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2022/05/30

A Cowboy Setup Against e6 Sicilian


久々のゲーム紹介はオンラインのブリッツからです。最近は1.e4 ばかりですが、オリンピアードに向けて最終的にどういった準備をしていくか、2か月を切ったそろそろ考え始めます。

imsk (2521) - gemivuk (2633)
lichess Blitz

1. e4 c5 2. Nf3 e6 3. b3!?

e6 Sicilian に対しては今のところ、クイーンサイドにフィアンケットをするセットアップが面白いと感じています。1. b3 のコースをChessable で出しているインドのGM Adhiban は、これをCowboy のビショップと呼んでいます。黒のここからの数手で、d2-d4 とセンターを開く、いわゆるOpen型にするか、そうしないかを決めます。

3... Nc6 4. Bb2 a6 5. c4 d6 6. d4


a7-a6, Nb8-Nc6 に対しては、c2-c4 と先にcポーンを伸ばしたうえでOpen型にします。割とスタンダードなHedghogのスタイルです。

6... cxd4 7. Nxd4 Bd7 8. Bd3 Nf6 9. O-O Be7 10. Qe2 O-O 11. Nd2 Rc8 12. Kh1 Qc7 13. Rac1 Rfd8

ナイトを低く組む、少し変わった形にしてみました。d5 を抑える力はcポーンに任し、Nd2-Nf3 のタイミングを伺います。一方で黒のルークの置く位置は自分には少し不自然に見えました。b6 がビショップの跳びこむ穴になりますし、e6-e5 のブレイクを狙うならばd8 よりもe8 が良いと思います。

14. f4 Nxd4 15. Bxd4 Bc6 16. Qf2 Nd7 17. Nf3?! Bf6


少しのんびりしすぎたせいで、黒にチャンスを与えてしまいます。17... e5! 18. Be3 exf4 19. Bxf4 Nc5!=/+ だと、浮いたビショップと孤立になったe4 ポーンが困っています。

18. e5! dxe5 19. fxe5 Bxe5?

思い切ってeポーンを押し込んだのが成功しまいした。黒は本譜のビショップ取りは失敗で、19... Nxe5 20. Bxe5 Bxe5 21. Nxe5 Qxe5 22. Qxf7+ Kh8 23. Rce1+/= とf7 との取り合いを選ぶか、19... Be7 と戻るか、どちらかでした。後者はf7、h7 が同時に危なく見えますが、白に決定的なタクティクスはありません。

20. Bxh7+! Kxh7 21. Ng5+ Kh6 22. Nxf7+


理想的なタイミングでグリークギフトが決まりました。本譜も勝ちですが、分かりやすくクイーンが取れるもう1つの変化も有力です。22. Qh4+ Kg6 23. Qh7+ Kxg5 24. Be3+ Bf4 25. Bxf4+ Qxf4 26. Qxg7+ Kf5 27. Rxf4+ Kxf4 28. Qg3+ Ke4 29. Re1+ Kf5 30. Rf1+ Ke4 31. Qf4+ Kd3 32. Rd1+ Kc2 33. Qd2# クイーン取りからメイトまで一直線であることは読めませんでした。

22... Kg6 23. Nxe5+?!

試合後に思い返せば、白マスナナメからのチェックの対抗できないので、すぐにメイトでした。23. Qc2+ Kh5 24. Qh7+ Kg4 25. Qh3# もしくはe5 を取るとしても、23. Bxe5 Nxe5 24. Qg3+ Kh7 25. Qh4+ Kg6 26. Qg5+ Kh7 27. Qh5+ Kg8 28. Qh8# とすればh8 をナイトが抑えているのでメイトでした。ビショップがe5 に残る形が強いのは間違いないですが、メイトを見逃してそちらを選んだのは黒に生き残るチャンスを与えるミスです。

23... Nxe5 24. Qg3+ Kh7 25. Bxe5+-


f7、h7 を落としてピースを取り返し、勝勢であることは明らかですが、g2 への反撃にはきちんと対処しなければいけません。

25... Qe7 26. Rf4! Rd2 27. Qh3+ Kg8 28. Rg4 Rcd8 29. Rg1!

もう1つのルークがg2 のディフェンスに回れば盤石で、バックランクのメイトもなく、後はg7 を突破して勝ちが決まりです。しかし、1つだけひどい落とし穴がありました。

29... R8d7 30. Rh4??


30. Rxg7+ Qxg7 31. Bxg7 Kxg7 32. a4+- とクイーンを取っておき、何事もなく勝ちでした。

30... Qg5??

