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2024/10/22

新刊『チェスが強くなる人の本』発売のお知らせ

画像クリックでAmazonのリンクに跳びます。

10/22に私の新刊『チェスが強くなる人の本』 が、つちや書店から発売となりました。以前、同じつちや書店(旧土屋書店) から出版された『マンガで覚える図解チェスの基本』 や『チェスを初めてやる人の本』 は、監修という立場で関わらせていただきましたが、今度の新刊は私が著者です。すでに書店で手に入れた、またはオンラインで注文して手元に届いたという声も聞こえていますので、多くのかたに手にとっていただき、感想をいただけることを楽しみにしております。

本書は毎ページ一問一答形式になっており、クイズのように楽しみながらチェスの様々な理論を学べるようになっています。問題は次の手を当てるものから、どのように局面を捉えるかを考えるものまで様々です。冒頭は簡単な内容だと思われる問題も多そうですが、すでに分かっているつもりの知識も、知らない局面や視点から理解を深められる可能性があります。ルールを覚えた先のステップアップとして、本書をお役立ていただけると嬉しいです。

2023/11/01

エヴァーグリーン・ゲーム発売

本日、11月1日にポプラ社からチェスを題材とした小説『エヴァーグリーン・ゲーム』が発売されました。著者は石井仁蔵さんで、こちらの作品でデビューし、ポプラ社小説新人賞を獲得されています。正式な発売日は今日のはずですが、場所によっては昨日、本屋に並んでいたようです。私はチェスの監修をさせていただいた関係で、数日前に見本誌をいただきました。

エヴァーグリーン・ゲームというタイトルは、Adolf Anderssenが1852年に指したゲームの通称からきています。全編に渡りチェスが登場し、4人の男女がチェスを通じて関わり、生きていく様子を描いています。あまり内容についてここでは詳しく書きませんが、私はいただいた原稿を夢中になって一晩で読ませていただきました。興味を持って下さったかたは、ぜひお手に取ってみてください。

また作中のチェスの描写、表現などは細かくチェックしたつもりですが、気になる点があれば今後の参考にさせていただきますので、私か出版社までご意見をいただけると嬉しいです。それではポプラ社の新作『エヴァーグリーン・ゲーム』をよろしくお願いいたします。作品の詳細については、以下の特設サイトをご参照ください。

エヴァーグリーン・ゲーム(ポプラ社特設サイト)

2022/03/21

『チェスを初めてやる人の本』

画像クリックでつちや書店の販売ページへジャンプします。

以前、『マンガで覚える 図解 チェスの基本』 を監修させていただいたつちや書店より、新たに私が監修を行った新刊、『チェスを初めてやる人の本』 が出版されます。内容は『マンガで覚える 図解 チェスの基本』 を大人向けに改訂し、一部のコラムや情報を新しくしたものです。本書をきっかけに、多くのかたにこれからチェスを楽しんでいただきたいですね。明日3月22日頃より書店にも並ぶとのことですので、私もドキドキしながら近所の本屋を覗いてみます。

ちなみに上の画像を見ておやっと思われたかたもいらっしゃるかもしれません。私のチェックが甘く、表紙の局面が不自然になってしまったことは申し訳なく思います。中身は精査して不自然なところはないと思っていますが、本書をご覧になって気づいたことやご感想など、遠慮なくお寄せいただけると嬉しいです。

また本書は4/30に下北沢で開催されるシモキタ名人戦で、『マンガで覚える 図解 チェスの基本』 とともに販売予定です。こじなつチェス教室がチェスブースを出展しますので、ぜひそちらにも足を運んでみてください。シモキタ名人戦へのチェスブースの出展は今年が初めてですので、他のボードゲームのブースとともに盛り上がることを期待しています!

