプレーヤーとでした。調子がどうであれ、最後まで指し切るつもりで試合に臨みます。

Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Ocelak, J (CM, CZE, 2158)
Czech Open 2023 (8)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 c5 5. e3 Nc6 6. cxd5 exd5 7. Bb5 cxd4 8. Nxd4 Bd7 9. O-O Bd6 10. Be2!?

10. Nf3 の変化のゲームを見ていましたが、6Rの試合で相手が白黒逆でやってきたセットアップが面白いと感じたので、ここでは素早くビショップを組み直し、d5を狙うことにします。

10... a6 11. Bf3 Qe7!?


11... Be6 を読んでいましたが、少しひねった手を指してきました。ここは白はどうするか悩むところです。

12. Nxc6?!

12. Bxd5!? Rd8 13. Bf3 h5!? は黒は思い切ってd5を捨て、キングサイドの攻撃を考えます。12. g3! h5 13. Nxd5 Nxd5 14. Bxd5 h4 15. Qf3!+/- と進んだ場合、白はキングサイドを上手く守り、ポーンアップで優位に試合を進められるようでした。本譜はc1ビショップをどうするか決めてからであれば良かったのですが、少し気の早い交換でした。

12... Bxc6 13. Ne2 h5! 14. g3?


Greek Giftを受けたつもりでしたが、よりひどいキングサイドの攻撃を受けることになります。オリンピアードでも似たゲームがありましたが、これを守り切れると思うのはかなりまずかったです。14. Bd2! Bxh2+! 15. Kxh2 Ng4+ 16. Kg3! Ne5 と進んだ局面は形勢不明で、もっとこの変化を真剣に読むべきでした。

14... h4 15. Bg2 Rd8 16. Bd2 hxg3 17. hxg3 Ne4 18. Ba5 Rd7 19. Rc1 Qg5 20. Nd4

すでにhファイルからの攻めに対抗する手段はないのですが、せめて20. Rxc6 bxc6 21. Qd3 としておくべきでした。e2のナイトが抜けると、g3の守りが薄くなってしまいます。

20... Qh6


20... Bxg3! これはお互いに見落とした手で、ナイトがf2を抑えていることでQh6-Qxe3+が決定的な決め手になります。g3を切る手はナイトからしか考えていませんでした。20... Nxg3? 21. fxg3 Qxe3+ 22. Rf2 Bxg3 23. Rcc2!+/= ならば白は次にNd4-Nf5があり、3ポーンを取られていても息を吹き返します。

21. Nf3


21. Re1 Qh2+ 22. Kf1 Nxf2 23. Kxf2 Bxg3+ 24. Kf1 Rh6 はつぶれていると感じて避けました。

21... g5 22. Re1 g4 23. Nh4 Nxf2!

お互いに残り3分で相手は一番嫌な手を指してきます。Nh4-Nf5の跳びこみが最後のチャンスにならないかとなんとか手を探します。

24. Qd4


24. Kxf2 Bxg3+!-+, 24. Nf5 Nxd1 25. Nxh6 Rxh6 26. Rexd1 Bxg3-+ これらはどちらもだめです。

24... Bxg3 25. Nf5 Qh2+ 26. Kf1 Ne4 27. Re2 Be5 28. Qb4 Qh7 29. Nd4 Bd6 30. Qb3 Ng3+ 31. Ke1 Nxe2 32. Nxe2 Qh2 33. Qc3 Be5 0-1

f5にナイトは入ったものの、黒がc6のビショップを間違えて動かさなければメイトスレットも生まれず、反撃はさほどありませんでした。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142) 1-0
7/25 15:00 Classical R5 Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/26 15:00 Classical R6 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Musial, T (CM, POL, 2176) 1/2-1/2
7/27 15:00 Classical R7 Kearns, C (GER, 2184) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1-0
7/28 15:00 Classical R8 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Ocelak, J (CM, CZE, 2158) 0-1
7/29 15:00 Classical R9 Dylag, E (WFM, POL, 2109) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)

2100台にこれほどポイントを落とすのは過去記憶にないことです。最後の試合も頑張ります。

2023/07/28

Czech Open 2023 R7

会場にようやく英語の本も並びました。今日は何があるかしっかりチェックしてこようと思います。

チェコオープン7Rです。この日はあまり語れることが無く、とにかくゲームに目を通していただければと思います。

Kearns, C (GER, 2184) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
Czech Open 2023 (7)

1. e4 c6 2. Nc3 d5 3. Nf3 Bg4 4. exd5 cxd5 5. Bb5+ Nc6 6. Ne5?

