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2017/10/13

A New IM Tournament First Friday


マン島終了後に始まり、私が個人的に注目していた大会が昨日、最後の試合を迎えました。それがマレーシアの首都、クアラルンプールで開催されていたFirst Friday です。この大会は今月から始まった新しいIM トーナメントで、今後も毎月開催が予定されています。IM トーナメントでは、参加者が事前に決められ、IM タイトルホルダーの数と対戦相手のレイティングも保証されているため、IM 以外のプレーヤーは何ポイント取ればIM ノーム獲得になるか、大会開始前から分かるようになっています。このFirst Friday は言うまでもなく、私が2014年まで参加していたブダペストのFirst Saturday を意識して企画、名づけられています。

初回のFirst Friday では、IM を開催国のマレーシア、ミャンマー、インドネシアから確保し、IM トーナメントとしての形式を成立させました。そこにインドから複数のプレーヤーがノーム狙いで参加し、見事、11歳のGukesh が7/9 でトーナメント優勝、そしてノーム獲得となっています。ひとまず初回は大会成功と言えるでしょう。ただ、ハンガリーのようにIM トーナメントを定着させるためには、今後もプレーヤーを確保、大会を開催し続ける必要があります。一発だけのイベントで終わらず、今後も開催が続けられると良いですね。

私がこの大会に注目していたのは、マレーシアというハンガリーよりも圧倒的に日本から近い国で開催されること、そしてFirst Saturday 同様、毎月の開催を目指してることが理由です。毎月同じ地でノームトーナメントが開催されるのはハンガリーだけ、というのが長年のチェス界の常識でしたが、ここにマレーシアが加われば、同じアジアのプレーヤーとしてとても喜ばしいことです。これから日本の若いプレーヤーが、気軽にノーム獲得のチャレンジができる大会として、定着してほしいですね。IM トーナメントはFIDE 2100台ならば参加しても大丈夫だと思うので(過去、2000台の参加も見たことがありますが、参加者平均が下がるのでオーガナイザーとの相談が必要)、ノーム狙いでなくとも、IM トーナメントがどんなものか体験したいプレーヤーは、参加を検討してみると良いと思います。

ちなみにGM トーナメントも同時に開催する企画もあるそうで、これが何月頃からスタートするのか、これからも情報をチェックし続けたいと思います。GM トーナメントも毎月開催されることが保証されれば、私もハンガリーまで足を延ばさなくて済みますからね。オーガナイザーは今後も頑張ってください! Chessbase India に掲載されていたレポートも面白かったので、こちらもよろしければご覧ください。

11-year-old Gukesh makes his maiden IM norm!
First Friday IM Oct 2017 Results

2014/10/04

4th quarter Presidential Board Meeting


来月、Sochi で開催される、4th quarter Presidential Board Meeting で、南條くんのIM タイトル申請が審査されることになりました。(私も昨年のこの時期、3つのIM ノームの審査がありました。) 今回は審査とは言え、南條くんが3つ分のIM ノームを獲得と、レイティング2400到達が間違いないため、この会議にて南條くんのIM タイトル正式授与が決まると思われます。そうなると、早ければ12月のリストで、南條くんはIM だと発表されることになります。南條くん、おめでとう!

Title Applications
IM Ryosuke Nanjo

他のタイトル申請者を見ると、中国の女子代表、Ju Wenjun がGM、ハンガリーで私と試合をしたXu Yi, Gajek, Radoslaw がIM です。一昨年の夏、異様な強さを見せたXu Yi はタイトル確定ですが、Gajek はWorld Youth で落としたレイティングの分が痛手で、2400到達はまだ先になりそうです。もちろん私も他人ごとではないので、これから一層気を引き締めて、頑張っていこうと思います。

2014/08/24

The First International Master from Japan - Ryosuke Nanjo -


Tromso Olympiad から

先程、ラトビアのリガで行われていたトーナメントの最終結果が発表され、南條くんが最終戦でイスラエルのIM に勝利を収めました。これにより、この大会のレイティングパフォーマンスは2449.8、切り上げて2450 となり、3つ目のIM ノーム獲得です。そしてレイティング増加は25.2 ですので、オリンピアードの増加分、30.8 と合わせて、次回更新で+56 となり、9月の新レイティングは2400 ジャストとなります。つまり...

日本から初のIM 誕生です!



今年の全日本前は2308でしたので、南條くんはこの4か月の3大会で、レイティングを92 上げたことになります。係数が15から20に増加したことを踏まえても、南條くんの数字の上昇には目を見張るものがありますね! IM タイトル獲得争いの最大のライバルは羽生さんだと思っていた私にとって、南條くんに先を越されたことはもちろん悔しいですが、まずは日本から初めてのIM が誕生したこと、そして14年の付き合いとなるライバルの成功に、祝福の言葉を贈りたいと思います。南條くん、本当におめでとう! 次回のFIDE Congress での正式なタイトル承認が、とても待ち遠しいですね。

Riga Technical University Open 2014

2014/04/22

The Latest IM Elect from Australia


昨晩、久々にオーストラリアの池田惇多くんから連絡がありました。それによれば、彼は参加していたオーストラリアの大会で、自身3つ目のIM ノームを達成したそうです! これで彼も必要な3つのIM ノームを揃え、私と同じ立場、つまりIM Elect になりました。あとはレイティングが2400 を超えれば、正式にIM タイトルを獲得します。

現在はChess Results のエラーでしょうか、昨晩は見ることのできた大会の結果が確認できません。私の記憶によれば、惇多くんは最終戦でルーマニアNo.1 GM Nisipeanu Liviu-Dieter に敗れたものの、オランダ代表GM Van Wely Loek (2685) からドローを取るといった活躍により、2500を超えるパフォーマンスを叩き出しました。もし、Nisipeanu との1B 最終戦 で勝っていれば、自身初のGM ノーム達成だったようです。日本での1年弱の留学生活を終え、久々に参加したFIDE 公式戦でこれだけの好成績を残すとは、私も舌を巻くばかりです。

惇多くんは明日から、シドニーで開催される大会に引き続き参加します。ここでの結果によっては、IM タイトル獲得がぐっと近づくでしょう。今月はインドネシアのSean Winshand もブダペストで3つ目のIM ノームを達成したようですし、ライバルたちの活躍には私も大きな刺激を受けます。来週から始まる全日本選手権では、彼らに負けず、しっかりとしたプレーを見せなければいけませんね。

最後に惇多くん、3つ目のIM ノーム獲得、本当におめでとう! シドニーの大会結果も、日本から見守っています。

Sydney International Open 2014

2014/01/10

Relationship Between Grandmasters and Shogi Masters


インタビューに応じる羽生さん, Chess News より

Twitter のフォロワーさんたちにはすでにお伝えしましたが、Chess News に羽生さんの記事がアップされています。ライターはデンマークのNo.1 GM で、昨年の4月に来日したPeter Heine Nielsen です。まずは、そちらの記事をご確認ください。


記事の中では、クラクフで羽生さんがIM ノームを獲得した最新の出来事だけでなく、昨年の名人戦や電王戦、さらには今月12日から始まる王将戦のことなどにも触れられており、Nielsen が日本の将棋について詳しく調べていることが伺えます。Nielsen は昨年来日した際に、名人戦の見学を富士市で行っただけでなく、将棋や囲碁の手ほどきを受け、その後、ヨーロッパのチェスと将棋を両方指す大会で優勝したと聞いています。Nielsen の将棋の腕前についてはわかりませんが、彼のような有名なGM がチェスと将棋の文化交流の架橋になってくれることは、日本のチェスファン、将棋ファンにとって、大きな影響をもたらすでしょう。

また、一昨年、去年の二年間は、Nielsen 以外にも何名かのGM が来日してチェスのイベントに参加しており、彼らの多くはメインのイベント以外でも、将棋棋士たちと交流を持っています。GM たちを来日順にまとめると

2012.03 GM Chernin (ハンガリー元代表)
2012.04 GM Short (イングランドNo.2)
2012.09 GM Vachier-Lagrave (フランスNo.1)
2013.04 GM Nielsen (デンマークNo.1), GM Cmilyte (リトアニア女子No.1)
2013.12 GM Giri (オランダNo.1)

彼らの多くは国のトップクラスのGM であり、まだ無名の若いGM というのは全く含まれていません。FIDE の公式トーナメントに招いているならばともかく、日本のようなまだチェスのレベルが低い国に来るのが、不思議に思えるほどのメンバーです。今年はどこかのGM が来日予定だという話はまだ聞いていませんが、私も日本のトッププレーヤーの一人として、協力できることを探していきたいと思います。

ちなみに今回の記事をChessbase に送るにあたり、私もNielsen からメッセージを貰って少しだけ手伝いをしていたのですが、その部分はあまり記事に出ておらず、その点はちょっと残念でした。この記事はPart1,Part2 の二部構成で、後半はNielsen の日本への旅行についてと聞いていますので、そちらの公開も楽しみにしておきましょう。

2014/01/04

A Challenge for The Second IM Norm - Accomplished! -


11月のジャパンオープンより、対戦中の羽生さん。Photo by Hasegawa

ポーランドで行われていたXXIV International Chess Festival Cracovia 2013 の最終戦、羽生さんはポーランドのWFM Adamowicz, Katarzyna (2094)との対戦となりました。8R までの結果を見る限り、最終戦はドローでIM ノーム獲得かと思われましたが、不運なことにレイティングの低い女子プレーヤーが相手です。そのため、9試合での平均レイティングが2320 まで落ち、この試合に勝たなければ、ノーム獲得にはなりません。(相手のレイティングがもう50高ければ、ドローでノーム獲得でした!)