30... Qxh4! 31. Qxh4 Rxg2-+ を両者見落としています。バックランクがメイトになるため、このルークは取ることができません。この形は気を付けていたつもりなのですが、この瞬間だけ頭から抜けていたようです。

31. Qxe6+


31. Rh8+ Kf7 32. Rf1+ Ke7 33. Re8+! Kxe8 34. Qh8+ Ke7 35. Qf8# ルークのただ捨てからメイトになるこのパターンも、すぐイメージできるようにしておこうと思います。

31... Rf7 32. Rg4 Rxg2 33. R4xg2 Qe7 34. Qxe7 Rxe7 35. Bg3+-

これでクイーンを交換したうえで大きな駒得を確定させているので、後は問題ありません。ゲーム中は全体を通して問題ない指し方だと思っていましたが、負けになるブランダーが1つ、メイトの見通しが複数と、解析してみれば反省点は多いゲームでした。

35... Re2 36. h3 Rxa2 37. Kh2 Bxg2 38. Rxg2 Ra3 39. Be5 Rxb3 40. Rxg7+ Kf8 41. Rc7 Re3 42. Bd6+ Kg8 43. Rxb7 Rc3 44. c5 a5 45. Ra7 1-0


1. e4 のレパートリーも割と納得できるものが出来上がりつつありますが、自分のチェスの幅を広げるためにももう少し色々試していこうと思います。

2022/05/06

Japan Chess Championship 2022 Day5

今年の全日本選手権入賞者たち。左から小島、Tu、青嶋、山田、小林(敬称略)

二日ほど遅れましたが、今年の全日本選手権最終日のレポートです。7R 終了時点では6ポイントで3人が並ぶ混戦でしたが、最後の2試合で1.5ポイントを取り、単独優勝を飾ったのは青嶋くんでした。青嶋くんは2019年の全日本選手権に続き、3年ぶり2回目目の全日本選手権優勝です。青嶋くんを始め、入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Aoshima Mirai (FM, JPN, 2342) 7.5/9
2nd Place Tran Thanh Tu (CM, JPN, 2386) 7/9
3rd Place Yamada Kohei (FM, JPN, 2161) 7.9
4th Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2353) 6.5/9
5th Place Kobayashi Atsuhiko (JPN, 2141) 6.5/9

Japan Chess Championship 2022 Final Standings


私は8R で青嶋くんと引き分け、首位のまま最終戦を迎えましたが、Tuさんに敗れて今年も優勝を逃しました。悔しい結果ですが、しっかりとゲーム内容を振り返ってまた次につなげようと思います。8R の青嶋くんとのゲームはすでに彼のブログで解説がありますが、私はもう少し違った点を踏まえながら自分なりの分析をお届けしようと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2353) - Aoshima, M (FM, JPN, 2342)
Japan Chess Championship 2022 (8)

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4!?

3. Bb5 のRossolimo でも良かったのですが、少し違った変化をこの大会では用意していました。多くのBf1-Bb5 ラインと共通していますが、d2-d4 を急がないことによって、c2-c3 も含めた厚いセンター作りのチャンスを残しています。

3... g6 4. O-O Bg7 5. c3 d6 6. Re1?!


考えてみれば、あまり早くにこの手を入れる必要はありません。6. d4! とすぐにセンターを抑えていれば、少し違ったゲーム展開になっていたと思います。

6... Nf6 7. h3 O-O

7... Nxe4! 8. Rxe4 d5 は典型的な手筋ですが、白のセンターを崩している分、黒が得しています。

8. d4


ここも悩みました。本譜のd6-d5 ブレイクを防ぐのであれば、ビショップを先に退いておくべきですが、8. Bb3 Na5 9. Bc2 c4! という展開からd2-d4 を防がれることを嫌いました。

8... cxd4 9. cxd4 d5 10. exd5 Nxd5

典型的なIQPポジションですが、黒はd7-d6-d5とポーンを突きなおしているため、白はh2-h3、Rf1-Re1 と欲しい手を早く入れられています。

11. Bb3 Be6


e6 のビショップはナイト、ルークのターゲットになりえるため、少しリスクのある方針です。11... Nb6 12. d5 Na5 13. Nc3 と進む変化は、白が白マスビショップを諦めても黒のe7 ポーンを固定し、Bc1-Bg5 も使ってプレッシャーをかけられ、少し白が良いと考えていました。

12. Nc3 Qd7?! 13. Ne4! b6 14. Neg5!

クイーンの少し不用意な上がりにより、予期していたようにe6 のビショップがターゲットになりました。白はこのビショップをナイトで攻撃し、ポーンストラクチャーを崩してアドバンテージを得ます。

14... Rad8 15. Nxe6 fxe6 16. Be3


16. Re4! はコンピュータの指摘する手でとてもユニークです。e4 のマスがアウトポストになったことで、このマスになんらかのピースを置くことはイメージできていたのですが、それは本譜のようにナイトのつもりでした。e4 のルークは弱いd4 を守りつつ、将来的にeファイルにヘビーピースを重ねてe7 をアタック、場合によってはRe4-Rh4 と振ってキングへの直接攻撃と広いアイディアを持ちます。

16... Na5 17. Bc2 Nc4 18. Ng5

青嶋くんは18. Bc1 と下がる手を試合後に指摘してくれましたが、私はこの攻撃態勢が整っている状態であれば、b2 を捨ててキングサイドアタックに踏み切るべきだと考えました。もちろん、ビショップが退くのも良い手です。

18... Nxb2 19. Qg4 Rf6 20. Qh4 h6 21. Ne4 Rf5 22. Ng3 Nxe3 23. fxe3 Rg5 24. Bb3?!


