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2012/12/10

London Chess Classic 2012 Final round


トップボードのGM Hebden - Melkumyan、優勝者が決まる1番2番ボードは、ともに黒が勝つという結果に!

London Chess Classic 2012 FIDE Open クラスは、昨日無事に最終戦を終えました。3人とも格下との対戦でしたが、森内さんだけまさかの負け。Hawkins 戦は相手のプレーに隙がなかったので仕方ないとは言え、最後の2戦はどちらも勝っておかしくなかったため、少し残念です。

9th Round Results
23 FM Kojima, Shinya 5.0 JPN 2340 - Eriksson, Jorgen 5.0 SWE 2213 1-0
31 Eden, Tomer 4.5 ISR 2172 - Moriuchi, Toshiyuki 4.5 JPN 2316 1-0
70 Takahashi, Reiji 3.5 JPN 2079 - Casiot, David J 3.5 ENG 1991 1-0


礼二さんは私の初戦の相手に勝って、見事テムズ川ダイビングを回避。生物としての生存本能を発揮しました。

Kojima, S (FM, JPN, 2340) - Eriksson, J (SWE, 2213)
London Chess Classic 2012 (9)

1. Nf3 f5!?


ε- ( ̄、 ̄A) フゥー この手を見た瞬間の、私の心情をお察しいただけるでしょうか。今大会白番で、4試合目のDutch Defence です!いい加減飽きてきたので、ハンガリーで試していた2. d3 に戻します。

2. d3 d6 3. e4 e5 4. Nc3 Nc6 5. exf5 Bxf5 6. d4 exd4 7. Nxd4 Nxd4 8. Qxd4 Nf6 9. Bg5 Be7 10. O-O-O



ここまでは先月のLiu Guanchu 戦に似ていますが、黒はd5 までポーンを伸ばしていません。逆サイドにキャスリングをして、ルークをセンターに回す展開は白良しだと判断しました。

10... O-O 11. Bc4+ Kh8 12. Rhe1+/= Qd7 13. g4?!



検討戦で、これは焦りすぎではないかと指摘されました。確かに13. h3!? からg2-g4 を狙い、確実にe6 のマスを抑えておけば、白の優勢は明らかです。2ピースルークになる駒割(今大会多い!)を白良しだと過信しすぎていました。

13... Bxg4! 14. Rxe7 Qxe7 15. Nd5 Qe5?!


ここはクイーンが逃げるベストスクウェアではありません。15... Qf7! 16. Nxf6 Qg6 17. Nxg4 Qxg5+ 18. Ne3 Rxf2 19. h4 ならば、黒はポーンを一つ多く取り返し、形勢はアンクリアーでしょう。

16. Bxf6 Rxf6 17. Qxg4+/= Rxf2?!



ここも検討でポイントとなった手。c7 を守る17... Rf7 が明らかにベターです。

18. Nxc7 Raf8 19. Ne6 R8f5 20. Qh4


20. Rxd6!+/- が最もシンプルであるにもかかわらず、バックランクを気にして別の手を。実際はd1 もf1 も抑えてあるため、全く問題ありません。

20... g5 21. Qh5?



ところが楽勝だと思ったこのポジションで、アドバンテージを失うブランダーです。e8 にクイーンが飛び込めば勝ちだと考えていましたが、e6 のナイトはピンであるため、ルークを退いてディフェンスができます!代わりに21. Qg3! とクイーンをぶつけ、dファイルを突破するか、d6 を取れば白勝勢でした。

21... d5?


21... Qe4! 22. Bb3 (22. Bd3 Qxe6 23. Bxf5 Qxf5 24. Qe8+ Qf8 25. Qxf8+ Rxf8 26. Rxd6 Rf1+ 27.
Rd1 Rxd1+ 28. Kxd1=) 22... Rf1 23. c3 Rxd1+ 24. Qxd1 d5 25. Qd4+ Qxd4 26. Nxd4=
こうなると白が優勢なのか、疑わしくなってきます。相手はQh5-Qe8 がスレットにならないことに気づいていましたが、本譜では無駄に1ポーンを捨てるだけです。

