2018/10/23

Third Saturday GM October 2018 R3


待ちに待った白を引いて指す3R は、ギリシャのGM Kotronias が相手です。King's Indian の名手として知られ、数年前にGrandmaster Repertoire シリーズで、King's Indian の本も出しています。私も近年、Fianchetto Variation の勝率は悪くありませんので、ここは真っ向勝負です。

Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Kotronias, V (GM, GRE, 2487)
Third Saturday GM October 2018 (3)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 exd4 9. Nxd4 Re8 10. h3 Nc5 11. Re1 Bd7 12. Bf4!?



Kotronias が自身のKing's Indian の本で、8... c6 を紹介していながら、最近は新しいラインを試していることは事前にわかっていました。私もオリンピアード前からこの変化が6... Nbd7 のラインの中で最も難しいと考え、いくつかの対策を調べていました。今年のカペルでGM Shyam とは12. Rb1 h6 13. Kh2 a5 14. Ndb5 h5! を指していますが、その試合の感触がしっくりこなかったため、手を変えます。

12... h6 13. Qc2!?


昨年から13. g4!? h5 14. f3 hxg4 15. hxg4 (15. fxg4!?) という変化が流行の兆しを見せており、私もチェックしていましたが、どうしても納得できる局面にならなかったため、古くからあるオーソドックスな手を指すことにします。

13... Qc8



13... Nfxe4 14. Nxe4 Bxd4 15. Qd2 Bg7 16. Nxc5 dxc5 17. Rxe8+!?N Bxe8 18. Bxh6 Qxd2 19. Bxd2+/= という変化が私の研究で、白は少し良いですが勝つには十分か疑わしいでしょう。

14. Kh2 a5 15. Rad1 a4 16. Ndb5 Bc6 17. f3!


この手は3年前の羽生さんとのトレーニングで、私が黒を持ってKing's Indian を指した際に使われたアイディアです。ビショップの筋を止めるのは良くないようにも思えますが、e4 への反撃をがっちりと抑え込んでしまえば、黒は何をここからすれば良いか難しくなります。白はゆっくりとビショップを退き、f3-f4 とポーンを突き直すのと、ナイトをd5 に跳び込むタイミングさえ考えればよいので、とても楽にゲームを進めることができます。

17... Nfd7 18. Be3 Ne5 19. Nd5 Bxd5 20. exd5!



最初はルークで取りかえすつもりでしたが、それは20... Nc6! からNc6-Nb4 の切り替えが厄介です。ならば、c6, e6 のマスを抑えつつ、黒のクイーンがc7 の守りから離れられないことでルークの連携が取れていないことを利用し、eファイルを開くのが白にとって良いと気付きました。この局面で次に、Be3-Bxc5, d5-d6 もスレットになっています。

20... Ned7 21. Re2


コンピュータは21. b4 axb3 22. axb3 このように早めにbポーンを突くべきだと指摘しますが、せっかく抑え込んでいるaファイルのルークに出てくるチャンスを与えるのは癪なため、私としてはなるべくbポーンは突かないままでいたかったです。

21... Nf6 22. Rde1 Qd7 23. Qd2 Kh7 24. h4!



f2-f3 の時点で、メインはどこかでのf3-f4 突き直しでしたが、h3 にビショップを切り替えるアイディアももちろん頭にありました。黒クイーンがd7 にいったいまこそ、このビショップ切り替えを使うときです。

24... Qd8 25. Bh3 Ncd7 26. Kg2 Ne5 27. b3


ここは、27. Bd4! Nxc4?! 28. Qc3! Rxe2+ 29. Rxe2 Ne5 30. Nxc7+- というアイディアがあり、c4 をすぐに守らなくても良かったようです。

27... axb3 28. axb3 Bf8 29. Bd4!



黒はビショップを退いてd6 を守り、c7-c6 からナイトを追い返そうとします。ならば、f6 のナイトの守りが薄くなったことを利用してビショップのダイアゴナルをa1-h8 へと切り替えます。

29... c6 30. Nc3 c5 31. Bg1!?


31. Bxe5 dxe5 32. Rxe5 Rxe5 33. Rxe5 Bd6 34. Re2+/- とポーンを取っても、黒の代償が不十分であることは理解していました。しかし、ポーンを捨てて黒マスビショップをアクティブにし、g3 への反撃を作らせるのはあまりに相手の狙い通りだと感じます。そこでビショップのペアはキープしたままで、d6 のポーンを再び狙うチャンス(Nc3-Nb5 or Nc3-Ne4) を窺うことにします。

31... h5 32. Be3! Qa5?



私がf3-f4 を突くことを警戒し、hポーンを伸ばしてきたところで、g5 のマスの弱さに注目します。Be3-Bg5 は確かに嫌なアイディアで、早めにクイーンが避けておきたいところですが、これは白の狙い通りのタクティクスが決まります。32... Ned7 33. Bg5 Rxe2+ 34. Rxe2+/- のほうがまだ黒は戦えたでしょう。

33. Bg5! Bg7 34. Bxf6!


ナイトをビショップで消し、コントロールのなくなったセンターのマスにナイトを跳ばすアイディアは、私の十八番です!