試合後に悔やんだ手で、弱いa2-g8 のダイアゴナルとe6 のポーンを見据え、c4 のマスに黒ナイトを逃がさないことを目的としました。実際にはe6 よりもg6 のほうが不安定で、こちらへのプレッシャーを残したまま戦うほうが良かったです。24. Ne4 Rf5 25. Nd2! は試合中に考えなかったマヌーバリングで、黒ルークがf6 に退いた場合、e5 のマスへの利きがなくなるため、白はNd2-Nf3-Ne5 と組み替える絶好のチャンスになります。このことからも、白マスビショップはb1-h7 ダイアゴナルに残しておくほうが良かったです。

24... Nd3 25. Rf1 Nb4 26. Ne4 Rf5 27. Ng3 Rg5 28. Kh1 Nd5 29. Rf3 Rf8 30. Raf1?

それでもまだチャンスがあった白でしたが、ここでのルークの捌きを間違えていよいよ互角に近づいてきます。30. Rxf8+ Bxf8 31. e4! としてナイトを早めにどかしてけば、黒はe6 のディフェンスを気にしなければならず、白の残った攻撃への対処が大変になります。

30... Rxf3 31. Rxf3 Qc7 32. Qe4


e6 のポーンはクイーンで攻めつつ、g5 のルークをなんとか攻めるアイディアはないものか考えていました。コンピュータの指摘は32. Ne2 からナイトを組みなおすものです。f4 のマスがe6、g6 を同時に攻撃できる好位置であることは分かっていたのですが、ルークをg5 から逃がすチャンスを与えてしまうことが気がかりでした。

32... Qd6 33. Kg1 a5 34. h4?

白から進展させる手にはリスクがあるため、悩んだ末にドローでも良いと思って選んだ弱気な手が、さらに悪いものでした。ここは難しくとも34. Kf2 と上がって、ナイトを守り勝負すべきです。

34... Rxg3 35. Rxg3 Qxg3 36. Qxe6+ Kh7 37. Bxd5 Qe1+ 38. Kh2 Qxh4+ 39. Kg1 h5!


この手がQe6-Qg8 のアタックをかわしておくのに十分で、黒は自らパペチュアルチェックにしてなくても良いというのが私の読み抜けでした。局面は一転し、白がドローを目指すポジションになります。

40. a4 Kh6 41. Be4 Qg3 42. Bf3 Qe1+ 43. Kh2 Bxd4

このポーンが落ちるのは完全に予想外で、負けたと一瞬思いましたが、異色ビショップであることで希望が残っていました。

44. Qxe7 Qxe3 45. Qxe3+ Bxe3 46. Bc6 Bf2 47. g4


必要ではないかもしれませんが、白が白マスだけブロックしていればドローに十分だと分かりやすい局面にしておきます。

47... h4 48. Kh3 Kg5 49. Bb5 Kf4 50. Bc6 g5 51. Bb5 Ke3 52. Bc6 Bg3 1/2-1/2

意外とあっさりとドローになったのは幸運でした。最終戦はTuさんに知らない序盤からなんとか満足な中盤にしたものの、3つくらいの判断ミスが立て続けに起こってあっさり負け局面にしてしまいました。要所要所で正解の手を候補手にも入れなかった、反省の多いゲームです。

最終戦の内容はさておき、5日間の全日本選手権が終わりほっとしている一面もあります。全日本選手権と同時並行で開催されていたゴールデンウイークオープンはほとんど見に行く余裕はありませんでしたが、こちらも盛況だったようで何よりです。両大会を運営し、盛り上げてくださったNCS の運営スタッフの皆さんにはとても感謝しています。また次の大会で、皆さんとお会いできることを楽しみにしています!

2022/03/20

Tokyo Chess Championship 2022 Day2 Tournament Report

東京チェス選手権2日目は東野さん、青嶋くんの2人に勝ち、最終戦で昨年のチャンピオン、中村くんとドローで単独優勝を決めました。A,Bクラスを含め、各クラスの入賞者および、全日本選手権の参加シード権を獲得された皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima Shinya 5.5/6
2nd Place Aoshima Mirai 5/6
3rd Place Nakamura Naohiro 5/6

Tokyo Chess Championship 2022 Final Standings


棋譜解説は5R の青嶋くんとの試合にしようと思います。一昨年の全日本選手権のゲームも良かったですが、今回も満足な指し回しをすることができました。

Kojima, S - Aoshima, M
Tokyo Chess Shampionship 2022 (5)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. Bb5+ Nd7 4. a4!?

青嶋くんとの公式戦で1. e4 は初めてです。このラインは昨年の神戸以来試しますが、オンラインでの成果は大満足といえるものではなく、4. Ba4!? なども研究しています。

4... Ngf6 5. Nc3 e5?!