羽生さんの最終戦の相手は、20歳のWFM Adamowicz, Katarzyna, wikipedia より

「レイティング2000台ならば、黒でも勝てるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、相手は直前のラウンド、GM Heberla に勝っており、全く油断のできない相手です。ノームのかかった最終戦の厳しさは、日本の誰よりも私が知っています(笑) 羽生さん、ファイトです!

Katarzyna, A (WFM, POL, 2094) - Habu, Y (FM, JPN, 2404)
XXIV International Chess Festival Cracovia 2013 (9)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nge7!?



羽生さんが勝負をかけたこのラウンド、選んだオープニングはルイロペスのサイドラインでした。この4... Nge7 の変化はここ数年で人気が高まっており、私も一昨年、チェス通信で記事を書いています。黒はダブルフィアンケットと、c7-c5, f7-f5 の2つのブレイクで、白のセンターポーンにプレッシャーをかけて戦います。

5. c3 g6 6. d4 exd4 7. cxd4 b5 8. Bb3 Bg7 9. Nc3 O-O 10. O-O d6 11. h3 Bb7 12. Bc2?!


私がまず気になったのはこの1手です。Nc6-Na5 と指される前にビショップを退いては、黒がf7-f5 を簡単に突けるようになってしまうでしょう。

12... Qd7 13. Re1 Rae8 14. Be3 f5 15. d5!? Nb4 16. Bb3 fxe4 17. Nxe4 Nbxd5!



ここは難しい応酬ですが、羽生さんはセンターポーンを取って勝負にいきます。このポーンをどう生かすかが、この後の鍵になります。

18. Nc3 Bxc3!


b3-g8 のダイアゴナルを利用したd5 へのプレッシャーを捌くために、羽生さんはかなり慎重に時間を使い、このポジションでの正解を探します。羽生さんの出した答えは黒マスビショップを諦め、c3 のナイトを消してしまうこと。19手目のアイディアと合わせて力を発揮します。


19. bxc3 c5!



これで次にc5-c4 とポーンを進め、ビショップの利きを閉じてしまえば、d5 のナイトはもう不安定ではありません。しかし、黒マスビショップを消したことで、黒はキングの周りを弱めており、白はそこを突いてカウンターを仕掛けます。

20. Bh6 c4! 21. Bc2 Nf5?


この手は私も驚きました。f8 のルークにはうまい逃げ場がないので、エクスチェンジを捨てる判断は正しいのですが、取れるポーンは取っておかなければいけません! 21... Nxc3! 22. Qd4 Ned5! ならば、f8 のルークを取られても、2つのポーンを持っている黒にチャンスがありそうです。

22. Bxf5?



おそらくKatarzyna は、黒マスビショップを消してf4 の黒マスを弱めたり、黒キングへのプレッシャーが弱まることを嫌ったのだと思います。しかし、シンプルに駒交換を進めては、1ポーンアップしている黒としても、ありがたい展開でしょう。22. Bxf8! Rxf8 23. Qd2+/- と指せば、黒のfファイルからのカンウターに気を付ける必要はあれど、白が優勢だと断言できます。

22... Rxe1+ 23. Qxe1 Rxf5 24. Qd2 Nf6 25. Ng5 Qc6 26. f3 Qd5 27. Qd4 Qxd4+ 28. cxd4 Bc6


クイーンを交換した黒は、Ra1-Re1 からくるカウンタープレーに備え、e8 のマスを守っておきます。これでナイトがフリーになりますが、この後、ナイトの跳ぶマスを間違えてしまったため、まだまだ白が粘れるゲーム展開になってしまいます。

29. Re1 Nd5?!



動けるようになったナイトが、センターのアウトポストに向かうのは、ごくごく自然に見えます。しかし、もっとシンプルな勝ちのアイディアは、クイーンサイドのパスポーンを押し進め、ナイトはディフェンスに徹することです! 29... b4! 30. Re7 Ne8!-/+ このナイトが退くアイディアは、大変見つけづらいでしょう。g7 とd6 をがっちり守っておけば、cファイルのパスポーンだけで十分に勝ちにいけそうです。

30. Ne4! Rf7 31. Nxd6 Re7 32. Rxe7 Nxe7



こうして白はポーンを取り戻しました。ビショップも異色で、十分にドローチャンスはあるでしょう。しかし、黒にはクイーンサイドのパスポーンと、将来的なアウトサイドパスポーンを作るチャンスがあります。間違えて負ける危険性が高いのは、白であることを忘れてはいけません!

33. Kf2 c3 34. Ke2 b4 35. Kd3 Bd5 36. a3 bxa3 37. Kxc3 a2 38. Kb2 Nc6 39. Ne4 Bxe4


ここで駒のバランスが崩れ、ビショップ対ナイトの構図になります。よく「ビショップはナイトよりも強い」と誤解されがちですが、「ビショップのほうがナイトよりも使いやすいポジションが多い」というのが正解でしょう。ショートレンジのナイトは、ビショップに比べて盤の端から端までの移動が遅いですが、このポジションでは白のポーンがセンターとキングサイドに寄っているため、ナイトの弱点は問題になりません。

40. fxe4 Nxd4 41. Kxa2 Kf7 42. Kb2 Nb5 43. Kc2 Ke6 44. Bd2 Nd6 45. Kd3 Nb7 46. Bc3 a5 47. Kd4 a4 48. e5?



ここまでうまく指していた白に、痛いミスが出ます。ここは48. Bb4 といった手でaポーンを止めつつ待つべきで、自らターゲットとなるポーンを相手キングに近づけてしまっては、黒が楽な展開になってしまいます。

48... Nd8 49. Kc5 Nf7 50. Kb4 Nxe5 51. Kxa4 Nd3


お互いのパスポーンは消えましたが、g,h ファイルのポーンに近いのは黒のキングです! 黒のパスポーンを止めるためにキングをaファイルまで寄せてしまった白は、ポーンの取り合いのレースに完全に遅れてしまいます。また、このように一方にポーンが固まった状況では、「ナイトのほうがビショップよりも強い」と言われます。

52. Bd2 Ke5! 53. g3 Nf2 54. Kb5 Nxh3 55. Kc6 Nf2 56. Kd7 Ne4 57. Be1 Kf5 58. Ke7 h5



白はパスポーンを後ろから攻撃しようとしましたが、これも遅すぎるアイディアです。黒はキングとナイトでポーンを支えつつ、最後にgポーンをかすめ取って勝負ありでしょう。

59. Kf7 g5 60. Kg7 Kg4 61. Kg6 Nxg3 62. Bd2 h4 63. Be3 h3 64. Bg1 Nf1 0-1


最後はgポーンを取られないようにしたまま、hポーンとビショップを交換して決まりです。勝たなければいけない最終戦で、わずかなチャンスを勝ちにつなげる技術と執念は、私も今後、学んでいかなければいけないでしょう。実際のレイティングより、はるかに高い実力を持つ若いプレーヤー相手に、素晴らしいゲームを見せてくれたと思います。この勝利で羽生さんは、6.5/9 となり、最終順位は8位。レイティング11と、2つ目のIM ノーム獲得となりました。羽生さん、お疲れ様です&おめでとうございます!

