2019/10/16

第16回七盤初心者のためのチェスレッスン


【日時】 2019年10月25日(金) 19:00~21:00
【会場】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく(最寄駅:清澄白河駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答+対局
【テーマ】 パスポーン
【参加費】 2500円
【申し込み】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく ご予約フォーム

パスポーンはプロモーションを目指す際、とても重要になる存在です。エンドゲームではパスポーンの有無や、その強さが勝敗を分ける鍵になると言っても過言ではないでしょう。10月のチェスレッスンでは、そんなパスポーンの特徴や強さを説明したいと思います。

札幌オータムチェス大会 2019 Tournament Report


札幌旧道庁

4泊5日の札幌旅行から、今朝東京に戻ってきました。今回は国内遠征では珍しく大会2日前に現地入りし、観光を楽しみながら2日間の大会に臨む、ゆったりとしたスケジュールでした。先週末、日本各地のイベントを中止に追い込んだ強烈な台風の影響で、土曜日には羽田からのあらゆる便が欠航になったため、思い切って金曜朝の出発にしたことが正解でした。札幌は月曜に多少小雨が降ったものの、台風の影響はほとんどありません。


札幌市内の足として活躍するのは地下鉄と市電ですが、私たちの宿泊したホテルは市電の駅前でしたので、こちらを中心に移動を行いました。土日祝はこのどサンこパスが便利で、一回乗るのに200円かかる市電が1日乗り放題で370円となります。目的地との往復で2回乗れば元が取れるので、このお得なチケットに3日間お世話になりました。


12日の土曜日は、午前中に二条市場で朝ご飯を食べ、お土産を物色します。そして午後には市電圏内からは少し外れますが、札幌の歴史ある円山動物園へと足を運んできました。北海道の動物園と言えば旭川の旭山動物園が有名ですが、円山動物園も札幌市民ならば一度は足を運ぶであろう、札幌での人気の観光地の1つです。土曜日のこの日は小さな子供向けのイベントも多く企画され、お弁当を持参した家族連れの姿も多く見かけました。


ゾウやキリン、ライオンなども人気があると思いますが、円山動物園での現在一番人気はこのホッキョクグマでしょう。売店のグッズも、このホッキョクグマをデフォルメされたイラストの物が最も目につきました。氷上をメインに生活する珍しい哺乳類であるホッキョクグマの生態について、円山動物園では色々と学ぶことができます。


そろそろチェスの話にも移りましょう。13、14日の日祝で札幌オータムチェス大会は開催され、参加者は12名でした。台風の影響か直前キャンセルがあったり、逆に当日になってメンバーが増えていたりと、エントリーに多少の変動はありましたが、概ね予想通りの参加人数でした。私は初戦、妻のなつみとドローの後、2連勝で初日を終え、3連勝のDrakakisさんを追います。Drakakisさんは、過去に北海道代表として全日本選手権にも参加したことがありますが、私は今回が初対戦でした。

Kojima, S - Drakakis, A
Sapporo Autumn Chess Tournament 2019(4)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 b6 5. Bg5 Be7 6. e3 O-O 7. Rc1 Bb7 8. Bxf6!?



h7-h6 が入っていませんが、Tartakower Variation と基本的には同じように考えて良いでしょう。ここでのビショップナイト交換はポピュラーなアイディアで、この後のd5 交換の際に、黒がナイトでポーンを取りかえして局面を単純化できないようにします。

8... Bxf6 9. cxd5 exd5


黒のポーンがd5 で動けなくなれば、b7 のビショップは働きが十分ではなく、黒にダブルビショップを持たせていても白はさほど怖くないと判断できます。

10. Be2 c6 11. O-O Re8 12. b4 a6 13. Qb3 Nd7 14. Rfd1 Re6



試合中に恐れていたのは、b7-b5 からNd7-Nb6-Nc4 というアイディアでしたが、14... b5 15. Bd3 Nb6 16. e4 こうしてセンターから反撃するのが白の典型的な手の作り方で、白は十分なポジションを持つことができるでしょう。

15. Bd3 Bg5 16. Bf5! Rd6 17. Na4!?


黒にb7-b5 をやられる前にc5 のマスを抑えておき、b6 のポーン取りのスレットも用意しておきます。

17... Bh6 18. Ne5! Nf8 19. Nc5!



このナイトの跳び込みが17手目のナイト跳びのもう1つのアイディアで、ここではっきり白が良くなったと感じました。

19... bxc5?!


19... Bc8 20. Bxc8 Qxc8 21. Ncd3+/= ならば、白は連携させた2つのナイトの力とc6 へのプレッシャーで優勢ですが、黒はこちらを選ぶべきでした。

20. bxc5 Rf6 21. Qxb7 Rxf5?