白からのd2-d4 を止めたいのは理解できますが、d5 をいきなり弱くしてしまうのは危険です。5... a6 6. Be2 b6 7. d4 cxd4 8. Qxd4 がSo Wesley の紹介するメインラインですが、いったんビショップをe2 に退かせたのちに、6... e5!? はあるかもしれません。

6. d3 Be7 7. Nd2!? O-O 8. Nf1 a6 9. Bc4 Nb8 10. Ne3 Nc6 11. O-O Re8 12. Bd2

f3 のナイトはさほど働きがないため、Nf3-Nd2-Nf1-Ne3 とマヌーバリングし、d5 への侵入を狙います。d2 に置いたビショップはa5 に利かせ、a4-a5 をサポートします。

12... Bf8 13. Ncd5 Nxd5 14. Nxd5 Be6 15. a5! Rb8 16. Re1 Ne7 17. Nb6 Bxc4 18. dxc4!


c4 でのビショップ交換はありがたいと感じました。これでd5 をがっちり抑えたうえ、3段目が綺麗に開いてルークの活路が見えてきました。

18... Nc8 19. Nd5 Ne7 20. Bg5! Qd7 21. Bxe7 Bxe7

ここでさらにビショップとナイトを交換し、典型的なグッドナイトvs. バッドビショップの構図に持ち込むことができました。ここからはルークが3段目で活躍します。

22. Re3 Bf8 23. Rb3 Red8 24. Raa3!


2つ目のルークもaファイルから登場します。f-h3 の3つのマスは全て、ルークを配置して黒キングを狙える好位置です。

24... h6 25. Rg3 Qe6 26. Raf3 Kh8 27. Rf5 g6 28. Rf6 Qe8 29. Rgf3 Rd7 30. Nb6 Rc7 31. h4!

3段目に並んでいたルークはfファイルで並ぶ形に姿を変え、黒のピースをディフェンスに縛らせています。それをさらに崩しにいくため、hポーンの出番です。

31... Rd8 32. Nd5 Rcd7 33. Nb6 Rc7 34. Qd5 Kg7 35. h5 g5 36. R3f5 Qe7 37. Qd3


私はf3 かg4 が白クイーンの新しい絶好のマスだと思いましたが、もっと直接的にg5 のポーンを突破してメイトを狙うアイディアもありました。37. Qd2! Qe8 38. Nd5 Rcd7 39. Rxh6! Kxh6 40. Qxg5+ Kh7 41. Nf6+ Kh8 42. Qg8#

37... Qe8 38. Qf3 Kg8 39. Nd5 Rcd7 40. Rxh6!?

f6 でのナイトフォーク以外決めてが見えなかったので、これを実行しました。コンピュータの示すラインは人間には見えづらいものです。40. Qg4! Bg7 41. Rxg5 hxg5 42. Qxg5 Qf8 43. Rh6! f5 44. Nf6+ Kf7 45. Qg6+ Ke6 46. exf5+ Ke7 47. Nd5# 1つ上で示したものよりも分かりにくいメイトで、ルークを捨ててこの変化に跳び込むのは勇気が必要です。

40... Bxh6 41. Nf6+ Kg7 42. Nxe8+ Rxe8 43. Rf6 Re6 44. Qf5 Rde7 45. Rxe6 Rxe6 46. f3


クイーンを取って駒交換も落ち着いたので、ここからは焦らずにいきます。白はキングをクイーンサイドに移し、ポーンの突破を準備します。

46... Kg8 47. Kf1 Kg7 48. Ke2 Kg8 49. Kd3 Kg7 50. c3 Kg8 51. b4 Kg7 52. Qg4 Kf8 53. Qg3 Kg8 54. b5!

c5 を取りにいくプランも考えていましたが、それよりもbファイルを開き、クイーンをそこから侵入させるほうが確実だと気づきました。

54... Re8 55. Qh3 Re6 56. Qh1 Rf6 57. Qb1


これでa6 ポーンを落としにいき、パスポーンを作る作戦で白勝ちです。

57... g4 58. Ke2 Rf4 59. bxa6 bxa6 60. Qb6 gxf3+ 61. gxf3 Rh4 62. Qd8+ 1-0

最後はルークを落として勝負は決まりです。シャープになりがちなSicilian を、上手く自分の得意なポジショナルゲームにできたと思います。今大会は初めて使う王子の会場でしたが、2日間快適にプレーすることができました。運営スタッフの皆さん、2日間ありがとうございました!

