2015/02/27

The Highest Level Training in Japan on 27th February 2015 Vol.1


こちらのブログでは恒例の、羽生さんとのトレーニングを今月も行ってきました。今日も2試合のラピッドと、もちよりでのポジション研究です。ラピッドは実際には私の白番からのスタートでしたが、棋譜の長さの関係で、先に午後に行われた黒番のゲームからお届けします。

Habu, Y (FM, JPN, 2398) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)
Training (2)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 g6 6. Be3 Bg7 7. f3 Nc6 8. Qd2 Bd7 9. Bc4 O-O 10. O-O-O Ne5 11. Bb3 Qa5!?



Sicilian Dragon Qa5 Variation は、中高時代に愛用した私の青春そのものです(笑) 11... Rc8 のラインに比べれば、人気も勝率も落ちますが、好きなら何を指しても大丈夫です!

12. Kb1 Rfc8 13. h4 b5 14. h5!?


この手は初めて見ました。私が2回目の優勝を果たした2006年の全日本選手権では、佐野さんとのゲームで以下のように進みました。14. Ncxb5 Qxd2 15. Rxd2 Rab8 16. a4 a6 17. Na3 Be8! (狙いは、Nf6-Nd7-Nc5 or Nb6)

14... Nxh5 15. Nd5!



この手は私が最も警戒していた手で、一番嫌だと思う手をしっかり指してくるあたり、さすがだと感心します。15. g4 Nf6 16. Bh6? Bxh6! 17. Qxh6 Rxc3! 18. bxc3 Qxc3-/+ と進む展開は、Dragon プレーヤーの思う壺でしょう。

15... Qxd2 16. Rxd2 Kf8 17. g4 e6?!


この手は不自然だと思いつつも、4年前のトレーニングでの研究で、h7 を単純に取らせてポーンを返す変化は、あまり良くないと結論付けていました。しかし、ここでは少し状況が違います。17... Nf6 18. Nxf6 (18. Bg5! が検討では出なかった1手で、ベターかもしれません。) 18... Bxf6 19. Rxh7 Nc4! 20. Bxc4 bxc4! (これは私があまり考えていなかった形で、黒はbファイルからのカウンタープレーでバランスを取ります。) 21. c3 Rab8 22. Rdh2 Rb7=


Analysis Diagram

このように進んでみると、白のアタックチャンスはさほど大きくなく、むしろ黒もb2 をターゲットにすることで、十分に戦えているように見えます。本譜のように、d6 を弱めていないことも、黒が満足に戦えるポイントです。

18. gxh5 exd5 19. Bxd5 Rab8



19... Nc4 20. Bxc4 bxc4 21. Ne2!+/- こうなれば、白は単純にd6 を狙って優勢でしょう。これが、e7-e6 の大きな欠点です。

20. hxg6 hxg6 21. Bg5 Rc5?


残り時間が少なく、粘れるディフェンスの方針を見失いました。21... Nc4 22. Rdd1 Nb6 23. Ne2+/= のほうが良かったでしょう。

22. b3 Rc3 23. f4 Nc6 24. Nxc6 Bxc6 25. f5!



d6 だけでなく、黒キングへのダイレクトアタックもあり、これで完全に黒は厳しくなりました。

25... Bxd5 26. Rxd5 gxf5 27. exf5 Be5 28. Rxe5 1-0


普段のCaro-Kann とは気分を変えて臨んだ一戦でしたが、黒番では負けてしまいました。h7 を返すほうがベターという判断ができなかったのは、まだまだ力が足りていない証拠ですね。午前に指した私が白のゲームは、また後日お届けします。こちらも普段のSemi-Slav とは、全く違うオープニングとゲーム展開ですよ!

Vol.2 に続く

2015/02/26

Saturday Lecture on March 14th 2015


試合前、カメラマンに応えるCarlsen, Photo by Hasegawa

【日時】 2015年3月14日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Play Like Magnus Carlsen
【テーマ詳細】

2004年頃から名前を聞くようになった北欧の天才少年は、瞬く間に世界のトップに躍り出て、多くの功績を残しました。Kasparov の世界記録を塗り替え、現在もレイティング世界ランキング1位、現世界チャンピオンのMagnus Carlsen が、今月のレクチャーテーマです。数えきれないオープニングを使いこなし、他のプレーヤーが思いつかない独創的なプランを立て、そして勝てないと思われるエンドゲームを勝ち切る、そんなCarlsen のプレーを、世界チャンピオンシリーズの締めくくりとして追っていきましょう。

