ラベル CAISSA 2013 October の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル CAISSA 2013 October の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013/10/27

CAISSA 2013 October IM 9th round - A Sicilian Type Position -


野生のきのこ発見!

CAISSA 最終日のこの日、9月同様にIM Sarosi に白を持って戦います。すでに前日のSean 戦勝利でレイティングプラスを確定させていますが、最後を勝てば+16.5、ドローで+9、負ければ+1.5 なので、この日の結果次第でプラスの幅は大幅変動します。もちろん、ここまで来て負けるわけにはいきません。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)
CAISSA 2013 October IM (9)

1. Nf3 b5!?



これはまさかのSt. George になる予感(笑) 1. e4 a6!? や、1. d4 a6!? から入る手順が多いですかね。

2. e4 a6 3. d4 Bb7 4. Bd3 e6 5. a4!?


私の好きなアイディアです。早めにクイーンサイドから崩す手を入れておくことで、b5-b4 を突かせ、c4 のマスを使えるようにしておきます。

5... b4 6. O-O c5 7. dxc5!?



7. Nbd2 とナイトを展開する手もあると思いますが、私はc5 に来たビショップをターゲットにするプランをメインに考えます。(e4-e5, Nd2-Ne4 など)

7... Bxc5 8. Nbd2 d6 9. Nc4 Ne7 10. Ng5!?


黒は白のe4-e5 を警戒してセットアップを決めますが、f6 にナイトが来なかったことを見た私は、少し早めにキングサイドで仕掛けることを決めます。

10... Ng6 11. Qh5 Nd7 12. Kh1?



ところがこれが緩手でした。黒のNd7-Nf6 のディフェンスが来る前に、白はさらなるアタックを仕掛けなければアドバンテージをキープできません。12. e5! Bd5! (12... Ndxe5? 13. Nxe5 dxe5 14. Nxe6+/- 白マスビショップのダイアゴナルを開いたことで、このタクティクスが生まれるのがポイントです。) 13. exd6 13... Nf6 14. Qe2 Bxd6 15. g3+/= 確かにこれならば、白の指しやすいポジションが続きそうです。

12... Nf6 13. Qe2 O-O 14. f4 h6!


地味な一手ですが、ここでナイトを追い返すのが非常に良いアイディアです。最初はf2-f4 突けたことで満足しようと思っていましたが、ナイトを退こうとしてそう簡単ではないことに気づきます。それでも、白はナイトを退くほかありません!

15. Nf3


15. e5? hxg5! 16. Bxg6 fxg6 17. exf6 Qxf6-+, 15. Nxe6? fxe6 16. e5 Nh4!-+ これらの変化では、白は戦えません。

15... d5?!



この手は一般的には有効ですが、このポジションに限って言えば、白にとってありがたいと思っていました。15... Bxe4! 16. Bxe4 Nxe4 17. Qxe4 d5 18. Qe2 dxc4 19. Qxc4 Qd6=/+ このようにピースを2組捌いたうえで、白のセンターポーンを破壊するのが黒としてはベストでしょう。勝負はまだここからですが、白のアドバンテージは完全に消え、黒が指しやすいことは明らかです。

16. exd5 exd5 17. Nce5 Nxe5 18. fxe5?!


黒から緩手を貰い、まだまだ勝負はわからないだろうとなったポジションで、再び私の判断ミスです。冷静に考えれば、ラインを開くよりも長期的なターゲット(e5 の孤立ポーン) を作らないほうが重要であることに気づきそうですが、この時は恥ずかしながら、どちらで取り返すのがベターなのか分かりませんでした。18. Nxe5 Qc7 19. Be3 Ne4=

18... Ne4 19. a5 f6?!



fファイルを開くことは黒のプラスになりそうですが、白の最大の弱点である孤立ポーンを解消させてしまうことにもあります。19... Re8 20. Be3 Qc7=/+

20. Be3 Qc7!?


指された瞬間、何かの間違いかと思いましたが、先まで読んでいくと意外と難しいことがわかります。全部読み切ってはいませんでしたが、他にここからどう指すべきなのかわからず、自分の感覚を信じてピース交換を進めます。

21. Bxe4 dxe4 22. Qc4+ Rf7!



黒の最も分かりやすいディフェンスです。c7 のクイーンを守っておくことで、次のBxe3 を有効なスレットにします。22... Kh8? 23. Nh4! Rfc8 24. Qe6!! Bxe3 25. exf6 Bd4 26. f7 Rf8 27. Rad1 Bxb2 28. Rd7+- こちらの変化は難しいですが、Nh4-Ng6 は間違いなく、白のプラスになると信じていました。