22. Rxd5 Rf1+ 23. Rd1 Rxd1+ 24. Qxd1 h6 25. a4!+-



落ち着いてQe5-Qe1# のスレットを外せば、白クイーンが黒陣に飛び込むことができ、白の勝勢です。

25... Kh7 26. Qd7+ Kg6 27. Qe8+ Kh7 28. Kb1 Qe1+ 29. Ka2 1-0


意外と薄氷の勝利で(試合中はそう思っていませんでしたが...)、今大会を締めくくりました。下位プレーヤーに全勝、上位プレーヤーに全敗という戦績でしたが、レイティングはプラスですし、ブダペストでは積めない経験も多くできました。ロンドンまで足を運んだ甲斐は、十二分にあったと確信しています!

Final Standings
1st GM Melkumyan, H 7.5P (6W3D, RP 2707)
31st FM Kojima, S 6P (6W3L, RP 2380)
100th Moriuchi, T 4.5P (4W4L1D, RP 2283)
115th Takahashi, R 4.5P (3W3L3D, RP 2011)


森内さんは最後の3連敗で崩れてしまいましたが、彼のプレーや考え方からは、たくさんのことを学ばせてもらいました。また来年以降、一緒の海外トーナメントにチャレンジできればと思います。関西から駆け付けてくれた礼二さんにも、今大会中大変お世話になり、感謝しています!今年の私たちのプレーを見て、来年ロンドンに来たいと思ってくれる日本のプレーヤーが増えれば幸いです。

私はロンドンにあと2泊し、その後、ハンガリーに戻ります。そんな私を待っているのは、14日からケチケメートで始まる、自身初のGM トーナメントです!ロンドンで格上のプレーヤーからポイントを取れなかったことに一抹の不安はありますが、今年最後のトーナメントを楽しんでくるつもりです。それでは、London Chess Classic とは、この辺りでお別れです~。


イングランドNo.1女子のHouska は、予想よりずっと美人でした。まだまだイケます!(何が?w)


初めてのフィッシュアンドチップス。意外なことにロンドンの食事は、ここまで全く困っていません。


Almiraさんの紹介で、元世界チャンピオンのVladimir Kramnik と。今日は逆転優勝をかけて、Michael Admas と対戦です!



2012/12/09

London Chess Classic 2012 8th round


トップボードはWilliams - Melkumyan

昨日は色々と事件が起こりました。試合は初めて40手超えるロングゲームになったので、解説はかなり短めにします。


Boruchovsky, A (IM, ISR, 2448) - Kojima, S (FM, JPN, 2340)
London Chess Classic 2012 (8)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 g6 5. Nf3 Bg7 6. Be2 O-O 7. O-O dxc4 8. Bxc4 Bg4 9. h3 Bxf3 10. Qxf3 Nbd7 11. Rd1 e5 12. Bb3 Qe7 13. Bd2 Rad8 14. Rac1 Rfe8



ここまではほぼ満足な序盤です。ここからしばらく飛ばします。

15. a3 Nb6 16. Ne2 e4 17. Qg3 Nfd5 18. Rc5 Bf8 19. Ra5 a6 20. Nc3 Qd7 21. Rc1 Bd6 22. Qg4 f5 23. Qd1 Bf8 24. Nxd5 cxd5 25. Rac5!? Bxc5 26. dxc5 Nc4 27. Bc3 h5 28. Qd4 Kh7 29. Rd1 Ne5 30. Bxd5 Nd3 31. Qf6 Rf8 32. Qd4 Rfe8 33. Qf6 Rf8 34. Qd4 Rfe8



このポジションが3回目です。私は24. Rfe8 を指して、棋譜を書き、時計を止めて3回同一局面の指摘をしました。これが正しい手法だと、5年前にマレーシアで教わったためです。ところが、アービターにはこれが認められず、指す前に棋譜を書いて、指摘しなければいけないと言われました。3回同一局面の指摘方法については、FIDE のルールブックを再度確認するとともに、Misha にも聞いてみようと思います。とにかくお互い恐ろしい時間切迫の中、試合は続行です。