【参加費】 一律1200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

昨年から長く続いた世界チャンピオンシリーズも、今回で最後となります。2月のAnand に引き続き、多くの方のご参加をお待ちしております。それでは、よろしくお願い致します。

2015/02/25

Simultaneous Event in Fukuoka


昨年行われた、GM Pablo Lafuente の同時対局

来月、28日に松戸チェスクラブ主催で行われる同時対局イベントについては、すでに告知の記事を書きましたが、それに先駆けてもう一つ、同時対局イベントを行います。こちらは福岡チェスクラブの主催で、松戸のちょうど一か月前、3日後の2月28日の午後3時頃から、福岡県久留米市の高牟礼会館にて開催されます。翌日の3月1日が、全日本予選の福岡県選手権ですので、その前日に福岡チェスクラブの皆さんと交流する良い機会になりそうですね。

すでに福岡のメンバーには、私が福岡県選手権に参加すること、そして前日に同時対局イベントを行うことは伝えられているでしょう。そのため、この記事はイベント参加者向けというよりも、読者の皆さんへのお知らせのつもりで書いています。土曜日の夜には、同時対局の報告記事を書けると思いますので、そちらもお楽しみに。もしも九州にお住まいの方で、同時対局のことを初めて知り、参加を希望される方は、福岡チェスクラブか、私までご連絡下さい。私にとって初めてとなる、九州でのチェスを楽しみにしています!

2015/02/24

Endgame Training from Practical Games


Malakhov, V - Hondozi, M / 2007
White to move

私のChessbase には、Endgame Training という自作のデータベースがあります。これには現在、数十のゲームが保存されていますが、それらは全て、私が自分で並べていて面白いと思ったエンドゲームです。それを私は時折見返しながら、自分のトレーニングやレクチャーに使っているのです。先日、都内で集まったカペルに向かえたトレーニングでは、上記のポジションを集まったメンバーに見せました。

35. Kf5!


e5 のポーンが落ちそうな白は、ルークではなくポーンで取らせることで、黒のポーンのさらにバラバラにし、有利なルークエンディングへと持ち込みます。

35... fxe5 36. Ke4!



e5 に黒のパスポーンを作ることを許しはしますが、一度上がったキングを戻すことで、白はパスポーンをブロックします。これにより白に特に危険な点はなく、2つのポーンの島を持つ白と、4つのポーンがすべて分かれている黒で、優劣がはっきりとします。

36... a5 37. Rc2 a4 38. bxa4!


白は自分のパスポーンをaファイルに作り、分かりやすいプランを探します。以前の記事でも書きましたが、余計なカウンタープレーを許さないことが白にとっては大切です。

38... Ra8 39. Kxe5 Rxa4 40. Kd6 Ra6 41. Kc7!



ここから白キングと黒ポーンの鬼ごっこが始まります。黒のカウンターの最大の要因となりうるcポーンを消してしまえば、白はaポーンを進めることに集中できます。ポーンストラクチャーの優劣だけでなく、キングのアクティビティーも、このエンドゲームで白が勝ちを掴む大きなポイントでしょう。

41... c5 42. Kb7 Ra3 43. Kb6 Ra8 44. Rf2!


この手はなるほど! と唸る1手です。黒キングはfファイルでカットオフしておきながら、cポーンをキングで取りにいきます。44. Kxc5?? Rc8+-+ は、もちろんダメですね。

43... c4 45. Kb5 c3 46. Kb4 Rb8+ 47. Kxc3



これで後は、ルークで支えたaポーンを進めれば、白は勝てそうです。

47... Ra8 48. Kb2 Kg7 49. a3 Kg6 50. Kb3 Rb8+ 51. Kc4 Ra8 52. Ra2


ルークはパスポーンを後ろからサポートするもの。これでゲームオーバーです。

52... Kf5 53. a4 Ke6 54. a5 Kd6 55. a6 Kc6 56. a7 1-0



最後は52... Kb7 53. Kb5! Rg8 54. a8=Q+! から、ルークを交換して勝ちのポーンエンディングに持ち込むのが、白としては最も確実な勝利でしょう。特に難しいテクニックは登場しませんでしたが、こうしたエンドゲームでの丁寧なプレーは、よくチェックしておくべきだと思います。