この手ははっきりと黒の駒損が決まるので白にとっては楽な変化です。難しいのは、21... Rb8 22. Nxc6! (検討では、22. Qxa6 Rxf5 23. Nxc6 Rf6 24. Nxb8 Rxa6 25. Nxa6 Qa5 26. Nb8+/= この2ルークvs. クイーンでやや白良しの変化しか見つけられませんでした。) 22... Rxb7 23. Nxd8 Rb8 24. Nxf7! Kxf7 (24... Rxf7 25. Bg4+-) 25. Bd3+/- こうしてf7 でナイトを捨てて3つ目のポーンを取り、白マスビショップをキープしたままcポーンの押し込みを狙っていくのがベストだということは、試合中は気付きませんでした。確かにこれを黒がディフェンスするのは大変そうです。

22. Nxc6+-


これでクイーンと同時にe7 でのナイトフォークを狙えば、白は大きく駒得になります。

22... Qe8 23. Ne7+ Kh8 24. Nxf5 Rb8 25. Qxd5 Rb2 26. Nxh6 gxh6 27. c6 1-0



この白星でDrakakisさんを抜いてトップに立ち、最終戦も怪しいゲームながら杉本さんを破って、単独優勝を決めました。

札幌オータムチェス大会 Final Standings


今回、急なエントリーにもかかわらず、暖かく迎えてくださった札幌チェスクラブの皆さんに感謝いたします。今回の遠征では札幌駅の北側、広大な敷地とクラーク博士像などで有名な北海道大学には足を運ぶことができなかったため、来年以降、また大会で札幌を訪れることがあれば、そちらも行ってみたいですね。


2日目は2試合のみで、15時半には早々に解散になったため、その後は行ってみたかった中島公園へ。10月半ばからでもすでに紅葉が始まっており、暗くなる前に散策ができて良かったです。北海道から福岡まで、地方遠征で様々な場所に行っていますが、大きな池のある公園をゆっくり散策するのは楽しいですね。


札幌では美味しいものを色々頂きましたが、最後の夕飯はジンギスカンにしました。10日にオープンしたばかりで、まだ観光客が目をつけていないすすきののビール園でしたが、生ラムやマトン、豚や鶏まで幅広く選べる食べ放題で、最後の食事として大満足です。


そして札幌の食事の締めと言えば、ラーメン... ではなくパフェです。いつからか札幌を中心に広まった締めパフェ、夜パフェという概念は、東京のお店にも少しずつ影響を与えています。このお店では北海道の名産として定番のメロンの他、ハスカップ、とうもろこしのアイスを使ったパフェが提供され、まさに札幌のパフェ! という感じです。

2019/10/11

札幌オータムチェス大会2019


札幌と言えば時計塔

今週末の3連休、私たちは予定を変更して北海道の札幌に来ています。予定変更の理由は言わずもがな、関東にもこれから直撃すると予想されている大型の台風です。今週火曜日夜の時点で、東京チェスフェスティバルへの参加は難しいと判断した私たちは、急きょ札幌行きの航空券を抑え、東京チェスフェスティバルをキャンセルし、札幌オータムチェス大会にエントリーしました。金曜夜の時点で、東京チェスフェスティバル中止の決定がなされたようで、仕方ないとはいえ残念に思います。

札幌オータムチェス大会は、札幌チェスクラブの主催大会ですが、HP にもあまり情報が無く、未確認のまま札幌行きを決めました。日程、会場、スケジュールはなんとか分かったので大丈夫だとは思いますが、どんな大会になるかは明後日までのお楽しみです。私自身、大学時代から函館のチェスクラブが主催する函館チェス大会には何度か参加していましたが、札幌を訪れるのは高校の修学旅行以来、14年ぶりとなります。金曜土曜は懐かしい札幌を回りながら、ゆっくりとした週末を過ごしたいと思います。札幌オータムチェス大会に参加される予定の皆さんは、よろしくお願い致します。

2019/10/04

第2回ねこまどチェス部開催のお知らせ


今月20日に、四ツ谷のねこまどで第2回チェス部を開催します。前回はチェスを初めて指すかたから、大会にも積極的に参加しているプレーヤーまで、幅広い層のかたにお越しいただきました。今回もルールが不安なかたのために説明の時間を設けます。17時から21時まで、集まった人同士で自由に指すカジュアルな集まりですので、皆さんお気軽にお越しください。

【日時】 2019年10月20日(日) 17:00~21:00
【会場】 ねこまど (最寄り駅: 四ツ谷駅)
【形式】 自由対局、ルール説明
【参加費】 2000円

昼開催だった7月と違い、夕方から夜にかけての開催ですのでご注意ください。またねこまどでお会いできることを、楽しみにしています。

2019/10/01

Chess Tournament Schedules in Autumn 2019


10月に入り、今年もいよいよ終盤へと入った感じがしますね。今夜は私が参加を予定している、今年残りの大会をご紹介します。

10/13-14 東京チェスフェスティバル at 大井町


かつて東京オープンという名称でしたが、今年からは東京チェスフェスティバルになりました。私にとって旧東京オープンは、18年前に公式戦デビューした大会でもあり、何回も優勝経験のある思い出深い大会です。今年は日曜日だけのコースはレイティング制限を設け、ビギナーでも参加しやすいようにしているようです。私もこちらのコースに生徒を何名か誘い、自分は日祝の2日間参加する予定です。