34... Bxf6 35. Ne4! Be7 36. Qxa5 Rxa5 37. f4!



これで白の駒得がはっきりと決まりました。白はピンを利用して、d6 のポーンを取ったり、f6 でナイトフォークを決めることができます。

37... Nd3 38. Rd1 Nb4 39. Nxd6! Ra2 40. Rxa2 Bxd6


少し予想外な駒の捌かれ方でしたが、1ポーンエクスチェンジアップになり白勝勢です。

41. Ra7 Re2+ 42. Kf3 Re7 43. Rd2 1-0



最後は43. Bc8 でも良かったのですが、Nb4-Nc2-Nd4+ などの余計なカウンタープレーを与えないほうが良いと思って本譜を指したところ、Kotronias はすぐにリザインしました。最近は調子を落としているとはいえ、強豪国ギリシャを代表するGM Kotronias からの勝利は本当に嬉しいです!

10/20 Miroslav Miljković (GM, SRB, 2484) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
10/21 Arseny Kargin (IM, RUS, 2420) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
10/22 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Kotronias Vasilios (GM, GRE, 2487) 1-0
10/23 Der Manuelian, Haik (USA, 2269) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/24 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Vladan Rabrenović (IM, SRB, 2343)
10/25 Manush Shah (IND, 2302) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/26 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Theo Gungl (FM, GER, 2347)
10/27 Atakisi Umut (IM, TUR, 2394) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/28 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Nebojša Nikčević (GM, MNE, 2424)

Third Saturday GM October 2018

+2 Atakisi
+1 Miljković. Nikčević, Kojima
+-0 Kargin, , Gungl, Manush
-1 Der Manuelian
-2 Kotronias, Rabrenović

この日は3つのボードで決着がつきました。私にはFirst Saturday でなしえなかった勝ち越し状態に入りましたので、ここからさらにプラスを伸ばしていきたいですね。


勝った日の夕飯は1枚でも十分そうなステーキが3枚(笑) モンテネグロに来てからは海産物は一切出ずに、肉ばかりです。

2018/10/22

Third Saturday GM October 2018 R2


モンテネグロのGM トーナメント、Third Saturday は2日目を迎えます。私はロシアのマスターと久々の試合です。

Kargin, A (IM, RUS, 2420) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
Third Saturday GM October 2018 (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 Nd7 6. O-O h6 7. Nbd2 Ne7 8. c3 Qc7 9. b4 g5!?



Kargin はCaro-Kann に対してどの変化を指してくるか分かりませんでしたが、Advanced Variation は1つの候補でした。Qd8-Qc7 から、様子を見てg7-g5 を仕掛ける変化を久々に使ってみます。ここは9... a5 としておくのもありだったでしょう。

10. Nb3 Bg7 11. a4 O-O 12. Ba3 b6


a3-f8 のダイアゴナルを取られることは承知のうえです。このラインを支配されると面倒なので、c6-c5 を返せるように準備しておき、弱くなったf4 のマスにナイトを向かわせます。

13. Rc1 Rfd8 14. Re1 Ng6 15. h3 Nf4 16. Bf1 Bf8!?



ここは悩みましたが、ビショップを退いて相手の出方を伺うことにします。相手が何もしなければ、次にa7-a5 があります。他にはf7-f6 から仕掛ける手も考えましたが、e6 のポーンが弱くなるため、c3-c4 が嫌でした。16... f6!? 17. exf6 Nxf6 18. c4!

17. Ra1 Rab8 18. Qd2 f6!?


一度は諦めたこのブレイクを、ルークがcファイルから離れたのを見て実行します。e5 をアウトポストにしても、Nd7-Nf6-Ne4 までいければ勝負できるというアイディアです。

19. b5 c5 20. h4 c4 21. Nc1 Be4



21... fxe5 22. dxe5 Bxa3 23. Rxa3 Rf8 24. hxg5 Be4 25. Nd4 Nxe5 で黒が良いというのがコンピュータの指摘ですが、キング前とe6 を大きく弱める変化に踏み込むのは難しかったです。本譜では、まずナイトを捌こうとします。

22. hxg5 fxg5?!


ここはセンターを開きにいかない安全策を取りましたが、これが弱気すぎました。22... fxe5 23. dxe5 Nxe5 24. Nxe5 Qxe5 25. g3 ならば、白はポーンを捨てて難しい形勢です。22... hxg5! 23. Qe3 Bxa3 24. Rxa3 Bxf3 25. Qxf3 fxe5 26. g3 e4! がおそらく選ぶべき変化ですが、これも黒は勇気を出してキング前を崩さなければいけません。

23. Nh2 Bxa3 24. Rxa3 Rf8



fファイルからのアタックチャンスは十分ではなく、黒のほうが弱点を多く抱えていると知りつつも、ここまできた以上はこうするしかありません。

25. g3 Nh5 26. Qd1 Ng7 27. Ng4 Kh7?!