2020/09/12

Magnus Wins With White Book Review

先日の名古屋の大会でいただいた本のレビューです。Magnus Wins With White はタイトルの通り、世界チャンピオンのMagnus Carlsen が白番で勝ったゲームを集めた本で、2004年から2020年までの厳選された32局が解説されています。著者はパラグアイのGM Zenon Franco です。このGM については詳しくありませんでしたが、60代ながら2018年の最新バツミ大会も含め、11のオリンピアードのパラグアイ代表として出場しているようです。近年はMove by Move シリーズなどでの著作業にも力を入れています。

この2週間で2/3 ほど読み進めましたが、英語はさほど難しくなく、解説もくどすぎないのでさくさくと読み進められます。序文を書いているデンマークのGM Peter Heine Nielsen を始め、多くのGM の解説コメントや、対局直後のCarlsen のコメントなども散りばめられているのも面白いです。各ゲームの最後には、この試合から学べるポイントなども箇条書きでまとめられており、例えばCalsen がJones に10数手でピースを落としながらも逆転勝ちしたゲームでは、以下のように述べられています。

2) Be like Lasker: "Maximum resistance!" "Keep fighting!" Even if you are in a very bad position, you should make your opponent's task as difficult as possible. (Magnus Wins With White 184p より)

これができるプレーヤーを相手にするのはなかなか嫌ですね。こちらのゲームは先日のBehind the Scene の記事でも紹介されていますので、ご覧になったことがないかたはそちらも参考にどうぞ。他にも「こんなゲームあったなぁ」 と懐かしく思えるゲームが散りばめられています。最後に私のお気に入りである、今年のTata Steel のVitugov 戦を紹介して終わりにします。

Carlsen, M (GM, NOR, 2872) - Vitugov, N (GM, RUS, 2747)
Tata Steel Masters 2020 (8)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. d3 b5 7. Bb3 d6 8. Bd2!?
8... O-O 9. h3 h6 10. Re1 Re8 11. a3 Bf8 12. Nc3 Rb8 13. Ba2 Ne7 14. Nh4 g5 15. Nf3 Ng6 16. Nh2 c6 17. Ne2 d5 18. Ng3 dxe4 19. dxe4 Rb7 20. Qf3 Nf4 21. Rad1 Rd7 22. Be3 Rxd1 23. Rxd1 Qe7 24. Ng4 Nxg4 25. hxg4 Rd8 26. Re1 c5 27. Nf5 Qc7 28. g3 Ne6 29. Qh1 f6 30. Bd5 1-0


このゲームは最後に紹介されていますので、こちらも含め残り1/3程も楽しんで読ませてもらおうと思います。皆さんも是非今年の1冊として、本書をチェックしてみてください。

2020/08/07

マンガで覚える図解チェスの基本 電子書籍版


少し告知が遅くなりましたが、私が監修したチェスの入門書 『マンガで覚える図解チェスの基本』 が、先月から電子書籍版として配信されるようになりました。紙の書籍版に私がかかわったのが大学を卒業する直前で、それから10年近くチェスの入門書として推してくださっている出版元のつちや書店さんには、とても感謝しています。電子書籍版 『マンガで覚える図解チェスの基本』 の配信を行ってくだっているのは、以下の通りです。 

・Apple Books 
・Kindleストア
・コダワリ編集部イチオシ for スマートフォン
・TBSブックス for スマートフォン
・どこでも読書(スマートフォン)
・VarsityWave eBooks
・boocross 
・BOOKSMART Powered by Booker's
・ミュージコ for スマートフォン
・やまだ書店
・yodobashi.com

従来通りの紙の書籍版と、新しい電子書籍版のどちらも 『マンガで覚える図解チェスの基本』 を今後ともよろしくお願い致します。

2020/01/06

アラビアン・ナイトのチェスミステリー


今夜は本のご紹介です。『アラビアン・ナイトのチェスミステリー: スマリヤンの逆向き解析問題集』 は、昨年10月に共立出版から発売されました。我が家では妻がすぐに入手し、2人で少しずつ読んでいます。