35. f4 Qe7 36. b4 Rd7


36... g5!=/+ ならば、黒はエクスチェンジの駒得を守りながら、攻撃のチャンスを拡大することができました。

37. Qc4 Qh4 38. Rf1 Qg3 39. Qd4 g5??


時間が増える直前、これはひどいブランダー。次の手は見えていたのですが、なぜか大丈夫だと勘違いしていました。

40. Bg8+! Kxg8 41. Qh8+?



41. Qxd7+- で何事もなく白勝ちです。持ち時間の増えたこのポジションで、彼がどうして間違えたのかは全く分かりません。

41... Kf7 42. Qf6+ Kg8 43. Qg6+ Kf8 44. Qh6+ Kg8 45. Qg6+ Kf8 46. Qf6+ Kg8


彼は増えた30分のうち、15分を使ってここまでを指しました。私はルークダウンの白は、ドローにする以外あり得ないと思っていましたが、それはまたもや大きな勘違いでした。白はきちんと勝負にいくことができます。

47. Qh8+ Kf7 48. Qg7+! Ke6 49. Qg6+ Kd5 50. Qxe8



白はルークを取り戻し、黒キングも以前危ういポジションにいます。普通にやれば白が勝てそうなので、私は一筋の光を求めて、キングを白陣に向かわせることにしました。将棋でいうところの入玉です!

50... Qxe3+ 51. Kh2 gxf4!? 52. Qxd7+ Kc4 53. c6! Qg3+ 54. Kh1?!


これは少しポジションを怪しくします。54. Kg1 のほうがベターでしょう。

54... f3 55. Qd4+ Kb3 56. Qg1?



56. Rb1+! Ka2 57. Rg1! ならば、白の勝ちです。まさかf2 でクイーンを貰ったあと、プロモーションが防げないとは予想外でした。

56... bxc6 57. Bf6 f2??


残り数秒で指したブランダーで、唯一のドローチャンスが手をすり抜けていきました。57... Ne1!! 58. Rxe1 fxg2+ 59. Qxg2 Qxe1+ 60. Kh2 f4= ならばドローです。g2 を狙う方法としては、Nd3-Nf4 を考えていましたが、それは黒キングのディフェンダーがいなくなるため、メイトにされてしまいます。しかし、もう一つのマスe1 があったとは...

58. Rb1+ Kxa3 59. Ra1+ Kb3 60. Qb1+ Kc4 61. Qa2+ Kxb4 62. Qa4+ Kc5 63. Qd4+ Kb5 64. Rb1+ 1-0



3回同一局面云々がありましたが、それよりも、その後の指し方が甘かったのは大きな反省点です。最後もドローを取れなければダメですね。そして6R に引き続き、時間の相当少ない状況でも勝ちを目指す、格上のマスターのファイティングスピリッツには驚かされます。

8th Round Results
11 IM Boruchovsky, Avital 5.0 ISR 2448 - FM Kojima, Shinya 5.0 JPN 2340 1-0
18 Moriuchi, Toshiyuki 4.5 JPN 2316 - GM Arkell, Keith C 4.5 ENG 2470 0-1
83 Watson, Darrell A 3.0 ENG 1758 - Takahashi, Reiji 2.5 JPN 2079 0-1



森内さんもGM Arkell に負け。今大会は2人とも、格上からポイントを取るのは相当厳しかったです。

9th Round Pairings
23 FM Kojima, Shinya 5.0 JPN 2340 - Eriksson, Jorgen 5.0 SWE 2213
31 Eden, Tomer 4.5 ISR 2172 - Moriuchi, Toshiyuki 4.5 JPN 2316
70 Takahashi, Reiji 3.5 JPN 2079 - Casiot, David J 3.5 ENG 1991


今日の最終戦は以上のようなペアリング。全員格下ですので、勝って大会を締めくくりたいところです。今夜は試合後、大きなイベントが私たちを待っているようです!


試合後はWeekenderB に参加中の大山さんに、ロンドンで一番だというお寿司屋さんへ連れていってもらいました。


大山親子と記念撮影。息子さんが日本でプレーする日も楽しみにしています!