この早々のクイーンサクリファイスが成功しないことは、他のラインの知識から分かっていました。(このタイミングで成立するなら、他のラインで絶対にナイトを跳ぶというタイミングがあります)しかし、試合後に調べるとオンラインの早指しでは多少指されており、GMでも受け間違えて負けることがあるようです。6. h3 Bxf3 7. Qxf3 e6 8. d4 と進めば、ダブルビショップを手放しても白はc3のナイトの位置が悪くい、白十分だと思っていました。

6... Bxd1 7. Nxc6 Qb6 8. Ne5+ Kd8 9. Nxf7+ Kc8 10. Kxd1 Nf6!?


最初はこのナイトはh6に跳び、h8のナイトを閉じ込めようと考えていました。しかし、すぐにd5-d4から別のナイトが取れることに気づき、作戦を変更します。h8のナイトにこだわらないのであれば、ナイトはセンターに向かって展開するのが基本通りで良いはずです。

11. Nxh8 d4 12. Rb1!? dxc3

ここはナイトを取るのが分かりやすいかと思いましたが、慌てなくともナイトかビショップ、いずれかのピースは取れます。12... Kc7! 13. Nf7? dxc3 14. bxc3 a6!-+ 先にキングを上げておく手がBb5-Bd7+ を外し、逆にa7-a6のスレットを作ることには気づいていませんでした。

13. bxc3 Qe6


ここも先述のスレットが発生するので、13... Kc7 は指しておいて安全な手です。本譜のQb6-Qe6はh8のナイトを逃がさないようにする、あるいは取りにいく準備であると同時に、Nf6-Ne4を狙う手です。

14. Rb4 Ne4 15. Rf1 Nd6! 16. Be2 Qg8 17. Bg4+ e6?!

ナイトをd6に切り替えるのが私の構想のポイントで、c4でのルークチェックや将来的なBc1-Bf4のビショップチェックを防ぐ効果があると考えました。その時点ではe7のポーンは触らず、d6のナイトを守る役割として残しておくつもりでしたが、eポーンをあえて捨てることでビショップを早く展開し、あわよくばルークも交換しようと考えました。ところが、ビショップの展開はまだしも、ルークの交換が黒にとって非常に悪いアイディアになってしまいます。

18. Re1 Qxh8 19. Rxe6 Kc7 20. d3 Re8?


ルークを1つ交換して白の攻撃を制限すれば勝ちだと思いました。そもそもeポーンを捨てたのはe6のマスにルークを呼び込み、このルーク交換を仕掛けるためでした。しかし、この構想が黒のアドバンテージを全て放棄する最悪の判断でした。代わりに20... g5! 21. Bd2 a5 22. Rd4 h5! 23. Be2 Qg8-+ このようにh8のマスからクイーンを活用させれば黒の勝勢でした。

21. Rc4+ Nxc4 22. Rxe8 Nd6?

Bc1-Bf4は承知のうえで、ナイトをd6に戻せば問題無いと考えました。先にhポーンを突く手は考えましたが、あまり効果が分かりませんでした。22... h5! 23. Be6 Nd6 24. Bf4 Kc6! 25. Rd8 g6 26. Bxd6 Qf6 27. Rxf8 Qxe6 28. Bb8 Qxa2= これであれば、黒はf8のビショップを失いますが、前日同様クイーンvs.ルーク+ピースのマテリアルでゲームを続けられます。

23. Bf4 g5?


ここもひどい読み抜けがありました。23... h5 24. Rc8+ Kb6 25. Bxd6 hxg4 26. Rxf8 Qh5 27. Kd2+- ならば先述のマテリアルと同じですが、ポーンの形が悪く白にチャンスが生まれます。それでもこれを選ぶべきでした。

24. Rc8+ Kb6 25. Bxd6 1-0

c8でのチェックは見えていたはずですが、なぜかピース取りのスレットになると気づていませんでした。2つともピースが落ちては駒数は完全に逆転で、クイーン1つではなにもできません。ここで勝負を諦めました。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142) 1-0
7/25 15:00 Classical R5 Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/26 15:00 Classical R6 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Musial, T (CM, POL, 2176) 1/2-1/2
7/27 15:00 Classical R7 Kearns, C (GER, 2184) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1-0
7/28 15:00 Classical R8 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Ocelak, J (CM, CZE, 2158)
7/29 15:00 Classical R9