作者のスマリヤンは数学者で、新宿の紀伊国屋ではチェスのコーナーではなく、数学のコーナーに彼の他の著書とともに、この本が並べられていました。書店によってはチェスのコーナーに並べられているところもありますが、普通のチェスの本だと思うと大変な目にあいます。例えば。最初の問題は以下のようなものです。


このポジションで、白のキングはどこに隠れているかを考えます。ポジションが矛盾無く成立するならば、白のキングがいるマスは1つに絞れるのです。こうした隠れた駒の位置を当てる問題や、証明の問題などがアラビアンナイトの物語仕立てで、ずらっと続いています。解いたらチェスが強くなるかは疑問ですが、とても面白い問題集だと私は思っており、年末のねこまどでの初心者チェス大会では、こちらの本を賞品として進呈させていただきました。最低限チェスのルールは理解していなければ解けないですが、チェスが強ければ解ける、弱ければ解けないというわけではないのが面白いところだと思います。

2019/07/11

The 100 Endgames You Must Know Workbook


The 100 Endgames You Must Know Workbook written by Jesus De La Villa

今月になって3冊のチェスの本を購入しました。1つはJesus De La Villa の、The 100 Endgames You Must Know Workbook です。本のタイトルを聞いたことがあるぞ、という人はおそらく、同じ著者の100 Endgames You Must Know: Vital Lessons for Every Chess Player を知っているかたでしょう。そちらは100個のテーマ別にエンドゲームのテクニックを紹介した本で、初級者からある程度のレベルまで使いやすいと、評価の高いエンドゲームの名著です。

今年出版された本は、同じYou Must Know シリーズでもWorkbook と銘打っており、前作で紹介されている理論、テクニックが身に着いているかを試す問題集、といったところでしょうか。Introduction の後のChapter 1 はBasic endings、Chapter 2 はKnight vs. Pawn と、Chapter 13 まで違うテーマで問題が続きます。 そしてChapter 14 は解答と解説になっており、この1章だけで問題になっている1-13章の倍もページが割かれています。全ての問題は実戦からの紹介で、強いGM でもどういった間違いをするのかわかるのが面白いですね。

前作を持っておらずとも、普通のエンドゲーム問題集として楽しむことができますし、勉強になります。しかし、それぞれの問題の解説には、最後に前作の何番で紹介されている(そちらを参考に)とあるので、やはり100 Endgames You Must Know: Vital Lessons for Every Chess Player も併せて持っており、読み進めておくと理解が早いでしょう。前作を持っているかたも、持っていないがWorkbook が出たこの機会にというかたも、100 Endgames You Must Know シリーズを是非チェックしてみてください。

2018/03/29

Grandmaster Preparation Calculation


今夜は、最近読み進めている本の紹介です。Grandmaster Preparation シリーズは、デンマークのGM Jacob Aagaard によって書かれており、彼の公式HP では、Calculation、Strategic Play、Positional Play、Attack and Defence、Endgame Play の5冊が紹介されています。2月に羽生さんとお会いした際、この中の1冊であるCalculation をいただきました。中身は基本的にタクティクスの問題集なのですが、そのタイトル通り、かなり読まなければ正しいラインを見つけられないものが多くなっています。例えば今日解いた中で面白かったのは、以下のポジションです。


Najer, E (GM, RUS, 2681) - Lysyj, I (GM, RUS, 2612)
62nd Russian Championship Higher League 2009(2)
White to move

14. Nb5!


実際のゲームでは14. c4 と指し、それでも白がゆっくりとしたゲーム展開で勝利を収めましたが、こちらの手はさらに強力です。すぐにクイーンを交換する変化は白が良さそうなので、黒はクイーンをかわしますが...

