2012/09/30

Almira Skripchenko Simul at Sophia University


今日は四ツ谷の上智大学にて、WGM Almira Skripchenko さんによる同時対局が行われました。参加者は直前に一気に増え、28名です。30名近い同時対局というのは、棋力に大きな差があってもかなり大変なものでしょう。


序盤は28面をハイスピードで駆け抜けます。


すぐ目についたのは小林くんの試合。早々に良さそうな局面を築きました。


昨年の新人王、馬屋原くんもエクスチェンジダウンながら粘ります。


大塚さんはすごい終盤でしたが、試合数が減り、Almira さんの周るスピードが早くなっても、正確に指し続けていました。


三阪さんが最後まで残り、Almira さんも椅子を出して、最終決着へと向かいます。

28試合を終え、結果はAlmira さんの17勝5敗6ドローでした。Almira さんとしては、もう少し負けを抑えたかったのではないでしょうか。日本勢で勝ち星を挙げたのは、篠田くん、針谷くん、小林くん、大塚さん、そして大逆転の馬屋原くんでした。皆さん、おめでとうございます!私が考えるベストゲームは、針谷くんのKIA の試合で、棋譜が手に入れば是非公開したいと思います。

そして注目すべきは、勝ったメンバーだけではありません。6人のドロー獲得者の中には、東大の稲垣くんや、上智の松本くんらが入っています。彼らもチェス歴はさほど長くないはずですが、しっかりとした指し回しでドローをもぎ取っていました。きちんとトレーニングをしている成果が、表れているのではないでしょうか。


閉会前の質問コーナーでは、なかなか重い手が上がらないようでしたので、参加者ではない私が先陣を切りました(笑)ずばり質問は「明日の意気込みは?」です。Almira さんの回答は、「羽生さんはタクティクスが強いようなので、その点に十分気をつけたい。そして昨日まで京都、奈良を回っていたが、今日上智大学に来て指せたことが良いウォーミングアップになった。明日勝てたら、それは皆さんのおかげです」とのこと。なかなかうまいお言葉をいただきました。今日会場に来た皆さんは、羽生さんではなくAlmira さんを応援するようになるかもしれませんね!

今日はAlmira さん、参加者の皆さん、運営の馬場さん、太田くん、お疲れさまでした!なかなか良い同時対局イベントだったと思います。明日のヒカリエでのイベントも無事に終え、Almira さんには日本に来て本当に良かったと思ってもらえるようにしましょう!

2012/09/27

Check Mate at Tokyo 2012 - Skripchenko vs. Habu -


すでにチェス界の皆さんはご存じだと思いますが、9月30日(日)に渋谷のヒカリエにて、フランス女子チャンピオンのAlmira Skripchenko さんと、プロ将棋棋士の羽生善治さんが、白黒交代で計2試合のラピッドマッチを行います。先週土曜のスカイツリーに続くこちらのビッグイベントは、日本のチェス関連イベントとしては初めて、スカパー!にてテレビ生中継です!「プロとして、しっかり準備したうえで戦いに臨む」と宣言したAlmira さんが、どのような指し回しを見せてくれるのか、とても楽しみにしています。

Check Mate at Tokyo

囲碁・将棋チャンネル 番組紹介


会場への入場、観戦も無料だそうなので、当日はヒカリエ、もしくはテレビの前でイベントをお楽しみください。私は解説役で少し登場するかもしれませんが、まだ確定ではないようです。いずれにせよ、イベント開始時からヒカリエにいることは間違いないので、会場にお越しの皆さんは、一緒にイベントを楽しみましょう!開場は正午、中継開始は13時の予定です。

2012/09/25

IM Skripchenko vs. Japan


対局中のAlmira Skripchenkoさん(wikipedia より)

Behind の記事とかぶりますが、こちらでもイベントの宣伝をさせてもらいます。今週土曜日に四谷の上智大学にて、フランス女子チャンピオンのAlmira Skripchenko さんが同時対局を行います。Almira さんはGM Marie Sebag に次ぎ、フランスでNo.2 の実力を持つ女子プレーヤーであり、ベストレイティングは2498、ヨーロッパ女子チャンピオンにも輝いたことのある実力の持ち主です。

土曜日の同時対局イベントは馬場さんが主導で企画を行っており、まだ席に余裕はあるという話です。今年は海外から複数のプロチェスプレーヤー来日し、多くのイベントをこなしていますが、女性プレーヤー(しかも美人の!)の来日は久々ですし、非常に珍しいことです。イベントまでの日数は残り少ないですが、まだ同時対局にお申し込みでない方は、是非参加を検討してみてください。

ちなみに、ギリギリ直前にまだ席に余裕があれば、私も参加することにします。参加するにせよ、しないにせよ、当日は会場に必ず顔を出すようにします。

申し込みは私への連絡でもOKですが、一応、主催者の馬場さんにお願いします。同時対局のスケジュールなど、イベント詳細はBehind the Scene 内の記事をご参照ください。それでは皆さん、土曜日はイベントを楽しみましょう!

Almira Scripchenko 同時対局案内

2012/09/23

Check Mate at Skytree - Dominant Play by French Champion -


今日はフランスチャンピオン、Vachier-Lagrave 氏と、羽生さん森内さんの同時対局イベントを見るために、東京の新名所、スカイツリーへ。300人入れる会場は試合開始前から混雑しており、チェス、将棋、どうぶつしょうぎの体験スペースのいずれも、訪れたお客さんで賑わっていました。


TUCC や朝霞チェスクラブのメンバーが、スタッフとしてチェスの指導を行っていました。

オープニングは開始予定時刻の13時を少し回った頃からスタート。何名かの挨拶の後、いよいよVachier-Lagrave 氏による同時対局が始まりました。私が驚いたのは、通常は白を持つ格上側が、2局とも黒を持っていたことです。昨年のフランスでのイベントと逆の色にする狙いですが、羽生さん、森内さんの2人に黒を持って同時に指すとは...