チェコオープン8Rにして、ようやくチェコのプレーヤーとの対戦が叶いました。おそらく最後の白番になりますので、気を取り直してしっかり指してこようと思います。

2023/07/27

Czech Open 2023 R6

滞在しているホテルの近くに動物園も入っている大きな公園があり、その中に素敵なカフェレストランがあります。少し値は張りますが、この3日ほどは試合前にそこで昼食をとることにしています。2日前はなんとか閉じる体裁をとっていたカプレーゼのサンドイッチが、この日は完全に崩壊状態で届きました。

チェコオープンも後半戦に入ります。この日の相手は三度ポーランドの若者で、格上からもポイントを取っている嫌な相手でした。Semi-Tarrasch からIQPポジションになることを1つの予想とし、試合に臨みます。

Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Musial, T (CM, POL, 2176)
Czech Open 2023 (6)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 d5 4. d4 c5 5. e3 Nc6 6. cxd5 Nxd5 7. Bd3 cxd4 8. exd4 Be7 9. O-O O-O 10. Re1

IQPは持たせるほうが基本的に好きですが、相手の手順によっては持つ側も受け入れます。黒からのセンターポーンの交換が遅ければa2-a3を入れるつもりでしたが、ここではまだ必要ないと考え、ルークをセンターに置く手を優先します。

10... g6?!


h7をケアしつつ、将来的にg7にビショップを組みたいのは理解できますが、すぐにキング前を狙われるリスクを背負います。10... Bf6 11. Be4 Nce7 という進行が一般的でしょう。

11. Bh6 Re8 12. a3 Nxc3 13. bxc3 Bf6 14. Be4

c3でのナイト交換でd4は強くなりましたが、代わりにc3が弱く残る可能性があります。e6-e5を警戒しつつ、b7を狙って相手の白マスビショップの展開を妨害します。

14... Bd7 15. Rb1 b6 16. d5!?


客観的には16. Qd2 Rc8 と進むのが良いのだろうと思いながらも、このセンターブレイクを仕掛ける誘惑に勝てませんでした。ベストではないものの、f7へのプレッシャーをどう受けるかは黒が悩むところで、実戦的な1手だと思います。

16... exd5 17. Bxd5 Rxe1+ 18. Qxe1

e1でルークを交換してクイーンをずらすと、Qd1-Qb3の狙いは消えますが、代わりにb1のルークがd1に来られるようになります。

18... Rc8 19. Rd1 Qe8 20. Qd2 Be6 21. Re1 Rd8?!


ここは21... Qd7 22. Bxe6 Qxd2 23. Bxd2 fxe6 24. Rxe6 Kf7 と進んだ場合、白は1ポーンアップでも分かれたクイーンサイドのポーンが弱く、有利なのか自信がありませんでした。

22. Ng5 Bxd5?

相手は残り10分を切り、クイーンを捨てる判断をしました。この変化は白が有利なのは明らかなので、私は別の変化を中心に読んでいました。22... Ne5! 23. Qf4 Qe7 24. Ne4 Ng4! 25. Bxe6 Nxh6 (25... Qxe6? 26. Qxg4!+-) 26. Qxf6 Qxf6 27. Nxf6+ Kg7 28. Nxh7 Kxh7 29. Bb3+/=

23. Rxe8+ Rxe8 24. h4 Rd8 25. Qe3 Be5 26. Nf3 Bf6 27. Bg5 Bxg5 28. Nxg5


クイーンを取った後、黒キングの前も崩すチャンスを十分に残し、決着がつくのは時間の問題だと思いました。しかし、ここから事件が起こります。

28... Rd6 29. Qf4! Rd7 30. h5

30. c4! Be6 31. h5 Bf5 32. h6+- こうしてh6まで素早くポーンを刺し、g7の狙いを長く残していても勝勢だったでしょう。

30... h6 31. Ne4 Bxe4 32. Qxe4 Rd6 33. Qf4 Re6 34. Qxh6 Ne5 35. Qf4


ここは相手が時間ギリギリで嫌なトラップを仕掛けてきます。35. hxg6? Nf3+! 36. gxf3 Rxg6+ 37. Qxg6+ fxg6
Analysis Diagram

このポーンエンディングになることに気づき、結果に自信が持てずに避けました。実際これはドローになります。38. Kg2 Kf7 39. Kg3 Ke6! 40. Kg4 Ke5 41. Kg5 b5 42. Kxg6 Kf4 43. Kf6 Kxf3 44. Ke5 Kxf2 45. Kd4 Ke2 46. Kc5 Kd3 47. Kxb5 Kxc3=