23. e6! exf3


23... Re7!? 24. Qxc5 exf3 25. gxf3 Qxc5 26. Bxc5 Rxe6 27. Bxb4 Re2 28. Rac1 Rd8 と指しても黒はポーンの代償がありそうですが、本譜のように安全に指してももちろんOK です。

24. exf7+ Qxf7 25. Qxf7+ Kxf7 26. Rxf3!=



13年で2000局近い対局をこなしていても、まだまだ不思議な手が自分のゲームに登場します。Bxe3fxg2 がダブルスレットになっている白は、このオンリームーブでエクスチェンジを返し、ドローで満足するしかないでしょう。26. Rfe1? fxg2+ 27. Kg1 Bf8-/+

26... Bxf3 27. Bxc5 Be4 28. Bxb4 1/2-1/2


この異色ビショップで決着がつくことはありえないでしょう。ドローで合意して、ブダペストへの帰路につきます。この日行われた、Sean - Vamos, Minko - Lyell の結果は、アンダンテに戻ってからSean に連絡を取って聞きました。

10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272) 1/2-1/2

+3 Kojima, Minko, Lyell
+2 Hajnal
+-0Sarosi
-1 Vamos, Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely,
-4 Sean

なんとMinko はLyell に敗れたようです。私が見て居た限りでは、序盤でMinko が優勢になりましたが、Mark がじりじりと追い上げ、優劣不明になっていました。このゲーム勝ったというのは、若いロシア人にノームを簡単に取らせてなるものかという、ベテランMark の意地なのでしょう。10月のFS はマイナスでしたが、CAISSA では、彼はずいぶんレイティングを上げそうです。一方、リーダーだったMinko は、この大会でのノームはお預け。また次の大会で3つ目のノームを狙うことになります。

Sarosi 戦をドローにした私は、結局勝ち越し3、レイティング+9 で一足早く大会を終えています。現時点でのライブレイティングは2364 まで来たので、2400まではあと36上げる必要があります。来月中にここまで到達するチャンスがあるかどうかは、次のノビサドでの結果次第となるでしょう。1年4か月ぶりのセルビアには、明日の昼の列車で向かい、明後日夕方から試合スタートとなります!


ケチケメートから戻ってきて一夜明けた今日、朝9時にお寿司屋さんから電話を貰い、焼肉パーティーに招待されました(笑) 焼肉のほかにも、押し寿司や卵焼き、ほうれんそうのお浸しなどもあり、なかなか豪華なブランチとなりました。

2013/10/26

CAISSA 2013 October IM 8th round - An Incorrect Sacrifice -


最近、ケチケメートの町中ではこの子たちをよく見かけます。

10月のCAISSA もいよいよ終わりが近づいてきました。9月に落とした分のレイティングは10月前半のFS でほぼ取り戻しましたが、さらなるレイティングプラスを求めるためには、CAISSA 最後の2戦の結果が大切です。この日の8R は、3連勝中のSean との5度目の対戦となります。

Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
CAISSA 2013 October IM (8)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. Bd3!?



h4-h5 を挟まない変化は、多少珍しいですがあり得ます。メインと比べて白のメリットは、黒がキャスリングした後のg2-g4-g5 が強力になったり、h5 のポーンがエンドゲームで弱点にならないことが挙げられそうです。一方で、黒からh6-h5 と突ける可能性が残っているので、g4 のマスが弱いとも考えられるでしょう。

8... Bxd3 9. Qxd3 e6 10. Bd2 Ngf6 11. O-O-O Be7 12. Kb1 Qb6 13. Rhe1 c5!?


h4-h5 を突いていないことを除けば、2週間前のSean とのゲームと流れは同じでしたが、ここで私が新しいアイディアを投入します。前回の対戦で彼が採用した、Ng3-Nf5-Nxh6 というサクリファイスを警戒し、キャスリングをさらに遅らせて先にセンターを崩しにいきます。

14. d5!?



このようなポーンサクリファイスは他のラインでは見たことがありますが、このタイミングで成立するかは判断が難しいでしょう。黒は形を崩されないために、このポーンを取る一手です。

14... Nxd5 15. c4 N5f6 16. Bf4 O-O!