東京チェスフェスティバル大会概要

11/1-4 ジャパンオープン at 大井町


今年の国内大会でおそらく最も重要度が高いのが、このジャパンオープンでしょう。この大会では、来年開催されるロシア、ハンティマンシスクオリンピアードの日本代表が選出されます。金曜の夕方に初戦を行い、残りの3日間で1日2試合ずつという変則スケジュールで、bye 申請者も増えそうですが、多くの参加者で盛り上がることを期待しています。NCS主催の大会としては、今年最後のFIDE公式戦でもあるので、また新規レイティング獲得者が誕生することも願っています。

ジャパンオープン大会概要

11/23-24 名古屋オープン at 名古屋


日本最大級の賞金付き大会が、今年も名古屋で開催されます。今年は2日間で、40分+1手30秒を7試合というハードスケジュールですが、レイティングでのクラス分けも多く、入賞を狙って名古屋に遠征するプレーヤーもそこそこいると予想します。私は金曜日の昼には現地入りし、ゆっくり2泊3日のスケジュールで過ごそうと思います。

名古屋オープン大会概要

本来であればここに書くべきであったペトロシアンカップは、残念ながら参加者不足のために中止となってしまいました。そのため、私が年内で参加するFIDE公式戦は、おそらくジャパンオープンで最後になると思います。昨年はオリンピアードから直でのハンガリー、モンテネグロ遠征だったため、この時期の日本の大会は2年ぶりです。皆さんと今年最後の国内大会を楽しみたいですね。これらの大会に参加される予定の皆さん、よろしくお願い致します。

2019/09/29

30th IVL Tournament Report


28日の土曜日は久々のIVL フル参加でした。私は午前中のみ参加の青嶋くんと2R で当たり、その試合に負けてしまいましたが、他を勝ち続けて3勝1敗、野口さんは4試合を勝って、最終戦での直接対決です。野口さんに追いついて同時優勝するためには、ここを勝つしかありません。

Kojima, S - Noguchi, K
30th IVL (5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 c5 5. Bg2 O-O 6. O-O d6 7. dxc5 dxc5 8. Ne5



ここ数年この変化は勝率も良く、好んで指し続けています。h1-a8 のダイアゴナルを開いておくことで、クイーンサイドにプレッシャーをかけつつ、c5 を狙いにいきます。

8... Nbd7 9. Nd3 Ng4 10. Nc3 Nge5 11. Nxe5 Nxe5 12. Bg5!


黒のナイトの跳び方は何通りかあれど、こうしてナイトを1つ交換してc5 へのプレッシャーを緩和しておくのが正しい指し方だと思います。これに対して、ビショップでe7 をアタックする手がおそらく正確で、c4 を取らせても、e7、c5、b7 を取るチャンスを作ればわずかに白が指しやすいでしょう。

12... Nxc4 13. Qxd8 Rxd8 14. Bxe7 Rd2



てっきりe8 にまわり、eファイルからe2 への反撃を作ると思っていました。ただし、これにはNc3-Nd5-Nc7 がフォークになるので、こちらのスレットにも気を配る必要があります。

15. Rad1 Bg4?


ルーク交換は受け入れなければいけませんが、d2 での交換は黒にとって好ましくありません。同じようにe2 を狙うのでも、15... Rxd1 16. Rxd1 Bg4 と指したほうが良かったでしょう。

16. Rxd2 Nxd2 17. Rc1!



野口さんが見落としたのはこの手で、代わりにdファイルにルークが回るようでは、上記の変化と変わりありません。cファイルに回ったルークは、c4 のマスを抑えることでナイトの逃げ場をなくす、c5 をアタックする、Bg7-Bxc3 に備えるといった様々な意味合いがあります。

17... Rc8?


17... Re8 として、c5 を諦めてもe2に反撃を作り、d2 のナイトが生きるようにするべきでした。

18. Nd5


18. Bg5! Nc4 19. Nd5+- がe7 のナイトフォークと、c4 のナイト取りを狙う分かりやすい勝ち筋でした。

18... Be6 19. Bg5 $18 Bxd5 20. Bxd5 c4 21. Bxd2 Bxb2 22. Rxc4 1-0



ナイトを落として何も代償が無いため、ここでゲームは終わりです。この白星で野口さんにポイントで追いつき、IVL での10回目の優勝を決めました。

2013年にスタートしたIV League も30回目に到達し、新しいメンバーも呼ぶようになってきています。古参のメンバーと新規のメンバーが互いに刺激し合い、実力を伸ばせるような場として続けていきたいと思います。今年も残り1/4 ですので、他の大会でもよろしくお願い致します。

2019/09/24

Japan Club / Team Chess Championship 2019 Day2


優勝した8x8 Blunders チーム

土日に開催されtチーム選手権ですが、今年は31チーム、140人を超えるプレーヤーが集まり、大盛況と言って良かったと思います。私はチームこそ3勝2敗1ドローでしたが、個人はで6戦全勝で1番ボードのボード賞を取ることができました。オープン、Aクラスで入賞されたチームのメンバーおよび、ボード賞を獲得された皆さん、おめでとうございます!

私は2日目もSimon、Vuさん、真鍋さんに勝つことができ、これまでのチーム戦ではなかなか残せなかった好成績だったので、ゲーム内容に反省はあってもその点は満足です。5R のVuさんとの試合は、特にベストゲームというわけではないですが、ご紹介しておきます。

Vu, Q L - Kojima, S
Japan Club/ Team Chess Championship 2019 (5)

1. d4 d5 2. e3 Nf6 3. Bd3 Nc6!