2015/02/21

White's Development Advantage


先月、ロンドンで指したラピッドの大会のゲームは、最終戦のFrench Tarrasch の棋譜だけを公開していましたが、もう1つ、白の優位が分かりやすい、面白いゲームがありました。帰国後に何名かにはすでに見せましたが、こちらでも公開しておきます。

Kojima, S (FM, JPN, 2384) - Joslin, T (ENG, 1879)
CCF NEW YEAR RAPID PLAY CONGRESSES (2)

1. e4 d5 2. exd5 Qxd5 3. Nc3 Qd6



Scandinavian 3... Qd6 Variation は、私も黒で研究したことのあるソリッドなオープニングです。黒はピースの展開の遅れという典型的な問題を抱えますが、e4 とd5 のポーンを交換する堅いCaro-Kann ストラクチャーで戦います。白が展開の早さを生かすようなプレーができなければ、黒には十分にイコアライズのチャンスがあるでしょう。

4. d4 Nf6 5. Nf3 Bg4 6. h3 Bxf3!?


黒のc6, e6 のポーンストラクチャーにおいては、ダブルビショップの優位はやや生きにくいとも言われます。(Caro-Kann Two Knights Variation は良い例でしょう。) それでも、黒はポジションをオープンにしないよう、注意が必要です。

7. Qxf3 c6 8. Be3 g6?!



ここは8... e6 と指して、典型的なポーンストラクチャにするほうがベターでした。理由はすぐにわかります。

9. O-O-O Nbd7 10. Bf4!


白はクイーンが素早くf3 に上がったことを生かし、ビショップをアクティブなダイアゴナルに切り替えます。この手はクイーンを追い払ってh2-b8 のラインを抑えるだけでなく、将来的にアタックの筋となる、eファイルを開くことも目的としています。

10... Qb4 11. a3 Qa5 12. d5!



白のアドバンテージとして典型的な、ピースの展開の早さを生かすのであれば、なるべくポーンを交換してポジションをオープンにすべきです! これにより、白はdファイルを開きつつ、c6 のポーンをターゲットとします。

12... Rc8 13. dxc6 bxc6 14. Bc4!


これで白マスのビショップも攻撃的な位置に展開できました。黒はe7-e6 を突かなかったことにより、白にd4-d5 からのブレイクを許してしまったうえ、a2-f7 のダイアゴナルから、キングにプレッシャーをかけられてしまっています。

14... Bg7 15. Rhe1!+/-



そしてもう一つ、e7 に残したポーンは、それ自体がターゲットとなります。2つのルークとダブルビショップのラインをすべて開き、黒キングへの攻撃態勢を素早く整えることで、すでに白は勝勢となっています。この後、黒はe7 を諦めてキャスリングをしますが、白は次にf7 をターゲットにできるので、即ゲームオーバーでしょう。

15... O-O 16. Rxe7 Nb6 17. Ba2 Nh5 18. Bd6 Qg5+ 19. Kb1 Rcd8 20. Rxf7 Rxf7 21. Qxf7+ Kh8 22. Be7 1-0


シンプルなゲームではありますが、白の優位の生かし方が分かりやすい好ゲームだったと思います。1. e4 プレーヤーには、是非並べていただきたい1局ですね。

2015/02/20

Preventing Counterplay

久々のブログ更新です。だいぶサボっていて、申し訳ないです。さて、最近のゲームを見ていて面白いと思ったチェスのテーマに、「反撃の防止」というものがあります。このテーマを考える際、私自身のゲームで振り返りたいのは、2年前のハンガリーでの一戦です。


Kojima, S (FM, JPN, 2357) - Bird, A (AUS, 2203)
CAISSA 2013 September IM (3)
Position After 41... Rxe7

42. Ra6?!


クイーンを交換し、持ち時間も増えて一安心した私に、不正確な1手が飛び出しました。このエンドゲームでは、白は確かにa5、もしくはc6 のポーンを狙ってチャンスを作るべきですが、まずは黒の反撃を防いでおくべきです! 実際の試合では、次の手で42... g5!? とポーンを突かれ、キングの前進とルークによる反撃を許してしまいました。それでも白は優勢でしたが、私の不正確なプレーが続き、ゲームはドローになってしまいます。試合後に対戦相手のBird が指摘したのは、最初に42. f4! と指して、黒のg6-g5 からの反撃を防いでおくというアイディアです。