R1 Martinsen, S (POL, 2141) - Habu, Y (FM, JPN, 2404) 0-1
R2 Habu, Y (FM, JPN, 2404) - Ulanowski, K (POL, 2144) 1-0
R3 Heberla, B (GM, POL, 2561) - Habu, Y (FM, JPN, 2404) 0-1
R4 Habu, Y (FM, JPN, 2404) - Malaniuk, V (GM, UKR, 2545) 0-1
R5 Kolosowski, M (IM, POL, 2438) - Habu, Y (FM, JPN, 2404) 1/2-1/2
R6 Habu, Y (FM, JPN, 2404) - Thompson, I (FM, ENG, 2228) 1-0
R7 Kanarek, M (IM, POL, 2473) - Habu, Y (FM, JPN, 2404) 1-0
R8 Habu, Y (FM, JPN, 2404) - Nazarenus, M (GER, 2253) 1-0
R9 Katarzyna, A (WFM, POL, 2094) - Habu, Y (FM, JPN, 2404) 0-1

XXIV International Chess Festival Cracovia 2013 Final Standings

羽生さんが今年、他の海外大会に参加する予定があるかどうかは、帰国後に伺ってみましょう。おそらく、今回の羽生さんのノーム獲得を知ったチェスファン、将棋ファンにとって、羽生さんと私のどちらが日本で初のIM になるかは、今年の注目の的になるのではないかと思います(笑) あと1つのIM ノームが必要な羽生さんと、あと39のレイティングが必要な私、どちらがIM に近いかの判断は難しいですが、確実に言えることは、今日の試合で私も気合が入ったということです!

2013/12/31

2013年通算戦績

いよいよ2013年も最終日ということで、毎年恒例、1年の振り返りを行います。今年は昨年に引き続き、1年の約半分を海外で過ごしていました。Behind the Scene にも書かれた通り、1番印象的だったのは3つ目のノームを獲得できたこと。日本人初のIM-Elect として、今後もしっかりとプレーを続けていこうと思います。

2013年国内公式戦戦績
32勝3敗9ドロー、勝率83%
JCA レイティング変動 2395 → 2415

2013年海外公式戦戦績
59勝27敗46ドロー、勝率62%
FIDE レイティング変動 2340 → 2361


今年の国内戦績は勝率85%を切ってしまいましたね。逆に海外大会での勝率は上がっていますが、これはチェコの10勝が大きいでしょう。全体を通して、まずまずといった具合です。ベストゲームを選ぶのは難しいですが、チェコでの宿敵、カザフスタンのAbdulmalik にリベンジした試合でしょうかね。

Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumalik, Z (WGM, KAZ, 2311)
Pilsen Open (4)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. g3 d5 4. d4 Bb4+ 5. Bd2 Be7 6. Bg2 c6 7. Qc2 O-O 8. O-O b6 9. Rd1 Nbd7 10. Bf4 Bb7 11. Ne5 Nxe5 12. Bxe5 Rc8 13. Nc3 dxc4 14. e4 Nd7 15. Bf4 b5 16. a4 b4 17. Nb1 Ba6 18. Nd2 c5 19. d5 exd5 20. exd5 Bf6 21. Ne4!


21... Bd4 22. Nd6 Ra8 23. Nf5 Qf6 24. d6 b3 25. Ne7+ Kh8 26. Qe2 Rab8 27. Nd5 Qg6 28. Nc7 Bb7 29. Bxb7 Rxb7 30. Rac1 Qf6 31. Rxc4 g5 32. Be3 Ne5 33. Rxc5 Bxc5 34. Bxc5 Nf3+ 35. Kg2 g4 36. Qe7 Kg7 37. d7 Rbb8 38. Qxf6+ Kxf6 39. Bxf8 1-0


内容以上に、トーナメントの流れの上で勝てたことが大変嬉しく、非常に思い出深いゲームでした。彼女とは互いにIM になって、どこかアジアの大会で再会したいですね。

そしてこちらのブログですが、先日総アクセス数が40万を超えました。後半の遠征中も、12月13日に帰国してからも、「いつもブログ見ています」と声をかけられることが多く、読者の皆さんには大変感謝しています。2014年も、Shinya Kojima をよろしくお願い致します。

2013/12/11

2013年後半の遠征を振り返って

スペインバルセロナから2回目の更新です。無事に家に帰るまでが遠征ですが、一応試合はすべて終了しているので、今回の遠征を通して改めて感じたことや、今後のことについて、いくつか書き出してみようと思います。ちょっと長くなりそうなので、あまり興味のない人は適当に読み飛ばしてください(笑)

(1) 3つ目のIM ノームについて


今回の3か月に渡る遠征の最大の目標は、何といっても2月までの遠征で取り損ねた、3つ目のIMノームの獲得でした。すでにこちらのブログでは経緯を説明していますが、10月のFirst Saturday の最終戦で敗れたことで、一度はこの大会でのノーム獲得は無理だと思われました。しかし、ハンガリーチェス連盟の協力もあり、11月のFIDE Congress で、9R までの戦績でのノームが認められることとなり、私としては大変嬉しかったです。日本人として初めてのIM Elect になれたことは、今回の遠征の最低限のハードルクリアと言えるでしょう。今回の遠征中、たくさんの応援メッセージを送ってくださった皆さん、そしてノーム獲得が決まった11月半ばに、お祝いのメッセージを送ってくださった皆さんには、改めてこの場で感謝の言葉をお送りしたいと思います。

(2) レイティング2400到達について

こちらはノームを3つ揃えることよりも苦労しています。私が今、ノームを取れるような戦績で連続3大会をプレーできれば、レイティングは2400に到達するでしょう。しかし、良い時があれば悪い時もあるのが人間というもので、なかなかそう簡単にはいきません。実際、ノームを揃えてから2400到達までに、数年かかっているプレーヤーもいます。マヨルカの大会を終えても、私のレイティングは2350台でストップしており、残りの50弱を稼ぐにはもう少し時間が必要です。こちらは私にとって、来年クリアすべき次なる目標となるでしょう。こちらも、なるべく早くに達成したいですね。

(3) ノビサドのトーナメントについて

ノビサドの大会は初めてのセミクローズドで、IM セクションと言いながらGM がいたり、IM ノームの最低基準である平均レイティング2230を超えない可能性があったりと、なかなか怪しいシステムでした。それでも、ノビサド自体は良い街だったと思いますし、宿や値段も納得できるレベルでした。オーガナイザーのGM Sinisa も親切で良い人でしたね。今後、日本からわざわざセルビアに飛ぼうとはあまり思いませんが、ハンガリーを拠点にするのであれば、セルビアの大会は気楽に足を伸ばしやすいと思います。

(4) アグリジェントのトーナメントについて


シチリア、アグリジェントの大会は3泊4日で7R という弾丸日程でしたが、ヨーロッパの代表クラスであるGM 2人と対戦できたのは良い経験でした。(結果もついてくれば、なお良かったのですが...) そして、この大会を調べていて気づいたことですが、イタリアは意外と賞金付きのオープン大会が多く、その一部はFIDE の大会HP に掲載されていません。(ここ重要!) イタリアの大会を探すためには、こちらのHP をチェックするのが良いでしょう。

そしてもう1つ、重要なことです。イタリアで開催されている各大会の賞金額は様々ですが、おそらく優勝賞金が500ユーロを超えると、GM が参加するようになります。GM は(基本的には)チェスのプロであるため、賞金を稼ぐためにオープン大会に参加します。GM は一般的に参加費がタダですが、500ユーロ未満の優勝賞金であるならば、割に合わないと考えるGM が多いのではないでしょうか。もちろん、場所による交通費やスケジュールも関係してくるので、厳密には言い切れないですが、割と良い線をついている気がします。この辺りのことは、アメリカの大会事情に詳しい上杉くんにも聞いてみたいですね。とにかく、これから海外大会のレベルを予想する際は、優勝賞金をチェックすることは必須にしようと思っています。

(5) チェコのトーナメントについて


ブルノ、ピルゼンでの15日間、16試合は、私のこれまでの人生において最長のFIDE 公式戦連続記録でした。私の他には、カザフスタンのWIM Abdulmalik、ウクライナのIM Piankov、ロシアのGolcman らも2つのトーナメントに連続で参加しており、これはスケジュールを組んでいるオーガナイザー側の意図通りと言えるでしょう。多くの試合をまとめてこなしたいプレーヤーにとって、こうしたオーガナイザー同士が連携したトーナメントというのは、大変ありがたいものです。

さらに、これらの大会の良い点として次に挙げられるのは、参加費が安いことです。私はホテルではなくホステルに泊まったため、1大会の参加費と宿泊費は75ユーロずつほどでした。私がこれまで参加してきた大会の中でもダントツの最安値ですし、なかなかこれを下回るオープン大会を探すのは難しいと思います。ちなみにIM タイトルを獲得すれば、参加費はタダになるので、さらに安くなります。