10年ほど前に様々な白のムーブオーダーをチェックしていて、見つけたのがこの手です。c2-c4 を遅らせ、ビショップをd3 に組む形には早いNb8-Nc6 が有効になります。黒の狙いはNc6-Nb4 からナイトビショップの交換を狙いつつ、ビショップが退くようであれば、Bc8-Bf5 としてc2 へのアタック。もう1つはシンプルにe7-e5 を突くことです。

4. Nf3


4. f4 Nb4! 5. Nf3 Nxd3+ 6. cxd3 e6 この変化は1800年代にChigorin が初めて指しています。

4... Bg4 5. h3 Bxf3 6. Qxf3 e5



French Defence の白黒入れ替わりのようですが、白は早めにBf1-Bd3 と展開していることが仇となり、ポーンにもナイトにも狙われそうです。

7. Bb5 Bd6 8. c4 exd4!


c2-c4 から仕掛けるのもFrench Defence のようですが、Winawer のメインラインと違うのは、まだ黒がe5-e4 からセンターを閉じていないことです。d4 のポーンをターゲットとして残すためには、ポーンを固めずに捌くのが正解です。

9. exd4 O-O 10. Bxc6 bxc6 11. c5?



検討戦ではここで11. 0-0 とする手を指摘しました。黒は展開の早さと黒マスビショップの使い勝手の良さですでに有利だと思いますが、本譜の世に白がすぐに崩れることは無かったでしょう。

11... Re8+ 12. Be3 Bxc5!


ビショップをe7, f8 のどちらかに退き、h8-a1 のダイアゴナルに組み直してd4 をアタックするプランでも、十分黒が有利だと思います。しかし、もっとシンプルに白のポーンストラクチャーを崩せば、黒はすぐに駒得か、大きなアドバンテージのあるエンドゲームに入ることができます。

13. dxc5 d4 14. O-O dxe3 15. fxe3 Qd5!



チーム選手権の6試合は、最終戦以外はピースのほとんどないエンドゲームを戦い、全て勝っています。相手のポーンストラクチャーが崩れ、それを十分利用できるチャンスがあると思えば、クイーンも交換してエンドゲームに持ち込んでしまうのが有効な作戦です。

16. Nc3


16. Qxd5 Nxd5 ならば、e3 を次に落として黒勝勢です。

16... Qxc5 17. Rae1 Re6 18. Rf2 Rae8 19. Rfe2 Nd5 20. Na4 Qb4 21. e4



c5 を取って駒得になり、さらにe3 も狙える黒はとても簡単にプレーできます。21. b3 Nxe3! 22. Rxe3 Qd4 23. Kf2 Rf6 24. Ke2 Rxe3+ 25. Qxe3 Re6-+ でもクイーンを取って黒の勝ちです。

21... Qxa4 22. exd5 Rxe2 23. Rxe2 Qd1+ 0-1


全てのピースを交換したのち、d5 のポーンを取れば2ポーンアップで黒必勝のポーンエンディングです。一般的にエンドゲームでの決着がついたとなれば、手数は長くなることが多いですが、こうした短い手数で勝ちのエンドゲームになることもありえます。

今大会で公式戦デビューを果たした人たちも多いのではないでしょうか。春から大学のチェスサークルでチェスを覚えたプレーヤーにとっては、約半年後のこの秋の大会は、公式戦デビューとしても時期かもしれませんね。今後、チーム戦ではなくともこのように参加者が集まり、100人規模の大会が開催されることを期待しています。次は10月の東京チェスフェスティバルでお会いしましょう!

Japan Club / Team Chess Championship 2019 Final Rankings

2019/09/21

Japan Club / Team Chess Championship 2019 Day1


3R のTokyo Chess Meetup vs. 白金チェスクラブ

この土日はクラブ、チーム選手権に参加しています。初日の今日は前半戦の3試合で、私たちのチーム、Tokyo Chess Meetup は、千葉B、慶應A、白金チェスクラブとの対戦です。私は個人で3連勝、チームも3-1、2.5-1.5、2.5-1.5 と僅差ではありますが、3連勝でトップグループにつけています。

Kojima, S - Nakamura, N
Japan Club / Team Chess Championship 2019 (3)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 c6 9. h3 Qb6 10. Re1!?



前回の対戦では10. c5!? のシャープなラインを指しましたが、今回はチーム戦ということで、おとなしいラインを選択します。

10... exd4 11. Nxd4 Re8 12. Re2 Qb4 13. Rc2 Nc5 14. a3 Qb6 15. Be3 Qd8 16. f3 a5 17. Rd2 Qe7 18. Nb3 Nxb3 19. Qxb3 Be6 20. Bf4 b5 21. Bxd6 Qa7+ 22. Kh2 Bxc4


c4 とd6 の交換はほとまず満足で、白はここからセンター、キングサイドのポーンマジョリティをいかすプランを探します。

23. Qd1 Nd7?!



Nd7-Nc5-Nb3 が狙いであることは理解できますが、これは白に狙い通り、e,fポーンを伸ばすことを許してしまいます。白はc5 でビショップナイトの交換をしてしまっても構わないでしょう。

24. f4! Rac8 25. Rc1 a4?