どちら側にもキャスリングできるポジションですが、b8-h2 のダイアゴナルを抑えられているクイーンサイドより、キングサイドにキャスリングすべきでしょう。

17. Nf5 Rfe8 18. Nxh6+?



黒はセンターへの反撃を十分に作ったうえでキャスリングを済ませているため、このタイミングでのサクリファイスは不発に終わるでしょう。最近のゲームをチェックする限り、Sean はとにかくよく駒を捨てており、試合後に私は、ノームの獲得とさらに強くなることを目指すならば、もっとソリッドなスタイルも学ばなければいけないと彼にアドバイスしています。18. Nxe7+! Rxe7 19. Qc2 Ree8 このような大人しい展開を白は選ぶべきで、働きの良い黒マスビショップの力で1ポーンの代償を求めるのがベストです。

18... gxh6 19. Bxh6 Rad8!?


19... Ng4! 20. Qe4 Ndf6-+ という変化がコンピュータの指摘でしたが、私はまだ使えていないピースをゲームに参加させる手が、最も自然だと常々考えています。

20. Qd2 Ne5?!



ところが、ここから不正確なディフェンスに走り始めました。20... Ng4! 21. Bg5 Ndf6-+ がやはり正しく、白はピースの代償をどこに求めるか難しくなります。私はNd7-Ne5-Ng6 でgファイルに蓋をするのが良いディフェンスだと考えていましたが、h4-h5 に対する読みが不十分でした。

21. Qg5+ Ng6 22. h5?!


指された直後は、なるほどルーク交換を挟まずに突くのかと思いましたが、今度はSean の不正確な一手でした。22. Rxd8 Qxd8! 23. h5 Qd3+ 24. Ka1 Nxh5! (20... Ne5 を指す前には、24... Ne4? と指すつもりでしたが、クイーンをg4 ではなく、c1 の方向へ引かれると困ったことになります。) 25. Qxh5 Qxc4=/+ これで黒はポーンアップで優勢をキープできていますが、いうまでもなくピースを捨て返す理由がありません!

22... Ne4?



これで余裕勝ちだろうと甘く見た試合中の私にドロップキック。22... Rxd1+! 23. Rxd1 Ne4 24. Qc1 Bf6-+ ならば、完全に攻守がが逆転し、ピースアップの黒が勝勢であることは明らかでした。上記の変化のように、d8 でルークを交換する変化はQb6-Qd8-Qd3 というマヌーバリングが可能になるため、黒にとってありがたいと思っていたのが大きな間違いでした。

23. Rxd8! Nc3+?!


なかなか正確な手がわかりません。23... Rxd8 24. Qe3 (24. Qc1? Bf6 25. hxg6 Nc3+ 26. Kc2 Nxa2 27. Qa1 Nb4+ 28. Kb1 Nd3-+) 24... Bf6 25. Qb3 Qxb3 26. axb3 Kh7 27. hxg6+ Kxh6 28. Rxe4 Kxg6=/+ これで黒はマテリアルイコールながらやや優勢です。しかし、ピースを貰った直後のことを思い返せば、おかしなゲーム展開にしています。

24. Ka1?



試合中、この手は当然だろうと両者ともに考えていました。しかし、これが白の決定的なミスで、ここから黒は正確に指し続けて勝勢まで持っていけます。24. Kc2! (人間の感覚ではこのようにキングが上がる手は難しいですが、本譜の流れを見ればこうするしかありえませんでした。) 24... Rxd8 25. Qe3 Nxa2 26. hxg6 Nb4+ 27. Kb1 Qa6 28. gxf7+ Kxf7 29. Ne5+ Ke8 30. Qa3 こうなれば勝負はどちらに転ぶか分かりません。

24... Rxd8 25. Qc1


23... Nc3+ を指してこのポジションをイメージした段階では、どちらかのナイトを諦めて形勢はアンクリアーだろうと読んでいました。しかし、ちょっと待てちょっと待てと私の頭で何者かが囁き、丁寧に読みを進める中で、勝ちのタクティクスを発見することに成功しました。

25... Na4!



自分の読みに落ち度がないことを祈りつつ、この手をチョイスします。c1 に退いたクイーンは満足にb2 を守っているようにも見えますが...