35... gxh5 36. Qg5+ Ng6 37. Qxh5 Re1+ 38. Kh2 Ra1

35手目のトラップにも気づき、この後も問題はないだろうと思っていた矢先にaポーンが守れなくなりました。この辺りで真剣にフォートレス(駒得でも勝てない形に持ち込まれること)を考え始めます。f2-f4-f5とするプランはシンプルですが、クイーンサイドのポーンが消えると黒はナイトを捨ててもドローのチャンスが生まれそうです。

39. Qf3


39. Qg5 Rxa3 40. f4? Rxc3! 41. f5 Rc6 42. fxg6 Rxg6= この形は典型的なフォートレスで、白はクイーンを持っていても突破口がなくドローになります。

39... Rxa3 40. Qf6 Ra2 41. f4 Ra5 42. g4?

f4-f5はいつでもできるため、先にgポーンを伸ばしておき、柔軟性を残そうと思ったのがこの試合最大の間違いでした。42. f5 Ne5 43. Kg3+- ここからキングの位置を改善し、g2-g4-g5を目指せば白勝ちです。

42... Ra4!


相手のルークはaファイルをふらふらしていましたが、ここにきて4段目が絶妙の働きになります。時間が増えた直後にもかかわらず、この形からフォートレスに持ち込まれる可能性を考えなかった自分のうかつさを呪いました。

43. Qd8+


43. f5 Rxg4 44. fxg6 Rxg6 45. Qd8+ Kg7 46. Qd4+ Kg8 47. Qd5 a5= f7にポーンを残し、ルークがe6,g6を往復することでキングの侵入を許さないというのがルークvs.クイーンのフォートレスの基本形です。クイーンサイドにあるポーンはこの際あまり関係ありません。本譜はこれを避けてナイトを取らないことにしましたが、それでも黒は難しい形ではないでしょう。

43... Kg7 44. f5 Rxg4 45. f6+ Kh6 46. Qc7 Rf4 47. Qxf7 Kg5! 48. Qxa7 Rxf6

f7を落としても、クイーンサイドのcポーンはチャンスを作れません。以下はドローだと分かっていながら一応続けます。

49. Kg3 Ne5 50. Qe7 Kf5 51. Kf2 Rc6 52. Qa3 Ke4 53. Ke2 Kd5 54. Qb3+ Kd6 55. Kd2 Nd7 56. Kc2 Rc5


後はルークがa5,c5を往復するだけです。

57. Qf7 Kc6 58. Qe6+ Kc7 59. Qe7 Ra5 60. Kb3 Rc5 61. Kb4 Ra5 62. Qh7 Rc5 63. Qh2+ Kc6 64. Qg2+ Kc7 65. Qa8 Ra5 66. Qxa5 bxa5+ 67. Kxa5 1/2-1/2

最後は進展のさせようがなく、クイーンを返してドローを決めました。前日以上に悔しいドローです。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142) 1-0
7/25 15:00 Classical R5 Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/26 15:00 Classical R6 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Musial, T (CM, POL, 2176) 1/2-1/2
7/27 15:00 Classical R7 Kearns, C (GER, 2184) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
7/28 15:00 Classical R8
7/29 15:00 Classical R9

7Rはまたドイツのプレーヤーです。これまでの対戦相手と違い、私同様に下位相手に苦しんでようやく上がってきたところのようですので、こここそ買っておきたいですね。残り3試合も頑張ります。
先日、他のボードゲームも置いてあることはお伝えしましたが、会場にはこうしたコーナーもあります。チャンギのような韓国のボードゲームを紹介するほか、あなたの名前をハングルで書きますというコーナーは面白かったです。韓国のチェスプレーヤーの家族が担当しているようでした。

2023/07/26

Czech Open 2023 R5

会場に並ぶ本はチェコ語、もしくはドイツ語ばかりのように見えます。

チェコオープンは早くも折り返しとなる5Rを迎えました。相手のCommercon は私よりも2つ年上で、ヨーロッパのトーナメントで豊富な経験がありそうなプレーヤーです。黒番でしたが、序盤からかなり上手く指すことができたゲームでした。

Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
Czech Open 2023 (5)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. e3 e6 7. Bxc4 Bb4 8. Qb3 Qe7!?