42. f4! Ra7 43. Rb7 Rca8 44. Ke2 Kg7 45. Kd3 Kf8 46. Rxa7 Rxa7 47. Rb6 Rc7 48. Kc3+-


Analysis Diagram

こうして進めてみると、ここまで白は準備を進めてから、a5 を取っても十分なことが分かります。a5、c6 のポーンはどこにも逃げられないため、白はゆっくりとキングのポジションを改善する余裕があるわけですね。つい忘れがちですが、チェスにおいて大切なことは、優勢のポジションから確実に勝つことで、1手でも早く勝つことではないのです。そして最近のゲームでも、この反撃の防止のアイディアが登場したゲームがありました。


Anand, V (GM, IND, 2797) - Nakamura, H (GM, USA, 2776)
4th Zurich CC Classical (4)
Position After 32... g5

どことなく、私のポジションと似ていますね(笑) 白は完全にクイーンサイドを制圧していて、ゆっくりとポーンを狙えば、勝つのは時間の問題です。しかし、ここで黒は反撃として、g6-g5 と仕掛けます。これに対して、Anand はシンプルかつ、有効な1手を返し、黒の反撃を抑え込みます。

33. Qe2!


黒はh5 を取らせて、さらにf7 をアタックされてはたまりません。そのため、h5 を守るために本譜の手をチョイスします。代わりに33. hxg5?! Qxg5! (33... Bxg5 34. f4!) 34. Rxf7+ Kxf7 35. Qxc8 Qf5 ならば、黒はパペチュアルチェックを絡めた反撃を作ることができます。 以下はChess News で解説を書いた、GM Ramirez の言葉です。35. Qxc8 Qf5 is probably winning, but why allow so much counterplay? やはり優勢の際は、相手の反撃を封じることが、安全にゲームを進めるための、有効なアイディアとなるわけですね!

33... g4 34. Qa6


こうして黒のキングサイドの反撃を消しておき、再びクイーンサイドでの攻撃に戻れば、白の勝勢です。

34... Qg8 35. Nb6 Rf8 36. Nd7 Qh7 37. Nxf8 Qe4+ 38. Kh2 Kxf8 39. Rb8+ Kg7 40. Qc8 Kg6 41. Qh8 1-0



皆さんも、こうしてGM のゲームからアイディアを学んだ際は、それを実践できているか、いないか、自分のゲームをよく振り返ってみると良いでしょう。このゲーム、あと1週間早ければ、レクチャーでご紹介したかったですね。

2015/02/14

Saturday Lecture in February 2015 Lecture Report


Photo by Kawanaka

今日のレクチャーは、過去最多の22名の参加者でした。20名を超えると席も足りず、チェスセンターでは手狭に感じましたね。参加者の皆さんには感謝しつつも、やや見えづらい位置になってしまった方には、申し訳なく思います。うまく工夫しますので、来月以降も盛況だと嬉しいですね。

今月はアジア初のチャンピオン、インドの Anand のゲームでした。白番1つ、黒番2つのゲームを並べましたが、私がチェックした Anand のゲームの中には、他にも沢山ご紹介したい、勉強になるポジショナルプレーがいくつもありました。その一部を、ここで紹介しておきましょう。


Radjabov, T - Anand, V / FIDE GP 2002
Black to move

18...b5!


ダブルビショップを持つ白は、それをいかすためにc3-c4 と突きたいところですが、黒はここでbポーンを伸ばすことで、それを防ぎます。19. Bxb5 Qb8! と指せるのがさらなるポイントで、黒は両ビショップとh2 をターゲットにすることで、ポーンを取られないようにします。


Carlsen, M - Anand, V / Morelia/Linares 24th 2007
Black to move

ここは次にBxf6-Nxh7 のコンビネーションにどう対応するか迷うところですが...

17... Kh8!