表彰式のスピーチでは、インドのチェンナイで開催が決まったチェスオリンピアードについて触れさせてもらいました。夏のチェンナイは非常に暑そうですが、それに負けない熱気を持ったプレーヤーたちが、世界中から集まってくると思います。日本代表メンバーも、これから全日本終了までの1か月半ほどで決まることを楽しみにしています。

全日本前の大きな試合はこれで終わりといきたいところですが、私は来週末も池上で開催されるアジア大会の選考会に参加します。昨年のジャパンオープンから国内大会の調子は上々ですので、このまま次の大会も良い試合を続けていきたいと思います。

2021/03/29

Hyogo Chess Championship 2021 Tournament Report


事前の告知は全く行っていませんでしたが、3/28 に開催された兵庫選手権に参加してきました。神戸チェスクラブ主催のこの大会に参加するのは実に9年ぶりです。前回は初のハンガリー遠征の前に、いくつか地方のチェスクラブをめぐってみようと思い、浜松と神戸の地方予選でプレーしたのでした。今回は夫婦そろって全日本選手権参加の権利を持っていましたが、地方プレーヤーとの交流や観光もかねての参加です。
会場となった深江会館は神社の境内にありました。

4R スイス式の今大会は事前の参加者が知らされていませんでしたが、当日になって会場に足を運ぶと16名がエントリーされていました。私は順当に3連勝で単独首位に立ち、最後は0.5P差で追ってきた横尾くんとの対局となります。横尾くんとは3年前の東海オープンでも、最終戦での対局でした。

Kojima, S - Yoko, H
Hyogo Chess Championship 2021 (4)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. Bb5+ Nd7 4. a4!?

今月から使い始めたChessable というアプリの、Wesley So's 1. e4 シリーズで紹介されていたSicilian 対策が、Moscow Variation でした。15年前、私が高校生の頃はポピュラーな4. d4 を使い、IM Wong Zi Jing や、GM Sasikiran からドローを取りましたが、長い年月が経って黒の良いアイディアもたくさん発見されました。4. a4!? はMoscow Variation としての特徴を半分残し、半分消すような面白いチョイスです。

4... g6


4... Ngf6 5. Nc3 a6 6. Be2 b6 7. d4 cxd4 8. Qxd4 がメインラインです。黒は早めにe4 への反撃を作り、Nb1-Nc3 を強制させてc2-c4 c2-c3, d2-d4 のチャンスを消しておきます。一方で白は、Bf1-Bb5-Be2 の1テンポロスを入れても、Open Sicilian 型にしてd4 に出たクイーンで主張を作ります。本譜では黒がフィアンケット型と決めてくれたので、Moscow Variation のポイントであるcポーンを使ったアイディアで、厚いセンターを築くことにします。

5. O-O Bg7 6. Re1 a6 7. Bf1 Ngf6 8. c3 O-O 9. d4 e6 10. e5!?

直前の9... e6 は、黒マスを弱める不自然な手に感じました。そこでe5 にポーンを指す形を早めに決めることにしましたが、10. Bf4 d5 11. e5 Ne4 12. Nbd2 Nxd2 13. Qxd2 くらいでも、白はスペースの広さで十分なアドバンテージがあったと思います。

10... dxe5 11. dxe5 Nd5 12. a5


黒のd7 のナイトは、欲を言えばc6 にいたい形です。白は早めにa4-a5 を突いて黒のbポーンを抑え込み、クイーンサイドのポーンストラクチャーを乱せるようにしておきます。

12... b5 13. axb6 Qxb6 14. Nbd2 Bb7 15. Nc4 Qc7 16. h4! N5b6 17. Bf4 Nxc4 18. Bxc4

白は狙い通りに黒のポーンを乱しつつ、将来的なキングサイドアタックのチャンスを伺います。黒はキングサイドのカバーが難しいため、多少時間がかかっても白のアタックチャンスは明確だと考えました。

18... Nb6 19. Bd3 Rfd8 20. Qe2 c4 21. Bc2 Nd5 22. Bg5!


黒は調子良く白のピースを攻め立てているように見えますが、これ以上ピースのポジションを改善するプランがありません。一方で白はhポーンの前進と、黒マスを活用したピースプレーで徐々にチャンスを広げます。

22... Rdc8 23. h5 Qb6 24. hxg6 hxg6 25. Bc1!

白には様々なチョイスがあり、どの作戦にするか迷いました。本譜はe7, d8 のコントロールを諦めても、b2 を守って黒の反撃を抑え、Nf3-Ng5 のタイミングをうかがいます。ナイトの跳ぶチャンスはNf3-Nd4 や、Nf3-Nh2-Ng4 も考えました。しかし、シンプルにクイーンとの組み合わせてh7 を狙えるNf3-Ng5 が、これまでの経験から最も黒が嫌がるアイディアだと判断しました。

25... Qc6 26. Qe4 Ne7 27. Qg4 Qc5 28. Ng5 Qc6 29. Qh3


黒はa8-h1 のダイアゴナルを使って反撃を試みますが、それを上手くかわしながらクイーンとナイトを理想的な配置へと運びました。私の得意とするポジショナルプレーでここまで良いポジションを築けたのは良かったのですが、ここから決めにいく決定的なアイディアが分からず、ゲームは予想外にもつれることになります。

29... Rd8 30. Bf4

踏み込むタイミングはまだ早いと思い、ひとまずe5 を守りつつルークを連携させておきますが、30. Qh7+ Kf8 31. Ne4 Ng8 32. b3!+- というアイディアがありました。黒の守りの要であるg7 のビショップをいく消しにいくかばかり頭にあったので、a3-f8 のダイアゴナルに黒マスビショップを切り替えることを失念していたのはこの試合の1つの反省点です。

30... Qb5 31. Qh7+ Kf8 32. Ne4?!


