1つ目は一瞬黒まずいかなと思いましたが、全く問題ありませんでした。2つ目はなぜ間違えたんでしょうかね... 今でも悔いが残りますが、また大物相手にチャンスを得られる機会を楽しみにしようと思います。いつもの通り、答えが分かったかたはコメント欄へお気軽にどうぞ。
2019/04/10
Weekly Chess Puzzle Vol.43
1つ目は一瞬黒まずいかなと思いましたが、全く問題ありませんでした。2つ目はなぜ間違えたんでしょうかね... 今でも悔いが残りますが、また大物相手にチャンスを得られる機会を楽しみにしようと思います。いつもの通り、答えが分かったかたはコメント欄へお気軽にどうぞ。
2018/10/07
Batumi Olympiad Closing Ceremony and Departure
2週間に渡るバツミでのチェスオリンピアードも幕を下ろし、各々帰路につきました。私は予定通りブダペストに到着し、今日からまた新たな試合を始めます。その前に今回のオリンピアードの総括や、最終日の試合後の様子などをお届けしたいと思います。
最終戦でチュニジアを接戦で下した日、ホテルに戻ったのは17時頃です。この日は11時からの試合だったため、ホテルの昼食時間設定が難しく、14時から17時までと聞いていました。実際はもう少し伸びたようですが、私と妻はせっかくならということで、有料でも別のホテル内のレストランを利用してみることにしました。
この日になってようやくお目にかかることができたのが、ジョージアの名物料理、ヒンカリです。平たく言えばジョージア風小籠包ですね。ジョージアでは、先日食べたチーズ入りパン、ハチャプリと並び、お土産屋さんのマグネットなどで見かけるほどポピュラーな料理です。こちらのレストランではバツミでもここだけという、かわいいスモールサイズがたくさん! 他の皆が別日に食べたのはこぶし大だったそうですので、全く対照的です。
ステーキもどーんとこのサイズ! レストラン自体はカジノを見下ろす高級感溢れる空間で、他の前菜、デザートもつけて2人で6000円台でした。日本やアメリカで、この質のステーキを食べようと思った場合、信じられない価格です! ジョージアの物価は素晴らしいですね。
食事が終わってからは、再びバスの移動で閉会式へ。開会式同様の場所でやるのかと思いきや、連れてこられたはオペラハウスです! オリンピアードの閉会式というよりも、パーティーに来たような感じですね。
中は吹き抜けになっており、3階席では音楽隊が鮮やかな音色を奏でています。オペラ席に入れるようになるまでまだ時間があったため、集まってきた選手たちはワインや軽食を片手に、話に花を咲かせます。かつてブダペストで対戦したスウェーデンのWesterberg は、2つ目のGMノームを獲得したとここで聞きました。彼ももう立派なスウェーデン代表の一人です。
さらにこの時間で優勝チームも見つけ、撮影会に混ぜてもらいました。オープンは4年ぶりに中国が王座を奪還です! 最終戦はアメリカとの直接対決で、全てのボードがドローとなり、タイブレークでの僅差の勝利でした。今年のトーナメント中、骨折をして一時戦線離脱したDing Liren は、杖を突いてプレーに参加しながらも、無敗記録を伸ばしており、今大会も見事に中国の1Bを務め切っています。
女子も中国が優勝で、今大会は中国強し! と言う他ないトーナメントでした。中国女子はHou Yifan を欠くメンバーで優勝するとは、大会前は予想できませんでした。次回大会でHou Yifan が戻ってくることがあれば、中国女子はさらに盤石となるでしょう。オープン女子ともに中国が優勝候補筆頭で、他の国が打倒中国を掲げるという時代が来つつあるかもしれませんね。
開会式同様、大分遅れましたが、それでも今大会を締めくくる閉会式がスタートしました。最初はやはりプロのダンサーがジョージア衣装に身を包んで登場します。
続いてチームをレイティングで区切った、カテゴリー別の表彰です。私たちが所属するカテゴリーCの一つ下、カテゴリーDでは、私たちが苦戦したアフガニスタンが金メダルを獲得しました。私の対戦相手は2400台にも勝っており、明らかに2000台のレベルではありませんでした。
そして日本が激戦を繰り広げたカテゴリーCの優勝は、GM Matamoros 率いるエクアドルで、日本は僅差の2位でした。最終戦、コロンビアに私たちは祈りを捧げましたが、エクアドルはそんな格上コロンビアを一蹴し、優勝を決めました。最後、私たちはミャンマーとチュニジアに勝り、カテゴリープライズのチャンスはあると思ったいただけに、エクアドルに競り負けたのは悔しいですね。次回はまた表彰台に上がれるチャンスを作れるよう、頑張りたいと思います。
全体の1-3位を除くカテゴリーAの優勝(実質、全体の4位) は、ポーランドが獲得しました。5年前、池田惇多くんと話をしていて、ポーランドにDuda という若いGM が出てきたと話題に上がったことをよく覚えています。そんなDuda は現在ポーランドのNo.1 で、今大会のポーランド躍進にも欠かせない存在となりました。アメリカを9Rで破り、10Rで中国に負けるまでは、ポーランド優勝もありえましたからね。
全体の1~3位が呼ばれる間に、ボードプライズの表彰式が行われます。男子の3B金メダルは、南條くんとも対戦したペルーのJorgi Cori です。ペルーは今大会、チームでの戦いをほぼ捨てて、Coriにメダルを取らせるような戦いをしていたようです。7連続で白をもらったCoriは、7.5/8 という戦績での金メダルでした。南條くんが最もポイントを取るチャンスを作ったかもしれません。
そして全体のトップ表彰は女子からです。先述の通り、トップは中国。そして毎大会安定して強いウクライナと、ジョージアが続きました。Nino Batsiashvili が新たにGM タイトルを獲得し、層の厚みを増したジョージアでしたが、10Rでチェコと引き分けたのが痛手でした。
オープンは中国、アメリカ、ロシアの順でしたが、この3チームはどれも8勝1敗2ドローでマッチのポイントは並んでおり、タイブレークの僅差で1-3位の明暗が分かれました。最後までどこの国が優勝するかわからず、今年のオリンピアードのトップ争いは実に面白かったと思います。スター軍団で連覇を狙ったアメリカは、Nakamura Hikaru がまさかの1勝しかできない絶不調だったのが誤算だったでしょう。しかし、中国はLi Chao が初戦負け、Kramnik も初戦負けと波乱の幕開けでしたので、そんな中でぐいぐい上がってきたこの3チームは、本当に強かったと思います。表彰台に上がったすべてのチーム、そして選手に惜しみない拍手を送りたいと思います。おめでとうございます!
さて、ここまでの記事では全くと言って良いほど上位争いには触れることがなかったため、チェックしていなかった人にはいきなり情報がどどどっときて戸惑うことと思います(笑) それほど今大会は私も日本チームのこと以外に触れる余裕がなく、こうして振り返りでようやく情報をお届け出来ました。前回大会に続き、通信手段は当然のことながら選手はカメラも持ち込み禁止で、大会会場やグッズブースの写真などもほとんどお見せすることができなかったことも、申し訳なく思います。
そろそろ、私たち日本チームの話題に戻ることにしましょう。日本は11Rを戦い、女子チームは4勝6敗1ドロー、スタート順位から少しだけダウンの102位でのフィニッシュでした。後半の5Rで、5Bの美鈴にしか勝ちがつかず、他の4人が勝てずに失速したのは少し残念でした。それでも格上のICCD を破り、2人が勝率50%以上でWCM の資格をゲットし、さらには5人中4人がレイティングを上げるという戦績は立派なものだと思います。1Bの華怜もレイティングは微減ですし、最後の結果次第でどうなるかわかりませんでした。また皆さん力をつけて、次のオリンピアードに臨みましょう!