14... Qb6 15. Qxd8+! Bxd8 16. Be3 Qa5 17. b4 Qxb5 18. Rxd8+ Qe8 19. Rxe8+ Nxe8 20. Rd1+/-



まだ駒数こそイコールですが、白はダブルビショップとdファイルのコントロールで大きなアドバンテージを握ります。クイーンを捨てても必ず取りかえせるのが、この変化のポイントですね。しかし、何かあると言われれば気付きそうですが、Najer もベストムーブを逃しているので、なかなか実戦で指せるかというと難しいでしょう。他にもAronian が逃したタクティクスも紹介されており、そちらはさらに難しいかもしれません。


Nakamura, H (GM, USA, 2753) - Aronian, L (GM, ARM, 2807)
Grand Slam Final 4th 2011(8)
Black to move

こちらは解答を書かないでおきます。是非チャレンジしてみてください。ちなみに私はさっぱり分かりませんでした(笑)

私は自分があまり正確に読まないタイプ(大局観とポジショナルプレー中心で、正確に読まずとも指せる局面を目指すタイプ)だと思っていますが、昨年のマン島でのNihal Sarin 戦のように、正確な読みが必要な局面でメイトを見逃して負けということもあります。自身の弱点を克服するために、こうした細かな計算が必要な問題に取り組むのも必要だと思い、この本を読み進めています。しばらくは投げ出さずに続けていきたいですね。


2017/06/02

CHESS STRATEGY FOR CLUB PLAYERS


先日の名古屋の大会で、優勝の副賞としていただいた2冊の本のうちの1冊がこちらです。オランダのIM Herman Grooten 著のCHESS STRATEGY FOR CLUB PLAYERS The Road to Positional Advantage は、2009年に1st Edition、今年の頭に3rd Edition が出版されています。Material Advantage、Passed Pawn、The open file などのテーマに各章で分かれ、丁寧に解説が書かれている良書です。自分の勉強とレッスンとどちらにも使いやすく、早くも重宝しています。

この本を読んでいて嬉しかったのは、さほど有名ではなくとも、非常に勉強になると個人的に注目していたゲームが取り上げられていることです。古典の名局としてよく取り上げられる棋譜ならばともかく、よくこれを見つけてきたな、といった感じです(笑)

Fischer, Robert James - Gadia, Olicio
Mar del Plata 1960 (3)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Bc4 e6 7. Bb3 b5 8. O-O Bb7 9. f4 Nc6 10. Nxc6 Bxc6 11. f5 e5 12. Qd3 Be7 13. Bg5 Qb6+ 14. Kh1 O-O 15. Bxf6 Bxf6 16. Bd5 Rac8 17. Bxc6 Rxc6 18. Rad1 Rfc8 19. Nd5 Qd8 20. c3 Be7

21. Ra1! f6 22. a4 Rb8?? 23. Nxe7+ Qxe7 24. Qd5+ 1-0


まだ半分ほどざっと目を通しただけですので、私の知らない面白いゲームもこれから出てくると思います。それを楽しみにして、今後も読み進めてみようと思います。素晴らしい本を賞品として用意してくださった名古屋チェスクラブの堀江さんには、とても感謝しています!

2016/11/06

Positional Masterpieces of 2012-2015


中部快速オープンの際に後輩たちに紹介したのですが、最近私が読み続けている本がこちらです。今年来日した、アゼルバイジャンのNaiditsch らが編集した、Positional Masterpieces of 2012-2015 は、そのタイトルの通りに近年のGM のゲームの中から、特に優れたポジショナルプレーを学ぶことのできる棋譜を集め、解説したものです。冒頭のゲームを簡単にご紹介しておきます。

Dominguez Perez, L (GM, CUB, 2730) - Ibragimov, I (GM, RUS, 2539)
RUS-chT 19th 2012

1. e4 e6 2. d4 d5 3. e5 c5 4. c3 Nc6 5. Nf3 Nge7 6. Na3 cxd4 7. cxd4 Nf5 8. Nc2 Qb6 9. Bd3 Bd7 10. O-O a5 11. Bxf5 exf5 12. Ne3 Be6 13. g3!