このゲームはClassical Slavの少し珍しいラインになりました。8... a5 9. O-O Nbd7 10. Na2 Be7 11. Qxb7 Rb8 12. Qa6 Ra8= は早々にドローになることが知られているため、これを避けて勝負します。

9. Nh4 Bg6 10. Nxg6 hxg6 11. h3 a5 12. Bd2?!


検討で彼はこの手を悔やんでいました。自然なピースの展開にも見えますが、逆にc3のナイトが動きづらくなります。12. O-O くらいで白は問題ないでしょう。

12... Nbd7 13. Be2 e5! 14. dxe5 Qxe5 15. Nb1? Nc5! 16. Qc2 Qe4!

試合序盤で大きな流れがきたと感じました。クイーンを消してしまえばb3のマスの負担も大きく、白は苦しい状況になるでしょう。

17. Qxe4+ Nfxe4 18. Bc3 Bxc3+


c3でのピース交換は悪くないのですが、もう少しタイミングを遅らせても良かったです。18... O-O-O! 19. Bxb4 (19. O-O Bxc3 20. Nxc3 Nxc3 21. bxc3 Rd2-+ 確かに相手のキャスリングを見てからc3を交換すれば、確実にルークが潜り込めました) 19... axb4-+ このポーンの形になった際、aファイルにルークが残り、a4をすぐ攻撃できるほうが良いと思っていましたが、b1のナイトが戻れないことを考えれば黒のアドバンテージは十分でした。

19. Nxc3 Nxc3 20. bxc3 O-O-O 21. Bc4 f6 22. Bf7 g5

私としてはポーンを全て黒マスに置いてビショップをかわしてしまうのが安全だと思いましたが、コンピュータは22... Rh6! としてg6を受けることを示します。確かに本譜のようにc2にビショップを組み替えてディフェンスされるより、a2-g8ダイアゴナルに縛っておいたほうが良かったかもしれません。

23. Bg6 Rh4 24. Bc2 Kc7 25. Ke2 Rc4 26. Ra3 Kb6 27. Rb1+ Ka6


このセットアップを見つけるのに時間がかかりました。黒はb7-b5を見せておき、白のピースの動きを封じておきます。

28. Rba1 Rh4! 29. R1a2 Rd6 30. Bf5 Rh8 31. c4 Rhd8 32. Kf3 Nd3?

しかし、ここは相手のキングがg4から上がってポーンを狙いにくるアイディアに動揺し、アドバンテージを手放すひどい手を指してしまいました。ポーンストラクチャーの差以外に、ナイトがビショップよりもはっきり働きやすいことが黒の大きなチャンスなので、これを交換してしまうのは誤りです。32... Rd1 33. Kg4 Rh8!-+ くらいで黒は十分なのですが、一度dファイルに重ねたルークを戻すのに抵抗があり、本譜を選んでしまいました。

33. Bxd3 Rxd3 34. Rxd3 Rxd3 35. Ke4 Rc3 36. Kd4 Rc1 37. c5


こうしてcポーンを押されてみると、黒のクイーンサイドのポーンマジョリティはあまり働かなくなります。c5のブロッケードを外してしまったことも、ナイトが跳びこんだ手が間違いであるポイントです。

37... Ka7 38. f4 Rd1+ 39. Ke4 gxf4 40. exf4 Rd5 41. Rc2 f5+ 42. Ke3 Rd1 43. Rc4 Ka6 44. g4!

最初、この手はポーンの形が乱れるのでミスなのではないかと思いましたが、進めてみると白のダブルfポーンはキングの隠れ蓑を作る良い働きをします。

44... Rh1 45. gxf5 Rxh3+ 46. Ke4 b5


最初は46... Rb3 から4段目でぶつけてポーンを落とすつもりでしたが、白ルークにg7を狙われた際、白のfポーンが予想以上に早いことに気づきます。作戦変更でパスポーンを作りにいきますが、孤立のcポーンだけでは戦力として心もとないでしょう。

47. cxb6 Kxb6 48. Rc1 Rg3 49. Ke5 Re3+ 50. Kd6 Rd3+ 51. Ke6 Rd4 52. Ke5

52. Rg1 Re4+ 53. Kd6 Rxf4 54. Ke5 Rxa4 55. Rxg7 Ra1= このようにポーンを取り合った場合も、ドローになりそうです。

52... c5 53. Rg1 Rd7 54. f6 gxf6+ 55. Kxf6 c4 56. Ke6 Rd2 57. f5 Kc5


黒もcポーンを伸ばすことができ、チャンスが生まれたかと思いましたが1手足りません。ここは57... Rf2 58. Kd5= で明確にドローなので、キングを上げて勝負にいきます。

58. Rf1 c3 59. f6 Kb4

59... c2 60. f7 Rd8 61. Rc1 Kb4 62. Rxc2 Kxa4= これは本譜と同じドローの形です。もう1手キングが上がるのが早ければ勝てたのですが...