Japan Women Team Final Results
一方で、オープンチームはカテゴリーCの優勝こそ逃したものの、全体では6勝4敗1ドローの58位フィニッシュは、日本オープンチームの過去最高戦績です。前回のバクー大会で68位の過去最高でしたので、連続での記録更新は素晴らしい結果だったと思います。IBCA、ミャンマー、チュニジアと、日本よりもスタート順位が上のチームに競り勝てたことが要因でしょう。負けたマッチでも、全員GM のアルメニア、オーストリア、ペルー相手に誰かはポイントを取り、ストレート負けを防ぎました。私の知る限り、11R戦ってストレート負けが1回も無かったオリンピアードは、今回が初めてです。また下位チームに取りこぼすことがなかったことも、当たり前かもしれませんが大切なことです。
Japan Open Team Final Results
個人の話に移ると、南條くんだけはオープンチームでレイティング微減ですが、それでも11Rをフルに戦い、安定した戦績を残してくれました。(本人はCori戦で負けたのが不服そうですが) 4年前に見せた爆発力を本人も周りの皆さんも知っているだけに、彼には期待が集まると思いますが、オリンピアードのようなチーム戦では大きく崩れないことも大切だと私は思っています。 私、南條くんと並ぶ同じ88年世代の山田くんも、前回のバクー大会に続いて好成績を残し、20以上のレイティングを稼ぎました。IBCA戦、アフガニスタン戦の彼の勝利はチームを救い、チームの最終順位に繋がっています。
18年ぶりのオリンピアード参加となった松尾さんは、序盤は黒が多く集まり苦戦しましたが、ペルー戦では日本チーム久々&今大会唯一のGM戦勝利、続くミャンマー戦でも白星を上げ、ベテランとしての底力を見せてくれました。12年ぶりの高校生代表の大多和くんも、最終戦ではピースを捨てる怪しい展開ながら、ねじりあうようなゲームを制し、チュニジアを下す要因となった貴重な勝利を挙げてくれました。どのラウンドで誰が抜け、どういった試合数を振り分け、カラーバランスをどうするか。オープンチームはMisha を交えて色々と議論がなされ試行錯誤しましたが、その結果として上手い具合のチーム編成となり、各々が結果を出せたのではないかと思っています。
最後に私個人のことですが、6勝2敗3ドローの4つ勝ち越し、レイティングパフォーマンス2500超えは、日本の1Bのプレーヤーとして過去最高の戦績でしょう。それ自体は喜ばしいことですが、GMノームを目標にするのであれば、これで満足はしていられません。思えば4年前、南條くんが1Bで2450を超えるパフォーマンスを残し、IM ノームを獲得して日本チェス界は大いに沸きました。しかし4年たった今、私も南條くんもIM タイトルを獲得していますので、IM ノームの戦績を残すことに意味はありません。過去に目標として、達成して喜んでいたものが通過点となり、それより大きな目標に向かうのが当たり前になる。それこそが私たちが成長していることの証だと思います。日本チームの58位という記録も、将来的にはそれくらいは当たり前、もっと上を目指すのが当然、となると良いですね。
最後になりますが、このオリンピアードに至るまで、そして開催期間中、支えてくれた妻や友人たち、チームメイトの皆さん、そして2週間に渡って観戦と応援をしてくださった日本のチェスファンの皆さんに、この場でお礼を申し上げたいと思います。これで今年のオリンピアードの記事はすべて終わりです。私は今日からブダペストでまた試合をスタートさせますので、そちらの様子も引き続きチェックしてくださると嬉しいです。
ラベル:
Batumi Olympiad,
海外大会
2018/10/06
Batumi Olympiad R11 Tunisia - Japan
オリンピアード10R が行われた夜、私たちは翌日のペアリングを見て驚きました。チュニジアは前回大会で破っており、全くと言って良いほど強いチームという印象がなかったためです。10Rでミャンマーを破って再び1つ勝ち越しになったオープンチームは、ペルークラスの国との最終戦になってもおかしくないと思っていました。
しかし、調べてみると今年のチュニジアはメンバーを総入れ替えし、IM 1人とFM 1人を擁し、日本よりスタート順位が上のチームになっていました。しかも、2B に座るIM は10Rフルで出て負けなしの8Pという無双ぶりでした。それでも格上のミャンマーを破り、勢いのあった日本チームは俄然勝つ気でマッチに臨みます。このマッチで勝たなければ、カテゴリーCでリードするエクアドルを抜くチャンスはありません。
最終戦、私は勝負をこの変化に託しました。近年人気の上がってきたこの手は、白のg2-g4に対してBf5-Bd7 と退くつもりで、1手待つ様子見の狙いがあります。
g2-g4 の狙いさえなくなれば、ビショップをd7 に退く必要はありません。Caro-Kann でよくあるビショップナイトの交換を許しても、ピースの展開を急ぎます。
昨年指されたMamedjarov の試合では、8. Nxf5 Nxf5 9. g4 Ne7 と進み、c6-c5 からアクションを起こして黒は十分な局面になりました。本譜の手も相手番で考えているときに思いつきましたが、白からビショップナイトの交換を仕掛けてまで、ポーンストラクチャーを乱すアイディアが有効であるようには思えません。
9. Bxe7 Bxe7 10. Nxf5 exf5 11. Qf3 g6 12. O-O-O O-O-O ならば黒は大丈夫でしょう。Nd7-Nf8-Ne6 まで組み替えることができ、d4 を攻撃できれば完璧です。やはりe7 のナイトを消すためだけに、Bc1-Bg5-Bxe7 と2手かけるのには違和感があります。ただし、本譜のアイディアも大して効果的ではないと読んでいました。
取ったポーンはすぐに返してしまいましたが、そのかわりd4 がバックワードポーンとなりました。これをターゲットにすることで、黒は楽にゲームを進めることができます。
Ne7-Nf5 に対してBg5-Be3 と指すしかないため、早めにビショップナイトの交換をしておこうというアイディアも分かりますが、異色ビショップでも明確なターゲットがある黒が指しやすい局面になり、私としてはありがたかったです。この先は白のクイーンサイドでの攻撃がさほど早くも強くもないことを確認したうえで、逆サイドにキャスリングして勝負です。
d4 の弱さをカバーするためには、多少強引でも攻めるしかないということでしょうが、このポーンは取りませんし、さらなる伸びはあさっさりとかわせます。d4 を早めにカバーされたり、h4 を多少気にされるほうが私は嫌でした。
相手が16手目を考えている間、この手が次に指せるかもしれないと思い浮かんできました。黒の課題はd7 のナイトの行き場ですので、わざとアンパッサンでポーンを取らせてナイトのマスを作ろうと考えました。17. exf6 Nxf6 18. Qxe6 Rhe8 と進めば黒はd4 を取りかえせますし、h4, b4 の不用意に伸びたポーンを狙ってはっきり有利でしょう。ただし、本譜のようにh4 を単に取れるのも黒にとっては良い流れです。
b5 のブレイクをかわした際にa5までポーンが伸びましたが、これを白がアタックするには時間がかかるために問題は無いでしょう。むしろf7-f5 を突いたことで弱くなったe6 が問題だと思っていましたが、これも6段目が開いたことで守れているます。さらにルークでも守ってQe3-Qb3 に備え、d4 を崩すアイディアを虎視眈々と狙います。
24. f4? Nxf4 25. Nxf4 Qxd4+ はもちろんだめですので、ルークが避けるしかありません。どこに避けるか判断の難しいところですが、相手はストレートにa5に狙いを定めてきました。これに対しては少し考え、以下のアイディアを実行します。
マイナーピースを消して、異色ビショップを残すのは、ポーンアップで勝ちを目指したい黒にとって不自然にも思えますが、ナイトがd4 のキーとなる守り駒ですので、これを崩してd4、e5 を一気に取ってしまおうというのが私のアイディアです。異色ビショップがドローになりやすくとも、それはルークのようなヘビーピースがいない場合の話です。ルーク1つでもあれば様々なチャンスが生まれうることは、5R のWidenkeller戦で身をもって知っています。
私が読んでいたのは、25. Qa2 Nxe2+ 26. Bxe2 Rxd4 27. Qxa5 Qxa5 28. Rxa5 Re4-/+ という変化で、d4 とa5 を交換しても次にe5 のポーンも取って2ポーンアップになれば黒が大きく優勢でしょう。クイーンを交換することで、aファイルを突破されてもさほど危険ではないことがポイントです。本譜でもこの変化になりうるのですが、持ち時間の少ない相手にもう少し難しい状況を突き付けてみようと思い、少しアイディアをひねります。