13... Be7 14. Ng2 h6 15. h4 O-O 16. Nf4 Rfc8 17. Re1 Rc7 18. Re2 Rac8 19. Be3 Nb4 20. Ne1 Qb5 21. a3 Na6 22. Ned3 a4 23. Rd2 Bf8 24. g4 Bd7 25. g5 hxg5 26. hxg5 g6 27. Qf3 Be6 28. Kg2 Rc4 29. Rh1 Nc7 30. Rdd1 Bg7 31. Rh4 Qd7 32. Rdh1 Qd8 33. Qg3 Nb5 34. Rh7 Nxd4 35. Qh4 1-0


紹介されているのは2700GM のゲームが中心ですが、Naiditsch とBalogh が分かりやすく解説を行っており、とても読みやすいと思います。バクーオリンピアードで買ってみて、大当たりの一冊でした。同じシリーズのエンドゲームの本は、もう少しレベルが高いと思いますので、そちらもこれからチャレンジしてみようと思います。タクティカルなプレーではなく、ポジショナルプレーを学びたいと思っている方は、是非チェックしてみてください。

2016/07/28

辺獄のシュヴェスタ チェスシーン


先日、クロノモノクロームでお世話になった小学館から依頼を受け、新しい漫画のチェスシーンの監修を行いました。今回はこれまで連続していた、クロノモノクローム、盤上のポラリスのような、チェスを主軸にした漫画ではなく、1話のみ単発の監修となります。その作品は、月刊!スピリッツで連載中の、辺獄のシュヴェスタです。

竹良実さんによる辺獄のシュヴェスタは、魔女狩りが行われていた中世ヨーロッパを舞台に、数人の少女たちの生き様を描いた物語です。詳しいストーリーや試し読みなどは、こちらからチェックできます。私は今回、月刊!スピリッツ最新号である9月号に掲載されている、辺獄のシュヴェスタ最新話のチェスシーンを監修させていただきました。9月号の発売は、本日7/27 です!(すでに日付が変わってしまいましたが...) 月刊!スピリッツを見かけた方は、ぜひ中身もチェックしていただけると嬉しいです。


2016/05/21

盤上のポラリス最終巻発売


5月17日に、盤上のポラリスの最終巻である、第4巻が発売されました。3月の記事でも書いた通り、最後は一兵がライバルの青と決着をつけ、ひめとの再会を果たすという流れで物語は幕を閉じます。是非、皆さんも単行本をお手に取って、中身をチェックしてみてください。私も先日、献本が届いたので、あらためて一冊分を通して読んでみましたが、この棋譜は名古屋にいるときに作ったな、この棋譜は苦労したな、などと思い出が甦り、連載終了時とはまた違った感慨にふけることになりました。

最終巻発売の前の週には、作画の若松さんや編集さんと連載終了の打ち上げの席でお会いし、チェスや作品にかけた想いについて色々と話をすることができました。漫画の世界の裏話なども聞けて、とても面白いかったです。昨年のミュージカルの際にも感じたことですが、作品作りには多くの時間とエネルギー、そして様々な人の協力が必要となります。漫画に限らず、またこうしたチェスを題材にした作品が作られる際は、微力ながら私もお手伝いできればと思っています。今後も、まだチェスを知らない人が、チェスに興味を持つきっかけとなる作品が、日本で生まれ続けることを願っています。

2016/05/08

Opening Repertoire: The Caro-Kann


Opening Repertoire: The Caro-Kann written by IM Jovanka Houska

今夜は久々に本の紹介です。こちらは2005年に、EVERYMAN CHES から出版されたCaro-Kann の本で、イングランドのNo.1 女子プレーヤー、Jovanka Houska によって執筆されました。彼女は2007年にもCaro-Kann の本を執筆しており、その内容を一新、パワーアップしたバージョンとなっています。私が2011年から愛用している、Caro-Kann Classical の13. Kb1 Qb6!? ラインについても、詳しく解説がされています。