開始直前の様子。持ち時間は90分の指し切りです。


試合が開始されると、会場内のスクリーンでもゲームが中継されます。


スクリーンの反対側では、ピノーさんとSkripchenko さんによる解説が。私も途中交代で入りました。

Moriuchi, T -Vachier-Lagrave, M
Check Mate at Skytree

1. e4 c5 2. Nf3 e6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nc6 5. Nc3 Qc7 6. Be3 Nf6 7. Be2 a6 8. O-O Bb4 9. Na4 Be7 10. Nxc6 bxc6 11. Nb6 Rb8 12. Nxc8 Qxc8 13. Bd4 c5 14. Be5 Rb6 15. Qd3 d6 16. Bc3 O-O 17. b3 d5 18. exd5 Nxd5 19. Bb2 Rd8 20. Qg3 Bf6 21. Bxf6 Nxf6 22. Rad1 Rd5 23. Bc4 Rd7


24. Qf3 h6 25. h3 Qb8 26. Rd3 Rxd3 27. Qxd3 Rd6 28. Qe2 a5 29. Rd1 g5 30. Rxd6 Qxd6 31. Qd3 Qxd3 32. Bxd3 Kf8 33. Kf1 Ke7 34. Ke2 Kd6 35. Kd2 h5 36. Kc3 Kc6 37. Kc4 Nd7 38. Be4+ Kb6 39. g3 h4 40. gxh4 gxh4 41. a3 f5 42. Bg2 Ne5+ 43. Kc3 Ng6 44. Kd2 Nf4 45. Bf1 Kc6 46. Ke3 e5 47. Kf3 Nd5 48. Kg2 Kd6 49. Bc4 Nc3 50. Kf3 Nb1 0-1


Habu, Y -Vachier-Lagrave, M
Check Mate at Skytree

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 d5 4. Bg5 Bg7 5. Nf3 Ne4 6. Bf4 c6 7. e3 O-O 8. Qb3 Qa5 9. cxd5 Nxc3 10. bxc3 cxd5 11. Bd3 b6 12. O-O Ba6 13. Bxa6 Nxa6 14. Rac1 Rac8 15. c4 dxc4 16. Rxc4 b5 17. Rxc8 Rxc8 18. h3 e6 19. Qb1 Qb4 20. Qe4 Qe7 21. Ne5 Nb4 22. Qb1 a6 23. e4 Bxe5!


24. Bxe5 Rc4 25. Rc1 Nc6 26. Rxc4 bxc4 27. Qb6 Nxe5 28. Qb8+ Qf8 29. Qxe5 Qc8 30. d5 c3 31. Qf4 c2 32. Qc1 Qc3 33. d6 Qd3 34. d7 Qd1+ 35. Kh2 Qxc1 36. d8=Q+ Kg7 37. Qd4+ Kh6 38. Qf6 Qd2 39. Qxf7 Qd6+ 40. e5 Qxe5+ 41. f4 Qc5 0-1


森内さんは時間落ちでの負けですが、最後の局面は厳しいでしょう。ビショップvsナイトは難しいですが、もう少し黒のナイトを抑え込むように指せれば、ドローのチャンスは十分にあったと思います。

一方で羽生さんの試合は、Vachier-Lagrave 氏が中盤からその強さを発揮しました。23.e4?! によって弱くなったセンターポーンを巧みに狙い、イコールながら勝勢のエンドゲームへと持ち込んでいます。


Moriuchi-Vachier-Lagrave 最終局面(結果を表すため、キングは中央へ)


対局後はきっちり検討もしていました。


イベントの締めは参加者と主催者へのインタビュー。


来週のSkripchenkoさんとの対局について「あんまり本気で来られても困るんですけど...」と答え、会場を沸かせる羽生さん。

とりあえず、今イベントの主催者であるピノーさん、3名の選手、司会進行などを務めた北尾さん、そして今日会場にいらっしゃった皆さん、お疲れさまでした。今日のイベントの出来は、本当に素晴らしかったと思います。10月7日には、スカパーで今日の様子が放送されるそうなので、そちらも楽しみにしています!

次は30日に羽生さんとSkripchenkoさんとのマッチですね。私は今日同様、大盤解説をピノーさんと交代でやるよう頼まれたので、当日は渋谷ヒカリエに足を運ぼうと思います。こちらは午後1時からスカパーで生放送予定ですが、ひょっとして私も映るんですかね(笑)

次のマッチも良い対局、そして良いイベントになるよう願っています。2つのイベントが終わり次第、まとめて今回の一連のイベントを振り返る記事を書こうと思います。

2012/09/20

Japan Open 2 Semi-Final


実に久々に、Chess.com の話題です。今年の頭から始まったJapan Open 2は、4連勝で準決勝の勝ち抜けが確定しました。一つ前のステージでは戦績が振るわず、他の参加者の結果待ちという情けない上がり方だったので、早々に決勝進出を決めることができ、一安心です。

決勝は中高同期のライバル、汐口くんが最大の難敵となりそうです。Chess.com 上では負け越している彼との直接対決を制し、なんとか記念すべき第一回大会を締めくくりたいですね。全試合が終わるのは、おそらく年末になるでしょう。


sattesicilian (1942) - Shinya_Kojima (2208)
Japan Open 2 Round 3

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. g3 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O dxc4 7. Qc2 b5!?



