大会最終日、唯一会場に残ったChopra と最終戦を行います。11歳の彼にとっては、苦しんだ今大会での初白星を目指した試合でしたが、私も2000台にポイントを落とすわけにはいきません。
Kojima, S (FM, JPN, 2339) - Chopra, A (IND, 2051)
CAISSA IM November (11)
1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 e6 5. e3 Nbd7 6. Qc2 Bd6 7. Bd3
CAISSA IM November (11)
最終戦は、5月のWang Xinyue 戦以来の、オーソドックスなAnti-Meranで勝負です。
7... dxc4 8. Bxc4 b5 9. Bd3 Bb7 10. O-O O-O 11. Rd1 b4!?
トップレベルでは、昨年のPonomariov-Giri で実戦に現れた手。Ponomariov 自身はこの手に好手を付けています。アイディアはc6-c5 をすぐに突き、白マスビショップを早く使えるようにすることです。
12. Na4 c5 13. dxc5 Rc8 14. Qe2 Nxc5 15. Nxc5 Rxc5 16. Bd2 Qa8!?
この手をChopra がノータイムで指したことで、彼も深くオープニングの用意をしてきたことを知りました。ここからAnish Giri の試合を外れますが、この変化はPonomariov がAnnotation として、試合の中に記しています。
17. e4 Rh5 18. Re1 Rd8 19. h3 Bc5 20. Rac1 h6!?
g5 のマスを守りますが、白に次の一手を指させるチャンスを与えることになります。私は26手目のポジションをイメージしたうえで、勝負を仕掛けることにしました。
21. g4!?
h5 のルークは将来的にターゲットになると思い、どこかでこの手を仕掛けるチャンスをうかがっていました。以下、お互いがベストムーブの一本道で、不思議とバランスのとれたポジションへと変化します。
22... Rxh3 22. Rxc5 Rxd3!
黒が戦うためにはこの一手です。一時的にルークダウンになりますが、マテリアルはすぐに取り戻せます。
23. Qxd3 Nxe4 24. Rxe4 Bxe4 25. Rc8+ Qxc8 26. Qxe4
このポジションを私は白がやや指しやすいだろうと思い、21. g4!? を決断しました。コンピュータの評価はほぼイコールですが、2ピースとクイーンサイドポーンマジョリティを持つ白が、実戦的にはチャンスを作りやすいことを確信しています。また、黒は次のKg1-Kg2 からのルークトラップを防がなくてはいけません。
26... Qd8 27. Bxb4 Qd1+ 28. Ne1 h5!
私が見落としていたのはこの一手。これで黒はルークを救い、エンドゲームに持ち込むことができます。
29. g5 Qg4+ 30. Qxg4 hxg4 31. a4!?
ここから白が勝ちを目指すプランを考えます。私は試合中、なるべくaポーンを進めた後、bポーンをぶつける or ナイトで黒のaポーンを狙うぐらいでも、十分に白勝ちのチャンスがあるかと思っていましたが、実際には黒もキングによるブロックが可能です。
31... f6!?
ポーン交換を促すよりも、f7 にマスを作ってキングが上がれること主目的とした手です。白は...fxg5 とポーンを取られてもさほど問題ではないため、ここはf6 のポーンを無視して、自身のピースの位置を改善します。
32. Bc3 Kf7 33. Nc2 Kg6 34. Nd4 e5 35. Nc6 Rh8?
私も正直こう指してくると思っていたので、これが黒劣勢に陥る手だとは予想外でした。35... Kxg5! 36. Nxa7 Kf5 37. a5 Ke6! と指せば、黒キングはクイーンサイドのディフェンスに間に合い、まだ局面はアンクリアーのままです。
36. b4! a6?
この手は白の仕事を簡単にするだけです。36... Rh3 37. Be1! Kxg5 38. Nxa7+/= ならば、黒が手損をしている分、上記の変化よりも白にチャンスがありますが、まだ勝ちは確実ではありません。
37. b5 axb5 38. axb5+-
すでに白のパスポーンは止まらない状態です。キングは間に合わず、Rh8-Rh3-Rb3 に対しては、Bc3-Bb4! で後ろから蓋ができるのがポイントです。
38... Kf7 39. b6 Ke6 40. b7 Kd5 41. b8=Q Rxb8 42. Nxb8 1-0
なぜルークを捨てるところまで進めたのかは分かりませんが、何とか無事に勝利。最終戦の白星で最終戦績を3勝3敗6ドローとしました。対戦相手の平均レイティングは2268 なので、レイティングは多少落ちそうですが、ハンガリーで久々の負け越しフィニッシュを回避でき、とりあえずは一安心といったところです。ブダペストで今大会の反省を行い、4日後にロンドンに向かいます!
アンダンテに帰りついたのは20時過ぎ。この日はショウガ焼きパーティーだったらしいですが、不幸なことに私の分は残されていませんでした。そんな私を救ったのは、寿司を持って降臨した女神。(酔って頭にネクタイ巻いたサラリーマンじゃないですよ。)なんとか生き残りました。