その代り、優勝賞金はイタリアより下がり、9R のブルノで40000円程となります。シチリアのアグリジェントよりも、列車やバスが利用できるブルノ、ピルゼンのほうが交通の便は良いはずなのに、GM が参加しなかった理由がこれでしょう。GM との試合を求めるならば、こうした優勝賞金の低い大会は避け、チェコでももっと大規模な、プラハオープンなどに目をつけると良いかと思います。

(6) マヨルカのトーナメントについて


マヨルカは再びIM ノームを目指すクローズドトーナメントでしたが、ノームを目指さなくても良いということで、のびのび指すことができたような気がします。これまで公開していませんでしたが、この大会の参加費は6泊7日、朝食と夕食が付いて合計350ユーロです。私はさらにノームを達成していると理由で、50ユーロ値切り、300ユーロにしてもらいました。(ブリッツから参加したため、エキストラの2泊分をさらに払っていますが) この値段が安いか高いかの判断は人それぞれだと思いますが、マヨルカのビーチに面した四つ星ホテルが、宿泊場所+試合会場であることを考えれば、十分に安いと私は思います。おそらく、夏の観光シーズンを外しているために、実現可能な値段なのでしょう。観光客の多い真夏にこの値段であれば、完全に赤字である気がします... 値段と内容を考えれば、今後IM トーナメントを探す人には、是非お勧めしたい大会です。

そしてこの大会中、WIM Dave の母親から、現在私がいるバルセロナの夏のオープン大会は良いと勧められました。振り返れば、昨年の春に浜松の大会に参加した際も、対戦した秋山ヒメナさんから、スペインの大会は良いと言われていたのでした。スペインのオープン大会についてはまだしっかりと調べていませんが、イタリア、チェコと同様に、今後の長期遠征を考えて良い国であることは確信しています。

(7) ハンガリーを離れた理由について

ここは今日の記事でも一番大切なだと思うところです。私は3つ目のノームを達成したことで、ハンガリーのノームトーナメントにこだわる必要がなくなり、近隣の国の大会に足を運ぶようになりました。結果的にレイティングは大きく稼げませんでしたが、これは正解だったと思っています。

私がハンガリーの外に出た一番の理由は様々ですが、一番は私以外のプレーヤーも参加しやすい大会を発掘することにあります。(ノビサドとスペインはさておき) イタリア、チェコの大会はどちらも良いもので、今後、日本から団体での参加を検討する価値は十分にあるでしょう。私が経験してきた団体での海外オープン大会参加は、フランスのカペル、タイのバンコク(もしくはパタヤ)、マレーシアのクアラルンプールなどですが、ヨーロッパ方面で、もう少し数を増やしていくべきだと思っています。なんといっても、チェスはヨーロッパが本場ですからね! 私も昔は井上さん、馬場さんらに案内されて海外大会についていくだけの小僧でしたが、最近は後輩を引き連れて、こうした大会を周らなければいけない立場です。後輩たちに、勝手にここに行けというのは酷な話ですからね。そのためにも、どこのどういった大会が参加しやすいかを、自らチェックする必要があります。

最近は大学生たちの交流が盛んな割には、彼らだけで海外の大会にチャレンジしようという流れは、今のところあまり見えてないように思えます。(去年のマレーシアぐらいですかね) 私も情報の提供や、可能であれば自身の参加という形でサポートをしていくので、私よりも若い世代には、もっと積極的には海外のオープン大会に参加してほしいと思います。過去にカペルやマレーシアに参加した先輩方にも、どんどん話を聞いてみてください。チェスのレベルに関係なく、海外の大会に参加するということは、特別な経験になるはずです。

(8) 私の今後について

なんで12月中に帰ってくるの? といまだに聞かれることがありますが、これはブログにすでに書いた通り、ヨーロッパには180日中90日しか滞在してはいけないという、シェンゲン協定のためです。もう説明するのが面倒なので覚えてください(笑) これを厳密に守るならば、私は3月の半ば頃まで、ヨーロッパに戻ることはできません。南條くんからは、すぐアメリカにでも行けば? と言われましたが、いまのところそうする予定はありません。

13日の帰国後は、しばらくは日本でレッスンやレクチャーの日々に戻りつつ(依頼はいつでもどうぞ!)、次は3月末、チェコツアーの一環である、タイのLanta Open への参加を考えています。こちらはまた後日の記事で詳しく扱いますが、先に情報を知りたい方は、大会名から飛べるリンク先をチェックしてみてください。そして(7)と繋がりますが、やる気のある大学生たちと参加できれば面白いかなと考えています。もちろん社会人も歓迎ですよ!

ちょっと長くなりすぎましたが、ひとまず書きたいことは書き切りました。それでは皆さん、また12月13日以降、再び日本でよろしくお願い致します。ブログに書けない内容の裏話などは、また飲み会の席のお楽しみにということで(笑)

2013/11/13

Resulsts of Title Applications in Chennai


今日はイタリアローマ観光の記事をアップするつもりでしたが、予定を変更して、私のTitle Application の結果をお届けします。すでにお知らせしていた通り、11/06-10 に開催されていたチェンナイのFIDE President Board Meeting にて、私を含めたIM タイトル申請者の審査が行われていました。10日が過ぎるころには、レイティング2400を超えてIM タイトルを申請していたプレーヤーのページには、

FIDE Title Applications
Title International Master
FIDE PB / Congress 4th quarter PB 2013, Chennai, IND, 6-10 November 2013
Status YES

という表記が出て、審査をパスしたことが明らかに分かるようになっていました。しかし、私やFeher, Adam、Sukandar, Irine Kharisma ら、レイティングが2400 にまだ到達していないプレーヤーのページには、何も表記が出ておらず、イタリアにいる間も結果がどうなったかやきもきしていました。

数日たっても何も情報が得られないため、私はハンガリーのIA Orso Miklos さんに連絡を取り、何かFIDE から連絡が来ていないかを尋ねました。その回答は、「Title Application の審査結果は、プレーヤーが所属しているチェス連盟に送られる。ハンガリーのチェス連盟には、すでに審査に落ちたプレーヤーの連絡が来ているので、もし日本のチェス協会にこの連絡がまだなければ、審査をパスしている可能性が高いのではないか。」というものでした。私はなるほどと思いつつ、JCA にコンタクトを取ります。そして、その返信が昨晩遅くに私の下に届きました。前置きがずいぶん長くなりましたが、

私のTitle Application は認められました!


過去、ダブルランドロビンでの最終戦を除いた結果でのノームは、有効だと認められないこともあったそうなので、私は今回、ラッキーなのだと思います。10月のFS 最終戦、スウェーデンのWesterberg に敗れてから、ノームの有効性が確定するまでの4週間は、私にとって大変長い時間でした。これで私の立場は、日本のチェスプレーヤーとして初めての、IM Elect (正式な言葉ではないかもしれませんが、ノームを全て達成しながら、レイティングが基準に到達していないプレーヤーをこう呼ぶはずです。) となります。

日本では絶対に獲得できないIM ノーム獲得を目指して、初めてハンガリー遠征に来たのが昨年の5月。それから1年半、19回のノームトーナメントを経て、3つのノームを獲得したことになります。(こうして書くと、あっさりとノームを獲得して帰国していく中国の若者たちが憎たらしく思えてきますw) もう今後は、ノームトーナメントにこだわる必要はありません。すでに参加を決めているチェコの大会以降、来月からの予定は未定ですが、これからはレイティング2400到達を一番の目標に掲げてプレーしていくことになるでしょう。これまで応援してくださった皆さんに感謝するとともに、正式なIM タイトル獲得まで、もうしばらくお待ちいただければと思います。

2013/11/06

World Chess Championship - The Hottest Indian City, Chennai -


明日から世界チャンピオンを決めるマッチが始まります。 公式HP より

チェスの試合は今日も世界中の多くの場所で行われていますが、現在最も多くのプレーヤーの注目を集めている場所は、インドのチェンナイで間違いないでしょう。11/07-11/28 というスケジュールで、現世界チャンピオン、Viswanathan Anand (GM, IND, 2775) と、挑戦者のMagnus Carlsen (GM, NOR, 2870) の12回戦のマッチが開催されます。世間の注目は、現在23歳のCarlsen が世界チャンピオンの座を奪取するかどうか、というところでしょう。昨年のAnand - Gelfand のマッチも私としては面白かったと思いますが、世界ランキング1位のCarlsen が挑戦者ということで、今回はそれ以上に大きなマッチとなりそうです。ノルウェーにとんでもない天才が現れたと噂が流れてから10年余り、Carlsen はここまでのし上がってきました。これからマッチが終わるまでの2週間余り、世界のチェスプレーヤーの目がインドに向けられます。