26. Qc2


26. hxg6 Bf6 27. gxf7+ Kxf7 28. Re2 (28. Ne5+ Bxe5 29. Rxe5 Rd1!-+) 28... Nxb2! 29. Rxb2 Qxb2+ 30. Qxb2 Rd1+ 31. Bc1 Rxc1#


Analysis Diagram

このポジションが見えた瞬間、チェスとは複雑なものだと改めて実感しました。

26... Bf6 27. Bc1 Nf4!-+



まさかのピース生還で、黒の勝勢が明らかになりました。ここまで導くのにだいぶ持ち時間を削りましたが、後はキングの安全性に気を付けながら、丁寧に指していけば問題ないと自分に言い聞かせて試合を進めます。

28. Ne5


28. Qxa4 Nd3! があるのがこのポジションの大きなポイントで、黒は再び決定的なマテリアルアドバンテージを得ることになります。

28... Qb4! 29. Re4 Nxh5



29... Bxe5 30. Rxe5 Nd3 31. a3 Qb6 32. Rg5+ Kh8-+ でも勝ちになりそうですが、b2 へのアタックとディフェンスを考慮し、ビショップは盤上に残しておくことにしました。

30. a3 Qa5 31. Ng4 Bg7


31... Bxb2+ 32. Bxb2 Rd2-+ ここは読み落としですが、大きな問題はないでしょう。

32. Nh6+ Kf8 33. g4 Nxb2!



これで白キング前にディフェンスを完全崩壊させ、ゲームオーバーです。

34. Ka2


34. Bxb2 Qxa3+ 35. Kb1 Rd1+!-+

34... Nd3 35. Bd2 Nb4+ 0-1



試合後には、Tamas にSean は一体どうしたのかと聞かれました。確かに、彼は今大会ですでに5敗、10月だけで9敗を喫しています。9月のFS, CAISSA の優勝者も、泥沼のスランプから抜け出すのは簡単ではないようです。

一方で私はIM Farkas から以来となる、ハンガリーでの同一カード4連勝となりました! 2300台からこの記録は自身初となります。私であれば、GM が相手であっても同じプレーヤーに連敗は嫌な気分になりますが、(フランスのGM Mathiew Cornette に連敗中です。) Sean はどこ吹く風といった具合で、来月ブダペストで一緒に誕生日を祝おうと約束しています。インドネシアの悩める天才児も、来月でようやく16歳を迎えます。

10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)

+4 Minko
+3 Kojima
+2 Hajnal, Lyell
+-0Sarosi
-1 Vamos, Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely,
-4 Sean

昨日のVamos - Minko は、Minko が余裕の勝利。予想できた結果とはいえ、Vamos にはもう少し意地を見せてほしかったです。Minko は今日、驚きのダブルヘッダーで、Hajnal, Lyell を迎え撃ちます。この記事が更新される頃には終わっているであろう、午前中のHajnal 戦はあっさりドローにして、Mark との勝負にノームの行方を託すと思うのですが、どうなるでしょうか...


この時期、ハロウィン飾りとクリスマス飾りが両方並ぶ不思議な光景が見られます。こちらの花屋はクリスマス寄りのようですね。オレンジのリース、ちょっと欲しいなぁ...


中央広場には、このようなチェスボードの描かれたテーブルが並んでいます。昨日は日中、23度と結構暖かかったのですが、それでも外で指してる人は見当たりませんでした。昨年の夏には何人か見かけたんですけどね。

2013/10/25

CAISSA 2013 October IM 7th round - A Top Battle -


Minko とのトップ対決を控えたこの日、再び市場に顔を出してみます。上の写真は動物のぬいぐるみに巻き付けるマフラーのようなものらしく、ハンガリーで一般的な名前が入っています。日本だと観光地でのキーホルダーなんかにありますかね。これまで対戦したことのあるハンガリーのマスターたちの名前、Bela(IM Lengyel), Korpa(FM, Bence), Andras(IM Miszaros) なども見つかります。


こちらは牛乳屋さん。リッター20フォリント(約9円) という驚くべき価格で販売しています。お客さんは、ペットボトルを持参して牛乳を汲んでもらっていました。カッテージチーズになると、値段が50倍に膨れ上がるところも面白いです(笑)

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312)
CAISSA 2013 October IM (7)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. g3!?



今月のFS でWesterberg に敗れてから、またCatalan を指してみようと考えていました。もともとCatalan の勝率が悪かったり、嫌なラインがあって指すのをやめたわけではないのです。

4... Be7 5. Bg2 dxc4 6. O-O O-O 7. Qc2 a6 8. a4 Nbd7!?