これは時間切迫による単純な見落としでした。25... Qe3 26. e5 g5!? ならば、やや白良しながらまだ勝負は分からないでしょう。

26. Nxa4 Qe3 27. Nc3 Nc5 28. Bxc5 Qxc5 29. e5 Qb6 30. Ne4 Red8 31. Nd6 Rb8 32. Nxc4!?



1ポーンアップした白はここからどういった終盤を迎えるかですが、ここは異色にしても2ポーンアップならば勝ちのチャンスは十分だと考えました。32. b3 Be6 33. Rxc6 Qa5 だとa3 を狙われ、まだどうなるかよく分かりません。

32... bxc4 33. Rxc4 Rxd2 34. Qxd2 Qxb2 35. Qxb2 Rxb2 36. Rxc6 Bf8


白は2ポーンアップの異色ビショップ+ルークのエンドゲームで、白マスに固めた黒のポーンは十分に狙うチャンスがあります。またf7 を取れずとも、ルーク交換でも勝てるのではないかというアイディアが頭にありました。

37. a4 Ra2 38. Rc4 h5 39. h4 Be7 40. Kh3 Kf8 41. Rc8+ Kg7 42. Rc7 Kf8 43. Ra7 Ra3 44. Bd5 Rd3 45. Bc4 Rc3 46. Rc7 Ra3 47. Bb5 Bb4 48. Rc8+ Kg7 49. Rd8 Rc3 50. Rd3 Rc7 51. Rd7 Rxd7 52. Bxd7



ゆっくりとゲームを進めてきましたが、f7 は守られ、g3 への反撃もありそうなので、ルーク交換に持ち込むことにしました。後はキングサイドのポーンをどこのファイルに残すかを間違えなければ白は勝つことができます。

52... f6 53. exf6+ Kxf6 54. Be8


ここは早々に54. g4 でも十分でしたが、少し遠回りをしました。

54... Bd2 55. Kg2 Be1 56. Kf3 Kg7 57. g4 hxg4+



試合後に57... Kh6 のアイディアが思い浮かびましたが、58. g5+ Kg7 59. f5! gxf5 60. Bxh5 Bxh4 61. a5+- でやはり白勝ちです。

58. Kxg4 Kf6 59. h5!


hポーンを消し、fポーンを残すのが正解です。59. f5? fxf5+ 60. Kxh5 でhポーンを残すと、h8 が黒マスであるため、黒はキングでh8 を抑えておき、a5 にポーンが進んだ瞬間にビショップを捨ててaポーンを消せばドローになります。

59... gxh5+ 60. Bxh5+-



a,fファイルのパスポーンは十分に離れているため、異色ビショップでも勝つことができます。a8 が白の持つビショップと同じ色である白マスであることが勝てる大きなポイントです。

60. Ba5 61. Kf3 Kf5 62. Bg4+ Kf6 63. Ke4 Bc7 64. Bc8 Ke7 65. f5 Kd6 66. f6 Bd8 67. Kf5 Kc7 68. Be6 Kd6 69. Bb3 Ba5 70. f7


70. Kg6 Bc3 71. a5!+- も早い勝ちです。

70... Ke7 71. Bd5 Bb4 72. Ke4 Kd7 73. a5 Ke7 74. a6 Bc5 75. Kd3 Ba7 76. Kc4 1-0



ルークを交換する前から、交換した異色ビショップは勝ちだと目星をつけ、理想通りにゲームを進められた点が良かったと思います。この調子で明日も頑張りたいですね。

Japan Club / Team Chess Championship 2019 R4 Team Pairings


明日はトップボードに上がり、大阪チームとの対戦です。優勝をかけた大一番になりますので、しっかりプレーしてきたいと思います。

2019/09/14

World Cup 2019 1st and 2nd Round


皆さん、今週火曜から試合の始まったFIDE World Ccup 見ていますか? 私は5日間、連続で毎晩かじりつくように観戦しています。World Cup は世界中の地区予選を突破した128名の選手が、最後の1人になるまで勝ち抜きのトーナメントで戦う、チェスの世界では珍しい形式の大会です。チェスは白番、黒番で有利不利があるため、1つのペアリングで公平を期すために色を変えてクラシカルを2試合、それで1-1 の場合はラピッドで決着をつけます。6月に私が参加したAsian Continental もこのWorld Cup 予選の1つでした。

初戦でリスト1 とリスト128(レイティングの最も高いプレーヤーと低いプレーヤー)、リスト2とリスト127と、段々対戦するプレーヤーのレイティング差がなくなるように当てるWorld Cup では、最初のラウンドから面白いペアリングが登場します。1R でも、Wojtaszek, Bu, Xiangzhi, Adamsら、名だたるGM が姿を消しました。昨日から始まったR2 でもNakamura Hikaru が敗退しています。2年前はVachier-Lagrave とDing Liren が決勝に進み、Candidate へと駒を進めましたが、今年も誰が勝ちあがるか、まだまだ予想ができず楽しめそうですね。

Nihal, S (GM, IND, 2610) - Safarli, E (GM, AZE, 2593)
World Cup 2019 (2.1)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. Re1 b5 7. Bb3 d6 8. c3 O-O 9. h3 Nb8 10. d4 Nbd7 11. Nbd2 Bb7 12. Bc2 Re8 13. Nf1 Bf8 14. Ng3 g6 15.
a4 Bg7!?