FIDE Wold Chess Championship 2013 Official HP
Chessbase News

世間の下馬評は、今年も圧倒的な強さを見せるCarlsen に傾いているかもしれませんが、20歳年上のAnand には、Kramnik, Gelfand らを下してきた経験と、地元開催という強みがあります。昨晩はSean と結果予想などもしましたが、私の考えはこちらでは伏せておき、中立でマッチを静観しようと思います。

そして多くの人には関係がありませんが、このマッチと同様に私が注目しているのが、チェンナイで同時開催となるFIDE President Board Meeting です。この会議では、FIDE タイトルを申請しているプレーヤーがノームの有効性を審査され、タイトルが授与されるかどうかが決まります。現在、チェンナイのFIDE PB には、GM が6人、IM が17人申請を行っているようです。意外と多いですね。

Title Application for the 4th quarter PB 2013, Chennai, IND, 6-10 November 2013

IM タイトル申請者をぱらぱらと眺めると、皆さん、世界中の様々な大会で結果を残していることがわかります。そして、私やハンガリーのFeher Adam、インドネシアのSukandar, Irine Kharisma ら数人のプレーヤーは、ベストレイティングが2400にまだ到達していません。そのため、この申請が通ってもすぐにIM にはなれませんが、とりあえずノーム審査だけはパスしようということです。自分のことはもちろんですが、それと同様にこれまで切磋琢磨してきたライバルたちも、きちんとIM へのステップをクリアできることを願っています。(結構、結果がどうなるか緊張しています!)

2013/10/29

Serbian Night Arrival and Tournament Information


夜のノビサド駅

長い列車の旅を終え、セルビア北部の町、ノビサドに到着しました。今日からこの町で6日間、9R の変則形式トーナメントが開催されます。今大会の情報をについては、写真とともに長い昨日1日を振り返りながら、ご説明していこうと思います。


ノビサド行きの列車は、アンダンテから20分ほどのブダペスト東駅(Keleti) から、13時頃に出発します。前日にチケットを購入したので、当日慌てなくても大丈夫... と思っていた私が甘かったです(笑) プラハからブダペストへの到着便が遅れて、何番ホームに列車が止まるか分からず、さらには乗ってみてもどこの座席が自由席なのかわからず、オロオロするばかりです。何度か降りて乗ってを繰り返した末、ようやくこれで間違いないと確信し、列車が出たのは定刻から20分遅れのことでした。


こちらがブダペスト - ノビサドの往復チケットです。購入日から1ヶ月有効で、7380フォリント、24.6ユーロでした。長い長い6時間の列車の旅の中、車内での切符チェック、パスポートコントロールは問題なくパスできました。旅のお供の3冊の小説を読みながら、なるべく遅れずにノビサドにつくことを祈ります。


ノビサド駅に到着したのは、予定より50分遅れの午後8時近くです。オーガナイザーのSinisa とは7時半に近くにホテルで待ち合わせ! 30分ぐらいなら大丈夫だろうと思いながらも、若干不安なまま待ち合わせ場所に向かいました。列車は料金が安い分、ダイヤが乱れるという噂は本当でしたね...


GM Sinisa Drazic

オーガナイザーのGM Sinisa Drazic は、遅れた私をきちんと待っていてくれました! 合流してすぐに部屋に案内してもらい、荷物を置いた後は隣の部屋のIM Abolianinと、Sinisa の家に行くことに。そちらではセルビアの蒸留酒、ラキアによる乾杯とともに、色々な話をしてきました。2人は日本人がセルビアのトーナメントに来ることが珍しいかったため、私に質問攻めです(笑) (Abolianin は日本人と話すこと自体が初めてだと言っていました。) 写真はAnand が2000年にFIDE世界チャンピオンになる直前、彼と優勝争いをしたときトーナメントのトロフィーだそうです。

ここで一旦、昨日の流れを一時中断し、今日からノビサドで始まる、Memorijal "Milja Vujovic" について、形式を振り返っておきましょう。大会のエントリーリストは以下の通りで、このメンバーを8人4グループに分けて、7R ラウンドロビンからスタートです。ラウンドロビンが終わった後は、グループを解体して残り2試合をスイス式で行います。Sinisa によれば、4名はまだリストに入っていませんが、きちんと32名を集めているそうです。


私が所属するのは、最も平均レイティングが高い上のクラスで、Sinisa からは、メンバーは以下の通りだと事前に伝えられています。今月のFS に比べれば平均レイティングは多少落ちますが、それでも今まで経験してきたトーナメントの中で、レベルが高いほうであることは間違いありません。

Dobrov Vladimir 2528 , GM , Russia
Kostic Vladimir G 2436 , GM , Serbia
Stankovic Milos 2408 , Serbia
Sredojevic Ivan 2402 , FM , Serbia
Bodiroga Predrag 2387 , IM , Serbia
Kojima Shinya 2344 , FM , Japan
Dimitrijevic Aleksandra 2263 , WFM , Bosnia-Hercegovina
Rudakov Aleksandar 2262 , Russia
Average: 2378


これを見ると、懐かしい彼らの名前がありますね(笑) 彼らとブダペストで写真を撮ったのはつい1ヶ月前のことですが、10月は大変な試合も多かったので、すでに大昔のことのように思えます。Rudakov は10月の更新でレイティングを60 上げており、これから計算される9月分のCAISSA でも、+24 が確定しています。(私からの勝利が大きいことは言うまでもありません!)


Rudakov, Dobrov と、Polgar Chess Festival にて

そしてRudakov は、日曜日まで行われていた別の大会で、1つ目のIM ノームを獲得したとIM Abolianin から話を聞きました。宿に戻ってからChess Results で調べると、以下の大会を発見です。これを見るに、Rudakov はノーム獲得ばかりでなく、GM 2人を抑えて優勝じゃないですか... Rudakov は完全に2200台のプレーヤーではありませんね。GM Dobrov のコーチングの賜物でしょう。



ベルギーのIM Arthur Abolianin と

Sinisa の家を出た後は、近くのセルビアンレストランに連れて行ってもらいました。ここでも上に書いたようなRudakov の活躍の話や、私のコーチであるMisha の話、日本でのチェスの現状など、様々な話ができました。面白かったのは、ロシアのチェススクールにコーチングの勉強に行かないかという誘いです。そこではロシアのGM Bareev が講師を務め、正式なディプロマがゲットできるとのこと。Arthur はかつて、そこでチェスコーチとしての資格を得たそうです。私は目前のIM タイトル獲得で手一杯なので、すぐには考える余裕がないですが、将来的にはこうした場所で勉強して見るのも良いでしょうね。


セルビア風ケバブをいただきながら、マスターたちの話は続きます。Arthur はロシア人でありながら、結婚して現在はベルギーのブリュッセルに住んでいるとのこと。彼はMemorijal "Milja Vujovic" には参加せず、今日のバスでブダペストに渡り、そこから飛行機でベルギーに帰るそうです。そこで驚いたのは、バスでならばノビサドからブダペストまでたった2時間だということ! 今日は6時間かけてブダペストから来たと言うと「冗談だろう?」との反応でした。やはり多少高くても、バスを利用するのが常識なんですかね...

また話をトーナメントに戻しましょう。私が所属するグループはGM 2人、IM 1人を擁しているため、IM ノームに必要なマスター数の条件は満たしています。何ポイントでIM ノーム獲得になるかは8,9R の当たり次第ですが、おそらく3つ勝ち越し、6ポイントだと予想します。(Sinisa は5.5P でもいけるのではないかと言っていましたが)

とりあえず何ポイント取るにせよ、ここが2344 というレイティングで計算される最後の大会になります。レイティングは上がれば上がるほど、勝っても上がりにくく、また負けると下がりやすくなります。この大会のレイティング計算は12月頭に回されますが、そこでなるべく大きなプラスを得られるよう、そして3つか4つ目のノームを獲得し、今後ノームに頭を悩まされることがなくなるよう、頑張って好成績を収めていきたいと思います。初日は午後4時30集合なので、3時間後からのスタートとなります! (ハンガリーやセルビアでは、10月27日にサマータイムが終わり、日本との時差は8時間になっています。)

2013/10/18

FS 2013 October GM - The Third Norm Gainer? -


Photo by Miklos Szabo

昨日の夕方、First Saturday オーガナイザーのLaszlo Nagy 氏とIA のOrso Miklos 氏から、私の3つ目のノーム獲得に関するメールが届きました。昨晩にはFacebook でこれを報じ、すでに多くの反応をいただいていますが、現在私がどういった状況にあるか、今夜はブログ読者の皆さんにも詳しくご説明しようと思います。