私はエクスチェンジを相手が捨ててくるならば、それで勝負だと考えていました。27... Bf3 28. Be2 Bxe2 29. Qxe2 h5= はビショップを捌く安全策です。

28. Bg2


28. Rxe4! dxe4 29. Bg2 Nf5 30. Bxe4 Kg7 31. Qe2 これは黒が大丈夫だと思っていましたが、黒は白マス全体が弱く、あまりルークを活用できる場所がないため、白はNc1-Na2-Nb4-Nc6 といったマヌーバリングなどで手を作り、攻めやすいようです。

28... Bg6 29. Ra2 Rf7 30. f3?!



これは余計だったと思います。Nc1-Na2 のプランを諦めてまでルークを2段目に退いたのであれば、f2 のポーンはそのままで大丈夫です。本譜のようにポーンを進めてしまうと、g3 が弱くなり、黒に付け入るスキを与えてしまいます。

30... Nf5 31. Kf2 Rbf8 32. Rh1 Kg7 33. Ne3?


まさか、こちらがh6-h5 をやる前にナイトを退いてくるとは思いませんでした。残り時間ぎりぎりまで考え、勝負のサクリファイスを実行します。本譜の代わりに33. Qd2 は安全です。

33... Nxe3 34. Kxe3 Nxe5!



3ポーンピースでも、白のキングはポーンを崩されて危なく、c,d ファイルのパスポーンに対応するのが簡単ではないように見えるため、このナイト捨てを決断します。

35. dxe5 Qxe5+ 36. Kd2


36. Kf2 Qxc3 でも黒は面白いポジションで、例えば37. Ne2?? Rxf3+! 38. Bxf3 Qxf3+ は即黒勝ちとなります。

36... Qxg3 37. Qg1 g4!?



37. Qe2 ばかりを考えており、ここでどうするか悩みました。実際に指した手も、f3 のポーンを崩して新たなパスポーンを作るチャンスがあるため、良さそうに見えます。しかし、一番良い手はさらに踏み込まねばならず、そこまで正確に読むには時間が足りませんでした。37... d4! 38. Ne2 (38. Qxd4+ e5 39. Qg1 Rd7+-+) 38... dxc3+ 39. Kc1 (39. Kxc3 Rxf3+! 40. Bxf3 Qxf3+ 41. Kxc4 e5-+) 39... Qc7 40. Qh2 Qxh2 41. Rxh2 g4! 42. Nxc3 (42. fxg4 Rf1+ 43. Bxf1 Rxf1#) 42... gxf3-/+ これで黒優勢というのがコンピュータの指摘です。確かにd5-d4 の押し込みは考えましたが、細かなマテリアル勝負でさらにポーンを捨てるような変化には、跳び込みづらかったです。

38. Ne2 Qe5 39. Qd4 Qxd4+ 40. Nxd4 Rf6


ここで30分が増えて一安心です。g4 のポーンは取られる心配がないため、次にf3 を崩して黒にチャンスがあると思っていました。

41. Re1 gxf3 42. Bxf3!



しかし、このピースを返す手が見えていませんでした。2ピースルークの交換でも、e6 が落ちるのが予想外で、また評価の難しいエンドゲームへと突入します。

42... Rxf3 43. Nxe6+ Kf7 44. Nxf8 Kxf8 45. Raa1!?


白は安全策を取りました。徹底的に勝負であるならば、45. a5 Rd3+ 46. Kc2 h5 としてまだ形勢不明でしょう。

45... Rd3+ 46. Kc2 Be4 47. Rad1 Rg3+ 48. Kd2 1/2-1/2



最後の手で相手がドローを提案するまで、勝負してくるつもりなのだと思っていました。確かに白キングをbファイルに遠ざけられれば、hポーンを伸ばして勝負できそうですが、キングが近いようであればリスクが高いでしょう。少し考えて、Rg3-Rd3 を指すことなく、彼のオファーを受けることにしました。

10/20 Miroslav Miljković (GM, SRB, 2484) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
10/21 Arseny Kargin (IM, RUS, 2420) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
10/22 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Kotronias Vasilios (GM, GRE, 2487)
10/23 Der Manuelian, Haik (USA, 2269) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/24 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Vladan Rabrenović (IM, SRB, 2343)
10/25 Manush Shah (IND, 2302) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/26 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Theo Gungl (FM, GER, 2347)
10/27 Atakisi Umut (IM, TUR, 2394) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/28 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Nebojša Nikčević (GM, MNE, 2424)

Third Saturday GM October 2018

+2 Atakisi
+-0 Miljković, Nikčević, Kargin, Kojima, Gungl, Manush, Der Manuelian
-1 Kotronias, Rabrenović

2日目は初戦でKotronias を下したGM Nikčević がレイティング最下位のアメリカのジュニアに負け。トルコのAtakisi が連勝でプラスを伸ばしています。3R は待望の白ですが、相手はあのKotronias! しっかりと準備をして試合に臨みたいと思います。