結局クイーンは元のマスに戻り、d4 とa5 ではなく、d4 とe5 の奪い合いになります。この場合でも、黒マスビショップはf2 というさらに大きなターゲットを持つため、白はデイフェンスが大変だと思っていました。
私はバックランクを空けても大丈夫なこと慎重にを確認し、この手を指しました。しかし、コンピュータはビショップでポーンを取り、a1 のルークへの攻撃を作るほうが良い指摘します。30... Bxe5! 31. Re1 Rf4! 32. Qc2 Qf6 33. Bh3 Rf8!-+ fファイルのトリプルヘビーピース! このアイディアは見えませんでした。
31. Bd3 としてルーク交換を避ける手がベストだと、試合中は読んでいました。これでももちろん黒に勢いは残っています。
バックランクの弱さをつくアイディアは何かしらあるはずだと、早い段階から頭にありました。それが直前のルーク上がりとぴったりとかみ合わさり、この手が成立します。かつてハンガリーでIM ノームを競い合ったインドネシアのSean からも、試合後にGood Move! のコメントを貰いました。
言うまでもなく、33. Rxd4 Re1# は即メイトです。これを避けるアイディアはいくつかありますが、全てf2 のポーンを失うことになります。
しかし、ほぼ完璧に進めてきたゲームにほころびが出始めました。試合後にMisha から、33... Qxf2+ 34. Qxf2 Bxf2+ 35. Kxf2 Rxf5+ 36. Ke2 Rxb5-+ で簡単に勝ちだと指摘されました。クイーンエンディングよりも、ルークエンディングのほうが簡単であることに気付かなかったことは不思議です。マッチの状況も難しく、多少冷静ではなかったと思います。
黒は2ポーンアップで、2コネクテッドパスポーンを持つクイーンエンディングです。クイーンエンディング自体、あまり経験は多くありませんが、これはさすがに楽に勝てるだろと高をくくってしまいました。そのために出た雑なプレーが、ここからゲームを怪しくしてしまいます。
悪い手ではありませんが、チェックのないように黒マスをカバーすれば、hポーンを取らせても何事もなく黒勝ちです。41... Qc5+ 42. Kf1 a4 43. Qxh7 a3-+
この辺りでaポーンを突きすぎたのが不用意だったと反省しました。しかし、まだまだ問題なく黒が勝てる局面です。試合中に読みながら諦めた48... Qf2! 49. Qa8+ Kb6 50. Qd8+ Kb5 51. Qe8+ Kb4 52. Qe7+ Ka4 53. Qxb7 Qf5+ 54. Kd2 a1=Q 55. Qa7+ Qa5+ とするのが正解で、クイーンが離れても黒キングはするすると上がっていき、チェックをかわすことができました。こうしたパペチュアルチェックを回避記できるのかどうかという判断が素早くできない点から、クイーンエンディングの不勉強ぶりがうかがえます。この試合での多き反省ポイントです。
あれほど遠かった白キングが、aポーンに追いついてしまいました。これで白はポーンを諦めなくてはならず、残ったb,hポーンで勝負せざるをえなくなります。
ここでaポーンを守ったままにしていると、Take Me! と白クイーンが黒キングに張り付くアイディアで、ステールメイトにされてしまいます。このステールメイトを回避するために、本当はg2 は取りたくなかったのですが、他に局面を進展させる方法もありません。
早めにキングが退くのは弱気でダメでした。61... Qc3 62. Qe6+ Ka4 63. Qa2+ Kb4 としてチェックを切り、ここから再勝負です。
こうしたアイディアは覚えておこうと思います。ディフェンス側の白は、自らのキングを前進させることで空いてクイーンがチェックできるマスを消し、あわよくば一発逆転勝ちの狙いを作ります。
互いにほとんど時間がない中で指していたので間違えるのは無理もありませんが、これは楽になったと指された瞬間に感じました。68. Qb8+! Ka5 69. Qa8+ Kb4 70. Qe4+! (a3 ではチェックを切られてしまうので、こちらがポイントです。) 70... Qc4 71. Qe7+!= これでチェックが切れずにドローになるのは、是非とも覚えておきたい形です。 71... Ka5?? 72. Qa7+ Kb4 73. Qa3# という一発逆転もありえます。
チェックを切ってさぁここからというところで、相手の決定的なミスが出てゲームは終わりました。時間のある状況で冷静に考えればわかることが、勝負の中では見えなくなるのも当然だと思います。
これでQc1-Qc4+ がどうしても避けられず、クイーン強制交換からhポーンをプロモーションさせ、黒の勝ちです。ルークエンディングにしていれば楽に勝ちでしたが、こうしたクイーンエンディングになって学ぶものが多かったと考えれば、結果オーライでしょう。こうして長い試合を締めくくり、2週間に渡るオリンピアードの全試合を終えました。
女子は残念ながらアイルランドに負けてしまいました。しかし、オープンはチュニジアを僅差で下し、日本チームとして過去最高の戦績を収めました! 全体の戦績やトップ争い、総括などはまた明日の記事に書きたいと思います。
しかし、調べてみると今年のチュニジアはメンバーを総入れ替えし、IM 1人とFM 1人を擁し、日本よりスタート順位が上のチームになっていました。しかも、2B に座るIM は10Rフルで出て負けなしの8Pという無双ぶりでした。それでも格上のミャンマーを破り、勢いのあった日本チームは俄然勝つ気でマッチに臨みます。このマッチで勝たなければ、カテゴリーCでリードするエクアドルを抜くチャンスはありません。
Amdouni, Z (FM, TUN, 2218) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
Batumi Olympiad (11)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4 Qc7!?
Batumi Olympiad (11)
最終戦、私は勝負をこの変化に託しました。近年人気の上がってきたこの手は、白のg2-g4に対してBf5-Bd7 と退くつもりで、1手待つ様子見の狙いがあります。
5. Nc3 a6 6. Nge2 e6
g2-g4 の狙いさえなくなれば、ビショップをd7 に退く必要はありません。Caro-Kann でよくあるビショップナイトの交換を許しても、ピースの展開を急ぎます。
7. Ng3 Ne7 8. Bg5!?
昨年指されたMamedjarov の試合では、8. Nxf5 Nxf5 9. g4 Ne7 と進み、c6-c5 からアクションを起こして黒は十分な局面になりました。本譜の手も相手番で考えているときに思いつきましたが、白からビショップナイトの交換を仕掛けてまで、ポーンストラクチャーを乱すアイディアが有効であるようには思えません。
8... Nd7 9. Qf3
9. Bxe7 Bxe7 10. Nxf5 exf5 11. Qf3 g6 12. O-O-O O-O-O ならば黒は大丈夫でしょう。Nd7-Nf8-Ne6 まで組み替えることができ、d4 を攻撃できれば完璧です。やはりe7 のナイトを消すためだけに、Bc1-Bg5-Bxe7 と2手かけるのには違和感があります。ただし、本譜のアイディアも大して効果的ではないと読んでいました。
9... Bxc2! 10. Rc1 Be4! 11. Ngxe4 dxe4 12. Qxe4 Qb6
取ったポーンはすぐに返してしまいましたが、そのかわりd4 がバックワードポーンとなりました。これをターゲットにすることで、黒は楽にゲームを進めることができます。
13. Bxe7
Ne7-Nf5 に対してBg5-Be3 と指すしかないため、早めにビショップナイトの交換をしておこうというアイディアも分かりますが、異色ビショップでも明確なターゲットがある黒が指しやすい局面になり、私としてはありがたかったです。この先は白のクイーンサイドでの攻撃がさほど早くも強くもないことを確認したうえで、逆サイドにキャスリングして勝負です。
13... Bxe7 14. Bd3 O-O-O 15. O-O Kb8 16. b4
d4 の弱さをカバーするためには、多少強引でも攻めるしかないということでしょうが、このポーンは取りませんし、さらなる伸びはあさっさりとかわせます。d4 を早めにカバーされたり、h4 を多少気にされるほうが私は嫌でした。
16... f5!?