Ne4-Nf6 と踏み込めればほとんど勝ちですが、本譜のように黒は白マスビショップを諦めて粘ることができます。32. Qh4! が一度跳び込んだクイーンを退いてf6 のマスを見据えつつ、Ng5-Nh7-Nf6 のナイト切り替えを狙う絶妙なアイディアでした。

32... Bxe4 33. Bxe4 Ra7 34. Re3!?

b2 を守っているようではつまらないですし、多少強引でもルークを3段目で振る構想は数手前からありました。検討で見つけられなかったのは、34. Bh6! Qxe5 (34... Bxh6 35. Qxh6+ Kg8 36. Re3!+- これは試合中読めていましたが、e5 を取られてどうするのか読めませんでした。) 35. Ra5!!
Analisis Diagram

この手は時間にもう少し余裕があっても、見つけられたか自信はありません。ルークを捨ててg7 から守りを外せば、白は押し切れるというのがコンピュータの評価です。35... Qxa5 (35... Qf6 36. Bg5+-) 36. Qxg7+ Ke8 37. Qf8+ Kd7 38. Qxf7+- 白はまだ駒損状態ですが、黒は危険なキングをカバーしきれないでしょう。

34... Ng8 35. Rf3 Qxb2 36. Rb1 Qe2 37. Bxg6!

ルークをf3 に振った以上、ここは踏み込むしかありません!

37... Rd1+ 38. Rxd1 Qxd1+ 39. Kh2 fxg6 40. Qxg6!


残り数秒まで考え、アタックを焦らない判断ができたのは良かったです。40. Be3+? Rf7! (40... Qxf3? 41. Bc5+! Kf7 42. gxf3+- 40手目は試合後に横尾くんに指摘されましたが、先にビショップチェックを入れておけば白は大丈夫です。) 41. Bc5+ Ne7 42. Rxf7+ Kxf7 43. Bxe7 a5!-+ 白はピースを取り返してもチェックではないのでビショップの取り合いは強制ではなく、黒は落ち着いてポーンを進めれば勝勢のエンドゲームです。b2 を捨てたことがエンドゲームに影響してくるため、白は駒数を落ち着かせてのエンドゲーム突入ではなく、アタックを決めきる方針で手を探さなければいけません。

40... Rf7 41. Qxe6! Qd8

ビショップを捨ててe6,f7,g6 にあった黒ポーンをすべて消すと、黒はキングの守りが意外と難しいことが分かります。白はe6 まで回収できたことで、a6, c4 と次のポーンを取る準備もできていますし、e5-e6 とポーンを押し込むアイディアも生まれています。41... Qd7 42. Qxa6+- を試合中は読んでいましたが、これでも黒は苦戦しそうです。

42. Bg5! Qe8 43. Qd6+?!


しかし、ビショップを捨ててから正確に指せていたはずが、ここでケチがついてしまいました。時間が残り少なくとも、43. Rxf7+! Qxf7 44. Qd6+ Ne7 45. Qd8+ Qe8 46. Bxe7++- でピースが取り返せることは読めなくてはいけません。しかも今度は先ほどよりもポーンを多く回収していますし、なによりチェックの連続で手番を握っています。

43... Ne7 44. Bf6?!

44. Rg3! としておけば、次のe5-e6 の押し込みが黒にとっては厳しく、ピースを返さざるをえない状況になります。本譜の緩手でようやく黒に劣勢を挽回するチャンスが訪れますが、横尾くんはそれを見逃してしまいました。

44... Bxf6?


試合後に私から、44... Kg8! と避けておく手で白には特にスレットが無いことを指摘しました。45. Qxa6 Bxf6 46. exf6 Rh7+ 47. Kg1 Nf5 48. Qxc4+ は黒のポーンがすべて消えますが、形勢判断は難しく、ゲームはどうなってもおかしくないでしょう。本譜のようにピースが取り戻せれば、白は落ち着いて残りを指すだけです。

45. exf6 Kg8 46. Rg3+ Ng6 47. Rxg6+ Kh7 48. Qg3 Qf8 49. Qg5 Qd6+ 50. g3 1-0

丁寧に築いたポジショナルアドバンテージを、どう決定的なタクティクスに繋げるか。自分の苦手な部分も見えたゲームで勉強になりました。9年ぶりの兵庫選手権を全勝で終えることができ、胸をなでおろしています。そして遅ればせながら、私もようやく今年最初の公式戦をこなしました。
優勝賞品として、ハンガリーのIM Tibor Kaloryi が書いたJan Timman の本をいただきました。内容は帰宅してからチェックしてみようと思います。Timman くらい強ければ、この試合ももっと早く決めきれたでしょう(笑)
試合から一夜明けた今日は、神戸中心地から少し足を延ばして有馬温泉へ。日本有数の温泉地として知られる有馬温泉ですが、神戸の中心地、三ノ宮から電車でわずか30分ほどとは知りませんでした。試合当日はあいにくの雨でしたが、今日はうってかわって晴天で、桜もちょうど見ごろでした。
花も団子もということで、温泉街を食べ歩きです。ジェラートには、有馬温泉の名物である炭酸せんべいを追加してもらいました。他にもお昼には明石のタコ、タイ、アナゴなどの海産物から、神戸牛まで味わうことができ、食事も大満足の旅となりました。