そしてつい先日、この本にパラパラと目を通していたところ、私のゲームが掲載されていることに気が付きました。Exchange Variation の章に、カペルでかつて指した試合の変化が、黒十分と出ています。これには私も驚きました。


せっかくですので、こちらの試合を最後まで簡単にご紹介しておきます。

Groz, J (FRA, 2093) - Kojima, S (FM, JPN, 2329)
27th Cappelle (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. Bd3 Nc6 5. c3 Qc7 6. Ne2 Bg4 7. Qb3 Bxe2 8. Bxe2 Nxd4



現在では当たり前のように指すこの手も、初めて知った当時は驚いたものです。センターを完全に解消してしまえば、白にアドバンテージはありません。

9. Qxd5 Rd8 10. Bb5+ Nxb5 11. Qxb5+ Rd7 12. Be3 a6 13. Qa4 Nf6 14. Nd2 Nd5


GM Schandorff の本には14... e6= と掲載されていますが、私は早くナイトが跳び、ビショップをアタックする手を好みました。

15. Qe4?! Nxe3 16. Qxe3 e6 17. O-O Bc5 18. Qe2 O-O=/+



ビショップナイトを交換し、f2 を綺麗に攻撃できている黒は、すでにアドバンテージがあると考えられるでしょう。

19. Nb3 Ba7 20. Rad1 Rfd8 21. Rxd7 Qxd7 22. h3 g6 23. Rc1 Qa4


どこにもプレッシャーをかけられていない黒は、細かくピースを振り、揺さぶりをかけていきます。

24. Ra1 Qf4 25. Rc1 h5 26. Rc2? Bxf2+!



このタクティクスで駒得となり、後は丁寧に指すだけです。

27. Kh1 Be3 28. Qf3 h4 29. Nd4 Qxf3 30. Nxf3 Rd1+ 31. Kh2 Bf4+ 32. g3 Bxg3+ 33. Kg2 e5 34. Ng5 f5 35. c4 e4 36. Re2 Be5 37. b3 Rd3 38. Ne6 Rg3+ 39. Kf1 Rxh3 40. Nc5 Rh1+ 41. Kf2 Rh2+ 42. Kf1 Rxe2 43. Kxe2 h3 0-1


2011年のカペルでは、たいして目立った活躍はできませんでしたが、こうして下に取りこぼすことなくポイントが取れたのは、良い点だったと思っています。それにしても、一部でも自分の試合が本に取り上げられているというのは嬉しいものですね! 今後もこうしたゲームをたくさんできるよう、頑張ってプレーしていきたいですね。

2016/02/18

Greatest 365 Puzzles


今夜は久々に本の紹介です。先日、Naiditsch から羽生さんに、そして羽生さんから私へと渡された本で、一昨日から少しずつ読み始めました。(羽生さんはすでにお持ちだったため、譲っていただきました。)この本を出しているのは、Naiditsch らGM が運営するChess Evolution という新しい会社です。私もハンガリーにいた頃、Complete Slav という本を見かけ、この会社の存在を知りました。Chess Evolution には、アゼルバイジャンのNaiditsch、ポーランドのMiton、ハンガリーのBalogh といった、名のあるGM が所属しています。

こちらのGreatest 365 Puzzles は、2012年の実戦で現れた様々なポジションから、勝ちの手筋を見つけよという出題がされています。ハンガリーのGM Balogh Csaba によって編集されており、非常に勉強になるタクティクスが詰まっています。最初、ちらっと見た際は、Easy のレベルでも答えが分かりませんでした(笑)


Motylev, A - (GM, RUS, 2677) - Vocaturo, D (GM, ITA, 2545)
Wijk aan Zee
White to move

最初のEasy セクションに出ている問題を一つ出しておきます。確かに実戦で出てきそうな手筋です。こうしたポジションで正解をしっかり見つけ、試合で勝てると嬉しいですね。

Greatest 365 Puzzles はPart1、Part2 の2冊が出ており、さらにTactics, Tactics, Tactics! というシリーズに続くようです。私の手元にはPart2 までがありますので、なるべく早めに全部に目を通したいと思います。


おまけ。GM Balogh と、ブダペストのPolgar Chess Festival にて。

2015/12/18

盤上のポラリス3巻発売


3巻の表紙は姫ちゃんです!