まさかの今年のJapan League の三ツ矢さんとの試合と同じ変化になりました。Minko ならばメインの8... Bd7 と指すと思い、こちらはほぼチェックしていませんでした。

9. Nbd2 c5 10. Nxc4!?



ここで三ツ矢さんとの試合と手を変えます。d4 にナイトが跳ぶ展開は歓迎なので、dxc5 は挟まずに単純にポーンを取り返しておきます。この形は、うまくいけば白が白マスビショップの働きの差で明確なアドバンテージを得られるはずなのですが、ここからちょっとした勘違いがありました。

10... Nd5 11. Rd1 Qc7? 12. a5?!


e2-e4 とナイトを追い返す手が良いのか確信が持てず、躊躇してしまうような点が、ちゃんとしたマスターから見て、まだ私の甘いところなのでしょう。12. e4! Nb4 13. Qc3 cxd4 14. Nxd4 Nb6 15. Nxb6 Qxb6 16. Be3! (白マスビショップのダイアゴナルこそ一時的に塞いでしまいましたが、ピースの展開の差で白の大きな優勢は明らかです。) 16... Qa5 17. Bf3! Bf6 18. Nb3 Bxc3 19. Nxa5 Bxb2 20. Rab1 Bc3 21. Bc5+- ふぅむ。チェスとはこうして勝つのですね... 勝負は一瞬で決まっていました。

12... cxd4 13. Nxd4 b5 14. Nb6?!



この手も面白いと思って指してみたのですが、ベストでありません。アンパッサンは誘われているような気がしたのですが、やはり白は取るべきです。14. axb6! N7xb6 15. Nxb6 Qxb6 16. Nc6 Bc5 17. e4! (このようにピースを取り合うようにぶつける形が果たして良いのか、確信が持てませんでした。) 17... Nb4 18. Nxb4 Bxb4 19. Be3!+/- やはりe2-e4 からナイトを追い返すことは、e3 で黒マスビショップが使えるようになるため、白のメリットが大きいようです。

14... Qxc2 15. Nxc2 N7xb6 16. axb6 Bb7


黒として安全なチョイスだと思います。私が他に読んでいたのは、16... Rb8!? 17. Bxd5 exd5 18. Be3! (18. Ne3?! Rxb6 19. Nxd5 Re6 20. Nxe7+ Rxe7 21. Be3= こちらは明確にイコールです。) 18... Bd8 19. Nb4 Bxb6 20. Bf4! Ra8 21. Nxd5+/=

17. Ne3 Bc5! 18. Nxd5 exd5 1/2-1/2



ここでMinko からオファーをされ、しばらく同色ビショップ(またもや!) とルークのエンドゲームで、白にチャンスがあるのかを考えました。結論として、19. Bxd5 Bxd5 20. Rxd5 Bxb6 21. Rd6 Rfb8 22. Bf4 f6 は黒に問題がないだろうと判断し、これを受けます。しかし、Minko からは、これは続けるべきなのではないかと言われました。黒はタイミングを見てa6-a5-a4 とクイーンサイドのポーンを進めるプランが簡単で、実際コンピュータの評価も白優勢から次第にイコールに切り替わるのですが、負けるリスクが低いならば、やはり続けるものなのかもしれません。

一方でこの日、隣のボードは衝撃的なことが起こりました。私の試合よりも早く終わったので、こちらもドローかと思いきや...


Lyell - Sean
Position After 14... Qxd6

15. d5!


展開に勝る白は、一時的にポーンを取らせてもセンターをこじ開けます。この辺りの手の作り方は、Mark はさすがに上手いと言えます。

15... exd5 16. Rad1 Qb4??



17. Nxd5! 1-0


Oops! Sean は泥沼、今大会4敗目で、3つ負け越しの最下位に転落しました。チェスは恐ろしいゲームで、レイティングトップのプレーヤーでもこういったことがありえます。

10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)

+3 Minko
+2 Kojima, Hajnal, Lyell
+-0 Vamos, Sarosi
-1 Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely, Sean

Minko は3つ勝ち越しをキープで、残りHajnal, Lyell, Vamos に2勝1ドローならば、3つ目のノームを獲得となるそうです。Vamos もまだ負けなしですし、残りの2人も今大会は調子が良いので簡単ではなさそうです。ロシアの少年にとっては、正念場のあと3戦となりそうですね。

私は残るところ、後は2試合です。3連勝中のうえ、今大会絶不調のSean には勝っておきたいところですが、果たしてどうなるでしょうか。4つ目のノームは消えたので、レイティングはなるべく持って帰りたいと思います。