相手が16手目を考えている間、この手が次に指せるかもしれないと思い浮かんできました。黒の課題はd7 のナイトの行き場ですので、わざとアンパッサンでポーンを取らせてナイトのマスを作ろうと考えました。17. exf6 Nxf6 18. Qxe6 Rhe8 と進めば黒はd4 を取りかえせますし、h4, b4 の不用意に伸びたポーンを狙ってはっきり有利でしょう。ただし、本譜のようにh4 を単に取れるのも黒にとっては良い流れです。
17. Qe3 Nf8! 18. Ne2 Bxh4 19. a4 Ng6 20. b5 cxb5 21. axb5 a5 22. Bc4 Rhe8!
b5 のブレイクをかわした際にa5までポーンが伸びましたが、これを白がアタックするには時間がかかるために問題は無いでしょう。むしろf7-f5 を突いたことで弱くなったe6 が問題だと思っていましたが、これも6段目が開いたことで守れているます。さらにルークでも守ってQe3-Qb3 に備え、d4 を崩すアイディアを虎視眈々と狙います。
23. Qb3 Bg5 24. Ra1
24. f4? Nxf4 25. Nxf4 Qxd4+ はもちろんだめですので、ルークが避けるしかありません。どこに避けるか判断の難しいところですが、相手はストレートにa5に狙いを定めてきました。これに対しては少し考え、以下のアイディアを実行します。
24... Nf4!?
マイナーピースを消して、異色ビショップを残すのは、ポーンアップで勝ちを目指したい黒にとって不自然にも思えますが、ナイトがd4 のキーとなる守り駒ですので、これを崩してd4、e5 を一気に取ってしまおうというのが私のアイディアです。異色ビショップがドローになりやすくとも、それはルークのようなヘビーピースがいない場合の話です。ルーク1つでもあれば様々なチャンスが生まれうることは、5R のWidenkeller戦で身をもって知っています。
25. Qc3
私が読んでいたのは、25. Qa2 Nxe2+ 26. Bxe2 Rxd4 27. Qxa5 Qxa5 28. Rxa5 Re4-/+ という変化で、d4 とa5 を交換しても次にe5 のポーンも取って2ポーンアップになれば黒が大きく優勢でしょう。クイーンを交換することで、aファイルを突破されてもさほど危険ではないことがポイントです。本譜でもこの変化になりうるのですが、持ち時間の少ない相手にもう少し難しい状況を突き付けてみようと思い、少しアイディアをひねります。
25... Rc8!? 26. Nxf4 Bxf4 27. Rfd1 Red8 28. Qb3
結局クイーンは元のマスに戻り、d4 とa5 ではなく、d4 とe5 の奪い合いになります。この場合でも、黒マスビショップはf2 というさらに大きなターゲットを持つため、白はデイフェンスが大変だと思っていました。
28... Rxd4 29. Bxe6 Re8 30. Bxf5 Rxe5
私はバックランクを空けても大丈夫なこと慎重にを確認し、この手を指しました。しかし、コンピュータはビショップでポーンを取り、a1 のルークへの攻撃を作るほうが良い指摘します。30... Bxe5! 31. Re1 Rf4! 32. Qc2 Qf6 33. Bh3 Rf8!-+ fファイルのトリプルヘビーピース! このアイディアは見えませんでした。
31. Rxd4?
31. Bd3 としてルーク交換を避ける手がベストだと、試合中は読んでいました。これでももちろん黒に勢いは残っています。
31... Qxd4 32. Rd1 Bg3!!
バックランクの弱さをつくアイディアは何かしらあるはずだと、早い段階から頭にありました。それが直前のルーク上がりとぴったりとかみ合わさり、この手が成立します。かつてハンガリーでIM ノームを競い合ったインドネシアのSean からも、試合後にGood Move! のコメントを貰いました。
33. Qf3
言うまでもなく、33. Rxd4 Re1# は即メイトです。これを避けるアイディアはいくつかありますが、全てf2 のポーンを失うことになります。
33... Bxf2+?
しかし、ほぼ完璧に進めてきたゲームにほころびが出始めました。試合後にMisha から、33... Qxf2+ 34. Qxf2 Bxf2+ 35. Kxf2 Rxf5+ 36. Ke2 Rxb5-+ で簡単に勝ちだと指摘されました。クイーンエンディングよりも、ルークエンディングのほうが簡単であることに気付かなかったことは不思議です。マッチの状況も難しく、多少冷静ではなかったと思います。
34. Kh2 Rxf5 35. Qxf5 Qxd1 36. Qf4+ Kc8 37. Qf5+ Kc7 38. Qxf2 Qh5+ 39. Kg1 Qxb5 40. Qg3+ Kb6 41. Qxg7
黒は2ポーンアップで、2コネクテッドパスポーンを持つクイーンエンディングです。クイーンエンディング自体、あまり経験は多くありませんが、これはさすがに楽に勝てるだろと高をくくってしまいました。そのために出た雑なプレーが、ここからゲームを怪しくしてしまいます。
41... h5
悪い手ではありませんが、チェックのないように黒マスをカバーすれば、hポーンを取らせても何事もなく黒勝ちです。41... Qc5+ 42. Kf1 a4 43. Qxh7 a3-+
42. Kf2 a4 43. Ke3 a3 44. Qf7 Ka6 45. Qf8 Qb6+ 46. Kd3 a2 47. Qa8+ Qa7 48. Qh8 b5?
この辺りでaポーンを突きすぎたのが不用意だったと反省しました。しかし、まだまだ問題なく黒が勝てる局面です。試合中に読みながら諦めた48... Qf2! 49. Qa8+ Kb6 50. Qd8+ Kb5 51. Qe8+ Kb4 52. Qe7+ Ka4 53. Qxb7 Qf5+ 54. Kd2 a1=Q 55. Qa7+ Qa5+ とするのが正解で、クイーンが離れても黒キングはするすると上がっていき、チェックをかわすことができました。こうしたパペチュアルチェックを回避記できるのかどうかという判断が素早くできない点から、クイーンエンディングの不勉強ぶりがうかがえます。この試合での多き反省ポイントです。
49. Kc2 Qb7 50. Qf6+ Ka5 51. Qd8+ Ka4 52. Kb2
あれほど遠かった白キングが、aポーンに追いついてしまいました。これで白はポーンを諦めなくてはならず、残ったb,hポーンで勝負せざるをえなくなります。
52... Qxg2+ 53. Ka1 Qf1+
ここでaポーンを守ったままにしていると、Take Me! と白クイーンが黒キングに張り付くアイディアで、ステールメイトにされてしまいます。このステールメイトを回避するために、本当はg2 は取りたくなかったのですが、他に局面を進展させる方法もありません。
54. Kxa2 Qe2+ 55. Kb1 Kb3 56. Qd5+ Kc3 57. Qc5+ Qc4 58. Qe5+ Qd4 59. Qe1+ Kb3 60. Qe6+ Qc4 61. Qe3+ Kb4?
早めにキングが退くのは弱気でダメでした。61... Qc3 62. Qe6+ Ka4 63. Qa2+ Kb4 としてチェックを切り、ここから再勝負です。
62. Kb2!=
こうしたアイディアは覚えておこうと思います。ディフェンス側の白は、自らのキングを前進させることで空いてクイーンがチェックできるマスを消し、あわよくば一発逆転勝ちの狙いを作ります。
62... Qc5 63. Qe1+ Kc4 64. Qe2+ Kd4 65. Qf2+ Kd5 66. Qf5+ Kc6 67. Qc8+ Kb6 68. Qd8+?
互いにほとんど時間がない中で指していたので間違えるのは無理もありませんが、これは楽になったと指された瞬間に感じました。68. Qb8+! Ka5 69. Qa8+ Kb4 70. Qe4+! (a3 ではチェックを切られてしまうので、こちらがポイントです。) 70... Qc4 71. Qe7+!= これでチェックが切れずにドローになるのは、是非とも覚えておきたい形です。 71... Ka5?? 72. Qa7+ Kb4 73. Qa3# という一発逆転もありえます。
68... Qc7 69. Qd4+ Ka6 70. Qd5 Qg7+ 71. Kc2 Qg6+ 72. Kb2 Qf6+ 73. Kb3 h4 74. Kb4??