2016/12/02

World Chess Championship 2016 Vol.3

日本時間の昨日朝、長かったCarlsen - Karjakin のマッチに決着がつきました。8R を黒番でKarjakin が勝ち、一時はCarlsen の王座交代かとも思われましたが、10R の白番でCarlsen が勝ちをもぎ取り、タイのスコアでタイブレークのラピッドに持ち込みます。そして昨日行われたラピッド4局のうち、3ゲーム目と4ゲーム目をCarlsen が勝って、王座防衛を決めました。多くの人がすでに目にしていると思いますが、4ゲーム目のフィニッシュは実に見事でした。

Carlsen, M (GM, NOR, 2853) - Karjakin, S (GM, RUS, 2772)
Carlsen - Karjakin World Championship (16)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. f3!?



最終戦、勝つしか道のないKarjakin は、このマッチで初めてのSicilian を投入します。おそらく選ぶラインはNajdorf のつもりだったと思いますが、Carlsen は5. f3!? のポジショナルな変化になる手を選び、Karjakin が望むシャープな展開を避けにいきます。

5... e5 6. Nb3 Be7 7. c4 a5 8. Be3 a4 9. Nc1 O-O 10. Nc3 Qa5 11. Qd2


このようなd5 に白がアウトポストを持つ展開は白が指しやすいでしょう。c1 に一時的に退いたナイトも、将来的にd5 に運べるようにCarlsen は工夫を凝らします。

11... Na6 12. Be2 Nc5 13. O-O Bd7 14. Rb1 Rfc8 15. b4 axb3 16. axb3 Qd8 17. Nd3 Ne6 18. Nb4



b6,d6,d5 を弱点にし、2つのナイトがd5 を抑えた形で、白には特に危ない点が見当たりません。さらにここから白は、キングサイドでも手をかけて盤全体でのプレーを行います。

18... Bc6 19. Rfd1 h5 20. Bf1 h4 21. Qf2 Nd7 22. g3 Ra3 23. Bh3


c4,e4 のMaroczy Bind 型では、白の白マスビショップはこのように使いなおされることが多く、私も何度も経験があります。白が懸念するとすれば、黒のナイトがc5 からb3 を狙ってきたり、d4 のアウトポストに跳びこんでくることだと思いますが、白はそれを抑え込み、黒に反撃を作らせません。

23... Rca8 24. Nc2 R3a6 25. Nb4 Ra5 26. Nc2 b6



勝ちにいかなければいけない黒は、リスクを冒しても手を変えるしかありません。しかし、b6 にポーンを進めることは、c5 のマスを抑えるメリットよりも、ポーン自体がターゲットになるというデメリットのほうが大きいように見えます。

27. Rd2 Qc7 28. Rbd1 Bf8 29. gxh4!?


このポーン取りは、キングやf4 のマスを弱めますが、白は1つポーンを得します。私であれば躊躇うポーン取りですが、Carlsen はここから見事にキングの弱さをカバーしつつ、自身の強みが生きるようなポジションを目指していきます。

29... Nf4 30. Bxf4 exf4 31. Bxd7!



ピースを交換してポジションをシンプルにすると同時に、d5 のアウトポストを抑えられる黒のピースを減らしておき、白のナイトがセンターで活躍しやすいようにします。

31... Qxd7 32. Nb4 Ra3 33. Nxc6 Qxc6 34. Nb5 Rxb3 35. Nd4 Qxc4 36. Nxb3 Qxb3


こうして局面は大きく動きました。黒はエクスチェンジを捨てて勝負に出ますが、f8 のビショップが十分にアクティブではなく、駒損を補うのは少し無理があるように見えます。

37. Qe2 Be7 38. Kg2 Qe6 39. h5 Ra3 40. Rd3 Ra2 41. R3d2 Ra3 42. Rd3 Ra7 43. Rd5!



ドローを回避するKarjakin に対し、Carlsen はルークを5段目でアクティブに使うことでチャンスを拡大します。

43... Rc7 44. Qd2 Qf6 45. Rf5 Qh4 46. Rc1 Ra7 47. Qxf4!


試合後、多くのプレーヤーが最後のCarlsen の1手が素晴らしいと称賛していますが、私は試合を見返していて、ここで白がポーンを取れると読み切っている点に最も驚きました。29. gxh4!? の影響で、薄くなった白キングの守りを、白は最後の最後まで気にしなければいけません。最後の1手が見えなければ、危ないのは白のキングですので、Carlsen はこのポーンを取った時点で、最後の芸術的な形まで予想できるということです!