このカタランのラインは、去年あたりから急激に人気が高まっています。詳しくはまた別の機会に。

8. a4 b4 9. Qxc4 Ba6 10. Qc2 Nbd7 11. Rd1 c5 12. dxc5 Bxc5 13. Bg5 Rc8 14. Qd2 Qb6 15. Qe1 Ne4 16. e3 Nxg5 17. Nxg5 Ne5 18. a5 Qb8 19. Be4 h6 20. Nf3 Rfd8 21. Nd4 Bb7 22. Bxb7 Qxb7 23. Nd2 Bxd4 24. exd4 Nc4



25. Nxc4 Rxc4 26. Qe3 Qd5 27. Rac1 Rxc1 28. Rxc1 Qxa5 29. Rd1 Qa2 30. Qc1 Qd5 31. Qc7 a5 32. Ra1 Ra8 33. Qf4 a4 34. Qe3 Qc4 35. Rc1 Qa2 36. Qf3 Qd5 37. Qe3 a3 38. bxa3 bxa3 39. Ra1 a2 40. Qc3 g6 41. h4 Ra4 0-1


途中、大きなアドバンテージを取りにいける局面もあったようですが、結局堅実にポーンアップし、そのまま押し切りました。こういった派手でないゲームの詰み重ねも、言うまでもなく大切な経験です。

2012/09/18

Vachier-Lagrave vs. Habu 2nd and 3rd Stages


WCCC 2012 Kobe 公式ブログより

すでにご存じの方も多いと思いますが、フランスチャンピオンMaxime Vachier-Lagrave が現在来日しており、9月17日に神戸で、プロ将棋棋士の羽生善治さんと、チェスと将棋を同時に指す友好マッチを行いました。どちらの棋譜も神戸のイベントページに掲載されており、私は今朝チェックすることができました。

WCCC 2012 Kobe

Vachier-Lagrave と羽生さんは、昨年秋にもフランスで同時対局を行っており、今回のイベントはそれに続いて2回目の対戦となります。ちなみにその時は羽生さんが黒番でドローを取っており、私もこのブログで記事を書かせていただきました。さらには間髪おかずに、今週土曜に東京のスカイツリーでも、3回目の対戦が予定されているので、そちらの告知もしておきます。

Check Mate at Tokyo 2012

イベントページを見ていただいても分かる通り、スカイツリーのイベントは、羽生さん、森内さん2人による同時対局がメインとなります。私は急遽帰国を決めたために、このイベントの運営には関わっていませんが、当日は会場に顔を出すつもりです。見学は無料のようですし、特に入場制限は設けていないようですが、人が来すぎて困ることはないですかね?もちろん、チェスのイベントに多くの人が関心を持ってくれるのは、とても嬉しいことですが。

Habu, Y (FM, JPN, 2404) - Vachier-Lagrave, M (GM, FRA, 2697)
Kobe 2012

1. e4 c5 2. Nf3 e6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nc6 5. Nc3 Qc7 6. Be2 a6 7. O-O Nf6 8. Be3 Bb4



近年トップレベルの試合では見る機会の減った、Sicilian Taimanov の古いメインラインです。私も高校1年、2年生の頃によく勉強した思い出があります。

9. Na4 Be7 10. Nxc6 bxc6 11. Nb6 Rb8 12. Nxc8 Qxc8 13. Bd4 c5 14. Be5 Rb6 15. b3 d6 16. Bb2 Nxe4!?



16... 0-0 のほうが堅い手だとは思いますが、あえてVachier-Lagrave は形を崩して勝負に行きます。

17. Bxg7 Rg8 18. Bb2 Bf6 19. Bxf6 Nxf6 20. c4 Ke7 21. Re1 a5 22. Qd3 a4 23. Rab1 Qa6 24. bxa4 Rgb8!



黒はポーンを捨ててgファイルをオープンにしましたが、実際にルークを活用するのはクイーンサイドです!

25. Rb3 Qxa4 26. Reb1 Rxb3 27. axb3 Qa2 28. g3 Rb6 29. Bd1 h5 30. Bc2 Qa8 31. Qc3 Ng4 32. Ra1 Ra6 33. Rxa6 Qxa6 34. Bd1 Qa2 35. Bxg4?!



今朝、棋譜を並べていてこの手を疑問に感じました。g4 に残ったポーンは白の3ポーンをブロックする役割を果たすので、少し嫌な形になります。35. Qf3!?

35... hxg4 36. Qe3 Kd7 37. h4 gxh3 38. Qf3 Qb1+ 39. Kh2 Qf5 40. Qxf5?



40. Qb7+ Ke8 41. f4 であれば、黒が勝負を決めるのはそう簡単ではないでしょう。クイーンが離れれば、白はh3 のポーンを回収することができます。

40... exf5 41. Kxh3 d5-+ 42. Kg2


ポーンエンディングは簡単そうに見えて、実に奥が深いもの。f7 のポーンまで取らなければパスポーンを作れない白に対して、黒は1手早くパスポーンを作り、スピードレースを制します。42. cxd5 Kd6 43. Kh4 Kxd5 44. Kg5 Kd4 45. Kxf5 Kc3 46. Kf6 Kxb3 47. Kxf7 c4 48. g4 c3 49. g5 c2 50. g6 c1=Q 51. g7 Qf4+


42... d4 43. Kf3 Kc7 44. Ke2 Kb6 45. Kd3 Ka5 0-1


最後はVachier-Lagrave がそのテクニックを見せる形となりましたが、羽生さんも終盤まで非常にうまい指し回しだったと思います。土曜日はおそらく黒番だと予想されますが、昨年同様、ポイントを取れるよう願っています!

Japan Team Championship 2012 Day2


チーム選手権2日目は、個人で1勝1敗1ドローとあまりよくない戦績でしたが、チーム自体は3連勝で、全ラウンド勝利での文句なし優勝でした。チームメイトの皆さん、お疲れ様です。私がチーム選手権で優勝したのは、ひょっとすると大学1年以来かもしれません。

Kuwata, S (2145) - Kojima, S (FM, 2403)
Team Championship 2012 (4)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 c5 4. dxc5 Nc6 5. Bb5 e6 6. Be3 Nge7 7. c3 Bd7 8. Bxc6 Bxc6 9. Nf3 Nf5 10. Bd4 a5 11. a4 Nxd4 12. Qxd4 Be7 13. O-O O-O 14. Nbd2 Qc7 15. Ne1 Rfc8 16. Nd3 Be8 17. Rfd1 h6 18. Nf3 Bxc5 19. Nxc5 Qxc5 20. Qf4?!