60. f7 Rd8 61. f8=Q+ Rxf8 62. Rxf8 c2 63. Rc8 Kxa4 64. Rxc2


黒のチャンスは白ルークを1段目に縛らせておくことだけでしたが、Rf1-Rf8-Rc8と周る時間を与えてしまっては勝てません。

64... Kb3 65. Rc8 a4 66. Kd5 a3 67. Rb8+ Kc3 68. Ra8 Kb2 69. Kc4 a2 70. Rb8+ Kc2 71. Ra8 Kb2 72. Rb8+ Kc2 73. Ra8 Kb2 74. Rb8+ 1/2-1/2

最後は三回同一局面が成立し、ドローになりました。3Rに続く、タフな戦いでした。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142) 1-0
7/25 15:00 Classical R5 Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/26 15:00 Classical R6 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Musial, T (CM, POL, 2176)
7/27 15:00 Classical R7
7/28 15:00 Classical R8
7/29 15:00 Classical R9

6Rは再びポーランドの若いプレーヤーとの対戦です。後半戦も粘り強く指していければと思います。

2023/07/25

Czech Open 2023 R4

2日目からはB,C,30+のクラスも試合が始まり、プレーヤーは800人以上のようです。会場は2階にもボードを並べる満員状態になっています。2階には参加しているプレーヤーの国旗が掲げられており、日本は写真のかなり奥、クロアチアの隣にありました。

前日は会場で2番目に遅く終わるタフなゲームでしたが、この日の4Rは準備が上手く働き、余裕を持ったプレーができました。相手のジュニアも勉強熱心で、決して弱いプレーヤーではなかったと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142)
Czech Open 2023 (4)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 a6 5. c5!?

日本でも何回か経験のあるa6 QGDです。この試合では始めてc4-c5と押し込む変化を試してみることにします。

5... b6 6. cxb6 c5 7. Bf4 Bd6 8. Bxd6 Qxd6 9. dxc5 Qxc5 10. Qd4 Qd6 11. e4!?


試合前にこのa6 QGDになったら何を指すかを悩み、この手をたまたま見つけていました。e4-e5の押し込みにどう対応するかを黒は考えます。

11... Nc6 12. Qe3 d4

12... dxe4 13. Nxe4 Nxe4 14. Qxe4 も黒は指せますが、e4で駒を捌くのは白の注文通りであるようにも見えます。本譜のポーンフォークには当然ポーンフォークを返し、局面は難解になってきます。準備していなければ、とても指しづらい変化でしょう。

13. e5 Qb4 14. Nxd4! Nxd4 15. O-O-O Nf5 16. Qf3


d4で一時的にナイトを捨てますが、a8のルークを狙うことでピースを取り返します。

16... Nd5!

試合前にチェックしたNyzhnyk のゲームでは、16... Rb8 17. exf6 Rxb6 18. Rd2 gxf6 19. Bd3 Bb7 20. Be4+/- と進み、駒はイーブンながら形の良さで白が大きなアドバンテージを得ました。本譜の16... Nd5 はベストムーブです。

17. Nxd5 exd5 18. Qxd5 O-O 19. Qxa8 Qc5+?


この1手の悪手でゲームはほぼ終わりになりました。エクスチェンジを捨てた黒が勝負を続けるには、一番正確な手が求められます。19... Ne3!! 20. fxe3 Qc5+ 21. Kb1!? (21. Kd2 Qb4+ 22. Kc1 Qc5+=) 21... Bf5+ 22. e4 Rxa8 23. exf5
Analysis Diagram

これが私が試合前の解析で見つけたポジションで、検討でも彼と一緒に考えたものです。コンピュータは完全に互角を示しますが、どう転んでもおかしくない難しい局面です。黒は危険そうに見えるbポーンか、センターに並ぶポーンか、どちらから取るか悩むところです。

20. Kb1 Nd4

クイーンがcファイルに避けてしまうと、先述のNf5-Ne3は機能しなくなります。20... Ne3 21. Bd3! Nxd1 22. Rxd1 Qxb6 23. Qe4+/- 白はエクスチェンジを返し、2ポーンアップで勝勢です。本譜はBc8-Bf5+のディスカバードチェックとQc5-Qc2のメイトを狙っていますが、同時に防げる手が1手あり、問題はありません。