この手は少し思いつきにくいかもしれません。私は最初、Rf8-Rd8 でなにがいけないのか分かりませんでしたが、17... Rfd8?! 18. Bxf6 gxf6 19. Bxh7+! Kg7 20. Be4! という手筋があり、白はポーンを掠め取ることができます。そこでh7 に先にキングを避けておくことで、h7 をビショップで取られた際に、チェックがかからないようにしておきます。これで黒が優勢になるわけではないですが、18. Bxf6 gxf6 19. Ne4 Bxe4! 20. Bxe4 Ra7= でも問題ないならば、黒は満足に指し続けることができるでしょう。

今日は派手なタクティクスのゲームもありましたが、こうした気づきにくく、細かいプレーができることも、Anand のチェスの魅力といえるでしょう。皆さんも、Anand のお気に入りのゲームがあれば、是非私にも教えてほしいと思います。

来月のレクチャースケジュールは未定ですが、必ず時間を作るつもりですので、また来月もよろしくお願い致します。世界チャンピオンシリーズも最後で、次はいよいよ Carlsen ですかね。


そして今日はバレンタインデーでしたね。チェス関係者からは、チェスピース型のチョコを貰ったという報告が多くありましたが、こちらも人気の惑星チョコを、チームメイトの長谷川さんから貰いました。ありがとうございます!

2015/02/13

The Highest Level Training in Japan on 29th January 2015 Vol.3


Habu, Y (FM, JPN, 2415) - Kojima, S (FM, JPN, 2397)
White to move

そろそろ、1月のこのゲームも後半の解説を始めましょう。2ピースルークながら、白にはfファイルに刺さりそうなパスポーンがあり、正確な形勢判断は、非常に難しいポジションです。ここからはお互い、悪手が続きます。

34. f7+?


もっとも自然に見えるこのチェックは、実は白が勝ちを逃がす悪手となります。34. Ng5!! (チェックの前にこの手を入れておくのが正解で、黒はg6 のポーンを取ることができません。) 34... Qxf6 (34... Qxe3 35. f7+ Kf8 (35... Kh8 36. Rf1! Rf8 37. Qxe3 Rxe3 38. Nh7+-) 36. Nh7+ Ke7 37. Qe1!+- この変化は本譜と同じなので、後ほど解説します。) 35. Nf7 Qxg6 (35... R8d7 36. Bd4!+- このバックランクメイトも見えづらい!) 36. Nxd8 Rxd8 37. Rg1+- このマテリアルであれば、白は問題なく勝てるでしょう。

34... Kf8 35. Ng5! Qxe3??



ここは私も時間がなく、ビショップを取って良いのか悩みました。結論としては、取れるのではないかと判断したのですが、これが大失敗。大人しく、g6 のポーンを取っておけばキングも安全になり、黒はやや優勢だったでしょう。35... Qxg6 36. Re1 R3d7=/+

36. Nh7+ Ke7 37. Qxe3+?


本譜の代わりに、37. Qe1! が正解です。クイーン交換を避けてバックランクは大丈夫なのかと疑問に思えますが、ぎりぎりで何とかなっています! e1 に下がった白のクイーンは取られる心配がなく、次にQe1-Qh4 の決定的なスレットを作っています。

37... Rxe3 38. a3



クイーンを交換して一息つきたいところですが、時間の無い状況では、まだ形勢がどうなっているのか判断できません。検討戦では、私が羽生さんに38. Rf1 を指摘し、これで黒に受けがないかと思われましたが38... Rf3! 39. Re1+ Kd7 40. Rd1+ Kc7 41. Re1 Re3 42. Rf1 Rf3 43. Re1= これでドローでした。白はf7 にパスポーンを刺し、プロモーションの準備も整っていますが、バックランクが弱いためにすぐに決定的なスレットを作れません。そこで本譜では、a2 にマスを作って、今度こそRh1-Rf1 を狙いにします。

38... Re6! 39. Rf1! Rf8 40. Rd1 Rxg6?


次の白のスレットが分からず、ポーンを取れると勘違いしてしまいました。ここは単純に私の力不足で、言い訳ができません。落ち着いて考えれば、正しくドローにする手順も見えるはずです。40... Rc8! 41. Rf1 Rf8 42. Rd1 Rc8= こうすれば、白にはポジションを改善する方法がありません。当然、g6 を落とすわけないもいかないので、ドローで満足するしかないでしょう。

41. Rd7+!



Oops! この美しい手によって、黒の2つのルークは盤上から姿を消します。

41... Kxd7 42. Nxf8+ Ke7 43. Nxg6+ Kxf7 44. Ne5+ Ke6 45. Nxc6 Kd5


ここまではお互いにオンリームーヴでしょう。ピースダウンの黒は、クイーンサイドでプロモーションを防ぎつつ、キングサイドの2コネクテッドパスポーンを押し進めるしか、負けを防ぐ方法はありません。

46. Nxa7!


検討戦で、46. Nd4 から、すぐにg7 のポーンを取ってはどうかという意見も出ました。早めに黒のパスポーンを消しておくのは安全そうですが、ナイトがキングサイドに行ってしまえば、黒もポーン交換からのディフェンスが容易になるでしょう。46... Kxc5 47. Ne6+ Kc4 48. Nxg7 Kb3 49. Kb1 b4 50. axb4 Kxb4= こうしてポーンを1つ交換してしまえば、白に勝つ方法はありません。

46... Kxc5 47. Kb1?