20... Qb6! 21. Qd2 Rc4 22. Qc2 Rac8 23. Nd2 Rf4 24. Nf3 Rb4 25. Rd2 d4-/+ 26. Qd1 dxc3 27. bxc3 Rbc4 28. Rd6 Qc7 29. h3 Rxc3 30. Kh2 Rc2 31. Qd4 Rc4 32. Qd1 Qc5 33. Ra2 Bc6 34. Rd8+ Rxd8 35. Qxd8+ Kh7 36. Qd3+ Be4 37. Qe2 Bxf3 38. gxf3 Qd4 39. Kg2 Qf4 40. Rb2 Qg5+ 41. Kh2 Rc1 42. Qe4+ g6 0-1


勝った棋譜だけ公開しておきます(笑)最後の2試合はひどい内容でした...それでも、久々に皆さんにお会いできましたし、打ち上げの席も楽しかったので、やはり参加して良かったと思います。しばらくは真剣な試合はないので、日本で少しリフレッシュした後、またブダペストに戻ります。今日はブダペストの友人たちと、横浜で再会です!

2012/09/16

Japan Team Championship 2012 Day1


今年のチーム選手権には、帰国直前に馬場さんのチームにスカウトされ、参加を決断しました。本当は帰国直後の今日は見学のみのつもりでしたが、2R をずっと見ていると試合がしたくなり、吉村先輩に出場の機会を譲ってもらいました。ブダペストとイスタンブールでの戦いを終え、帰国して何をしたいかと言えば、やっぱりチェスなのです(笑)

Kojima, S (FM, 2403) - Osawa, T (1921)
Team Championship 2012 (3)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 c6 4. Qc2 f5 5. Bf4 Nf6 6. e3 Be7 7. Nc3 O-O 8. h3 Ne4 9. Bd3 Nd7 10. g4 Qa5 11. Ke2 Kh8 12. cxd5 cxd5 13. Nb5 Bd8 14. Bc7 Nb6 15. Bxd8 Rxd8 16. Ne5 Rf8 17. gxf5 exf5 18. a3 a6 19. Nc7 Rb8 20. Rhg1



20. Nxa6! bxa6 21. Nc6+-

20... g6 21. b4 Qa4 22. Qxa4 Nc3+ 23. Kd2 Ncxa4 24. f4 Rf6 25. h4 Be6 26. Nxe6 Rxe6 27. h5 Rg8 28. hxg6 hxg6 29. Rg5 Nb2 30. Bxf5 N2c4+ 31. Ke2 1-0


途中怪しいところもありましたが、3R は大澤さんに白で勝ち。馬場さんと佐野さんも勝って、本郷チームに4-0 のストレート勝ちでした。ここ数年間はチーム選手権の優勝とは縁がありませんが、今年は二日目もサクッと勝って、優勝を決めてこようと思います。

2012/09/13

Istanbul Life

オリンピアードが終わってからも、私は一人、イスタンブールに残っています。明日にはブダペスト、明後日には日本に戻りますので、今日がイスタンブール最後の夜です。昨日の記事が固かったので(いつもか?)今日はだらだらイスタンブール生活の様子を、ゆるーくお伝えしいこうと思います。


今、私が滞在しているのはイスタンブールホステルという場所です。ブダペストで知り合った友人に勧められ、レストデイに見学に来ました。そして内装、値段、サービスなどを確認してすぐに滞在を決めました!


ホステルはドミトリーに朝食付きで、1泊23トルコリラです。ブダペストと同じぐらいですね。


レストランからは、昼にはイスタンブールの海が、夜には夜景が拝めます。

イスタンブールホステルに移ってから何をしているかと言えば、あんまりなにもしていないのですが(笑)、敢えて挙げるとすれば、ブダペストで知り合った友人と会って食事をしたり、旅の話に花を咲かせていました。海外で出会った日本人と、また別の国で再会できるということは、私にとってかつてない経験です。


一昨日はブルーモスクへ。体調のすぐれなかった私は、中には入らず日陰で涼んでおりました。


夜は友人と合流し、橋のたもとのシーフードレストランへ。やはりイスタンブールに来たら、サバサンドは外せません。

昨日はさらに動けないような体調でしたが、夕方から何とか活動開始。海沿いをさまよって銀行を見つけ、なんとかお金をおろして夕食にありつくことができました。夜は宿の入り口で、同じホステルに宿泊する日本人数人にチェスを教えて過ごします。


ナスと肉のグリル。迷わずこれを頼みましたが、さらにでかいパンが登場し、全て食べきることはできませんでした。


イスタンブールは猫の楽園!こいつはレストランの客から、チキンをいただいたようです。


ここには写っていない人も多く、夜のチェス講座は、かつてない規模で行われました(笑)

今日は今日で、本場イスタンブールのハマム(トルコ式風呂)に行くという話が出て、日本人数人でトラムに飛び乗り、出かけて行きました。トルコ風呂に行くという内容のツイートしたところ、またいらぬ誤解を(笑)


こちらのハマムは地元客が中心で、値段も垢すりとマッサージ付きで25リラと格安でした。


風呂上がりはイスタンブールにもあったCappy!