夜は久々のショッピングモールに。やはりハロウィンの時期ですね。


2013/10/24

CAISSA 2013 October IM 6th round - Fight for A Victory -


ケチケメートの習慣となったパラチンタの食べ比べをしようと、この日も午前中から意気揚々とCAISSA PANZIO を出て、いつもの屋台街に向かいましたが、なぜかどこも開いていない! 嫌な予感がして他もチェックしてみると、スーパーも前日の市もやっていない... 多分そうだろうと思いつつ、戻ってから確認すると、この日はハンガリーの祝日とのことでした。10月23日は共和国宣言の日、社会主義制度に反対してハンガリー国民が立ち上がったのは、1956年のことでした。

仕方がないので、祝日でもやってるトルティーヤをいただき、会場に戻って試合の準備を進めます。この日は昨年から3連勝中のVamos が相手なので、黒でも勝ちにいくつもりで何を指すか考えます。

Vamos, V (HUN, 2178) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
CAISSA 2013 October IM (6)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. cxd5 cxd5 4. Nc3 Nf6 5. Bf4 Qb6!?



これまで5... Nc6 しか指したことのなかった私ですが、この日は勝負にいきます。この変化はSlav Defence Move by Move で勧められていると、以前吉村先輩に教えてもらったことがあり、私も試合前夜からこのラインを見返していました。b2 を素早くアタックするこのアイディアに、白がどう対応するかでゲームはがらっと特色を変えます。

6. Qd2?!


一見自然に思えるこの手は、あまり良くないでしょう。おそらく白は、b2 のポーンを捨てるのがベストです。6. Rc1! Bd7!? 7. e3 Qxb2 8. Bd3 e6 9. Nge2 Bc6!? が私の最も警戒して準備していた変化でした。

6... Nc6 7. e3 Bf5 8. f3 e6 9. Bb5 Bb4!



実はこの変化、今大会のVamos - Hajnal でも同じ流れになりました。その試合ではHajnal は9... Be7 と指したようですが、d2 にいるクイーンを狙うようにビショップを出すほうが自然だと判断しました。

10. Nge2 O-O 11. Bd3!? Bg6!?


過去の実戦で見つけたのは、11... Bxc3!? (勝ちにいくときは、ビショップナイトの交換をする and ポーンストラクチャーを対称形から崩すというのは、昨年3月に来日したGM Chernin のレクチャーでありました。 ) 12. bxc3 Na5 13. O-O Qc6 としてc4 の白マスをコントロールして戦うプランです。しかし、c4 のマスは結局白マスビショップを交換することで弱められるので、本譜のように指しても問題ないでしょう。

12. Bxg6 hxg6 13. O-O Rac8 14. Qd3 Na5



ここまでは私の作戦通りです。センターのポーンストラクチャーは対称ですが、白マスビショップを交換した白のほうが、ポーンを置いているマスの色から見て有利だと判断できます。あとはクイーンサイドからゆっくりプレーシャーをかけていければ、黒は完全に望む展開になるでしょう。

15. Rab1!? a6 16. Rfc1 Be7!?


最初はNc3-Na4 に対して、a7 にクイーンを退くつもりでしたが、もう少し積極的に手を作りにいくならば、b4 をクイーンのために明け渡すアイディアが良いことを思いつきました。

17. Na4 Qb4 18. b3 Nd7



ここから何度もタイミングがありながら、18... Nc6!? とナイトを戻すアイディアを、なかなか実行に移せませんでした。白がb2-b3 と突く形はベストではないと分かっていましたが、どうすればそれを利用できるのか、すぐに思いつかなかったのは、こうしたSlav Exchange の経験がまだ私にも足りていないということだと思います。

19. Rc2 b5 20. Nac3 Nb6?!


20... Nc6! 21. Rbc1 Qa5 22. Nb1 Qb6 ならば、黒にはまだまだここから勝ちを狙える形です。

21. Rbc1 Rfd8?! 22. Nb1?!



ここは白の緩手に救われました。ナイトをc6 に戻さずにプランを見失った私は、実は割と危ないポジションでした。22. Bg3!+/- が白のベストムーブで、e1 にビショップを退くことで、行き場のないクイーンとa5 のナイトを狙って白がアドバンテージを握ります。

22... Rxc2 23. Qxc2 Rc8 24. Qd2 Nc6!?