まず一昨日の記事で書いた通り、私はFS の最終戦に敗れました。しかし、話題になったのは、私が9ラウンド終了時点で5ポイントを獲得し、2450を超えるパフォーマンスを得ている時点で、IM ノームが確定なのではないかということです。試合後にLaszlo 氏、Orso 氏と話をした結果、彼らがFIDE に交渉するということで、連絡待ち状態に入りました。

そして昨日届いたメールは、ハンガリーチェス連盟は私のIM ノーム獲得を認め、この申請をFIDE に提出したという、私にとって大変喜ばしいものでした。Laszlo 氏はすでに私が3つ目のノームを獲得したということで、FIDE の公式HPに記事を公開しています。

12 years old Havasi Gergo (HUN) a rising star at First Saturday Budapest tournament

ですが、まだ安心はできません! 私はOrso 氏とさらに連絡を取り、さらに詳しい状況確認を行いました。彼からの返信は長かったので、不必要な部分を削り、以下のように要約しておきます。なお、Facebook の投稿では、インドのチェンナイで私のIM ノームが受理されるかどうか決まると書きましたが、これはどうやら私の勘違いのようでした。すみません。

Orso 「私の意見としては、9R 終了時点でIM ノーム獲得を認めるべきであり、ハンガリーチェス連盟もこれに同意している。しかし、かつてFIDE はダブルラウンドロビンの場合はこれを認めないと、同じ条件でのノーム申請を拒否している。そのため、ノーム獲得についての保証はできない。以前、FIDE QC (おそらくノームの申請を受理する機関) の会長を務めていた人物は亡くなっており、ノーム受理の条件は変わっている可能性がある。(多少、私の意訳を入れています。) FIDE はノームの申請を1つ1つ個別にチェックするのではなく、全てIM タイトルの審査の際に、まとめてその有効性をチェックされる。

な、なるほどー。確かに私の1つ目、2つ目のIM ノームのページを見ても、The norms have been sent by the federations/organisers, but the norms have not yet been checked, they may not be valid. と記されています。ノームを獲得したつもりでも、それが有効かどうかすぐにはわからないというのは怖いですね。

IM Norms Shinya Kojima

さらにOrso 氏からのメールで、かつて私とCAISSA GM Section で戦ったCsonka も、かつてダブルラウンドロビンで5/9 という戦績を獲得し、IM ノーム申請をしたにも関わらず、FIDE に断られていることを知りました。彼が昨年の12月、私のドローオファーを蹴って勝負しようと考えたのは、そういう経緯もあったのですね。少し納得です。(5/9 で申請したということは、最終戦で敗れたのでしょう。)

今回、私のIM ノーム申請をハンガリーチェス連盟がFIDE に提出した裏には、FIDE QC のトップが変わったことで、状況が変化していてほしいという彼らの希望も含まれているのでしょう。こうして書くと、申請が受理される可能性は低そうにも見えてしまいますが、ひとまずハンガリーチェス連盟が申請を出したということは、私の3つ目のIM ノーム獲得への大きな前進です。しかし、FIDE がこれを受理するかは、私がレイティングを2400 に到達させ、IM タイトルの申請を行うまで分かりません。すでにお祝いのメッセージもいただいていますが、これはもう少し待ってください(笑) これから始まる別のトーナメントで、文句なしのIM ノーム獲得戦績を収められたとき、もしくは私のIM タイトル申請が受理されたとき、初めてお祝いとしましょう!

2013/10/16

FS 2013 October GM 10th round - The Second Norm Gainer And ? -


Photo by Geka

長い10R ダブルラウンドロビンのGM Section が、昨日終了しました。色々なやり取りがあった1日でしたので、試合前の話からお伝えしていこうと思います。前半は、すでにFacebook では告知済みの内容です。

私が会場にで試合開始を待っていると、インドネシアのSean も到着し、私に握手とノーム獲得のお祝いの言葉をくれました。私がまだ今日の最終戦でドローを取らないといけないんだと返したところ、5ポイント/9ラウンドであれば、すでにパフォーマンスは十分なのではないかと予想していなかった言葉が! 確かに大会途中であっても、ノーム獲得の最低試合数である9R 終了時点で、パフォーマンスが2450 を超えていれば、10R 以降の戦績が振るわなくともノームは達成となるのが一般的です。私もすっかりと忘れていました。


写真にある通り、9R 終了時点でのパフォーマンスは2474ですので、IM ノームの基準である2450 を超えています。それでは10R の結果にかかわらず、私はすでにノームを達成済みなのかと確認をしたところ、IA のOrso Miklos 氏は首を横に振りました。

彼の説明では、スイス形式やラウンドロビン形式では、10R 以上の場合、9R 終了時点でパフォーマンスが2450 を超えていれば(他にも細かい条件はありますが、ここでは割愛します)、ノーム獲得となるが、ダブルラウンドロビンの形式は例外だとのことです。私はイマイチ納得できませんでしたが、もともと試合をするつもりで会場に来たので、予定通り、Westerberg との対戦に向かいます。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)
First Saturday 2013 October GM (10)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. Qc2!?



昨年5月にハンガリーに渡ってから、メインのNimzo-Indian を受けてきましたが、数年ぶりにこのラインを復活させます。Kramnik らが得意としたNimzo-English の変化は、複雑なラインが少なく、負けるリスクが少ないと判断したためです。

4... c5!?


4... 0-0 5. a3 Bxc3 6. Qxc3 b6 というメインラインに比べれば指される頻度は落ちますが、こちらも見かける手です。

5. g3 O-O 6. Bg2 Nc6 7. O-O d6 8. d3 h6 9. a3 Bxc3 10. Qxc3 e5



黒はビショップとナイトを交換しましたが、センターに多くポーンを置き、ピースの展開でも優っています。ここからは、白がどのようにダブルビショップを生かせる局面に導くかが、ゲームのポイントとなりそうです。

11. e3


ここは素直にクイーンサイドを伸ばしておくべきでした。11. b4! Nd4 12. Re1 Bg4!? 13. bxc5! Bxf3 14. Bxf3 dxc5 15. Bg2+/= 確かにこのように進めば、d4 に侵入されたナイトをさほど気にする必要あないでしょう。少しセンターのマスに気を遣いすぎました。

11... a5 12. b3 Be6 13. Bb2 Re8 14. Rfe1 Qd7 15. d4!?



ゆっくり指すならば、15. Nd2 がありえそうですが、私はここで黒マスビショップの利きをこじ開けに行くべきだと判断しました。

15... Bh3 16. d5?!


ビショップをキープするプランは少し危険なため、1組のビショップを交換しても、クイーンサイドのブレイク(b3-b4)と、キングサイドのブレイク(f2-f4) のチャンスを両方持つ白が優勢だと判断いましたが、これが大きな間違いでした。16. Bh1 e4 17. Nd2 Bf5=

16... Bxg2 17. Kxg2 e4!



どうしてこのシンプルな手が見えていなかったのか。黒はナイトを逃すのではなく、白のナイトをアタックし返しつつ、e5 にマスを作ることでチャンスを掴みます。

18. dxc6?!


この手はキングをセンターにとどめなければいけないため、リスクが大きいことは承知していました。しかし、18. Nd2 Ne5 19. Qc2 Qf5 20. Rf1 b6-/+ と進めば黒のイニシアチブは明らかであり、どうしてもこのポジションを持つ決断が下せませんでした。

18... exf3+ 19. Kxf3 Qxc6+ 20. Ke2 d5!



地味ですが、深い一手だと思います。d6,d5 の弱点を消しておくと同時に、クイーンを5段目で振れるようにします。

21. cxd5 Qxd5 22. Kf1!? Qh1+ 23. Ke2 Qd5 24. Kf1


やはり白はこの手を繰り返します。24. f3?1 Qf5! 25. Qc4 b5-+

24... Qh1+ 25. Ke2 Qxh2! 26. Rh1 Qg2 27. Rag1!?