初めてのハマムでは、もじゃもじゃのおじさんにふくらはぎの筋を伸ばされ、阿鼻叫喚でした。おじさんは慣れた様子で、気にもしません(笑)こんな感じで私は元気に過ごしています。3日後か4日後には、日本で皆さんにお会いできるでしょう。

2012/09/11

エジプト戦のチーム編成について


本日2本目の更新です。ここではオリンピアードでのエジプト戦を振り返るとともに、次回のオリンピアード以降、チームとしてどう戦うかということを考えてみます。エジプト戦で何があったかご存じない方のために一からご説明しますと、オリンピアードの7R でエジプトとの対戦が決まった後、私たち日本チームは大将の私を抜け番にすること決めました。これに対して、Twitter 上で多少の批判があったという話です。

まず批判が来た理由としては、私が抜ける理由が、「単に疲れたから」という個人的なものであると、誤解されるような内容のツイートをしたためです。私も最初は良く分かっていませんでしたが、先輩から丁寧なメールをいただき、改めて自分のツイートを見直しました。確かに私のツイートは皆さんに誤解を与えるようなものであり、このことは純粋な私のミスで、皆さんには大変申し訳ないと思っています。

実際のところ、私がエジプト戦で抜けることを決めたのは、様々な理由が絡みます。色々悩んだ末に自分から休むことを宣言したわけですが、そこに至った経緯というものをきちんとご説明しなければいけないでしょう。

まずオリンピアードの抜け番を決める主な要因としては、選手のレベル、相手チームのレベル、プレーの調子、体調、カラーバランス、公平性などが挙げられます。これらを考えたうえで、今回のオリンピアードは、私が参加した今まで4回のオリンピアードで最も、男子の抜け番を決めるのに頭を悩ませました。

最初に参加した6年前のトリノのオリンピアードでは、男子メンバーは6人で、実際にプレーするのは4人でした。6人の実力差は大してなかったので、特にトラブルもなく適度に休ませながら、なるべく公平に試合ができるよう交代で抜け番を決めていきました。大会終盤では、6番の中郡さんが調子が良いということで、多めに試合に出すことを決め、無事にFM タイトル獲得となりました。

男子代表が5名に減らされたドレスデンオリンピアードは、不思議なほどにどの選手もプレー内容が良く(もちろん事前にしっかりトレーニングをしていたおかげですが)、多くのラウンドで誰かしらが、格上からポイントを取るアップセットがあり、チーム内もお祭り状態でした。(最後ラウンド前までw)こういった状況であれば、やはり不思議と抜け番決めもスムーズに行われていたように記憶しています。(もちろん私がそう考えているだけで、代わりに誰かが頭を悩ませていたかもしれません)今、当時の抜け番をチェックしてみると、5番の野口さんが5回休みとやや偏りが多く、他の4選手はほぼ均等です。私が抜けたのは、私抜きでも問題なく勝てると判断された、10R のホンジュラス戦のみです。

2年前のハンティマンシスクは逆に、選手の調子はかなり悪かったと言えるでしょう。総合的に勝てると思われた国に負けたことで、私や南條くんが抜けても、問題なく勝てそうなチームに何度も当たりました。これはチームとして喜ぶべきことでは全くありませんが、抜け番を決めるという観点からすれば、楽になります。

そして、ようやく話を今年のイスタンブールオリンピアードに戻します。昨日も書いたとおり、今年のオリンピアードでは試合を重ねても(負けたラウンドの後でも)以前のオリンピアードのように、なかなか対戦相手のレベルが下がりませんでした。そうすると、私と南條くん、暁さんのFM 3人を、どこで休ませれば良いのかという問題が出てきます。別に休ませなくても良いのでは?という意見もあるでしょうが、そうすると下2人の休みが多くなりすぎるので、不満が生じるでしょう。


もしチームとして1p でも多く稼ぐことを目標としているのであれば、上の選手を極力試合に出すべきです。例えば今大会では、アジア勢の中でも劇的な活躍を見せたフィリピンは、5番のIM Oliver Dimakiling を最初の4試合にのみ出場させ、残りの7試合は上4人で戦うという何とも極端な戦い方に出ました。結果を見ればこの作戦は大成功だったと思いますが、もちろんDimakiling の事前の了承と、チームとしてこうして戦おうという意思が必要でしょう。日本チームではこういった極端な作戦を取ったことは、私が知る限りはありません。 同じ選手が2連続で休むことすら、今まではほとんどなかったはずです。

今回のエジプト戦の直前には、Alex が休んでおり、岩崎さんも少し前に3連休があったので、彼らをまた休ませることは公平性に欠きます。南條くんはポイントを重ね続けていたので、チーム内で彼は出し続けるという了解があり、そうなると私と暁さんのどちらかが休むということになります。私は暁さんと話をして、自分が休むのが最もチームが丸くいくと判断しました。もちろんMisha とも話をして、最終的な決定をしています。

相手が強豪エジプト相手だったので、なるべく上を出すのが礼儀だという意見もあるでしょうが、そうすると次にややランクが落ちた相手に、上3人の誰かが抜けて戦うことになり、これもまたリスクが高くなります。後で振り返ってみて、ここで誰を休ませるべきだった、そうすべきでなかったと言うのは簡単ですが、次にどこと当たるか、選手の状態がどう変化するか読めない状況では、その時にベストだと思われる選択をし続けるしかありません。

さて、話が長くなりすぎているうえに、全くまとまっていないですが、エジプト戦で私が休んだのは、個人的な理由からではなく、他の選手とのバランスなども考慮したうえであったことだけでも、ご理解いただければと思います。あとは私が日本に帰国した後に、皆さんの意見も聞いてまた考えてみようと思います。

そして次回以降どう戦うかという話ですが、フィリピンのような大胆な作戦に出るのも、もちろんありですし、そこまで極端でなくても、なるべくチームとしてポイントを稼ぐ(例えば今回の最終戦モナコ戦であれば、南條くんのIM ノームより、チームとしての勝率アップを目指して私が出る等)ことを目指しても良いでしょう。ただどうするにせよ、事前にチームで話し合う必要があります。他の競技に当てはめれば当たり前のことですが、現地に着く前からチームとして活動を始める。まずはそこからスタートすべきでしょう。