試合前に会場に降りると、今年のKorchnoi Memorial で指された、Paravyan - Golubov のゲームを並べていました。少し写真の駒の配置が見えづらいかもしれませんが、この局面での白番の1手を、興味のある方はリンク先を開かずに考えてみてください。

2018/10/21

Third Saturday GM October 2018 R1


モンテネグロのデノビッチで、新しいトーナメントがスタートしました。この日は午前中、少し町の中をぶらぶら。ドブロヴニクから来た大通りに出て、バス停を確認します。ホテルは目の前が海ですが、5分歩いて大通りに出ると、険しい山の中にいるような感じです。こうした山と海に囲まれているのが、モンテネグロの特徴ですね。ちなみにこのバス停、名前も書いてなければ時刻表もない(笑) トーナメント終了後、ここからコトル、もしくはドブロヴニクに行こうかと思っていましたが、本当にバスが来るのか不安です。


さて今回のThird Saturday、初戦のの相手はセルビアのGM Miljkovic です。d4系のソリッドなプレーヤーだと事前に調べ、試合の準備を進めてきました。

Miljkovic, M (GM, SRB, 2484) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
Third Saturday GM October 2018 (1)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. cxd5 cxd5 5. Nc3 Nc6 6. Bf4 Ne4!?



Slav Exchange に対して、新しいラインをチャレンジします。この変化はナイトを交換することでポーンストラクチャーを対称ではなくし、よくあるドローの流れを防ぐことにあります。

7. e3 Nxc3 8. bxc3 e6 9. Ne5!?


9. Bd3 Bd6 10. Bxd6 Qxd6 11. O-O O-O 12. c4 dxc4 13. Bxc4 b6 がメインの変化ですが、白のセンターポーンよりも黒のクイーンサイドポーンマジョリティのほうが武器になりそうで、この形を勉強していました。これを嫌って相手もナイトを交換を催促してきます。

9... Bd6 10. Bb5 0-0!



ここはしっかり読んでポーンを取らせても大丈夫であることを確認しました。

11. Bxc6


11. Nxc6 bxc6 12. Bxc6 Rb8 13. Bxd6 Qxd6 14. Qa4 a6! これがビショップを逃がさないために重要な1手です。15. c4 (15. O-O Rb6! 16. Be8 Qd8 17. Bc6 Qc7 18. Be8 e5! 19. c4 Re6 20. cxd5 Rexe8-/+) 15... Rb4 16. c5 Rxa4 17. cxd6 Rc4 18. d7 Rxc6 19. dxc8=Q Rfxc8=/+

11... Bxe5


ここは少し迷いましたが、1ポーンを捨てずに戦うことにしました。11... bxc6 12. Nxc6 Qc7 13. Bxd6 Qxd6 14. Nb4 a5 15. Nd3 Ba6 16. Nc5 Bc4 17. f3 e5 これでも戦えそうですが、ナイトをc5 に置かれたうえでのポーンダウンは少し嫌でした。

12. Bxe5 bxc6 13. Qa4 Qb6?!



白マスビショップをどう展開するかを間違え、少しずつここから悪くなってしまいました。13... f6 14. Bg3 Qd7! 15. O-O a5!= このシンプルな手が見えていませんでした。これでBc8-Ba6 を可能にしておけば、黒は全く問題なく指すことができ、おそらくドローになるでしょう。

14. O-O Ba6 15. Rfb1 Bb5 16. Qd1!


白クイーンが一時的にa4 に出たことで、Qd1-Qg4 はないと思い込み、油断していました。白はルークを展開したうえでクイーンをd1 に戻せば、Qd1-Qg4 の狙いが復活し、黒のキングにプレッシャーをかけることができます。

16... Qd8


16... f6 17. Bd6 Rfd8 18. Be7 Rd7 19. Bxf6 gxf6 20. a4+/= この流れとどちらが良いか、非常に悩みました。

17. a4 Ba6 18. Qg4 g6 19. h4 h5 20. Qg5!?



Miljkovic はクイーンを交換しても、bファイルのコントロールとf7 の固定によって、白のアドバンテージは十分だと判断しました。クイーンを残す展開との比較は難しいですが、こうなった以上は黒はクイーンを交換して抵抗するしかありません。

20... Qxg5 21. hxg5 Rfc8 22. Rb4 Kf8!?


c6-c5 と迷いましたが、まずはキングをセンターに寄せておきます。

23. Rab1 Ke8 24. Bd6 Kd7 25. Bc5 Rc7 26. Kh2 h4?!



白のKh2-Kg3-Kf4-Ke5-Kf6 をどう止めるか考え、hポーンを捨てるアイディアを思いつきましたが、ややリスキーでした。最初に考えた通り、26... Re8! で待っておくのが良かったです。

27. Rb8


27. Kh3! Rh8!? 28. Rb8 Rxb8 29. Rxb8 Rc8 30. Rb4 Rc7 31. Kxh4 Kc8 32. Kg4 Rb7 33. Rxb7 Kxb7 34. Kf4 Bf1 35. g3 Ka6 36. Bb4 Kb7 37. Ke5 Kc7 38. Kf6 Kd7 39. Kxf7 Bd3 でも、黒は2ポーンを捨てていますが、白はキングサイドでアクションを起こすのが難しく、ドローは取れそうに見えます。

27... Rxb8 28. Rxb8 Rc8 29. Rb4 Rc7 30. Kh3 Kc8! 31. Rb1!