2012/12/08

London Chess Classic 2012 7th round


5ポンド払い、筒の中にあるポーンの数を見事当てると、Classic 参加者9人のサイン入りボードが貰えます!

London Chess Classic の7R は、森内さんが8番ボードでIM Hawkins に挑みましたが、完全にアウトプレー。2500台の壁は厚いです。一方、私は2200のオーストリア人をなんなく片して、再び3つ勝ち越し状態に戻しました。長かったロンドンのゲームも残りは2試合です。

7th Round Results
8 IM Hawkins, Jonathan 4.5 ENG 2507 - Moriuchi, Toshiyuki 4.5 JPN 2316 1-0
23 FM Kojima, Shinya 4.0 JPN 2340 - Jetzl, Joerg 4.0 AUT 2208 1-0
85 Takahashi, Reiji 2.0 JPN 2079 - Jones,  Chris S 2.0 ENG 1834 1/2-1/2


礼二さんは冬のロンドンで、水着の買える店を探し始めたようです。


Kojima, S (FM, JPN, 2340) - Jetzl, J (AUT, 2208)
London Chess Classic 2012 (7)

1. Nf3 e6 2. c4 f5 3. g3 Nf6 4. Bg2 Be7 5. O-O O-O 6. d4 c6 7. Nc3 d5 8. Rb1



Bd6 Stonewall を研究していたはずが、なぜか初戦と同じBe7に。新しいラインを用意はしていなかったので、全く同じプランで応戦します。

8... Ne4 9. Qc2 Qe8 10. b4 b5!?


白のb4-b5 を止めるためにありえるアイディアですが、代わりにc5 のマスを弱めます。

11. cxb5 cxb5 12. Ne5 Bb7 13. Nd3



Nf3-Ne5-Nd3 は、Stonewall Dutch でよく見られるナイトのマヌーバリングです。e5 のアウトポストにいたままでも良いのですが、ここではc5 を目指します。

13... Bf6 14. Be3 Na6 15. a4!


次の一手に繋がる重要なアイディア。黒から取ってくれば、b4-b5 とポーンを伸ばし、a6 のナイトを追い返すことができます。

15... Rc8 16. Bxe4!!



フィアンケットビショップでナイトを取る手は少し指しづらいですが、ここでは1ポーンを取ることを優先します。ここから先の変化を読んだうえでの15. a4! です。

16... dxe4 17. Nc5 Nxc5 18. bxc5 g5?


これは黒の投げやりな一手。ポーンは落ちますが冷静に対処すれば、まだ戦えるポジションです。18... f4! 19. Bxf4 Bxd4 20. Bd6 Rf5 21. Nxe4+/= 白はセンターポーンを取って1ポーンアップ。b7-h1 のダイアゴナルにさえ気をつければ、優位に試合を進めることができます。

19. Nxb5+-



d6 のマスにナイトが入ってくることを止められず、黒はさらにマテリアルを失うことを避けられません。

19... Qh5 20. Nd6 Bc6 21. Nxc8 Rxc8 22. Rb4!


d4 を守り、余計なカウンタープレーの可能性を消しておきます。

22... f4 23. gxf4 Kf7 24. Kh1 gxf4 25. Bxf4 Rg8 26. Qd1!



最も重要なディフェンスのアイディア。e2 を守っておいたまま、1段目に利きを戻します。次にe2-e3 を指せれば、f3 のマスを抑えたまま、クイーンのディフェンスの幅を広げることができます。

26... e3+ 27. f3 Qg4


白が気を付けるべきなのは、27... Qg6 28. Rg1?? Bxf3+!-+ の大逆転ぐらいでしょう。

28. Bg3 Qh3 29. Rg1 Bd8 30. d5 Bxd5 31. Rf4+ Ke8 32. Qd3 Kd7 33. Rf7+ 1-0



2日前同様、ほぼ満点に近い内容での勝利です。なぜこれで格上相手からはポイントを削れないのか...今日が正念場のラウンドとなりそうです。

8th Round Pairings
11 IM Boruchovsky, Avital 5.0 ISR 2448 - FM Kojima, Shinya 5.0 JPN 2340
18 Moriuchi, Toshiyuki 4.5 JPN 2316 - GM Arkell, Keith C 4.5 ENG 2470
83 Watson, Darrell A 3.0 ENG 1758 - Takahashi, Reiji 2.5 JPN 2079