私はh2 のポーンを取らせ、キングサイドを突破するプランに逆転の望みをかけました。自然に見えるh6 のポーンを取る変化は、すぐに黒勝ちとなります。27. Rxh6? Ra6! (27... Qxf2+?! 28. Kxf2 Ne4+ 29. Kf3 Nxc3 30. Rh4 Nd5 31. Rah1 f6 32. e4 Ne7-/+) 28. Rh4 Rae6-/+ 黒はダイナミックにルークを振り、e3 取りをスレットにすることで勝ちを決定づけます。ここでも、d6-d5 から6段目を空けたことが生きています。

27... Qc6 28. g4 Re6!


f6 をルークの横利きで守るのは自然な一手で、私も読みの範疇でした。しかし、それでも私はまだ白がいけると判断していました。

29. g5 hxg5 30. Rh3



恥を承知で書きますが、私はここでドローオファーしました。それはドローになったら良いなという希望的観測ではなく、g,h のオープンファイルは黒にとって非常に危険で、ポーンの代償を伴って十分に勝負できていると考えた為です。正直、白の勝ちまであるんのではないかと思っていました。(だったらオファーせずに、勝負するべきなのですが...) 今振り返れば、冷静ではないですね。

30... Rd8 31. Rxg5?!


ルークをhファイルに重ねても白の攻めは届かず、ならばg7 に圧力をかけるほうが良いだろうと考えたのが、最終的な判断ミスでした。31. Rgh1! Kf8 32. Rh8+ Ke7 33. Rxd8 Kxd8 34. Qxa5+ (試合中、aポーンが浮いていることは全く気付いていませんでした。どうかしています。) 34... Ke7 35. Rd1 Rd6-/+ 黒良しであることは疑いようがないですが、黒はダブルポーンですし、これならばまだ白もゲームを続けられそうです。

31... Red6!-+



最悪、ダブルルーク vs クイーンにしても問題ないと思い、この手はあまり深く考えていませんでした。(時間切迫だったこともありますが) しかし、c5 を無視してこうして指されてみると、全く白にうまい受けがないことがわかります。クイーンを捨て、d2 にキングが行った瞬間に、Nf6-Ne4 のナイトフォーク、Qc6-Qd7 のダブルアタックが、両方スレットとして存在するのがポイントです。

32. e4


32. Rh4 Rd2+ 33. Qxd2 Rxd2+ 34. Kxd2 Ne4+ 35. Rxe4 Qxe4 36. Rxg7+ Kf8-+ この変化でチャンスがないようであれば、他もすべてダメでしょう。

32... Rd2+ 33. Kf1 Rxf2+ 34. Kxf2 Nxe4+ 35. Kg1 Rd1+ 36. Kh2 Nxc3 37. Bxc3 Qh1+ 0-1



完全に最後は蛇足でしたが、一応続けてみました。この試合の結果を受け、スウェーデンのWesterberg は2つ目のIM ノームを獲得。今年中にもう一度良い結果を残せば、IM タイトルを取るでしょう。この試合は完全に私の力負けでした。

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526) 1/2-1/2
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404) 0-1

FS 2013 October GM Final Results

試合後には、やはり私の9R 終了時でのIM ノーム獲得が認められるのか、IA のOrso Miklos 氏と、オーガナイザーのLaszlo Nagy 氏に確認をしに行きました。結論として、彼らからFIDE と交渉をするので、連絡を待っていてほしいとのことです。私は彼らの厚意をありがたく受け取り、過度な期待はせずに3日間の休みに入ろうと思います。結論はすぐに出るでしょう。

しかし、この記事を書きながら考え直すと、2つ目のノームを獲得した昨年12月も、ダブルラウンドロビンの10R で、9R 終了時点のパフォーマンスは2450 を超えていました。もしあの大会でも、すでに9R 終了時点でノーム達成だったのであれば、クリスマスイブ前日のあのCsonka との激闘はなんだったのか、ということになります。やはりダブルラウンドロビンでは、途中でのノーム達成は認められないような気がしますね。いずれにせよ、次のCAISSA でも頑張って勝ち星を積み重ねたいと思います。

少しポジティブな話もしておきましょう。今大会、レイティングだけを見れば+17 と久々に大幅上昇です。実はこの数字は、先月のFS とCAISSA で落とした合計でもあるのですが(笑) IM になるためには、2400 にレイティングを載せる必要がありますので、韓国以来落としてきた数字を、少しずつでも戻していければと思います。


そして昨日の昼には、中高の同級生が1人、ブダペストまで遊びに来てくれたので、試合後は彼とハンガリー料理を楽しんできました。これから私がケチケメートに向かうまでの3日間は、彼とブダペストでゆっくり遊ぼうと思います。(もちろん、時間を見て研究もしますよw) その間も記事は更新しますので、引き続きこちらのブログのチェックもよろしくお願いします!

2013/09/04

FS 2013 September Tournament Information


今夜が日本から最後の更新です。私は明日の昼に成田を発ち、モスクワ経由でハンガリーに戻ります。試合は7日の土曜日スタートで、オーガナイザーからはすでにIM クラスに出場を決めているプレーヤーの情報が送られてきています。

1 KOJIMA, Shinya FM 2357 JPN
2 SEAN, Winshand Cuhendi 2338 INA (1997)
3 SZEBERÉNYI, Ádám IM 2320 HUN
4 PRIBYL, Jozef IM 2314 CZE
5 BLAZEKA, Matej FM 2312 CRO (1995)
6 VERSTRAETEN, Rein 2298 BEL (1995)
7 MOELDNER, Juergen 2273 GER
8 SZALÁNCZY, Emil IM 2261 HUN
9 FAYARD, Alain FM 2259 FRA
10 FARAGÓ, Sándor IM 2254 HUN
11 BALINT, Vilmos 2243 HUN
12 LYELL, Mark FM 2220 ENG

Average: 2287.417


自分を抜いてもレイティング平均は2280で、IM トーナメントとしてはそこそこのレベルの高さです。(最低は2230) 11R のラウンドロビンで、IM ノームを獲得できるポイントは5つ勝ち越しの8ポイントです。5勝6ドロー、8勝3敗といった戦績であれば、ノーム獲得となります。レイティングは私がトップですので、当然優勝を目指しつつ、この5つ勝ち越しのハードルを越えなければいけません。

今大会、5つ勝ち越しの最大の障害になりそうなのは、各国から集まるユースプレーヤーの存在でしょう。カッコ内に赤字で書いた数字は彼らの生まれ年で、それぞれインドネシア、クロアチア、ベルギーのNo.1、No.2 を争うようなユースプレーヤーたちです。その中でも、私の次にレイティングの高いインドネシアのSean は、8月のFirst Saturday で自身初のIM ノームを獲得しており、昨年頭には惇多くんを破っている実力者です。昨年もハンガリーでは多くの強豪ユースと試合をしましたが、Liu Guanchu クラスのプレーヤーだと覚悟して、試合に臨むつもりです。

ところで、先週土曜日の壮行会後も、多くの人から応援のメッセージを頂いています。皆さん、ありがとうございます!Facebook にはすでに書いたことですが、IM タイトルの獲得を目指すのは結局のところ、自分自身のためです。しかし多くのチェス関係者や友人と話をして、もはや自分1人の問題でもないことも自覚しています。自分がIM を獲得することで自分自身に、また日本のチェスにどういった変化が訪れるかはまだわかりませんが、今は目の前の目標に精一杯向かっていこうと思います。それでは日本の皆さん、次はブダペストからの更新をお楽しみに!



2013/09/01

FIDE Rating on September 2013


今日は書きたいことが多いので、さっくりといくつかの話題をお届けします。メインはFIDE Rating 更新について。

9月1日付けでFIDE Rating が更新され、日本では8月のJapan League の結果が反映されました。Japan League 優勝組の私が+1、南條くんが+7、そしてアメリカのトーナメントに数年ぶりに復帰した上杉くんが、+8 で2300台に戻すなど、この辺りの上位陣は順当です。しかしそれ以上に私の目を引いたのは、新規レイティング獲得者です。

Mitsuya Naoto 2040
Takada Yuichiro 1875
Taga Hiroto 1847
Hiebert Kenji 1769
Hashimoto Azumi 1718
Takayasu Nobuyuki 1641


新規レイティング獲得者はこの6名です。(漏れている人が居たら申し訳ない!)三ツ矢さんは国内レイティングに引き続き、FIDE も2000という数字がつき、順当な出だしといえるでしょう。全日本の結果を受け、来年のノルウェーオリンピアードへの参加権利が降りてくる可能性もありえますので、その場合は両方とも2100到達を目指してほしいと思います。

今年、全日本初参加の多賀くんもレイティング獲得は早かったですね。彼の実力ならば、国内も1800をすぐ超えるでしょう。全日本、Japan League の両大会で、池田くんと対戦していることも、良い経験になっているのではないでしょうか。ジュニアからはヒーバートケンジくんが登場。今年12月にはWorld Youth U14 Section に参加することが確定しているので、そこでもレイティングを伸ばしてもらいたいと思います。