21. Bd3 Qxb6


21... Bf5 22. b7!? (検討で相手からは22. Qxa6 で良いのではないかと指摘されました。確かにそうですが、私が読んでいた変化も面白いものです) 22... Bxd3+ 23. Rxd3 Qc2+ 24. Ka1 Qxd3 25. Qxf8+ Kxf8 26. b8=Q+ Ke7 27. Qc7+ Ke6 28. Rc1+- c2を受けてしまえば、エクスチェンジアップの白の勝勢となります。

22. Qe4 Bf5 23. Qe3 Rb8 24. b3 Qb4 25. Bxf5 Nxf5 26. Qd2 Qe4+ 27. Qd3 Qxe5 28. Qd8+ 1-0

クイーンを無事に戻して駒得をキープできた白は、クイーンを安全に交換して勝ちとなります。2日前の負けを払しょくする綺麗な勝ちゲームができたので、またこの勢いを保って折り返しラウンドを迎えたいですね。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142) 1-0
7/25 15:00 Classical R5 Commercon, S (GER, 2181) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
7/26 15:00 Classical R6
7/27 15:00 Classical R7
7/28 15:00 Classical R8
7/29 15:00 Classical R9

次もドイツのプレーヤーとの対戦です。ここまでの相手の中では一番レイティングが高いので、負けないようしっかり指してきたいと思います。
この日はチェス以外のゲームも数種類会場に並べられていました。こちらは世界最古のゲームと呼ばれるマンカラ...と書いてあるように読めますが、調べてみると少し違うような? 今日も置いてあるようなら確認してきます。

2023/07/24

Czech Open 2023 R3

パルドゥビィツェもしっかり生活サイクルができてきました。朝は7-8時に起き、朝食は卵、ハム、チーズ、サラダ、ヨーグルトといった献立です。3Rの行われた昨日は、昼にいつも行っているパン屋が週末でお休み、夜は試合が長引きすぎていつも行ってるベトナム料理屋が閉店と、食事をするのが大変でした。今日は余裕を持って食事を確保し、試合に臨もうと思います。

Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335)
Czech Open 2023 (3)

1. e4 c6 2. Nc3 d5 3. Nf3 Bg4 4. h3 Bxf3 5. Qxf3 e6 6. Be2 Bc5 7. O-O Ne7 8. Na4

私も白番で研究していたCaro-Kann Two Knights の変化です。ラピッドではチェコのジュニアとの試合で、8. Rd1 Bd4 と進みました。本譜は一度ナイトを端に寄せても、ビショップを退かせる間にdポーンを突く狙いです。

8... Bd6 9. d4 dxe4 10. Qxe4 Nd7 11. Rd1 O-O 12. b3!?


黒のクイーンがQd8-Qa5と出た際、b2-b3からナイトを守り、b2経由でゲームに戻るのは見たことがありました。ここでは黒はクイーンの位置をまだ決めていないため、c2-c4からNa4-Nc3と戻るほうが自然だと思います。

12... Re8 13. Nb2 Nf5 14. Nc4 Bc7 15. Bb2 Nf6 16. Qd3 Nd5 17. Ne5

白はNd5-Nf4を受けず、ビショップを返してきました。相手のダブルビショップを消すことさえできれば、黒には不満のない展開です。17. g3 Qg5 18. Qf3 Rad8 と進めば、白はダブルビショップを保ちながらキング前を守れたでしょう。しかし、黒もd4への反撃の用意を整え戦える局面です。

17... Nf4 18. Qf3 Nxe2+ 19. Qxe2 Qd6 20. g3 Rad8 21. Rd3 a6


e6が弱くなることは気にしすぎず、fポーンを突いてナイトを追い返しても良かったでしょう。21... f6 22. Nf3 h5=

22. Rad1 Qe7 23. Kg2 Bb6 24. Qg4 g6?

将来的にg7にビショップを組み直せれば、d4へ反撃しやすい形だと考えましたが、黒マスビショップをg7に移動させる前にa1-h8のダイアゴナルから攻撃されそうです。24... f6 25. Nf3 Qf7= くらいが手堅い進め方でした。

25. Qe4 Bc7 26. c4 Bd6 27. Nf3 Qc7 28. g4 Ng7 29. Qe1 Bf8 30. Qc3 Re7 31. Ng5 Ne8 32. Ba3?!


32. d5!! Bg7 33. Qxg7+! Nxg7 34. d6 Rxd6 35. Rxd6+/- 白はクイーンを捨て、ビショップとルークとの交換しても、dファイルとa1-h8ダイアゴナルの支配で白良しというのがコンピュータの評価です。d5-d6も警戒していただけに、これは意外でした。

32... Nd6 33. Qe1 Ree8 34. Bb4 Rd7 35. Nf3 Nc8 36. Bc3 Bg7 37. Qe3 Rdd8 38. Ne5 Nd6 39. f4 b5!?