白は勝つチャンスを残すために、ルーク交換を当然避けます。31. Kxh4 Rb7 32. Rxb7 Kxb7 33. Kg4 Bf1 34. g3 a6 35. Kf4 Kc7 36. Ke5 Kd7 37. Kf6 Ke8= ならば、黒はポーンを1つ捨てても白キングの侵入に対処してドローです。

31... Rb7 32. Bb4 Bd3 33. Rd1 Bc2 34. Ra1 a5 35. Bxa5 Ra7 36. Bb4 Rxa4 37. Rh1 Be4 38. f3 Bd3 39. Kxh4 Ra2 40. Kg3 Re2


ここでようやく時間が増えましたが、まだ私はかなり苦しい状況です。f7 が落ちるのは確定しているので、その代わりにe2 を貰い、白キングの前進を止めて戦うことを決めます。

41. Kf4!



41. Rh7 Rxe3 42. Rxf7 Re2 これだとドローなのではないかと、試合後に相手は指摘しました。これこそ私が望んだ展開です。

41... Rxg2 42. Rh8+?


私は当然、ルークは7段目にくるものだと思いました。そのほうが1テンポ早くf7 を取れるためです。しかし、相手はどう勘違いしたか、チェックをしてくれました。これでもまだ白が良いのは間違いありませんが、キングの上がるテンポを得られたのは完全にラッキーです。42. Rh7! Kb7 43. Rxf7+ Kb6 44. Re7 Bf5 45. c4!+- こうして黒キングの前進を止めつつ、e3-e4 の準備をすれば白勝勢でした。

42... Kb7 43. Rf8 Re2?!



私はこの手が間に合ったことでドローにできるのはないかと思いましたが、少し不正確でした。43... Ka6! 44. Rxf7 Bf5 45. c4 dxc4! 46. e4 Bg4 47. Rf6 Bh5 48. Rxe6 Kb5 これは本譜と似ていて、黒はキングでアクティブな反撃を作れそうです。

44. Rxf7+ Kb6 45. Bc5+?


45. Re7 Bf5 46. c4! 結局のところ、この手がポイントです。46... dxc4 47. e4 Bh3 48. Bc5+ Ka6 49. Ra7+ Kb5 50. Rb7+ Ka5 51. Rb1+- これで黒キングをaファイルに閉じ込め、白が勝勢というのがコンピュータの指摘です。本譜では私が望んだ通りにキングが前進でき、e3 をアタックできます。

45... Kb5 46. Rb7+ Kc4 47. Bb4 Bf5 48. Rb6 Kd3 49. Rxc6 Rxe3=



これで危険なe3-e4 もなくなり、白はブレイクのチャンスが一切なくなりました。この先は問題なくドローです。

50. Ra6 Re2 51. Ra3 Kc4 52. Ba5 Kd3 53. Ra1 Kc4 54. Kg3 Kd3 55. Kf4 Kc4 56. Kg3 1/2-1/2


白マスビショップの展開を間違えたことでかなり苦しくなりましたが、よく耐えたと思います。ひとまず負けスタートではなかったことに一安心で、また今日から頑張ります。

10/20 Miroslav Miljković (GM, SRB, 2484) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
10/21 Arseny Kargin (IM, RUS, 2420) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/22 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Kotronias Vasilios (GM, GRE, 2487)
10/23 Der Manuelian, Haik (USA, 2269) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/24 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Vladan Rabrenović (IM, SRB, 2343)
10/25 Manush Shah (IND, 2302) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/26 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Theo Gungl (FM, GER, 2347)
10/27 Atakisi Umut (IM, TUR, 2394) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/28 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Nebojša Nikčević (GM, MNE, 2424)

Third Saturday GM October 2018

+1 Nikčević, Atakisi
+-0 Miljković, Kargin, Kojima, Gungl, Rabrenović, Manush
-1 Kotronias, Der Manuelian

今日はロシアのIM Kargin が相手です。連続の黒は少し嫌ですが、しっかりとプレーしてきたいですね。


試合会場はレストランで、ホテルの2階に位置しています。レストランは通常営業をしておらず、宿泊選手専用の食堂と化していますが、隣で試合をしているため、全試合終わらないと夕飯は食べられません。試合をした選手自身が棋譜を入力するのも面白いです。


夕飯は全員決まったメニューで一皿出てきます。昨日はチキンのリゾットでした。

2018/10/20

Third Saturday GM October 2018 Arrival to Djenovic

昨日の夕方、Third Saturday トーナメントの開催地であるモンテネグロのデノビッチ(Djenovic )へと到着しました。今日の午後から9日間、試合が休みなしで続きます。今日は簡単にブダペストからの移動日であった昨日を振り返ろうと思います。