そして橋本さんは、日本の女子プレーヤーとして久々のレイティング獲得者です。全日本には参加していませんが、カペル、Japan League に参加してレイティング保持者からポイントを取っているので、ここでのレイティング確定はなんら不思議ではありません。女子選手権のプレーを見ても実力は上がっていると思うので、ノルウェーまでにどこまで力をつけるか、楽しみにしています。その他の日本籍のプレーヤーのレイティング変動は、以下のサイトからチェックできます。

Japanese FIDE Rating List


そして昨日、8月31日は六本木、池上、池袋を移動する忙しない1日でした。まずは朝から六本木のニコファーレに、将棋の電王戦タッグマッチトーナメントの観戦に向かいます。メンバーは私以外に、日本女子の代表である長谷川さん、ロンドンで森内さんとも縁があった大山親子たちです。

夕方からは池上でレクチャーがあったため、きちんと観戦できたのは初戦の、佐藤&ポナンザペア vs. 阿部&習甦ペアの対戦のみでした。それでも、プロ同士の時間切迫での両者入玉の将棋は、非常に見ていて面白かったです。対局後には初戦で解説役を務めた森内名人ともお話が出来ましたし、足を運んだ甲斐は十分にありました! そして昼食後は駆け足で池上へ。


Photo by Hasegawa

ハンガリー遠征前最後のレクチャーでは、パスポーンをテーマに扱いました。基礎的な部分の説明も多かったですが、そこからどう応用して手を作れるかといったポイントは、皆さんがあまり意識してこなかったのではないかと思います。

4月から数回のレクチャーと比べても、自分なりには満足な出来で、これまでで最多の参加人数であったことも大変嬉しく思っています。参加してくださった皆さん、ありがとうございました! また私が帰国後にするであろうレクチャーもお楽しみに。


Photo by Yamada

長い1日の締めくくりは、池袋での私の壮行会でした。2日前に誕生日だった尚広くんのお祝いとともに、10数名のチェスプレーヤーから激励の言葉を頂き、感激です! 幹事の吉村先輩他、わざわざ池袋に足を運んでくださった皆さんに感謝します。今度こそ、IM になるまで帰ってこなくて良いそうなので、向こうでしっかり頑張ろうと思います(笑) 私のハンガリー再出発まで、残すところあと4日です!

2013/08/22

Looking for the IM norm


8月も終わりに近づき、いよいよ私のハンガリーへの出発まで、ちょうど2週間となりました。(こうして書いている自分が一番ビックリ!)今年の2月に取り損ねた最後のIM ノームを獲得しに、ブダペストとケチケメートのIM トーナメントに、9月から再チャレンジです。ここで非常に今更感がありますが、IM というタイトルとIM ノームについて、何度目かわかりませんが確認をしておきます。

IM について


・ FIDE が定めるチェスプレーヤーのタイトルで、International Master の略
・ 取得条件1つ目は、Live Rating を2400 に乗せること(自分は現在2356で、あと44上げる必要あり)
・ 取得条件2つ目は、IM ノームを3つ獲得すること
(厳密には違いますが、細かく説明すると難しいので、ここでは分かりやすくこう書いておきます)
・ 日本人でのIM タイトル取得者は、まだ誰もいない

IM ノームについて


・ 獲得条件は、一定数以上の国籍のプレーヤー、およびIM (もしくはGM)と試合をし、2450 を超えるパフォーマンスを記録すること
・ これまで日本人では、私と池田惇多くんが2つ、羽生さんが1つ獲得している   

レイティングだけならば、日本でプレーしていても2400 に到達する可能性はありますが、IM ノームを獲得するためには、IM のいる国に行かなければなりません。昨年から今年の頭にかけて9か月を過ごし、2つのノームを獲得したハンガリーは、もはや私のもう1つのホームグラウンドと呼んで差支えないでしょう。向こうにいる友人たちとの再会も楽しみにしています。

そして以下のHP では、これまで私が獲得したIM ノームの記録が確認できます。実はつい先ほどまで、なぜか私が昨年10月に獲得した1つ目のIM ノームの記載がありませんでした。私もずっと気づいていながら放置していましたが、ハンガリーに戻ってから実は1つ目のノームが無効だったなどという事態にならぬよう、昨夜ハンガリーのオーガナイザーに連絡を取り、こちらに記載するよう対応してもらいました。その迅速な対応により、私のIM ノーム獲得数は間違いなく2つだと、FIDE のHP で確認ができるようになっています。

IM ノーム獲得記録

緑のpic ボタンをクリックすると、各大会での戦績も見ることができ、ノームを獲得した2大会を昨日のことのように思い出します。1つ目のIM ノームは昨年10月にハンガリーに戻ってすぐの獲得だったため、今回も9月のFirst Saturday でと期待してくれている方も多いかと思います。しかし、現地に行って大会が始まってみなければ、結果はわかりません。もちろん最初から本気でプレーしてきますので、今後とも応援をよろしくお願い致します。

2013/01/13

2013 Australian Open Vol.3 - The Second IM Norm -


今日は2本の記事を更新します。まずは先日から伝えていた、オーストラリアの大会についてです。

真夏のオーストラリアでは今日、2013 Australian Open が終了しました。本人がfacebook で伝えたところによれば、池田くんは9R でIM Brown Andrew を下し、自身2つ目のIM ノームを獲得しました。今後はますます、私とのIM タイトル獲得争いが白熱しそうです!彼はオーストラリア籍のプレーヤーですが、両親ともに日本人です。日本人として初のIM にどちらが先になるか、レースはいよいよ終盤を迎えます。

9R のIkeda - Brown 戦は大変面白いゲームだったのですが、ライブでは過去のゲームが見られなくなってしまうので、またpgn が手に入り次第、そちらも公開しようと思います。今日のところは、惇多くん、おめでとう!!!

2013 Australian Open Final Standings

2012/12/25

The Second IM Norm


クリスマスイブのブダペストは、人通りが少なくとても静かです。

昨日の記事でもお伝えした通り、自身2つ目となるIM ノームを獲得しました。IM になるためには、3つのIM ノームが必要であるため(厳密には少し違うのですが)、必要なノームはあと1つです。昨日の午前中には、ブダペストのアンダンテに戻り、様々な人に祝福されて、自分の中でも喜びがふつふつと湧き上がってきました。今月はレイティングも+33 と大幅に伸ばし、CAISSA の報告が遅れなければ、来月のトーナメント前には、2373 というベストレイティングが付きます!

実を言えば、自分のチェスが2400のレベルに近づきつつあるという事実に、あまり実感はありません。しかし、今回のGM トーナメントで、2400台のプレーヤー達とイーブンの戦績を残し(少し短手数ドローが多かったですが...)、ロンドンでも2300未満を全員退けたということは、実際にそうなのでしょう。この休みの間に自分の試合を丁寧に振り返れば、自分の成長具合も見えてくるかもしれません。

なにはともあれ、ここまできた以上、残りのブダペスト滞在2ヵ月~3ヶ月で、最後のノーム獲得とレイティング2400到達を目指し、日本人最初のIM になろうと強く思います。日本のチェスファンの皆さんには、私が一層頑張れるよう、ご声援を送っていただければ幸いです。今後ともよろしくお願い致します。


さて、堅い話はこれぐらいにし(笑)、昨日のクリスマスパーティの様子を少しだけお伝えします。昨夜はブダペスト在住の女性陣による手料理の数々に加え、奥山さんからの寿司の舟盛りが振舞われ、アンダンテは大盛況でした。昨年、ラスベガスで迎えたクリスマスも良かったですが、今年のようなパーティーは久々だったので、とても楽しかったです。また来年以降も、クリスマスはアンダンテに戻ってこようと思うような、賑やかで思い出深いひと時でした。


こちらはロシア留学中の女性による、ロシアの名物料理、ボルシチです。本で読んだことはありましたが、実際に口にしたのは初めてです。素晴らしい味でした!


2つ目のIM ノーム祝いとしていただいたのでは、このチェスチョコレート!チョコがチェスの駒の型をしており、プレーしながら、相手の取った駒を食べるというパーティーグッズです。こちらも話には聞いていましたが、実際に目にするのは初めてでした。ロシアではチョコの代わりにウォッカの入ったグラスを使い、駒を取るたびに一杯飲まされるそうな(笑)

日本のチェス界ではクリスマスオープンが終わり、今年最後の公式戦、学生選手権が明後日から開催されますね。過去最大規模の参加人数になりそうなので、学生の皆さんは是非交流を楽しみ、そのうえで試合を頑張っていただきたいと思います。
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