お互い40手手前の時間ギリギリの状況で、私から仕掛けました。g7にビショップを組み直せたことで少しキングサイドは落ち着いたので、クイーンサイドを開いてチャンスを作りにいきます。

40. Qe2 Rb8 41. Re3 a5 42. Nf3 bxc4 43. bxc4 c5?!


b7-b5とセットでこのcポーンのブレイクも重要だと考えていました。アイディアはセンターポーンを崩し、白の残った孤立のcポーンを弱点にすることです。しかし、少しタイミングが早かったかもしれません。コンピュータは先に43... a4 としておき、b3のマスを抑えることを推奨します。

44. dxc5 Qxc5 45. Bxg7 Kxg7 46. Re5 Qc6 47. c5 Nb5 48. Qc4 Red8 49. Rxd8 Rxd8 50. Kg3 Nc7

cポーンが強いのか弱いのか分かりづらいですが、Nb5-Nc7-Na6(必要なければNc7-Nd5)が見え、十分に戦えると判断しました。

51. Re1 Rd5 52. Qc3+ Kg8 53. Qxa5?


このポーン交換はピースがアクティブになる黒が明らかに有利です。53. Re5 からcポーンを守るのが正解です。

53... Rxc5 54. Qd2 Nd5 55. Rb1 Qc7 56. Qd4 Ra5 57. a4 h6 58. h4 Nc3!

このナイトの侵入でポーンを落とせることに気づき、この試合初めて分かりやすく黒が有利になりました。

59. Rb2 Rxa4 60. Qe5 Ne4+ 61. Kg2 Qxe5 62. Nxe5 Nd6?


f7への反撃を止めるための手でしたが、それならば62... Ra7 と指すべきでした。4段目に残り、f4を当て続けることにあまり意味がないことに気づかなかったのは反省点です。

63. Rb8+ Kg7 64. Rd8 Rd4 65. Rd7 Rxf4!?

f7を当てられたまま何も動けないと進展を作れないため、ナイトvs.3ポーンのマテリアルにします。しかし、これでも黒には勝つプランがありません。

66. Rxd6 Re4 67. Nf3 Rxg4+ 68. Kf2 g5 69. hxg5 hxg5 70. Rd7 Rf4 71. Kg3 Rf5 72. Nd4 Re5 73. Nc6 Rc5 74. Nd8


これで白はポーンを1つ回収し、安全にドローに持ち込めます。

74... Rf5 75. Nxe6+ Kg6 76. Nxg5 Kxg5 77. Ra7 Kg6 78. Ra6+ f6 79. Ra8 Rb5 80. Ra4 f5 81. Kf4 Rb6 82. Rc4 Re6 83. Ra4 Re4+ 84. Rxe4 fxe4 85. Kxe4 1/2-1/2

5時間半近い熱戦で最後は全ての駒が消えました。少し危ないところを上手く乗り切り、チャンスも作っただけに勝てなかったのは残念ですが、ある種の手ごたえを感じるゲームでもありました。再び白番を引く4Rでは、白星を手にしてきたいですね。

7/21 15:00 Classical R1 Grot, B (CM, POL, 2089) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 0-1
7/22 15:00 Classical R2 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Krawczyk, F (CM, POL, 2053) 0-1
7/23 15:00 Classical R3 Mohota, N (IM, IND, 2163) - Kojima, S (IM, JPN, 2335) 1/2-1/2
7/24 15:00 Classical R4 Kojima, S (IM, JPN, 2335) - Reimer, P (GER, 2142)
7/25 15:00 Classical R5
7/26 15:00 Classical R6
7/27 15:00 Classical R7
7/28 15:00 Classical R8
7/29 15:00 Classical R9

次はドイツのプレーヤーとの対戦です。今大会は私はMohotaのようなアジアからの遠征組と、チェコ、ポーランド、ドイツなど近隣のヨーロッパ組の、どちらも多く参加しています。
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