一時帰国報告

本日は記事を2本更新するつもりです。まとめて1本にすることも考えましたが、あまりに内容が違うので分けて書くことにします。

さて、すでにfacebook やTwitter では話をしていましたが、今週末に一度、日本に帰国することを決めました。これはハンガリーでの勉強を終えるということではなく、一時的なものです。早ければ10月頭には、再びブダペストに戻り、チェスの勉強を再開する予定です。

帰国する理由はいくつかありますが、ハンガリーでの長期滞在許可が正式に降りるのにもう少し時間がかかることと、フランスのGM Vachier-Lagrave、IM Scripchenko らが9月半ばから末にかけて、日本でイベントをやることなどが主な理由です。Giri のイベントが中止になった際はどうなる事かと思いましたが、フランスチャンピオンらが急遽来日することになり、日本のチェスファンとしては楽しみが戻ってきたことでしょう。

帰国した後は、可能であればイベントに協力したり、お世話になった人に挨拶に行ったり、10月からの準備を整えたりすることになりそうです。その合間を縫って、なるべく友人たちとも話をしたいと思いますので、今から色々と予定を立てています。そして帰国した2日後のチーム選手権にも、急遽参加することになりましたので(笑)、日本のチェス界の皆さんとは、まずそこで再会できそうですね。

日本に帰ると言ったり帰れらないと言ったり、皆さんを混乱させてしまい、大変申し訳なく思います。帰国予定は、4日後の9月15日朝、皆さんにお会いできることを、楽しみにしています。

2012/09/10

Istanbul Chess Olympiad 11th round and Final Result


アルメニアを優勝に導き、国旗を掲げるエースのAronian(中央)

長かったイスタンブールオリンピアードも、終わってみればあっという間だったような気がします。昨日、最終ラウンドと閉会式を迎え、11試合の戦いに幕が下りました。優勝は4年ぶりの王座を奪回したアルメニアで、ここ4大会で3回優勝という、とてつもない記録です。今年も大将を務めたアロニアンは、クラムニクにこそ黒で敗れたものの、白で勝ち星を積み重ね、チームの優勝に大きく貢献しました。

2位はリストトップのロシア。カスパロフが抜けてから毎回優勝を逃しており、今年も悲願達成とはいきませんでした。選手層の厚さでは間違いなく世界一の大国も、オリンピアードでは苦戦を強いられています。

3位に続いたのは、前回優勝国のウクライナ。大将のイヴァンチュクは前大会ほどではないにしろ、十分すぎる働きをしたでしょう。最終戦ではトップを走る中国を3-1 で沈めての逆転入賞となりました。

私たち日本チームは、エジプト、ボリビア、マレーシアに次いで、最後のモナコ戦も2.5-1.5 で敗れ、123位に終わりました。これは私たちとしても、日本で結果をチェックしていたチェスファンとしても、とても満足できる結果ではないでしょう。過去最高レイティングのチームでありながら、どうしてこうなったかの分析は難しいと思いますが、それを考える前に、先に男女の最終試合の結果を載せておきましょう。

Monaco - Japan 2½:1½


54.1 GM Efimov, Igor 2416 - CM Nanjo, Ryosuke 2316 1 - 0
54.2 Villegas, Pierre 2249 - FM Watanabe, Akira 2278 ½ - ½
54.3 FM Van Hoolandt, Patrick 2171 - Averbukh, Alexander 2211 0 - 1
54.4 Nelis, Jean-Francoise 2207 - CM Iwasaki, Yudai 2137 1 - 0

先日の記事で書いたとおり、南條くんのIM ノーム獲得チャンスを残すため、あえて私が試合を抜け、彼を1番ボードで戦わせました。結果は残念でしたが、私はこの決断自体は間違いではなかったと思っています。

Botswana - Japan 0 : 4


52.1 WIM Modongo, Boikhutso 1862 - Ishizuka, Mirai 1839 0 - 1
52.2 WFM Lopang, Tshepiso 1838 - WCM Nakagawa, Emiko 1798 0 - 1
52.3 WCM Sabure, Ontiretse 1682 - Hasegawa, Emi 0 0 - 1
52.4 Leso, Gorata Brandy 1631 - Kikuchi, Arisa 0 0 - 1

女子はボツワナに全勝で、最後は美しく締めたと思います。ライブで見ていた私は石塚さんがMate in two に追い込まれたり、中川さんがシーソーのように傾くエンドゲームをしているのを見て、実にハラハラしました(笑)下2人は全く問題なく、きっちり勝ったと言える内容でした。


試合後にゲームを振り返る日本チーム。暁さんからは愛の鞭

今大会のオリンピアードは、かつてなく厳しい当たりだったと私は考えています。明日の記事でも触れようと思っていますが、日本が確実に勝てる国というのは、2R のブルンジしかなかったと言えるでしょう。さらには私は2350以下のプレーヤーと対戦する機会がなく、大将として参加した3回のオリンピアードの中で、対戦相手の平均レイティングも飛び抜けて高かったです。

相手が強かったから順位が低かったのだと、これだけを言ってしまうと、まるで言い訳のようです。しかし、格上から連日ポイントを取って、大いに盛り上がった4年前のドレスデンオリンピアードも、アフガニスタンやホンジュラス、ボツワナといった、順当に日本が勝てるであろう国とも対戦していることが、最終的な順位アップに繋がっていることは間違いありません。単純な最終順位だけを比較して、今回はダメだというのは、何かがおかしいはずです。

それでも私としては、このチームならばもう少し上を目指したかったと思います。最後の4戦とも相手は強かったですが、16試合で1勝しかできない相手ではなかったはずです。ドレスデンの前のように、個々のトレーニングだけでなく、チームとして集まって研究をしたりトレーニングをしたりすべきだったというのは、私が思う反省点です。もちろん、私が一人ハンガリーにいたので、そう簡単ではないのですが...