アンダンテを8時半頃に出た私は、ブダペストのリストフィレンツェ空港へと向かいます。今回のブダペスト滞在では1週間の、トラム、バス、地下鉄乗り放題チケットを買っていたため、それをフル活用して空港を目指すことにしました。まずは6番トラムでCarvin-negyed へと移動し、そこから地下鉄に乗り換えます。


青い3号地下鉄の終点は、Kobanya-Kisoest です。クバーニャキシュペストと発音することを、下車の時に初めて知りました。ここから空港へ向かう200E のバスに乗り換えます。以前もこのルートを使ったことがありますが、乗り換えのバス停は案内が丁寧に出ており、迷うことはありません。


リストフィレンツェ空港にはアンダンテからちょうど1時間ほどで、乗り換えも手間には感じませんでした。時間に余裕もあり、お土産を見たり食事をしたりして、ゆっくりとウィーン行きの飛行機の時間を待ちます。以前見かけたJudit の本が置いてある空港の本屋さんは、残念ながら無くなってしまったようです。

一方でウィーンの空港では乗り換えの時間がほとんどなく、本当にバタバタでした。ドブロヴニク行きの飛行機離陸予定時刻の20分前に到着したにもかかわらず、乗り換えゲートまで歩いて20分かかると案内が出ており、乗り遅れることも覚悟しました(笑) それでもなんとかダッシュで滑り込み、無事にクロアチアのドブロヴニクへと飛び立つことができました。


クロアチアの国旗はチェスボードをモチーフにしており、格好良いですね。そんなクロアチアは、私にとっては初めて訪れる国です。6年前にアンダンテを初めて訪れてから、世界一周旅行者の話の中で何度も登場した人気の地、アドリア海の真珠と呼ばれるのがドブロヴニクです。しかし、空港到着後、すぐにモンテネグロのホテルから迎えに来ていたドライバーと合流し、すぐに車に乗ることになりました。ドブロヴニクの滞在時間は飛行機を降り経ってからの30分(笑) トーナメント後、ブダペストに帰る便まで3日ありますので、その間にドブロヴニクは観光しようと思います。


車で走ること1時間、モンテネグロとの国境を越え、デノビッチへのホテルへと到着しました。ここに10泊し、今回のGMトーナメントを戦います。宿泊費は3食付きで1泊36ユーロ、高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、初めての地ですので食事は全てつけてもらうことにしました。


私の部屋は3階ですが、テラスからは海がすぐ目の前です。ドブロヴニクがアドリア海の真珠ならば、モンテネグロはアドリア海の秘宝と呼ばれています。アドリア海に面して伸びる小国で、この時期でも昼間は海に入れそうなくらい暖かいです。海のないハンガリーの人々にとっては、クロアチアやモンテネグロにはある種の憧れがあるかもしれませんね。


夕方からは参加者が集まり、ラウンドロビンのリスト決めが行われます。ここで引いた番号によってリスト順が決められ、いつ誰と白黒どちらで当たるかがすべて決まります。私は6という数字を引き、オリンピアード、FS に続いて黒が今大会も多くなりました... こうしたくじ運はすごく悪いと思っています。

10/20 Miroslav Miljković (GM, SRB, 2484) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/21 Arseny Kargin (IM, RUS, 2420) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/22 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Kotronias Vasilios (GM, GRE, 2487)
10/23 Der Manuelian, Haik (USA, 2269) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/24 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Vladan Rabrenović (IM, SRB, 2343)
10/25 Manush Shah (IND, 2302) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/26 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Theo Gungl (FM, GER, 2347)
10/27 Atakisi Umut (IM, TUR, 2394) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
10/28 Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408) - Nebojša Nikčević (GM, MNE, 2424)

Third Saturday GM October 2018

それではこれから始まるMiljković との初戦から頑張ってきます! 引き続き、応援よろしくお願い致します。

2018/10/17

Third Saturday GM October 2018 Tournament Inforamtion

今月後半から始まるThird Saturday のエントリーリストが、オーガナイザーから送られてきました。それによると、今大会は10名のラウンドロビンで、この点はFirst Saturday と同じです。平均レイティングから考えれば、GMノーム獲得には5つ勝ち越しの7Pが必要ですね。初となるモンテネグロのトーナメント、どのようなものか楽しんできたいと思います。

1. Kotronias Vasilios (GM, GRE, 2487)
2. Miroslav Miljković (GM, SRB, 2484)
3. Nebojša Nikčević (GM, MNE, 2424)
4. Arseny Kargin (IM, RUS, 2420)
5. Kojima, Shinya (IM, JPN, 2408)
6. Atakisi Umut (IM, TUR, 2394)
7. Theo Gungl (FM, GER, 2347)
8. Vladan Rabrenović (IM, SRB, 2343)
9. Manush Shah (IND, 2302)
10. Der Manuelian, Haik (USA, 2269)

Third Saturday GM October 2018


私は10月19日にブダペストからクロアチアのドブロヴニクへと入り、そこで送迎の車に乗せてもらってモンテネグロへと入ります。翌日20日から休憩日無しで28日まで試合ですので、タフなトーナメントになりそうですね。私がレイティングが2408でプレーする最後の大会ですので、ここでまた上げられるように頑張ってきます!