チェックを切ってさぁここからというところで、相手の決定的なミスが出てゲームは終わりました。時間のある状況で冷静に考えればわかることが、勝負の中では見えなくなるのも当然だと思います。
74... Qf4+ 75. Ka3 Qc1+ 0-1
これでQc1-Qc4+ がどうしても避けられず、クイーン強制交換からhポーンをプロモーションさせ、黒の勝ちです。ルークエンディングにしていれば楽に勝ちでしたが、こうしたクイーンエンディングになって学ぶものが多かったと考えれば、結果オーライでしょう。こうして長い試合を締めくくり、2週間に渡るオリンピアードの全試合を終えました。
Open R11 Tunisia - Japan 1.5-2.5
Amdouni, Z (FM, TUN, 2218) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
Zaibi Amir (IM, TUN, 2361) - Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) 1/2-1/2
Bouzidi Ahmed (CM, TUN, 2246) - Yamada, Kohei (FM, JPN, 2128) 1-0
Taieb Sahbi (CM, TUN, 2146) - Otawa, Yuto (JPN, 2161) 0-1
Women R11 Ireland - Japan 3-1
Mirza Diana (WFM, IRL, 1960) - Hoshino, Karen (WCM, JPN, 1945) 1/2-1/2
Plaza Reino Mercedes (IRL, 1727) - Sakai Azumi (JPN, 1713) 1-0
Lowry-O`Reilly Hannah (WFM, IRL, 1716) - Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1655) 1-0
Ui Laighleis Gearoidin (WCM, IRL, 1791) - Shibata Misaki (JPN, 1605) 1/2-1/2
Amdouni, Z (FM, TUN, 2218) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
Zaibi Amir (IM, TUN, 2361) - Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) 1/2-1/2
Bouzidi Ahmed (CM, TUN, 2246) - Yamada, Kohei (FM, JPN, 2128) 1-0
Taieb Sahbi (CM, TUN, 2146) - Otawa, Yuto (JPN, 2161) 0-1
Women R11 Ireland - Japan 3-1
Mirza Diana (WFM, IRL, 1960) - Hoshino, Karen (WCM, JPN, 1945) 1/2-1/2
Plaza Reino Mercedes (IRL, 1727) - Sakai Azumi (JPN, 1713) 1-0
Lowry-O`Reilly Hannah (WFM, IRL, 1716) - Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1655) 1-0
Ui Laighleis Gearoidin (WCM, IRL, 1791) - Shibata Misaki (JPN, 1605) 1/2-1/2
女子は残念ながらアイルランドに負けてしまいました。しかし、オープンはチュニジアを僅差で下し、日本チームとして過去最高の戦績を収めました! 全体の戦績やトップ争い、総括などはまた明日の記事に書きたいと思います。
ラベル:
Batumi Olympiad,
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海外大会
Batumi Olympiad R10 Myanmar - Japan
更新が遅れ気味ですが、追いつけるように頑張って書いていきます。オリンピアードの10Rは、同じアジアのミャンマーとの対戦になりました。ミャンマーのチェスは謎が多く、プレーヤーの多くが2500に到達したことがあるものの、その後数字を落として2400~2200に落ち着いています。私の相手のIM もベストは2550オーバー、数年前は2380、そして現在は2470と数字の振れ幅が激しいくなっています。今大会ではGMから黒でもポイントを取っているため、強敵と認識してゲームに挑みました。
これまでデータベースに残っている試合は全て2. g3 だったのに、いきなり外してきます。ただし、この形は私も経験があります。
直前までg2-g4-g5 のアイディアを警戒していたはずが、ここでふっと頭から抜けてしまいました。しかし、よく読んでみれば11. g4 Bg6 12. g5 Nh5 13. h4 Qa5! 14. a3 Bb8 と進んで大丈夫です。次にQa5-Qc7 があるため、h5 のナイトはトラップされません。
この形では、白の弱いb3 のポーンを狙うのが効果的だと考えました。b5 のマスをサポートし、ナイトに跳ばれないようにすれば、c6-c5 のチャンスも生まれます。
このナイトは好位置に見えますが、特に続きがありません。逆に連携したナイトをg7-g5 から崩すスレットが生まれるため、白はここでどうするか悩みます。本譜のようにポーンでf5 のナイトを支える選択肢はありえますが、キング周りが弱めてくれるのであれば黒にとってありがたいことは言うまでもありません。
ここでクイーンサイドから仕掛けます。このポーンはすぐには取られませんし、もし将来的に取られてもNc5-Nb3 が狙えるのは黒にとって良いでしょう。
単に20... cxb4 とポーンを交換してパスポーンを作る選択肢もありましたが、私はh4 のナイトが不安定なことを利用して手が作れるのではないかと考えました。
21... g6! 22. Ng3 d4! 23. Bd2 dxe3 24. fxe3 cxb4 25. axb4 Nxg4!-+ ナイトは本譜のようにd5 に跳ぶのをメインで考えており、このアイディアはさほど強くないと勘違いしていました。d7 のナイトを取らせても、g3 のナイトを浮かせていれば結局黒が駒得ですね。
私が思い描いたのはこのナイトビショップ交換で、c3 に刺さったパスポーンは強力だと考えました。もちろん、g7-g6 のスレットも残しています。
白はほぼこうするしか手がありません。この局面は丁寧にやれば黒勝ちで、31... Bxa3 32. Bxa4 Bb2-/+ くらいで良かったのですが、何が決定的になるか難しく考えすぎてしまいました。駒得はしていても、h7 のビショップが一時的に使えないことが評価を難しくするポイントです。
試合中に考えていながら踏み込めなかったのは、32... Ra5! 33. Bxa4 hxg4 34. hxg4 Rg5 35. f3 Bd6 36. Rh1 Qg3+ 37. Kf1 Re5!-+ こちらの変化です。最後のルークをg5 から振る手が見えず、指すのをためらってしまいました。e3-e4 と突かせれば、f4 とd4 に穴ができて黒はさらに攻めやすくなります。他にも32... Qd8! も良い手で、d5 とa8 の両方でチェックになるため、白のビショップはその場にとどまることもa4 を取ることもできずに困ってしまいます。
これで2ポーンピースとなり、キングも危ないので勝ちやすいかと思いましたが、h7 のビショップをどうするかという課題がまだ残っています。そして甘い手が出てしまいました。
白の正解の手は見えていませんでしたが、この手は本当にラッキーでした。39. Qc5! Rb7 40. g5! Qd8 ならばh7 のビショップをプレーに戻すことができず、形勢評価はまたかなり難しくなります。
ナイトフォークからさらにピースを取れてしまいました。残りはよっぽほひどいミスをしなければ黒勝ちは揺るぎません。
白はポーンを全て捌き、ルークも交換して私がビショップナイトのメイトを失敗することに託すしかないでしょう。ビショップナイトのメイトはできますが、ルークを交換する理由はありません。
ビショップナイトのメイトでも出てくる、2マイナーピースで白マス黒マスを両方抑える位置取りです。g4 でのルークのチェックも支え、メイトまで一直線となります。
白のポーンを1つ残しているため、ステールメイトにもなりません。ここまで苦しんだ黒番でしたが、ここで大きな勝利を挙げました!
オープンチームは相手全員が格上のミャンマー戦を2勝2ドローで乗り切り、最終戦に向けて弾みをつけることができました。一方で女子チームは同格に近いモロッコと、今大会の初の全ドローです。相手がマッチでの負けを避けるため、色々と状況を見ながらオファーしてきたそうです。こうした駆け引きも、オリンピアードのようなチーム戦ならではですね。
そして昨日すでに終えてしまった最終戦ですが、オープンはチュニジア、女子はアイルランドとの対戦でした。チュニジアは前回バクー大会でも対戦し、その際は3.5-0.5 で勝っています。しかし、今年はメンバーを全員入れ替え、はるかにパワーアップしてきました。そちらの最終戦の記事も後程お届けしようと思います。
Wynn, Z H (IM, MYA, 2470) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
Batumi Olympiad (10)
1. Nf3 d5 2. e3!?
Batumi Olympiad (10)
これまでデータベースに残っている試合は全て2. g3 だったのに、いきなり外してきます。ただし、この形は私も経験があります。
2... Nf6 3. c4 c6 4. b3 Bg4 5. Bb2 e6 6. h3 Bh5 7. Be2 Nbd7 8. O-O Bd6 9. d3 O-O 10. Nbd2 Re8!? 11. Re1
直前までg2-g4-g5 のアイディアを警戒していたはずが、ここでふっと頭から抜けてしまいました。しかし、よく読んでみれば11. g4 Bg6 12. g5 Nh5 13. h4 Qa5! 14. a3 Bb8 と進んで大丈夫です。次にQa5-Qc7 があるため、h5 のナイトはトラップされません。
11... h6 12. a3 a5 13. Nd4 Bg6 14. cxd5 exd5 15. N2f3 Qb6!