そしてチームとしてどうするかとは別に、私が決して忘れないようにしていることは、個人として負けるのは実力が足りないから、ということです。私がMok-Tze Meng とのポーンエンディングを間違えたのも、南條くんがEfimov にピースを取られたのも、はっきり言ってしまえば、私たちがまだまだ弱いからです。私たち2人がこれから、日本のトップとしてIM を目指す以上、2300後半から2400台のプレーヤーを、いつまでも格上とは言っていられません。今後も上を目指す以上、実力をつけて、彼らに勝つしかないのです。


最後のボツワナ戦に臨む日本女子チーム

ただ、今年のオリンピアードチームでは、明るい材料もいくつかありました。女子チームは最初の2戦で8敗し、どうなることかと思いましたが、最終的には全員が2.5P以上を獲得し、長谷川さんとカレンちゃんの2人が勝率5割を達成しました。私の記憶違いかもしれませんが、この戦績によって2人にはレイティング2000と、WCM のタイトルが与えられるはずです。2人とも、おめでとうございます!

さらに今年は男女チームの仲が非常に良く、チームとしてよくまとまっていたことも挙げておきましょう。私はオリンピアード前には、暁さんのスパルタが炸裂して、女子が泣きだすのではないかと心配していましたが(笑)、そんなことは決してなく、下の子供たち2人にも懇切丁寧にチェスの指導をしていました。(+南條くんも)最初から最後まで、負けが込んでいる時でも、日本チーム全体の雰囲気はとても良かったと思っています。

私の記事が自分のゲーム解説中心になっており、こういったチーム状況をお伝えするのが最後の最後になってしまったことは、大変申し訳なく思います。次回のノルウェーでのオリンピアードでは、今度こそエースとして、プレー内容で日本の男子チームを率いるとともに、再び一丸となって戦えるチーム作りというものを目指していきたいと思っています。今大会はふがいない戦績でしたが、また次回以降も応援を続けていただければ幸いです。

明日はエジプト戦のチーム編成について振り返るとともに、チームとして何を1番に目指すべきなのかということを考えてみようと思います。

2012/09/08

Istanbul Chess Olympiad 8-10th rounds


色々と思うところがあり、すっかり更新をさぼり気味でした。まとめて3日分の結果とゲームです。

R8 Japan - Egypt 0 : 4


30.1 CM Nanjo, Ryosuke 2316 - GM Amin, Bassem 2643 0 - 1
30.2 FM Watanabe, Akira 2278 - GM Adly, Ahmed 2602 0 - 1
30.3 Averbukh, Alexander 2211 - IM Ezat, Mohamed 2453 0 - 1
30.4 CM Iwasaki, Yudai 2137 - IM Abdel Razik, Khaled 2448 0 - 1

R9 Bolivia - Japan 3½: ½


36.1 GM Zambrana, Osvaldo R 2471 - FM Kojima, Shinya 2282 1 - 0
36.2 FM Gemy, Jose Daniel 2345 - CM Nanjo, Ryosuke 2316 ½ - ½
36.3 IM Cueto, Jonny 2282 - FM Watanabe, Akira 2278 1 - 0
36.4 CM Ferrufino, Boris 2171 - CM Iwasaki, Yudai 2137 1 - 0

R10 Japan - Malaysia 1 : 3


47.1 FM Kojima, Shinya 2282 - IM Mok, Tze-Meng 2354 0 - 1
47.2 CM Nanjo, Ryosuke 2316 - IM Lim, Yee Weng 2287 ½ - ½
47.3 FM Watanabe, Akira 2278 - Yeoh, Li Tian 2258 ½ - ½
47.4 Averbukh, Alexander 2211 - IM Liew, Chee-Meng 2297 0 - 1

男子はエジプト、ボリビア、マレーシア相手にたったの3ドローで、チームも3連敗という非常に悪い結果です。特にアジアのライバルと見ていたマレーシアに3-1 とは...私もチームに貢献することができず、残念です。

R8 Japan - Thailand 1 : 3


46.1 Ishizuka, Mirai 1839 - Vongvatthana, Chananchida 0 1 - 0
46.2 Hasegawa, Emi 0 - Srijomtong, Isawan 0 0 - 1
46.3 Kikuchi, Arisa 0 - Atthaworadej, Worasuda 1638 0 - 1
46.4 Hoshino, Karen 1640 - Pratuengsukpong, Chitaporn 0 0 - 1

R9 Pakistan - Japan 1½:2½


54.1 Wasif, Zenubia 0 - Ishizuka, Mirai 1839 ½ - ½
54.2 Siddiqui, Nida Mishraz 1670 - WCM Nakagawa, Emiko 1798 1 - 0
54.3 Khuaja, Ghazala Shabbir 0 - Hasegawa, Emi 0 0 - 1
54.4 Mehak, Gul 0 - Hoshino, Karen 1640 0 - 1

R10 Japan - FYROM Elo 0 : 4


45.1 Ishizuka, Mirai 1839 - WIM Koskoska, Gabriela 2094 0 - 1
45.2 WCM Nakagawa, Emiko 1798 - Bejatovic, Bojana 1978 0 - 1
45.3 Kikuchi, Arisa 0 - Stojkovska, Monika 1939 0 - 1
45.4 Hoshino, Karen 1640 - Nikolovska, Dragana 1828 0 - 1

女子はタイとマケドニアに負け、パキスタンに勝ちという結果です。タイ戦でようやく大将の石塚さんが勝利を上げ、続くパキスタン戦でもポイントを上げました。マケドニアとの結果は苦しいものでしたが、棋譜を見る限りプレーの内容も良くなってきています。男子と合わせ、最終ラウンドの結果に期待します。