メインラインは15... c5 16. d5 c4 ですが、こちらも最近見かけます。しかしこの試合の流れを見る限り、黒はクイーンサイドの反撃が不十分で抑え込まれてしまいそうです。

16. Bd3 c6 17. Bg5 h6 18. Be3 Qc7 19. Qd2 Kh7 20. b4! Nb6 21. dxe5 dxe5 22. a5 Nbd7 23. c4!


Breyer で有名なゲーム、1992年のKarpov-Beliavsky でも、このように b2-b4 からb5 を固定し、c3-c4 から崩すアイディアが見られます。黒はb7 のビショップをアクティブにするチャンスを失い、苦しい状況に追い込まれます。

23... Rad8 24. Qa2 Kg8 25. Bc2 Qd6 26. Bb3 Qe7 27. Rad1 Rc8 28. Nh4 Kf8 29. c5 Nb8 30. Rd6 Red8 31. Ngf5!



クイーンサイド、センター、キングサイドの全てで手を作る、お手本のようなチェスです。本当にNihal は15歳?(笑)

31... gxf5 32. Nxf5 Qc7 33. Nxg7 Kxg7 34. Bxh6+ Kxh6 35. Rxf6+ Kg5 36. Rf5+ Kh6 37. Qe2! 1-0


インドの天才少年、Nihal Sarin は初戦でペルーのJorge Cori を破り、2R でもアゼルバイジャンのSafarli 相手にリードを取っています。今夜のG2 は厳しそうですが、彼の1手1手にも、多くの注目が集まるでしょう。日本のチェスファンの皆さんも、今月はしばらくこのイベントを楽しみましょう!

World Cup 2019 Live Games


2019/09/12

第15回七盤初心者のためのチェスレッスン


【日時】 2019年9月23日(祝) 18:30~20:30
【会場】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく(最寄駅:清澄白河駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答+対局
【テーマ】 ドロー
【参加費】 2000円
【申し込み】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく ご予約フォーム

9月のチェスレッスンは、ドローをテーマにしたいと思います。ドロー(引き分け) はチェスにおいてとても重要な要素です。結果が勝つか負けかだけでなく、中間のドローがあることにより、ゲーム内での駆け引きや作戦は、ぐっと増えることになります。今回のレクチャーでは様々なドローのパターンに触れながら、その魅力をお伝えしたいと思います。

2019/09/08

Japan Club / Team Chess Championship 2019 Tournament Information


毎年9月に開催されるチーム戦に、今年は数年ぶりに参加することを決めました。開催は今月の後半、21日、22日の週末です。この大会にはかなり早い時期に別チームからの誘いがありましたが、海外大会の予定が決まっていなかったのを理由に、そちらは蹴ってしまいました。先月くらいに出た話から、とんとんとチームがまとまり、今年はTokyo Chess Meetup からの出場です。以下のリンクから、現在のエントリーを確認できます。

Japan Club / Team Chess Championship 2019 Entry List

出場チームの上限は34チームと決まっていますので、これからエントリーできるチームはあと少しだけです。チーム編成と出場を考えていながら、まだエントリーが済んでいないチームのメンバー、リーダーは申し込みを急ぐことをお勧めします。NCS のHP を見ると、リストにまだ反映されていないだけで、申し込みがすでに届いているチームも複数あるとのことです。

ここ数年、私自身は国内のチーム戦からは遠ざかっていましたが、参加チーム数は年々多くなってきており、国内大会では最もプレーヤーの集まる大会になると聞いています。交流の場としても盛り上がりそうですね。久々に会うプレーヤーも、初めて会うプレーヤーも多そうですので、当日を楽しみにしています。私たちのチームはスタート順位が現時点で6位で、どこまで入賞争いにからめるかは分かりませんが、参加するからにはチームの勝利になるべく貢献できるようなプレーをしていきたいですね。

2019/08/31

麻布学園チェス部夏合宿2019


今年も母校麻布学園のチェス部夏合宿に、コーチとしてお邪魔させていただきました。今回の合宿地は茨城県の潮来(いたこ) です。合宿の開催地として連絡を貰うまで、読み方も知りませんでした。都内からの移動は高速バスと電車がありますが、便の本数と所要時間からバスのほうが便利だと言えます。東京駅の八重洲口から高速バスに乗り、28日朝に潮来へと向かいました。

潮来で有名な場所と言えば、JR 潮来駅すぐ近くのあやめ園でしょう。5-6月のあやめまつりシーズンには、園内にあやめの花が咲き誇り、多くの観光客を楽しませるそうです。あいにく観光シーズンは外れていましたが、合宿所のホテルに到着前にあやめ園を少し散策することができました。あやめ園の脇を流れる川には時期によって遊覧船が出ますし、少し足を延ばせば、日本第二の大きさを誇る湖、霞ケ浦もあるので、水辺が好きな人にとっては色々と楽しめる場所だと思います。