この形では、白の弱いb3 のポーンを狙うのが効果的だと考えました。b5 のマスをサポートし、ナイトに跳ばれないようにすれば、c6-c5 のチャンスも生まれます。
16. Nh4 Bh7 17. Ndf5?! Bf8
このナイトは好位置に見えますが、特に続きがありません。逆に連携したナイトをg7-g5 から崩すスレットが生まれるため、白はここでどうするか悩みます。本譜のようにポーンでf5 のナイトを支える選択肢はありえますが、キング周りが弱めてくれるのであれば黒にとってありがたいことは言うまでもありません。
18. g4 a4! 19. b4 c5!
ここでクイーンサイドから仕掛けます。このポーンはすぐには取られませんし、もし将来的に取られてもNc5-Nb3 が狙えるのは黒にとって良いでしょう。
20. Bc3 Qd8!?
単に20... cxb4 とポーンを交換してパスポーンを作る選択肢もありましたが、私はh4 のナイトが不安定なことを利用して手が作れるのではないかと考えました。
21. Rb1 d4!?
21... g6! 22. Ng3 d4! 23. Bd2 dxe3 24. fxe3 cxb4 25. axb4 Nxg4!-+ ナイトは本譜のようにd5 に跳ぶのをメインで考えており、このアイディアはさほど強くないと勘違いしていました。d7 のナイトを取らせても、g3 のナイトを浮かせていれば結局黒が駒得ですね。
22. Bd2 Nd5 23. Bf3 Nc3
私が思い描いたのはこのナイトビショップ交換で、c3 に刺さったパスポーンは強力だと考えました。もちろん、g7-g6 のスレットも残しています。
24. Bxc3 dxc3 25. Bxb7 Ra7 26. bxc5 Nxc5 27. Bc6 Re6 28. Bb5 g6 29. Nd4 Qxh4 30. Nxe6 Nxe6 31. Kg2 h5
白はほぼこうするしか手がありません。この局面は丁寧にやれば黒勝ちで、31... Bxa3 32. Bxa4 Bb2-/+ くらいで良かったのですが、何が決定的になるか難しく考えすぎてしまいました。駒得はしていても、h7 のビショップが一時的に使えないことが評価を難しくするポイントです。
32. Rc1 Nc7
試合中に考えていながら踏み込めなかったのは、32... Ra5! 33. Bxa4 hxg4 34. hxg4 Rg5 35. f3 Bd6 36. Rh1 Qg3+ 37. Kf1 Re5!-+ こちらの変化です。最後のルークをg5 から振る手が見えず、指すのをためらってしまいました。e3-e4 と突かせれば、f4 とd4 に穴ができて黒はさらに攻めやすくなります。他にも32... Qd8! も良い手で、d5 とa8 の両方でチェックになるため、白のビショップはその場にとどまることもa4 を取ることもできずに困ってしまいます。
33. Bxa4 Bxa3 34. Rxc3 Bb4 35. Rc4 Bxe1 36. Qxe1 hxg4 37. hxg4
これで2ポーンピースとなり、キングも危ないので勝ちやすいかと思いましたが、h7 のビショップをどうするかという課題がまだ残っています。そして甘い手が出てしまいました。
37... Qf6 38. Qb4! Kg7 39. Rf4??
白の正解の手は見えていませんでしたが、この手は本当にラッキーでした。39. Qc5! Rb7 40. g5! Qd8 ならばh7 のビショップをプレーに戻すことができず、形勢評価はまたかなり難しくなります。
39... Nd5!-+
ナイトフォークからさらにピースを取れてしまいました。残りはよっぽほひどいミスをしなければ黒勝ちは揺るぎません。
40. Rxf6 Nxb4 41. g5 Rxa4 42. Rf4 f5 43. gxf6+ Kf7 44. Rd4 Kxf6 45. Kg3 Bg8 46. f4 Bb3 47. Rd6+ Kf7 48. e4 Bc2 49. f5 gxf5 50. exf5 Nxd3
白はポーンを全て捌き、ルークも交換して私がビショップナイトのメイトを失敗することに託すしかないでしょう。ビショップナイトのメイトはできますが、ルークを交換する理由はありません。
51. Rc6 Bd1!
ビショップナイトのメイトでも出てくる、2マイナーピースで白マス黒マスを両方抑える位置取りです。g4 でのルークのチェックも支え、メイトまで一直線となります。
52. Rd6 Rg4+ 53. Kh3 Nf4+ 54. Kh2 Rg2+ 55. Kh1 Bf3 56. Rd7+ Ke8 0-1
白のポーンを1つ残しているため、ステールメイトにもなりません。ここまで苦しんだ黒番でしたが、ここで大きな勝利を挙げました!
Open R10 Myanmar - Japan 1-3
Wynn Zaw Htun (IM, MYA, 2473) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
Nay Oo Kyaw Tun (IM, MYA, 2389) - Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) 1/2-1/2
Myo Naing (IM, MYA, 2327) - Yamada, Kohei (FM, JPN, 2128) 1/2-1/2
Win Tun (FM, MYA, 2235) - Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2170) 0-1
Women R10 Japan - Morocco 2-2
Hoshino Karen (WFM, JPN, 1945) - Rania, Sbai (WIM, MAR, 1893) 1/2-1/2
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1655) - Mayar ElIdrissi Firdaous (MAR, 1797) 1/2-1/2
Shibata Misaki (JPN, 1605) - Ibrahimi Khadija (MAR, 1531) 1/2-1/2
Hoshino, Meilin (JPN, 1533) - Alaoui Belghiti Chaimaa (WFM, MAR, 1689) 1/2-1/2
Wynn Zaw Htun (IM, MYA, 2473) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
Nay Oo Kyaw Tun (IM, MYA, 2389) - Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) 1/2-1/2
Myo Naing (IM, MYA, 2327) - Yamada, Kohei (FM, JPN, 2128) 1/2-1/2
Win Tun (FM, MYA, 2235) - Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2170) 0-1
Women R10 Japan - Morocco 2-2
Hoshino Karen (WFM, JPN, 1945) - Rania, Sbai (WIM, MAR, 1893) 1/2-1/2
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1655) - Mayar ElIdrissi Firdaous (MAR, 1797) 1/2-1/2
Shibata Misaki (JPN, 1605) - Ibrahimi Khadija (MAR, 1531) 1/2-1/2
Hoshino, Meilin (JPN, 1533) - Alaoui Belghiti Chaimaa (WFM, MAR, 1689) 1/2-1/2
オープンチームは相手全員が格上のミャンマー戦を2勝2ドローで乗り切り、最終戦に向けて弾みをつけることができました。一方で女子チームは同格に近いモロッコと、今大会の初の全ドローです。相手がマッチでの負けを避けるため、色々と状況を見ながらオファーしてきたそうです。こうした駆け引きも、オリンピアードのようなチーム戦ならではですね。
そして昨日すでに終えてしまった最終戦ですが、オープンはチュニジア、女子はアイルランドとの対戦でした。チュニジアは前回バクー大会でも対戦し、その際は3.5-0.5 で勝っています。しかし、今年はメンバーを全員入れ替え、はるかにパワーアップしてきました。そちらの最終戦の記事も後程お届けしようと思います。
ラベル:
Batumi Olympiad,
English Opening,
海外大会
2018/10/04
Batumi Olympiad R9 Japan - Peru
バツミチェスオリンピアードの9Rは、南米ペルーとの対戦です。ペルーが生んだ天才Cori姉弟の弟は、今回2Bで高パフォーマンスを残しており、スタート順位より落ちていても強豪国であることは間違いありません。私は1B でCori 同様に名の知れたGM Cordova と激突します。
Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Cordova, E (GM, PER, 2609)
Batumi Olympiad (9)
1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 b6 4. g3 Bb7 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 a6!?