私はここで、イスラエルでも最も注目されるユースプレーヤーの一人、15歳のIM、Boruchovsky との対戦です。今年はウクライナ代表のEljanov に勝つ活躍を見せ、レイティングを100以上伸ばしています。そして森内さんは、直前のラウンドで負けたにもかかわらず、対戦相手のレイティングが上がり、ここでGM Arkellとの勝負です。私たちの対戦相手は今大会さほど調子が良くないので、格上からポイントを取るラストチャンスと腹をくくり、試合に臨んでくるつもりです!

礼二さんはここでドロー以下なら、ドーバー海峡あらため、テムズ川寒中水泳ツアーです。


棋譜は複写式で、試合後に両者のサインをして提出します。


森内さんからチョコレートのお裾分け。うまうま。



2012/12/07

London Chess Classic 2012 6th round


ロンドンの6日目は私が3日ぶりのセンサーボードに上がりましたが、IM 相手にあえなく負け。途中良い勝負だと思ったのですが、(実際そうだったのですが)検討戦では考えの深さの違いを実感しました。相手は私の2つ年上で、まだまだGM を狙うチャンスが十分あるプレーヤーです。大変勉強させてもらいました。

6th Round Results
12 IM Bartholomew, John 4.0 USA 2427 - FM Kojima, Shinya 4.0 JPN 2340 1-0
23 Moriuchi, Toshiyuki 3.5 JPN 2316 - FM Kocwin, Bartosz 3.5 POL 2226 1-0
73 Phillips, Owen S 2.0 ENG 1926 - Takahashi, Reiji 2.0 JPN 2079 1-0


一方で森内さんは、本人いわく悪かったなりに、相手の甘いプレーの隙を突いて渋い勝利。4.5/6 で再び上位に戻ってきました。今日の結果次第では、IM ノームも狙える位置です。そして礼二さんは...

Bartholomew, J (IM, USA, 2427) - Kojima, S (FM, JPN, 2340)
London Chess Classic 2012 (6)

1. c4 c6 2. Nf3 d5 3. g3 Nf6 4. Bg2 dxc4 5. O-O Nbd7 6. Qc2 Nb6 7. Na3 Be6 8. b3!?



まさかの3R と同じオープニングでしたが、どうもその試合をチェックされていたようです。(どうやって?)8.b3 は白が純粋なギャンビットをするラインですが、うまく指すことで長期にわたりポーンの代償のあるプレーが可能です。

8... cxb3 9. axb3 g6 10. Nc4 Bg7 11. Na5 Qc8


d7、c7 はいずれもナイト、ビショップで攻撃される可能性があるので、やや不自然に見えてもこのマスへ。ビショップとのコンビで、h3-c8 のダイアゴナルを抑えます。

12. Bb2 O-O 13. e4 Rd8 14. Rfe1 Ne8 15. Bxg7!



私にとって意外だったのは、このビショップ交換。スペースの狭い黒はピースを攻撃してくれたほうがありがたいと思っていましたが、白のビショップも将来的にd4 に伸ばすポーンの内側に閉じこもるより、さっさと消してしまったほうがベターでした。

15... Nxg7


ここはキングで取り返し、Ne8-Nd6 と組み直すのもあると指摘されました。そのマヌーバリングは、ビショップ交換を避けられた際に当然考えていたものですが、g7 からならばe6 に行くチャンスがあると思い、本譜を採用しました。実際にはそれが生きなかったのが、一つの敗因でしょうか...

16. d4 Rb8 17. Qd2 f6 18. Qb4 Kf7?!