今年の夏合宿は新入部員の中1が9人参加と、ここ数年でも比較的多く、全体でも久々に30人を超える大所帯でした。そこでいつもと違い、最初は中1を中心とした低学年向けの基礎レクチャーを行い、後で上級生を合流させて合同のレクチャーを行いました。基礎の内容は、ポーンストラクチャーから考えるポーンや他のピースの働き、手の作り方などです。


Chess Composition by Pal Benko
White to move and Mate in three

上級生を入れてからのレクチャーはゲームを並べたり、エンドゲームをやったりと色々ですが、最初のウォームアップはこちら。合宿2日前に残念ながら亡くなったPal Benko の有名な作品です。白番で3手メイト、ご存じない方は是非チャレンジしてみてください。当てずっぽうだと時間をかけてもなかなか解けないので、しっかりと最終図を推測すること、そこに至る方針を絞ることが大切です。白マス黒マス両方のコントロールが綺麗な問題ですね。


Botvinnik, M - Donner, J
Amsterdam 1963
White to move

並べたゲームのうちの1つはこちら。有名なゲームではありませんが、各所にBotvinnik の素晴らしいアイディアが登場します。ゲームのテーマは一応マスのコントロールのつもりでしたが、序盤から細かく説明していくと1局終わるので1時間以上かかりますね。初日は昼食と夕食の間、そして夕食後併せて6時間半くらいレクチャーを行いました。


夜のレクチャー後、自主的にブリッツ大会を始める中学生たち。本当にタフです。


一夜明けた翌日は恒例の同時対局です。合宿によっては初日の夜にやることもありますが、それだと私がばて気味なので2日目のほうが私としてはありがたいです(笑) 今回は30面だと多すぎて午前中に終わるかわからないため、低学年はミスの出にくいようにペアを組んでもらい、22面まで減らしました。松山くん、小柴くん、牛山くんには少し無理なプレーをして敗れましたが、他の19面は勝ち、19勝3敗でした。この夏合宿で部長の松山くんを含め、高2は引退して高1が最高学年になりますが、高1以下の部員たちも皆、力をつけてきていると思います。9月のチーム選手権は私も参加しますので、こちらの大会でも後輩がどういったプレーをするか、楽しみにしています。

2019/08/26

Vienna Open 2019 R9


左から2位のGM Palac, 1位のGM Valsecchi, 3位のBick

11日間のウィーン滞在中に行われたVienna Open も一昨日最終戦が行われ、無事に閉幕しました。最終戦、イタリアのGM Valsecchi が、0.5P リードで逃げ切りを図るアメリカのBick Gabriel を破り、7.5/9 での単独優勝を決めました。伏兵Bick が上位者を複数破る波乱を起こしたことで、最後まで優勝争いが分からない面白い大会でした。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Valsecchi Alessio (GM, ITA, 2494) 7.5/9
2nd Place Palac Mladen (GM, CRO, 2551) 7/9
3rd Place Bick Gabriel (USA, 2375) 7/9

Vienna Open 2019 Final Standings


Valsecchi は前半戦、私との試合も含めて白で下に3連続ドローでした。やや調子は上がっていないのかと思いきや、私との試合以降は3連勝での逆転優勝です。まだ若いですし、これからも伸びるGM でしょう。またオリンピアードで再会できることを楽しみにしています。アメリカのBick も、IM タイトルを跳ばしてGM タイトルを取りそうなので、今後も要注目のプレーヤーですね。続いて私の試合解説へ移ります。

Kojima, S (IM, JPN, 2390) - Suta, A (SLO, 2268)
Vienna Open 2019 (9)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 Be7 5. Bf4 O-O 6. e3 Nbd7 7. a3 c5 8. cxd5 exd5?!



この6... Nbd7 の変化に対しては、昨年のモンテネグロから7. a3 を試していますが、8手目の時点ですでに試合がほとんどありません。通常黒は、8... Nxd5 9. Nxd5 exd5 10. dxc5 Nxc5 と進め、早めにf6 のマスをビショップのために空けておきます。

9. dxc5 Nxc5 10. Be2 Be6 11. O-O Rc8 12. Rc1 Nfe4 13. Be5!


基本通りのプレーで、e5, d4 の重要な2マスを抑えます。この黒マスビショップは、交換してしまって何ら問題はありません。

13... Bf6 14. Bxf6 Qxf6 15. Nd4 Nxc3 16. Rxc3 Ne4 17. Rxc8 Rxc8 18. Bd3



cファイルを一時的に明け渡しても、c2 のマスさえがっちり守っておけば怖いことは無いでしょう。それよりもマイナーピース交換が進めば、d4 のアウトポストを抑えるナイトを黒は消しづらくなり、白としては楽なプレーができるようになります。d4 のナイトさえキープできるのであれば、ナイトvs ビショップの勝負にしても良いでしょう。

18... Nd6 19. Qb1 g6 20. Rd1


ここは少し迷いましたが、cファイルではなくdファイルにルークを回します。ルーク交換はいつでもできるため、一度dファイルにルークを置いておき、d5 へプレッシャーをかける作戦です。

20... Bg4 21. Rd2 Qd8 22. h3 Bd7 23. Ne2!