2018/10/16

First Saturday GM October 2018 R8


8Rの相手はアゼルバイジャンのShahaliyev です。彼はここまで2勝5ドローで、トップを走るSindarov にドロー、Mirzoev に唯一土をつけたプレーヤーです。かなりの強敵と覚悟して挑んだラウンドでした。

Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Shahaliyev, I (AZE, 2376)
First Saturday GM October 2018 (8)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 d5 4. d4 Bb4 5. Bg5 Nbd7



5... h6 の人気に押され、しばらく遭遇することのなかった手ですが、こちらも立派なRogozin のメインラインです。長く対策が決まっていませんでしたが、最近流行の兆しを見せている新ラインを実戦投入します。

6. cxd5 exd5 7. Qc2 c5 8. g3!?


8. e3 Qa5 9. Bd3 c4 と進むことが多いですが、あえてキングサイドでフィアンケットを組み、d5 のポーンを攻撃できるようにします。

8... Qa5 9. Bg2 Ne4 10. Bd2 Bxc3!?



ここで調べていた実戦を外れました。10... Nxd2 11. Nxd2 cxd4 12. Nxd5 O-O 13. a3 Bxd2+ 14. Qxd2 Qxd2+ 15. Kxd2 Nc5 16. Rad1+/= はBacrot によって指されており、少し白が指しやすいと思います。

11. bxc3 c4 12. O-O O-O 13. Be1?!


ここでどうするか、とても悩みました。この形はカペルで指したCaro-Kann Panov の形と白黒逆でよく似ており、その際も私はビショップを退く悪い手を指しました。その試合とは違い、黒のナイトの位置が違うこと、色がそもそも違うので早いことから、白はダブルビショップをキープしてゆっくりe4 のナイトを消す余裕があると思いましたが、すぐにナイトをぶつけるほうがシンプルです。13. Ng5! Nxg5 (13... Nxd2?? 14. Qxh7#) 14. Bxg5+/- これで白はビショップのペアをキープしたうえで、展開の早さもd5 への攻撃チャンスもあります。恥ずかしながら、上記のメイト筋に気付いておらず、ビショップを取られるのを勿体ないと思ってしまいました...

13... Nb6 14. Nd2 Nd6!?



14... Qxc3 15. Bxe4 Qxa1 16. Bxh7+ Kh8 17. Nf3 Bh3 18. Ng5! Bxf1 19. Bc3 Qxc3 20. Qxc3 Bxe2 21. Bf5 はとても怪しい変化ですが、互いに指せそうです。

15. f3 Bf5


この手をノータイムで指され、驚きました。これから白がe2-e4 とポーンを伸ばそうとするのに対し、ビショップは単ににターゲットになると思っていたためです。しかし、実際にはg6 に下がるマスが確保できているため、ビショップがe4 のポーンをピンにした状態で長くターゲットにできます。これには少し困りましたが、いまさらe2-e4 を指さないわけにはいかないため、先まで少し考え、相手の誘いに乗ることにします。

16. e4 Bg6 17. g4!



これが大切な手で、ここを突いておくことでBe1-Bg3 のチャンスを作りつつ、黒のf7-f5 をストップしておきます。

17... dxe4 18. Nxe4


18. fxe4!? Nd5 19. Bg3! Ne3 20. Qb2 Nxf1 21. Rxf1 こうしてあえてエクスチェンジを捨て、厚いセンターとダブルビショップ、g6 のビショップの抑え込みで代償を図ることもできたとコンピュータは指摘します。私はNb6-Nd5 を恐れ、ポーンをセンターに並べる形をあえて取りませんでしたが、これはこれでd2 のマスが空き、白が面白く指せそうです。

18... Nd5 19. Qd2



19. Bd2 Rae8 20. Rae1 もありそうですが、厄介なピンは早めに外し、e4 のナイトを自由にすることを優先しました。

19... Rad8 20. Bh4!?


念願叶って黒マスビショップがアクティブになり、白がはっきりと盛り返してきました。ここはルークが避ける1手に見えますが、相手はここで長考に入ります。私ももちろん相手が何を読んでいるのかを察し、その複雑な変化を可能な限り考えます。

20... Nxe4!