多少危ないポジションは脱したものの、ルークを2組交換した後に、黒が勝ちに行くのは簡単ではありません。ビショップの働きがやや良いことを頼りに、勝てるプランを模索し続けます。

25. Qxb4 Nxb4 26. Rxc8+ Nxc8 27. Nbc3 Nd3 28. Kf1 Na7 29. a4 Bb4



色々と考えた末にこう指したのですが、チャンスの残る形は作れません。29... bxa4!? 30. bxa4 Nc6 31. Bc7 でもコンピュータはイコール評価ですが、ピースをなるべく盤上に残しておくほうが、誤魔化せるチャンスは多かったように思えます。

30. axb5 Nxb5 31. Nxb5 axb5 32. e4!=


これで完全にイコールになり、勝ちのチャンスを作るのは不可能だと分かりました。それでもVamos のオファーを蹴って、ドローが明らかになるまで続けます。

32... Kf8 33. exd5 exd5 34. Be3 Ke7 35. Nf4 Nxf4 36. Bxf4 Bc3 37. Be3 Ke6 38. Ke2 Kf5 39. Kd3 b4 40. h3 g5 41. g4+ Kg6 42. Ke2 f6 1/2-1/2



冷静に考えれば、b2-b3 によってc4 に入ることがができなくなった時点で、弱まったb4, a3 のマスに注目を集めるのは自然なことでした。Na5-Nc6 と戻す手が指せなかったのは反省点ですね。

10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312)
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)

さて、これで4つ目か3つ目かは分かりませんが、ノームを手にするには残り3連勝するほかなくなりました。今日はここまでリーダーのMinko に白を持ちます。5R でMeszaros に勝ち、3つ勝ち越しに単独躍り出たので、ここで止めなければ彼がノームを手にするのはほぼ間違いないでしょう。15歳の少年に簡単にノームを取られるのも悔しいので、ここはなんとか面白いゲームに出来ればと思います。

+3 Minko
+2 Kojima,
+1 Hajnal, Lyell
+-0 Vamos, Sarosi
-1 Farkas, Meszaros,
-2 Sean
-3 Erdely

Sean は昨日、ダブルヘッダーのMeszaros に負け... さすがに心配になる戦績です。


祝日でも関係なく開いているのが、いつものトルティーヤ屋台。営業時間は週に7日、7時から23時だそうです。店員は複数いるとは言え、毎日16時間営業とはすごいですね(笑)

2013/10/23

CAISSA 2013 October IM 5th round - Deep Opening Preparation -


CAISSA 4日目、5R を迎えるこの日、パラチンタの朝食を済ませてから、隣のスーパーの脇に何があるのか気になって奥まで進んでみると、非常に大きな倉庫のようなスペースで市が開かれているのを発見しました。野菜を売る屋台、肉屋、漬物屋といったケチケメート市民の食卓を支える食料品から、ハロウィン飾り、クリスマス飾りといった雑貨まで、様々なものが売られていました。


野菜に顔が描かれているこちらは、おそらくハロウィン飾りでしょう。先日、ブダペストに住む日本人のお宅にお邪魔した時には、ハンガリーではあまりハロウィンイベントは見かけないと耳にしましたが、それでもときどき、巨大なカボチャを使ったオブジェが飾られている店もあります。


こちらはクリスマスのリースでしょう。でもキャンドルがついているところを見ると、吊るすのではなく置いて使うんでしょうね。そろそろ各地で、クリスマス用品も出始めていると思います。

あとは肉屋にあった首を落としていない鶏は衝撃的な絵面でしたが、あまりにグロいので自主規制。こうしてケチケメートの新たな一面を軽く見て回ってから、試合の準備に戻ります。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN, 2346)
CAISSA 2013 October IM (5)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. Ne5



強敵相手に勝ちを狙いに行くつもりだったこのラウンド、選んだのは2月の対戦と同じラインです。かつて少しだけ使っていた6. e3 e6 7. Bxc4 Bb4 8. O-O O-O 9. Nh4!? こちらのラインを復活させることも考えましたが、今月購入したSakaev のComplete Slav Vol.2 との相談の結果、こちらの流行のラインに決めました。

6... e6 7. f3 c5 8. e4 Bg6 9. Be3 cxd4 10. Qxd4 Qxd4 11. Bxd4 Nfd7 12. Nxd7 Nxd7 13. Bxc4 a6!?


先に前回の試合から手を変えてきたのはHajnal でした。13... Rc8 とどちらもあり得る手です。

14. Rc1!?



13... a6 に対して用意していたのがこの手です。dファイルではなくcファイルを早めに開いてルークを活用することを狙うため、この後のナイトのマヌーバリングとセットで働くことになります。

14... Rg8! 15. h4 h5 16. Ne2!?