月刊少年マガジンで連載中の盤上のポラリス最新刊、第3巻が昨日発売となりました。表紙を飾ったのはヒロインの姫ちゃんで、ロンドンチェスセンターを彷彿させる、チェスショップにいるところですね。今日、結果が発表された、第2回次にくるマンガ大賞にノミネートされた情報も、ばっちり帯に入っています。(結果はどうなりましたかね?)

3巻からは、一兵が成長の舞台を、島の小学校から本土の中学校へと移します。レンくんの登場回数は、1巻2巻に比べれば少なくなりますが、その代り、同じ中学校の先輩、同輩、そして他校のライバルと、新しいキャラクターが多く登場します。そんな彼らとの対戦シーンも多く描かれていますので、そちらをお楽しみに!

そして1巻、2巻発売の際も思いましたが、内容は事前にチェックしていても、こうして自分が関わっている漫画が単行本になると、喜びも一入です。皆さん、2016年にかけても、盤上のポラリスをよろしくお願い致します!

2015/08/18

盤上のポラリス2巻発売


月刊少年マガジンで好評連載中のチェスコミック、盤上のポラリスの第2巻が、8/17 に発売となりました。盤上のポラリスは、7月に池袋でトークイベントを行ったり、作品内の棋譜を製作したりと、私にとっても非常に縁の深い作品となっています。2巻のメインとしては、主人公の一兵とライバルのレンが、全日本ジュニア選手権の大舞台で、初公式戦を行う様子が描かれています。蒲田での普段の公式戦を知っているチェスプレーヤーにとっては、にやりとしてしまうシーンもあると思いますので、是非、お手にとって中身をチェックしてみてください。2巻収録以降の話は、月刊少年マガジンの最新9月号に掲載されていますので、続きが気になる方はこちらも併せてどうぞ。

2015/05/15

盤上のポラリス第一巻発売


Amazon より

クロノモノクロームは今年の1月に最終巻が発売されましたが、また新しいチェスコミックの情報です。本日、月刊少年マガジンで連載中の『盤上のポラリス』 1巻が、5/15 の今日、発売となりました。盤上のポラリスは、長崎に住む少年が、クラスに転校してきた少女からチェスを習い、チェスの世界に足を踏み入れていくというもの。少年漫画らしく、同級生のライバルも早々に登場します。一巻の現物がまだ手元にないので、何話まで収録されているか分かりませんが、私も各話には目を通しています。皆さんもぜひ、第一巻を手にとって中身を確認してみてください。

盤上のポラリスは、南條くんからの引継ぎで、私が作品のチェックをしています。これからますます、思い入れの強い作品になっていくでしょう。こうした作品を通して、日本でもチェスに関心を持つ人が増えると良いですね。また、盤上のポラリスが連載されている月刊少年マガジンは、今年で創刊40周年を迎えます。ノラガミや四月は君の嘘など、最近アニメ化された作品もありますね。(四月は君の嘘の連載が終わったのは、個人的にショック...) 来月発売の7月号には、各界からの40周年記念のお祝いコメントが寄せられる予定で、拙いですが、私のコメントも掲載されるはずです。盤上のポラリスと掲載雑誌の月刊少年マガジンを併せて、今後ともよろしくお願い致します!