ルークが避ける手ははっきり黒が悪く、黒はエクスチェンジを捨てて勝負するしかありません。20... Rd7? 21. Nc5! Rc7 22. Bg3! Rd8 23. Rae1+/-

21. fxe4 Qxc3 22. Qxc3 Nxc3 23. Bxd8 Rxd8


これがお互いにしっかり読んでたどり着いたポジションで、黒はエクスチェンジを捨てたことで白のセンターポーンを崩し、クイーンサイドにパスポーンを作っています。さらにd4, e4 のどちらかが落ちることが確定しているなか、落ち着いてベストのディフェンスを見つけることができました。

24. Rfe1 Rxd4 25. Rac1! Nxa2 26. Rcd1!



黒のバックランクが弱いことを利用し、ルークを交換してテンポを得る。これしか白が黒のパスポーンに対抗する方法はありません。

26... Rxd1 27. Rxd1 h6


検討戦ではMirozev も加わり、27... h5 が良かったのではないかと意見が出ましたが、これにも白に絶妙なアイディアがありました。28. gxh5! Bxh5 29. Ra1 Nc3 30. Rxa7 b5 31. Rb7 Ne2+ 32. Kf2 c3 33. Rb8+ Kh7 34. e5! これが見つけづらい手で、白はBf3-Be4+ の狙いを作ることで、黒に簡単にcポーンを伸ばさせません。h5 に移動したビショップがe2 のマスを守り、ナイトが素早くc1 を抑えられると思われたこの変化も、白はディフェンスできます。ただし、これを正確に読むのはとても難しいですね。

28. Ra1 Nc3 29. Rxa7 b5 30. Ra8+ Kh7 31. Rb8 Nxe4



ここで黒はbポーンを諦めました。この時点で負けがないことが分かり、安心して指すことができるようになりました。しかし、勝てるかどうかは別問題です。

32. Bxe4 Bxe4 33. Rxb5 Kg6


ここで相手からドローオファー。もちろんドローポジションですが、私には受ける理由がないため、とことんやることにします。

34. Rc5 Bd3 35. Kf2 Kf6 36. Ke3 g5 37. Kd4 Kg6 38. Re5 h5!



ドローを目指す側は、なるべくポーンを交換する。基本通りのプレーですね。

39. h3 hxg4 40. hxg4 f5 41. gxf5+ Bxf5 42. Kxc4 Bh3


完全にポーンを消され、さらにドロー模様が濃厚ですが、どのように最後までやるのか確認したく、付き合ってもらうことにしました。

43. Kd4 Kh5 44. Ke3 Kg4 45. Ra5 Bg2 46. Rc5 Ba8 47. Kf2 Kf4 48. Rc8 Be4 49. Rf8+ Kg4 50. Rg8 Kf4 51. Rf8+ Kg4 52. Ke3 Bg2 53. Kd4 Kg3 54. Ke5 g4 55. Kf5 Bf3 56. Kg5 Be2 57. Rf4 Bf3 58. Ra4 Bd1 59. Ra3+ Bf3 60. Rb3 Kf2 61. Kf4 Be2



かなり頑張って押し込んできましたが、gポーンがあるためディフェンスは簡単です。

62. Rb2 g3 63. Rxe2+ Kxe2 64. Kxg3 1/2-1/2


今大会、負けなしでここまできていたShahaliyev に、あわよくば土をつけようと意気込んでいましたが、それもかないませんでした。しかし、なかなか面白いゲームだったと思います。彼はこれほどの実力を持ちながら、今大会で初めてのIMノーム獲得だそうです。


8Rに臨む12歳のSindarov(右)

そしてこの後、Mirzoev とは最終戦をドローで合意し、今月のFirst Saturday の全試合を終えました。この日はSindarov もManush とドローで、5つ勝ち越しを決めました。Mirzoev は1つ目のGMノーム、Sindarov は3つ目のGMノームでGMタイトル獲得、Shahaliyev は1つ目のIMノームとノームラッシュの今大会でした。Sindarov は今年GMを獲得したPraggnanandhaa の記録を5日間更新し、12歳10か月8日で、Karjakin に次ぐ世界第2位の若さでのGMタイトル獲得となりました。なんともすごいプレーヤーと居合わせてしまったものです。

10/07 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Sindarov, J (IM, UZB, 2500) 0-1
10/08 R2 Ilincic, Z (GM, SRB, 2411) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
10/09 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2350) 1/2-1/2
10/10 R4 Manush, S (FM, IND, 2302) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 1-0
10/11 Rest Day
10/12 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Plat, V (GM, CZE, 2539) 0-1
10/13 R6 Tran, M T (IM, VIE, 2341) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
10/14 R7 Czebe, A (GM, HUN, 2426) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2
10/15 R8 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Shahaliyev, I (AZE, 2376) 1/2-1/2
10/16 R9 Mirzoev, E (IM, UKR, 2439) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 1/2-1/2

First Saturday GM October 2018 Standings

+5 Sindarov, Mirzoev
+2 Shahaliyev, Plat
+-0 Manush
-1 Kojima
-2 Nguyen, Czebe
-4 Tran
-5 Ilincic

バツミに続く最初のGMトーナメントが幕を閉じ、次は20日からモンテネグロでのGMトーナメントに挑みます。またそちらの情報も早めに出しますので、引き続き応援をよろしくお願い致します。

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