この変化の典型的なナイトの動きです。g6 のビショップは、今のところ働きはさほど良くないですが、ナイトをf4 まで運んでこれを取る狙いを見せておきつつ、h5 のポーンをアタックしておきます。

16... Bd6 17. Be3 Ne5 18. Nf4 Rc8 19. Bb3 Rxc1+ 20. Bxc1 Ke7 21. Ke2 Rb8!?



この辺りで私と彼のオープニングの研究が完全にかぶっていることを悟りました。Kramnik - Topalov では、21... Rc8 22. Rd1+/= となって白やや優勢と研究されたため、ルークをb8 に回してb7-b5 から手を作ろうとするこのアイディアを、ハンガリーのマスターたちが考案しました。事前のそのゲームをいくつかチェックしていましたが、Hajnal 程のプレーヤーであれば、そのゲームを解析済みであったか、一緒に研究していたとしてもおかしくありません。

22. Rd1 b5 23. axb5


23. g3!?N bxa4 24. Bxa4 f6 25. Nxg6+ Nxg6 26. f4+/= と進める変化はコンピュータの指摘で、このようにf4, g3 の黒マスをカバーできれば、ダブルビショップを得た白がやや優勢であることは間違いないでしょう。

23... Rxb5 24. Ba4 Rb6!?N



試合後に確認したところ、この新手までHajnal の研究手順だったそうです。100試合を超えるハンガリーでの公式戦の中で、24手目までお互いの研究通りに進んだのは初めてでしょう! アイディアはe6 のポーンをルークの横利きで守っておくことにより、これまで試されてきたエクスチェンジサクリファイスを防ぐことです。24... Rb7 25. b3 f6 26. Rxd6!? Kxd6 27. Ba3+ Kc7 28. Nxe6+ これが私の指したかった変化で、白はダブルビショップとピースのコーディネーションにより、エクスチェンジの代償を伴ってプレーすることができます。

25. b3 f6 26. Rxd6?!


色々と考えた末に、同じようなエクスチェンジサクリファイスが成立すると思ってこの手を実行してみました。確かに成立はしているのですが、白がアドバンテージを求めるならば、もう少し駒は盤上に残さなければいけないでしょう。26. Be3 Rb7 27. Nxg6+ Nxg6 28. g3! (この手は試合中、私たちが見落としていたアイディアです。) 28... Rc7 29. f4 Rc2+ Hajnal とこのポジションを検討しましたが、おそらくダブルビショップによるわずかなアドバンテージが白には残るでしょう。

26... Kxd6 27. Ba3+ Kc7 28. Bc5 Bf7!?



やっぱりエクスチェンジを返しますよね。28... Rb7 29. Nxe6+ Kc8 30. Bf8 Bf7 31. Nc5 ならば、上記の変化に手順前後するので、これが私の狙いでした。

29. Bxb6+ Kxb6 30. Nd3 Nxd3 1/2-1/2


前日のErdely とのゲームとは異なり、この同色ビショップエンディングはどうやってもドローでしょう。ここでHajnal からのオファーを受け、ゲームを終了させました。

10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312)
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)

今日のVamos 戦で3つ勝ち越しに入れるかどうかは、今大会を最終結果に大きく影響しそうです。去年から3連勝中の相手ですが、彼のSlav Exchange を退けるのは少し骨が折れます。(9月は相手のひどいブランダーであっさり勝ちましたが) どうしても白星がほしいならば、1... Nf6 を指すのも1つの手ですが、これからExchange を指す相手にSlav が指せないならば、ずっとSlav を使い続けることはできないので、1... d5 で勝負することになるでしょう。多分!


この日は全試合がドロー。Farkas - Sean は2ピース+ルーク vs クイーン+2ポーンという謎のマテリアルでした。Sean は毎試合、めちゃめちゃなサクリファイスをしすぎです。彼がもっと安定して大会で結果を出すためには、もう少し堅いプレーができる必要があるでしょう。

Sarosi - Minko はNimzo-Inadian で、かなり黒にチャンスがあると思いましたが、年の功で粘ったSarosi がドローに持ち込みました。やはりこの辺りのベテランマスターは一筋縄ではいきません。ここまでこなした試合数がバラバラなため、勝ち越し数でプレーヤーを分けておきます。

+2 Kojima, Minko
+1 Hajnal, Lyell
+-0 Vamos, Sarosi
-1 Sean, Farkas, Meszaros,
-2
-3 Erdely

明日の結果次第で、また私とMinko のノーム争いが白熱しそうです。3つ勝ち越しになってからが本番でしょう。


久々にトルティーヤの写真も出しておきます。この日は本場メキシコ風。

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.