Batumi Olympiad (9)
Cordova がc4 c5 ラインを愛用しているのは調べており、e7-e6、g7-g6 のセットアップのどちらも用意していましたが、こうした待ち手があることは知りませんでした。初戦に続き、実戦の中では様々な学びがあります。どちらの変化になっても対応できるよう、こちらもいくつか待ち手を入れておきます。
9. Rd1 Rc8 10. b3 e6!?
ここは10... g6 11. Be3 Bg7 12. Rac1 0-0 11. Qh4 の変化になると思っていました。これならば事前に調べていたe4-e5 のアイディアが使いやすそうです。
11. e4 Be7 12. Ba3! Nc5 13. e5
このポーンの押し込みのアイディアをCordova は知らなかったようです。ここでは13... Bxf3 14. Bxf3 dxe5 15. Qxe5 Ncd7 16. Bxe7 Nxe5 17. Bxd8 Nxf3+ 18. Kg2= とクイーンを交換してイコールのようですが、彼はもう少し白にとってありがたい変化を選んできました。
13... dxe5 14. Qxd8+ Bxd8 15. Nxe5
ルークまで交換してしまうとc6 のコントロールを失ってしまうため、黒にとってはこのナイトの跳び込みが厄介です。
15... Bxg2 16. Kxg2 Be7 17. Bb2!
7年前にアメリカで指した試合では、a3 にビショップを残してしまったために、ナイト退きからピース交換が進み、黒がキングをe7 の好位置で戦える状況になってしまいました。それを思い出して早めにビショップを退き、g7 へのプレッシャーを作っておきます。
17... h5 18. h3 Rc7
黒はキャスリングを急がず、g3-g4-g5 のアイディアを止めておきます。d7 もサポートし、ナイト退きからの交換の準備をしたところで、白はどう進めるか悩みます。
19. Rd4!? Nfd7 20. Nxd7 Rxd7 21. Rxd7 Kxd7 22. b4 Nb7 23. Na4
ゲーム中、このアイディアを見つけて駒得のチャンスだと感じました。しかし、Cordova はよく読んで、この状況を打破します。
23... Bxb4 24. Bxg7 Rg8 25. Bd4
25. Nxb6+? Kc6! 26. Bd4 Bc5! 27. Bxc5 Kxc5-+ と進めば、ポーンを取ったナイトが帰れずにトラップされています。
25... Bc5! 26. Bxc5
ここはどちらで取るか悩みましたが、26. Nxc5 bxc5!? の際、ビショップがナイトより良いとは思えませんでした。キングも黒のほうが位置が良く、c5 を守れるのに対して、白キングはc4 から遠すぎます。
26... bxc5 27. Rb1 Kc7 28. Rb6 a5 29. Rb5
ここでドロー筋以外も考えましたが、前日の私の試合と違い、黒はdファイルからルークを使った反撃を作ることができます。29. Ra6 Rd8 30. Nc3 Rd2 31 Nb5+ Kd7=
29... Kc6 30. Rb6+ Kc7 31. Rb5 Kc6 32. Rb6+ Kc7 1/2-1/2
今大会、ここまで白番は2600 GM 2人に2ドローを含め、3勝2ドローと好成績です。GM との試合でも好感触で指せているのは、これまで学んできたことの成果が上手く組み合わさっている結果だと思います。
Open R9 Japan - Peru 1.5-2.5
Kojima Shinya (IM, JPN, 2408) - Cordova, Emilio (GM, PER, 2609) 1/2-1/2
Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) - Cori, Jorge (GM, PER, 2664) 0-1
Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2170) - Martinez Alcantara, Jose Eduardo (GM, PER, 2565) 1-0
Otawa, Yuto (JPN, 2161) - Cruz, Cristhian (GM, PER, 2571) 0-1
Women R9 Japan - Belgium 1.5-2.5
Hoshino, Karen (WCM, JPN, 1945) - Goossens, Hanne (WIM, BEL, 2220) 0-1
Sakai Azumi (JPN, 1713) - Vanduyfhuys, Daria (WCM, BEL, 2058) 0-1
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1655) - Barbier, Astrid (BEL, 1894) 1/2-1/2
Hoshino, Meilin (JPN, 1533) - Cuvelier, Annelies (BEL, 1809) 0-1
Kojima Shinya (IM, JPN, 2408) - Cordova, Emilio (GM, PER, 2609) 1/2-1/2
Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) - Cori, Jorge (GM, PER, 2664) 0-1
Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2170) - Martinez Alcantara, Jose Eduardo (GM, PER, 2565) 1-0
Otawa, Yuto (JPN, 2161) - Cruz, Cristhian (GM, PER, 2571) 0-1
Women R9 Japan - Belgium 1.5-2.5
Hoshino, Karen (WCM, JPN, 1945) - Goossens, Hanne (WIM, BEL, 2220) 0-1
Sakai Azumi (JPN, 1713) - Vanduyfhuys, Daria (WCM, BEL, 2058) 0-1
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1655) - Barbier, Astrid (BEL, 1894) 1/2-1/2
Hoshino, Meilin (JPN, 1533) - Cuvelier, Annelies (BEL, 1809) 0-1
このラウンドは男女ともに接戦であと一歩というところでしたが、格上チームに敗れてしまいました。しかし、松尾さんが自身初、そして今大会日本チームとして初めてGM から白星を挙げました! 棋譜だけですが、こちらも載せておこうと思います。
Matsuo, T (CM, JPN, 2170) -Martinez Alcantara, J E (GM, PER, 2565)
Batumi Olympiad (9)
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. Re1 b5 7. Bb3 d6 8. c3 O-O 9. h3 Bb7 10. d4 Nd7 11. Nbd2 exd4 12. cxd4 Bf6 13. Nf1 Na5 14. Bc2 Re8 15.
Bf4 g6 16. Rc1 c5 17. b3 Nc6 18. d5 Nce5 19. N1h2 Nxf3+ 20. Qxf3 Ne5 21. Qg3 Qa5 22. Bb1 c4 23. Red1 h5 24. Bxe5 Bxe5 25. f4 Qb6+ 26. Kh1 Bg7 27. bxc4 bxc4 28. Rxc4 a5 29. Nf3 Qe3 30. Rc7 Qb6 31. Rc4 Qe3 32. Rc7 Qb6 33. Rcc1 Bh6 34. Nd4 Kh7 35. Rc3 Qd8 36. Nc6 Qf6 37. Rf3 Bxc6 38. dxc6 Ra7 39. f5 Qe5 40. fxg6+ fxg6 41. Rxd6 Rg7 42. Qxe5 Rxe5 43. Rc3 Ree7 44. g3 h4 45. e5 Rc7 46. Kg2 hxg3 47. Kxg3 Kg8 48. Bxg6 Rge7 49. e6 Bf8 50. Bf7+ Kg7 51. Rd8 Ra7 52. Kf4 1-0
Batumi Olympiad (9)
この勢いのまま、今日はマッチでも勝利をつかみたいですね。次の相手はオープンがミャンマー、女子がモロッコです。どちらも強敵ですので、油断せずにゲームに臨みたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願い致します。
ラベル:
Batumi Olympiad,
English Opening,
海外大会
2018/10/03
Batumi Olyimpiad R8 Afghanistan - Japan
いよいよオリンピアードも終わりが近づいてきました。8Rの相手は、10年前のドレスデンで対戦したアフガニスタンです。その時は2.5-1.5 の辛勝でしたが、今回はレイティングさも考えてもう少し余裕をもって勝ちたいところです。私の相手はドレスデンで2200ありましたが、現在は2000台まで落ちてきています。
Farazi, K (CM, AFG, 2067) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
Batumi Olympiad (8)
1. d4 d5 2. Bf4 c5 3. e3 Nc6 4. Nf3 Bg4 5. c3 e6 6. Nbd2 Nf6 7. Qb3 Qc8 8. Ne5 Nxe5 9. Bxe5 c4 10. Qa4+
Batumi Olympiad (8)
この試合、London System でくるのではないかという予想は見事辺り、Misha とこのラインをチェックしていました。10. Qc2 Bf5 11. Qd1 Be7 が事前に見ていた試合で、チェックされた場合どうするか、ここから考え始めます。
10... Qd7
10... Nd7! 11. b3 a6! (11... cxb3 12. Qxb3+/=) 12. bxc4 b5! 13. cxb5 (13. Qa5 Nxe5 14. dxe5 bxc4 15. Rb1 Bc5 16. Qa4+ Ke7=/+) 13... Qxc3 14. Rb1 Rc8 15. Be2 Bb4 16. Qd1 Nxe5 17. dxe5 Bf5 18. Rb3 Qc5-/+ このa7-a6、b7-b5 が十分に間に合うことは読めず、ナイト退きを諦めてしまいました。もちろん、本譜のクイーン交換も決して悪くありません。
11. Qxd7+ Nxd7 12. Bg3 b5 13. Be2 Bxe2 14. Kxe2 Nb6 15. b3 Ba3 16. Rab1 Kd7
キングが上がり、c7を抑える手は自然に思えますが、ここは発想を変えてd5のポーンでc4を取りかえすアイディアもありました。16... a6!? 17. Bc7 Nc8 18. b4 Kd7 19. Ba5 Nd6 こう進むと、Nd6-Nb7 とNd6-Ne4 が狙いになっているため、閉じ込められているビショップは生還できます。
17. bxc4 bxc4 18. Rb5 Bd6
ここはどう指すべきかかなり悩みました。次に白はRb5-Ra5 からa3に刺さったビショップを追い返し、bファイルを活用して手を作るでしょう。本譜はオーソドックスにビショップを交換し、b8 のマスを使えるようにしましたが、18... Kc6 19. Ra5 Be7 20. Rb1 a6 とする変化もあったようです。