普段ならばあまり指さない手ですが、この日は少し冒険へ。ところがこれが(見た目通り)良くありませんでした。黒のクイーンは次にd7 にいかなければならなくなるため、このタイミングで18. Qd7 と指しておくべきです。

19. Rac1 Qd7 20. Nc4!


f7-f6 でe5 のマスを抑えたつもりが、キングがf7 に上がったせいで、Ne5+ がナイトフォークのスレットになっています!(ナイトが2つe5 に利いているのがポイント!)仕方がないので、ナイトを交換します。

20... Nxc4 21. bxc4 Bg4 22. d5 Bxf3 23. Bxf3 e5 24. c5!? b6



この辺りはお互い時間切迫でしたが、相手の指し方の正確性に驚きました。局後にそれを指摘したところ、プレッシャーがあるのは黒のほうで、白はプランが分かりやすいからだよ、と言われましたが、私が白を持って彼の様に指せるかは大きな疑問です。

25. Red1 Ne8?


25... bxc5 26. Qxc5 cxd5 27. Rxd5 Qb7 28. Qc7+ (ギリギリまで考え、28. Qc4!? が気になって指すのを諦めてしまいました。) 28... Qxc7 29. Rxc7+ Kf8 30. Ra5 ならば、黒にドローチャンスがあります。ドローを取るために、1ポーンを早々に返す決断を下すのも大きな勇気です。

26. Qa4! bxc5?



26... cxd5! 27. c6 Qc7 28. exd5 a5! という気持ちの悪い、2コネクテッドパスポーン対2コネクテッドパスポーンのポジションを、黒は受け入れなければダメでした。白のパスポーンが前進しているので有利だと思っていましたが、それらはすでにブロックしており、さらには黒のa、bポーンもこれから前進できるため、大きな問題はありません。

27. dxc6 Qe7 28. Bg4 Ng7


28... Rd4! がラストディフェンスだと試合後に指摘されました。この手も見えていながらなぜ指せなかったのか、自分の勝負所での手の甘さを恨みそうです。

29. Rd7 Rxd7 30. Bxd7!



ビショップで取る手が見えておらず、これでようやく負けを悟りました。

30... Ne6 31. Bxe6+ Kxe6 32. Qc4+ Kd6 33. Qxc5+ Ke6 34. Qd5# 1-0


最後はメイトまで続けさせてもらいました。1ポーンの代償がどこにあるのか、考えるのが難しいポジションが続きましたが、相手の黒陣へのプレッシャーのかけ方は大変勉強になるものです。私もまた一から出直しですね。それでは次のペアリングを。

7th Round Pairings
8 IM Hawkins, Jonathan 4.5 ENG 2507 - Moriuchi, Toshiyuki 4.5 JPN 2316
23 FM Kojima, Shinya 4.0 JPN 2340 - Jetzl, Joerg 4.0 AUT 2208
85 Takahashi, Reiji 2.0 JPN 2079 - Jones, Chris S 2.0 ENG 1834



森内さんが8番ボードでIM Hawkins と激突!30代ですが、ここ数年で名前を聞くようになったイングランドの強豪です。面白い一戦になりそうですね。一方で礼二さんは4.5P 取れなければ、冬のドーバー海峡に飛び込むそうなので、彼のことも応援してあげて下さい。


試合前にはベーカーストリートのLondon Chess Centerへ。独創的なチェスセットもあります。


Move by Move シリーズもこんなに出ているんですね。


昼はボンドストリート近くのイタリアンへ。揚げズッキーニのボリュームがすごい!


2012/12/06

London Chess Classic 2012 5th round


お昼は外でサンドウィッチを買ってくることが多いです。

全員が格下との対戦となり、揃っての勝利を目指した5日目は、私と森内さんが勝利、礼二さんがドローという結果になりました。礼二さんは1900台になかなか勝てず、1900台地獄から逃れられませんね。今日こそ勝って、上のボードに上がってきてほしいと思います。

5th Round Resultss
19 FM Kojima, Shinya 3.0 JPN 2340 WIM Iwanow, Anna 3.0 POL 2188 1-0
30 Williamson, Roger G 2.5 ENG 2177 Moriuchi, Toshiyuki 2.5 JPN 2316 0-1
74 Takahashi, Reiji 1.5 JPN 2079 Vachtfeidl, Petr 1.5 CZE 1945 1/2-1/2


Kojima, S (FM, JPN, 2340) - Iwanow, A (WIM, POL, 2188)
London Chess Classic 2012 (5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 d6 5. d4 O-O 6. O-O Nc6 7. Nc3 Bg4!?