47... Ra2+ 48. Kh1 Qf2 49. Rc8+ Kh7 50. Qh6+! 1-0



最後はクイーンをサクリファイスし、50... gxh6 51. Rxf7#、50... Kxh6 51. Rh8# のどちらもメイトです。まるで教科書に載っているようなサクリファイスでマッチを締めたCarlsen は、二度目の防衛線に成功し、世界チャンピオンの座を守り続けることになります。今回のマッチでは、クラシカルで互角の戦いを見せ、一時はCarlsen をロープ際まで追いつめたKarjakin のプレーも称賛されるべきでしょう。次のマッチの挑戦者が誰になるかはまだわかりませんが、またこうして白熱した世界最高峰の戦いが見られることを期待しています。

2015/03/01

Fukuoka Preliminary 2015 Tournament Report


3年ぶりの地方予選、福岡県選手権へとやってきました。前日には報告通り、久留米での同時対局イベントをこなしてきましたが、九州での公式戦はこれが初めてです。今回の参加者は16名で、2R までハンデ付きの加速スイス式4R。九州式の色決めや、大会途中でのトスなど、慣れないことは何点かありましたが、大会は無事に閉会しました。優勝のために重要な一戦となった、3R の山口さんとのゲームを載せておきましょう。

Yamaguchi, Y (JPN, 2005) - Kojima, S (IM, JPN, 2453)
Fukuoka Preliminary (3)

1. f4 Nf6 2. Nf3 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. O-O d6 6. d3 c5 7. e4 Nc6 8. Nc3 Rb8 9. a3 b5 10. h3 a5 11. g4 b4 12. axb4 axb4 13. Ne2 Nd7 14. Rb1 Ba6 15. b3?!



1. f4 の対策は、一昨年チェコでドイツのIM と試合をしてから、いくつかの形をイメージしてきましたが、この日は単純なReversed Dutch ではなく、Sicilian Closed にしてみます。白のb2-b3 は、ターゲットとなるb2 のポーンを逃がしておこうという狙いですが、初来的にcファイルが開いた際、c2 のポーンがさらなるターゲットとなってしまいます。

15... Qb6 16. Be3 Nd4 17. Nfxd4 cxd4 18. Bc1?!


まさかこちらに退くとは思いませんでした。Be3-Bf2-Bh4 というマヌーバリングに対しては、Rf8-Re8 を挟むつもりでしたので、本譜と違い、c2 にすぐ強力なプレッシャーをかけることはできなかったでしょう。

18... Rbc8 19. Bb2 Rc7 20. Rf2 Rfc8 21. Rc1 e5 22. f5? Bh6!-+



e7-e5 に対しては、f4-f5 と返したくなる気持ちは理解できます。しかし、b2 にビショップがいってしまい、c1-h6 の黒マスが弱くなってしまったこのポジションでは、黒のBg7-Bh6 が白にとって痛手となります。直接的なc1 でのエクスチェンジ取りだけでなく、Bh6-Be3 も別のエクスチェンジ取りのスレットになっています。

23. Ng3 Nc5 24. fxg6 fxg6 25. g5 Bxg5 26. Nf5 gxf5 27. Rxf5 Be3+!


ピースアップの黒はすでに勝勢ですが、余計なカウンタープレーを許さないようにするため、c1 を取って黒マスを弱めるのではなく、黒マスビショップをキープして、白キングをアタックを続けます。

28. Kh1 Nxd3 29. Rb1 Nxb2 30. Rxb2 d3 31. Rb1 dxc2 32. Qg4+ Rg7 0-1



前日の同時対局には引き続き、地元福岡の強豪、岡村さん、山口さんを下して単独三連勝。最終戦は同じ関東からの遠征組である、福谷さんに勝って全勝優勝を決めました。


今回は参加者16名を4人ずつの4クラスに分け、各クラスでも表彰が行われました。Aクラスは川中さん、Bクラスは福谷さんと、どちらも東京からの遠征組が2.5P で優勝し、記念のキーホルダーと書籍、さらには全日本の参加権利をゲットしています。今回の福岡県選手権の参加者と運営陣の皆さん、お疲れ様でした! 福岡チェスクラブのメンバーには、この2日間、本当にお世話になり、感謝しています。


今夜は呼子の活いか姿造りや明太子など、前夜に引き続き、福岡の名物を食してきました。イカは一部をお刺身で堪能した後、真っ黒なイカスミ天ぷらにしていただきました。こちらは完全に初体験! とても美味しかったです。


そして福岡の夜と言えば、もつ鍋です! 福岡では味噌や醤油のスープで味わうもつ鍋がポピュラーだと思いますが、こちらのお店は一風変わった塩スープでした。締めのちゃんぽんまでしっかり味わい、福岡の美食を満喫しています。私は今夜も天神に泊まり、明日の夕方の便で東京へと帰ります。

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