19. Ra5 Rhb8 20. Rb1 Bxg3 21. hxg3 Nc8 22. Rxb8 Rxb8 23. e4 Kd6?!
この不正確な手で流れは一気に白に傾き始めます。d5を守るためにどちらのマスが良いのか、もう少ししっかり考えるべきでした。23... Kc6! 24. exd5+ exd5 25. Rc5+ Kd6 26. Nf1 (26. Ra5=) 26... Rb2+ 27. Kf3 Ne7-/+ こうしてルークのチェックをあえてさせて、a7取りのスレットを外しておけば、黒はスムーズにルークでの反撃が作れました。
24. exd5 exd5 25. Nf1 Rb7
私にとって誤算だったのは、ポーンを取りあって勝負できないことです。25... Rb2+ 26. Kf3 Rc2 27. Rxd5+! を見落としていました。ルークの侵入からのカウンタープレーを作れない以上、黒はじっと耐えるしかありません。
26. Ne3 Ne7 27. g4 f6 28. f4 Ke6 29. f5+ Kd6
f5のマスにナイトが入ってくる心配はなくなりましたが、それでもキングサイドで白がアクションを起こすチャンスは完全には消えていません。
30. Kf3 Kc6 31. Ra6+ Kb5!?
残り8秒まで考えて、この果敢なキング上がりを決断しました。実際には31... Kd7 と指して待たなければいけない局面で、キングが上がるエンドゲームは負けなのですが、じっと待つだけも苦しいため、思い切ってこちらに跳び込んでみることにします。
32. Rd6 Ka4 33. Nxd5 Nxd5 34. Rxd5 Ka3 35. Rc5 Kxa2 36. Rxc4 Kb3 37. Rc5 a5 38. Rxa5 Kxc3 39. Rd5?
相手は40手前、時間が豊富にあったにも関わらず、このエンドゲームでの正確な指し筋を見つけることができませんでした。39. Ke4! Re7+ (39... Rd7 40. Rc5+ Kb4 41. Rc2+/-) 40. Kd5 Rd7+ 41. Kc5!+- この手がポイントで、d4のポーンを黒が取ればルークチェックからのルーク強制交換により、白勝ちのポーンエンディングになります。こうされていては、完全にお手上げでした。
39... Re7?
しかし、私も時間が増える直前、時間のない中で正確な手を見つけることができませんでした。白キングにe4 に上がられないために、キングよりかルークのカットオフか、どちらを選ぶべきか迷いました。本譜のルークの手は指してから気づいたのですが、dポーンが伸びてきた際にアタックされてテンポを与えてしまいます。39... Kd3! ならば、本譜のアイディアでドローです。
40. Rd8 Kd3 41. Kg3?
この手を見て助かったと思いました。41. d5 Kd4 42. d6 Rb7 (結局ルークはb7 が最も良い位置で、最初からここを離れるべきではありませんでした。) 43. Rc8 Ke5 44. Rc7 Rb3+ 45. Kf2 Rb2+ 46. Kg3 Rb3+ 47. Kh4 Kxd6) 47... Kf4 48. d7 Rd3 49. g3+ Ke4 50. Rc4+ Ke5 51. Rc8 Rxd7 52. Re8+ Kd5 53. g5+- であれば、まだ黒は予断を許さない状況です。しかし、Rc8-Rc7 に対してある程度反撃を作れるのは読めていませんでした。
41... Ke4=
相手がdポーンを突く手を1手遅らせ、しかも、ありがたいことにキングが離れてくれたためになんとかこの形に持っていくことができました。これは問題なくドローに持ち込めます。
42. Rd6 Rb7!
ルークおかえり! dポーンが伸びてもテンポを取られず、相手キングへの反撃を作れる好位置に戻ってきました。
43. d5 Rb3+ 44. Kh2 Rb7 45. Kh3 Rb3+ 46. Kh2 Rb7 47. Kh3 Kf4!?
もちろん、黒はルークチェックと退きを繰り返してドローですが、もう少しやってみることにしました。ところで、相手は47. Kh3 を指してとから3回目だと指摘してきました。私も間違えたことがありますが、3回同一局面の指摘は指してからではなく、指す前に棋譜に手を書いて指摘しなければいけません。でも、正しい指摘の仕方をしてもまだ3回目じゃないんですけどね(笑)
48. g3+ Kf3 49. Rc6 Rb1 50. Rc3+ Ke4 51. d6 Rd1
パスポーンはここまで進められても、後ろからルークで止めれば問題ありません。
52. Rc4+ Kf3 53. Rc3+ Ke4 54. Rc4+ Kf3 1/2-1/2
苦しい中盤を乗り切り、なんとかドローに持ち込みました。ここは勝っておきたい相手でしたが、局面がああなってしまった以上は仕方ありません。ドローで御の字です。また白番を引いた次のラウンドで勝負です!
Open R8 Afghanistan - Japan 1.5-2.5
Farazi, K (CM, AFG, 2067) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
Amini, Habibullah (CM, AFG, 1988) - Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) 0-1
Sulaiman, Ahmad Ashrafi (AFG, 1908) - Yamada, Kohei (FM, JPN, 2128) 0-1
Kanz, Ahmad Safy (AFG, 1826) - Otawa, Yuto (JPN, 2161) 1-0
Women R8 ICCD - Japan
Mucha Annegret (WCM, ICCD, 2044) - Hoshino, Karen (WFM, JPN, 1945) 1/2-1/2
Gerasimova Olga (WIM, ICCD, 2010) - Sakai Azumi (JPN, 1713) 1/2-1/2
Lagutina Olga (ICCD, 1948) - Shibata Misaki (JPN, 1605) 1/2-1/2
Malika Handa (ICCD, 1334) - Hoshino, Meilin (JPN, 1533) 0-1
Farazi, K (CM, AFG, 2067) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
Amini, Habibullah (CM, AFG, 1988) - Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2324) 0-1
Sulaiman, Ahmad Ashrafi (AFG, 1908) - Yamada, Kohei (FM, JPN, 2128) 0-1
Kanz, Ahmad Safy (AFG, 1826) - Otawa, Yuto (JPN, 2161) 1-0
Women R8 ICCD - Japan
Mucha Annegret (WCM, ICCD, 2044) - Hoshino, Karen (WFM, JPN, 1945) 1/2-1/2
Gerasimova Olga (WIM, ICCD, 2010) - Sakai Azumi (JPN, 1713) 1/2-1/2
Lagutina Olga (ICCD, 1948) - Shibata Misaki (JPN, 1605) 1/2-1/2
Malika Handa (ICCD, 1334) - Hoshino, Meilin (JPN, 1533) 0-1
オープンは南條くん、山田くんが問題なく勝ってアフガニスタンを下しています。女子も格上ICCD をよく破りました! ここでの勝利は互いに大きく、9Rではさらに上のチームと対戦することになります。
次はペルーとベルギーが相手です。GM ばかりで構成された南米の強豪国、ペルーを相手にどんな試合運びができるか、今日も頑張ってきます!
ラベル:
Batumi Olympiad,
Queen's Pawn Game,
海外大会