彼女がこのラインを愛用していることは、事前の研究で知っていたので徹底的に用意してきました。メインのPanno Variation に近い形にして勝負です。

8. d5 Na5 9. Nd2 c5 10. Qc2 a6 11. h3 Bd7 12. b3 b5 13. Bb2 Rb8 14. Rab1 Qc7 15. e4 e5 16. Nd1!?N


もう一つのチョイスである16. Ne2 とどちらを指すか迷いましたが、試合後にNigel には16. Ne2がベターだと指摘されました。確かに白はf2-f4 を指せれば満足なので、そのサポートのためにe2 にナイトを置くべきでした。

16... bxc4 17. bxc4 Nh5 18. Ne3



私が目指したのは、ナイトをe3 に運ぶ形。f4 を突くより、f5 を止めるほうを優先しました。

18... Rb7 19. Bc3 Rfb8 20. Kh2?! Bh6


20... Rxb1 21. Rxb1 Rxb1 22. Qxb1= スペースの狭い黒は、なるべくピースを交換しておくほうがベターでした。

21. Rxb7 Nxb7 22. Ng4 Bg7 23. Rb1!+/=



ここはf2-f4 を狙いところですが、ルークをbファイルに回すのが好手です!今度はNb7-Nd8 でルーク交換を狙おうとすると、Bc3-Ba5! のアイディアを使えます。

23... f5 24. exf5 gxf5 25. Ne3


白はf7-f5 を恐れず、f5 のポーンをターゲットにすることで戦います。

25... Qc8 26. Rb6! a5 27. Qb1!



bファイルにメジャーピースを重ねることで、黒のルークとナイト、そしてクイーンの動きを制限します。これらが協力できなければ、黒のキングサイドのアクションは厚みを持たず、逆に白がキングサイドをいじることができます。

27... a4 28. a3 Bf6 29. Bf3 Ng7 30. Bg2


ここは残り時間が少なく、プランが決まらなかったために一度ビショップを戻すことにしました。そして虎視眈々とf2-f4 のチャンスを伺います。

30... Bd8 31. Rb2 h5?! 32. h4!



黒からのh5-h4 を防ぎ、h5 のポーンをターゲットとして残します。そのうえでh3 にマスを作り、白マスビショップの活用を図ります。

32... Be8 33. Bh3 Bg6 34. f4!


ピンを利用した34. Ne4! でも勝ちですが、f5 のポーンを先に固定しておくことで、黒の一切のカウンタープレーを禁じます。

34... e4? 35. Nxe4 Qc7 36. Nxd6 1-0



振りかえればクイーンサイド、キングサイド、そしてセンターの全てで、白が流れを握った完勝ゲームでした。今日は再び4時半試合開始なので、これからロンドンチェスセンターに足を運び、ゆったりと過ごしてから会場に向かいます。私は残り4試合の結果次第では、十分にIM ノームもありえるので(ここまでパフォーマンスは2439!)、今日のアメリカとのIM 戦でも、きっちりポイントを取れるよう頑張ります!

6th Round Pairings
12 IM Bartholomew, John 4.0 USA 2427 - FM Kojima, Shinya 4.0 JPN 2340
23 Moriuchi, Toshiyuki 3.5 JPN 2316 - FM Kocwin, Bartosz 3.5 POL 2226
73 Phillips, Owen S 2.0 ENG 1926 - Takahashi, Reiji 2.0 JPN 2079



Hebden - Sarakauskas の試合は、ルーク対2ポーンで、最後はアンダープロモーションが出る珍しいエンドゲームに。


検討戦は会場にいたNigel Short を誘って!