2015/02/10

Chess Lessons from Great Masters

最近、自分のチェスの勉強方法をどうしようかと思い直し、あらためて、ストラテジーやエンドゲームを学んでいます。手元にあるもので面白いなと思い、ここ数日見ているのは、アメリカのGM Seirawan の Winning Chess Strategies、そして元世界チャンピオン、Emanuel Lasker の Common Sense in Chess です。アメリカの元代表でもあるSeirawan の本は、ナイトビショップの差と働き方、ルークの活用などの基礎的な内容が多いですが、解説が丁寧で分かりやすく、非常に面白いです。私はチェスの上達において最も大切なことは、どれだけ基礎を理解できるか、だと思っていますので、それを振り返る意味でも、重宝する1冊です。

Seirawan, Y (GM, 2485) - Vukic, M (GM, 2485)
Nis 1979

1. c4 Nf6 2. Nc3 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. e4 c5 6. Nge2 Nc6 7. a3 a5 8. O-O d6 9. d3 Ne8 10. Be3 Nd4 11. Bxd4! cxd4 12. Nb5


12... Qb6 13. a4 Nc7 14. f4 Na6 15. h3 e5 16. f5 Bh6 17. h4 Bd7 18. Kh2 Nc5 19. Bh3! g5? 20. Nexd4!! exd4 21. Qh5 f6 22. Qxh6 Bxb5 23. axb5 g4 24. Rf4! gxh3 25. Rg4+ Kf7 26. Rg7+ Ke8 27. Qxh7 Kd8 28. b4 Kc8 29. bxc5 dxc5 30. h5 1-0


Lasker の扱う内容は古典だけですが、1900年近くに活躍したプレーヤーたちのゲームからも、私たちが学ばなければいけないことは山のようにあります。100年も前にこうしたチェスの研究がなされ、理論が体系化されていたことには、驚きを隠せません。


White to move and win

皆さんはこのポジションから、白が勝つ方法を見つけることができますか? Endgame Manual にも、逆サイドで載っているポーンエンディングの問題ですが、Corresponding Squares とTriangulation への理解が必要なので、そんなに簡単ではないはずです。答えの分かった方は、コメント欄にどうぞ。

Winning Chess Strategies はあと一息、Common Sense in Chess も今週中には読み終わるでしょう。次はReti のModern Ideas in Chess を読もうかと思います。(1920年のモダンなアイディアですがw) こうした勉強の成果は、すぐにゲームの中で結果に繋がらなくとも、必ずどこかで生きてくるはずです。

2014/09/17

クロノ・モノクローム3巻発売情報


明日、9/18 に週間少年サンデーで連載中の、クロノ・モノクローム3巻が発売します。表紙はクロム、ケンペレンに引き続き、オーストリアの音楽家、モーツァルトですね。私が担当したコラムも載っており、彼にちなんで、音楽とチェスのことについて書いています。明日以降、本屋で見かけたチェスファンの方は、是非お手に取ってみてください。私の手元にもまだ献本が届いていませんが、中身をチェックできることを楽しみにしています。

2014/04/28

Judit Polgar The Princess of Chess


タイにいた1ヶ月で届いていた郵便物の中から、この本を発掘しました。馬場さんが放出することを決め、Behind the Scene で告知していた中の1冊で、ハンガリーのGM Judit Polgar のゲーム集です。

言わずもがな、Judit Polgar は歴史上最も強い女子プレーヤーであり、ハンガリーの生んだ天才です。ハンガリー国内では、男子のトッププレーヤーである、Peter Leko を知らずとも、Judit のことは知っているという人も多いのではないかと思います。今でこそ、Hou Yifan, Koneru Humpy が2600台にレイティングを乗せていますが、他の女子プレーヤーが2500台である中、1人で2700を超え、世界中のトッププレーヤーと渡り合っていたPolgar は、やはり特別な存在なのでしょう。


同時対局中のJudit Polgar。昨年のPolgar Chess Festival にて。

そんな彼女の、1980年代後半から2000年代初期までのゲームを扱った本書は、これからゆっくり読み進めていくつもりです。本書をお持ちで、おススメのゲームがある方は、是非お知らせください!

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