Nanjo, R - (FM, JPN, 2316) - Amin, B (GM, EGY, 2643)
40th Chess Olympiad (8)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. Re1 b5 7. Bb3 O-O 8. h3 d6 9. c3 Nb8 10. d4 Nbd7 11. Nbd2 Bb7 12. Bc2 Re8 13. Nf1 Bf8 14. Ng3 g6 15. a4 c5 16. d5 c4 17. Bg5 h6 18. Be3 Nc5 19. Qd2 h5 20. Bg5 Be7 21. Ra3 Nh7 22. Be3 Qc7 23. Rea1 Reb8 24. Ne2 bxa4 25. Bxc5 Qxc5 26. Bxa4 Nf6 27. Ng3 h4 28. Nxh4 Nxe4



29. Nxe4 Qxd5 30. Nxg6 fxg6 31. Re1 Qxd2 32. Nxd2 Bd5 33. b3 cxb3 34. Nxb3 Rc8 35. Nd2 Kg7 36. Bc2 Bf7 37. Bd3 a5 38. Rea1 d5 39. Rxa5 Rxa5 40. Rxa5 Rxc3 41. Ba6 Bc5 42. Nf1 e4 43. Bb7 Rc1 44. g4 Kf6 45. Ra2 d4 46. Ra6+ Ke5 47. Ra5 Kf4 48. Kg2 e3 49. Ng3 Rc2 50. Ne4 e2 51. Rxc5 Rxc5 52. Nxc5 Bc4 0-1


Zambrana, O (GM, BOL, 2471) - Kojima, S (FM, JPN, 2282)
40th Chess Olympiad (9)

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nd2 c5 4. Ngf3 cxd4 5. exd5 Qxd5 6. Bc4 Qd6 7. O-O Nf6 8. Nb3 Nc6 9. Nbxd4 Nxd4 10. Nxd4 a6 11. Bb3 Bd7 12. c3 Qc7 13. Qf3 Bd6 14. h3 O-O-O 15. Bg5 Bh2+ 16. Kh1 Be5 17. Rfe1 h6 18. Bh4 Bf4 19. Bxf6 gxf6 20. Qh5 Be8 21. Bd1 Rd5 22. Qf3 Rg8 23. Qd3 Kb8 24. Bf3 Rd8 25. Qh7 Rg6 26. Rad1 f5 27. h4 Qe7 28. g3 Bxg3?



29. Nxf5 Qf6 30. Rxd8+ Qxd8 31. Nxg3 Qxh4+ 32. Kg2 Qf6 33. Rd1 Ka7 34. Rd4 e5 35. Rc4 Kb8 36. Be4 Rg5 37. a4 Bd7 38. Rb4 Bc8 39. Bd5 Rg7 1-0


Kojima, S (FM, JPN, 2282) - Mok T (IM, MAS, 2354)
40th Chess Olympiad (10)

1. Nf3 g6 2. e4 Bg7 3. d4 d6 4. Bc4 Nf6 5. Qe2 O-O 6. e5 Nfd7 7. e6 Nb6 8. exf7+ Kh8 9. Bb3 d5 10. c3 Nc6 11. Nbd2 Rxf7 12. h4 h6 13. Nf1 Qd6 14. Bc2 Bf5 15. Bxf5 Rxf5 16. Ne3 Rf4 17. Nf1 Re4 18. Be3 Nc4 19. N1d2 Nxe3 20. fxe3 Qg3+ 21. Kd1 Rg4 22. Rh2 Rf8 23. Kc2 Qd6 24. Rah1 e5 25. Nxe5 Nxe5 26. dxe5 Qe6 27. Nf3 Re4 28. Rh3 Bxe5 29. Nxe5 Rxe5 30. Rf1 Ref5 31. Rhf3 Qe4+ 32. Qd3 Kg7 33. Qxe4 dxe4 34. Rf4 h5 35. Kd2 Rxf4 36. Rxf4 Rxf4 37. exf4 Kf6 38. Ke2??



38... Kf5 39. Ke3 b5 40. b3 c5 41. a3 c4 42. bxc4 bxc4 43. a4 a5 44. g3 Kg4 45. Kxe4 Kxg3 46. Kd4 Kxh4 0-1


Mok Tze-Meng とのポーンエンディングは、また時間があるときに詳しく扱おうと思います。実に悔しい負けでした。

そして明日のレストデイが明けると、いよいよ最終ラウンドです。ペアリングは男子がモナコ、女子がボツワナと発表されました。モナコの1番ボードはGM Efimovで、負けたのに対戦相手のレイティングが上がるのかと驚きました。今大会はGM を擁するチームでも、それだけ苦戦を強いられているということでしょう。私はここまでGM4人、IM4人と対戦しており、対戦相手のレベルは過去3回のオリンピアードを遥かに上回ります。

ところが、ぺアリング発表後に重大な事実に気が付きました。ボリビア戦、マレーシア戦でIM ノームを掛けて戦い、連続ドローだった南條くんが、最終戦でEfimov と試合をして勝てば、IM ノーム達成であることが判明しました。私の計算したところ、2番以下の相手では平均レイティングが足りず(しかも足りないのはわずかに2...)、勝ってもIM ノーム獲得とはいきません。もう一度正確にレイティングの計算をし直す必要がありますが、南條くんがEfimov と試合をする必要があるのであれば、私が最終戦で抜けることを、すでにチーム内で話し合っています。

モナコはもちろん弱いチームではありません。私が抜ければ、勝てる可能性は確実に下がるでしょう。(この2R の内容では、あまり偉そうなことは言えませんが...)それでも私たちはチームでの勝ちの可能性よりも、南條くんのIM ノームチャレンジを選択するつもりです。これが吉と出るか凶と出るかは、試合が終わってみないと分かりませんが、私は南條くんの勝利に賭けてみようと思います。

ちなみに私の計算間違いである可能性もあるので、私が休むことは正式決定じゃないですよ(笑)チーム編成を出すのは、試合当日の午前中ですので、変更ももちろんありえます。

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