礼二さんが大量に買い込んできたテディベアとアイス。何かの儀式のようです(笑)

2012/12/05

London Chess Classic 2012 4th round


4日目は森内さんのみ、格上のマスターとの対戦です。ポーランドの18歳IM は、データベースに1試合もなかったFrench Defence を採用し、森内さんを退けました。私もライブゲームで棋譜を確認しましたが、非常に力のあるプレーヤーだと思います。他2名を含めた、4R の結果は以下の通りです。

4th Round Results
12 Moriuchi, Toshiyuki 2.5 JPN 2316 - IM Sadzikowski, Daniel 2.5 POL 2449 0-1
30 Tozer, Philip A A 2.0 ENG 2176 - FM Kojima, Shinya 2.0 JPN 2340 0-1
77 Stokes, Paul C 1.0 ENG UR - Takahashi, Reiji 1.0 JPN 2079 1/2-1/2


それでは私の棋譜解説へ。

Tozer, P (ENG, 2172) - Kojima, S (FM, JPN, 2340)
London Chess Classic 2012 (4)

1. c4 c6 2. g3 d5 3. Nf3 Nf6 4. Bg2 dxc4 5. O-O Nbd7 6. Na3 Nb6 7. Qc2 Be6 8. Ng5 Bg4 9. Nxc4!? Bxe2 10. Nxb6?!



これはセオリーを外れる怪しい一手。10. Ne5! Bh5 11. Re1 h6! 12. Ne4 e6 がメインで、本譜と比較すると白はナイトを一組残しておくほうが、明らかに1ポーンの代償を伴ってプレーすることができます。

10... axb6=/+ 11. Re1 Bh5 12. Ne4 Nd5!


うっかり、12... e6 13. Nxf6+ gxf6 14. Bxc6+ bxc6 15. Qxc6+ Ke7 16. Qb7+= を許すところでした。c6 へのサクリファイスはこのラインの序盤で気を付けるべき、白のスレットです。

13. b3 e6 14. Bb2 Qd7!?



試合中、f7-f6 を突く前にe6 を守っておくこの一手が絶妙だと思いました。ところがコンピュータの指摘は、14... Nb4! 15. Qc3 Nd3 16. Re3 Nxb2 17. Qxb2 f5! 18. Nc3 Ba3-/+ と素早くピースを展開する流れ。f7-f5 のアイディアも考えていましたが、なかなか実行には移せませんでした。

15. a3 f6 16. Nc3 Be7 17. Bh3 Bf7 18. Qe4 Nc7


ここは18... f5 19. Qe5 Nf6! もあったと思います。

19. Na4 Ra6 20. Bd4 c5 21. Qxb7?!



このポーンは取れないと読んだうえでの、c6-c5 です。21. Be3 Nd5=/+ でも黒が指しやすいので、どっちが白にとって良いかの比較は難しいところですが。

21... Rxa4! 22. bxa4 cxd4 23. Rac1 Bd8


23... Nd5! 24. Qa8+ Bd8-/+ のほうが、b6 のポーンも落ちず、シンプルでした。なぜこう指さなかったのか...

24. Bg2 O-O 25. Rc6 Qe7 26. Qxb6 e5 27. Rec1?



これは自然に見えますが、黒のシンプルなタクティクスを見落としています。代わりに27. a5! ならば、まだ分からないだろうというのが、検討戦での結論でした。とは言え、相手は相当時間切迫だったため、このようなミスも仕方ありません。

27... Qxa3 28. Rxc7? Qxc1+! 29. Rxc1 Bxb6 0-1


最後はエクスチェンジを貰って勝利。途中までは良かったですが、決めにいくところで詰めが甘かったのが反省点です。

ちょうど折り返しとなる5日目の今日は、不思議なことに全員格下との対戦です。私はポーランドの17歳WGM が相手となりました。(だからと言って、特別なことは何もないですけどね!)2日目以来となる、全員白星を目指して戦ってきます!

5th Round Pairings
19 FM Kojima, Shinya 3.0 JPN 2340 WIM Iwanow, Anna 3.0 POL 2188
30 Williamson, Roger G 2.5 ENG 2177 Moriuchi, Toshiyuki 2.5 JPN 2316
74 Takahashi, Reiji 1.5 JPN 2079 Vachtfeidl, Petr 1.5 CZE 1945




昨日の昼食は、リバプールストリートのうさぎがたくさんいる、イングリッシュレストランへ。


そして夜は、会場から一駅先のギリシャ料理へ。


ブダペストで食べたフライとは違いましたが、グリルのイカもおいしかったです。
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