d4 のマスはナイトにとって絶好の位置ですが、ずっとここにいてはd5 へのプレッシャーが不十分です。タイミングを見てナイトをc3, もしくはf4 に切り替え、黒の最も目立つ弱点を攻めにいきます。

23... Rc5 24. Nf4 Qc8 25. Rc2


試合中は、ここでルークを交換してもd5 への攻撃は十分早く、黒にとって負担になるものだと考えました。代わりに25. Rd1 とルークを退き、d5 へのプレッシャーを残しておきつつ、c1 を守るアイディアもあったようです。

25... Rxc2 26. Bxc2 Be6 27. Qd1 Qc5 28. Bb3 Nc4 29. Qc2 Qb6 30. Qc3



私が試合を決めにいくために必要だと思ったのは、d5 へのアタックに加えてもう1つ、a1-h8 の黒マスダイアゴナルの利用です。b2 のポーンへの反撃を抑えつつ、黒キングに目を向けます。

30... Qd6 31. Qf6 b5 32. h4!


黒キングにさらにとどめのプレッシャーをかけにいく存在がhポーンです。h6 まで伸びれば、g7 でのメイトが黒にとっては受けづらくなります。

32... Qc6? 33. Bxc4!



どこでビショップナイト交換をするか、29手目以降常に悩んできましたが、ここまで引き延ばしてベストのタイミングで行えました。ここで焦って33. h5? とすると33... Nd2! からNd2-Nxb3 と、Qc6-Qc1, Nd2-Nf1+ の反撃があり、面倒です。そこでナイトを消してしまい、黒の反撃をシャットアウトしてしまいます。

33... dxc4 34. h5 Bd7 35. Qd4!


当然白はクイーン交換を避け、黒キングへのアタックを残します。

35... gxh5 36. Nd5! Kf8 37. Qh8# 1-0



全く無駄なくメイトに仕上げ、最終戦を白星で締めくくりました。メイトを避けても、e7, f6 の2つのマスでのナイトフォークがあるので、白の勝ちです。海外トーナメントでの無敗フィニッシュは実に久々でした。

8/17 15:00 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2390) - Lytvynets, D (UKR, 2117) 1-0
8/18 10:00 R2 Kokoszczynski, J (POL, 2198) - Kojima, S (IM, JPN, 2390) 1/2-1/2
8/18 17:00 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2390) - Makynovskiy, R (AIM, UKR, 2178) 1-0
8/19 17:00 R4 Steindl, J (AUT, 2277) - Kojima, S (IM, JPN, 2390) 0-1
8/20 17:00 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2390) - Blohberger, F (IM, AUT, 2467) 1/2-1/2
8/21 17:00 R6 Valsecchi, A (GM, ITA, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2390) 1/2-1/2
8/22 17:00 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2390) - Diermair, A (GM, AUT, 2473) 1/2-1/2
8/23 17:00 R8 Bakhmatsky, V (IM, UKR, 2442) - Kojima, S (IM, JPN, 2390) 1/2-1/2
8/24 10:00 R9 Kojima, S (IM, JPN, 2390) - Suta, A (SLO, 2268) 1-0

最終順位はメンツを考えれば上出来の17位で、レイティングも中国、台湾、東京で6月から落とした分を取り戻し、2400に復帰します。こっそり大会前、目標は20位以内と言ってたのが叶って嬉しいですね。さらには久々にIM ノームに届くパフォーマンスが出せましたので、これが安定して出せればレイティングも2400中盤へ、そしてGM ノーム獲得も手が届くのではないかと思っています。

今回、上記の通りに負けなしで9試合を乗り切り、自分の目指している負けない手堅いチェスが形になりつつあるのではないかと思っています。ただし、有利なポジションでプランが分からず、勝ちを逃しているゲームも少なくないので、その点は反省してもっと勝ちのチャンスを増やせるようにしていかなければいません。

一方でBクラスに出場していた妻も、最後は勝ち、ドロー、ドローの5.5/9 フィニッシュで、自身のベストレイティングを大きく更新します。下1人、上8人という厳しい当たりで2つ勝ち越しは、こちらも上出来と言えるでしょう。また2人で次のトーナメントも頑張ろうと思います。応援してくださった皆さん、ありがとうございました!


ウィーン最後の夕飯はスペアリブの人気店へ。ウィーンのお店で出されるスペアリブは、どこもその大きさに驚かされます。そしてすでに焼き上げられらブロック肉を皿に盛ってくるだけなので、飲み物より早く席に届きます(笑)


夕飯後は予約していたコンサートのため、地下鉄を乗り継いでシェーンブルン宮殿へ。途中、工事区間があって予想より遅い到着になってしまいましたが、それでも20時の閉園前に宮殿を見ることができました。次回訪れた際は、奥に広がる広大な庭園も回りたいですね。


シェーンブルンのコンサートはオペラあり、バレエありと豪華なものでした。公演中はシャッターが切れないのでその様子がお見せ出来ませんが、公演前の会場の写真だけでも、その豪華さと雰囲気が多少はお伝えできると思います。照明も落とす点けるだけでなく、場面に合わせて様々な光のグラデーションを奏でていました。

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