私も試合中、おやっ?と思いましたし、羽生さんも後で振り返って、なぜこの手を自分で指したのか、不思議そうでした。ここは難しいですが、唯一勝ちになる筋が以下の手順です。47. b4+! Kc4 48. Kb2 h5 49. Nc6 g5 50. Ne5+ Kd5 51. Nf3 g4 52. Nh4 Kc4 53. Kc2+-


Analysis Diagram

なるほど... 2コネクテッドパスポーンは、意外とナイトで止められるんですね。これはとても勉強になりました。しかし、試合中にこの形を正確にイメージするのは、簡単ではないでしょう。

47... h5 48. b4+!


今度は1手遅く、黒にポーンを進める余裕を与えてしまいましたが、それでもこの手がベストです。

48... Kc4 49. Kc2?



今度はキングを寄るのでは遅すぎます! ここは白は勝ちを諦め、ドローを目指すしかありません。49. Nc8! Kb3! (黒としても、白のポーンをすべて消して、シンプルにドローを目指すのが良いでしょう。) 50. Nd6 Kxa3 51. Nxb5+ Kxb4 52. Nd6 Kc3 53. Kc1 Kd3 54. Kd1= これは白も黒のパスポーンを容易に止めることができるので、ドローで終わることは疑いようがありません。

49... h4!-+


今度は黒のパスポーンが早く、黒のプロモーションが止まりません。しかし、ここまできておきながら、最後の最後で...

50. Nc6 h3??



完全にナイトの力を侮った緩手でした。黒のナイトはe5 を経由してパスポーンをブロックしなければいけないため、ポーンを進める前にそのマスを抑えてしまえば勝ちでした。50... Kd5! 51. Ne7+ Ke4-+

51. Ne5+ Kd4 52. Ng4


私はこのポジションで、Ng4-Nf2+ があるため、黒のキングはこれ以上、キングサイドに寄ることができないことに気づきました。それ自体は間違いではないのですが、少し後だと話は変わってきます。

52... Kc4 53. Kb2 g5 54. Kc2 Kd4 55. Kb3?



これで黒のパスポーンをブロックしつつ、白もパスポーンを作ることができ、白の勝勢になったと... そう2人とも考えました。ところがこれは、黒に最後のドローチャンスを与えてしまいます。55. a4! bxa4 56. Kb2 Kc4 57. Ka3 Kb5 58. Nh2!+- が正解で、ツークツワンクで白の勝ちとなります。

55... Kd5??


55... Ke4! 56. Nf2+ Ke3 57. Nxh3 g4 58. Ng1 Kf2 59. a4 bxa4+ 60. Kxa4 Kxg1 61. b5 g3 62. b6 g2 63. b7 Kh1= 今度はgポーンが伸びているので、hポーンを取らせてしまっても、ドローに持ち込めました。最後の最後まで、ミスが出ますね。

56. a4 bxa4+ 57. Kxa4 Kc6 58. Ka5 Kb7 59. b5 Ka7 60. b6+ Kb7 61. Kb5 Kb8 62. Kc6 1-0



私と羽生さんのこれまでのトレーニングの中でも、最もミスの多いシーソーゲームでした。ナイトでポーンを止めにいくエンドゲームは、理論で勉強していてもなかなか実戦では正確に指すのが難しいですね。そうしたことを学べたことも、良い経験です。

今回の解説は長かったです。この3回分の記事を無理に1つにまとめなくて、本当に良かったと思っています(笑) 羽生さんとの次のトレーニングスケジュールは未定ですが、次回もお互いに勉強になるようなゲームをしてきたいですね。

2015/02/10

Chess Lessons from Great Masters

最近、自分のチェスの勉強方法をどうしようかと思い直し、あらためて、ストラテジーやエンドゲームを学んでいます。手元にあるもので面白いなと思い、ここ数日見ているのは、アメリカのGM Seirawan の Winning Chess Strategies、そして元世界チャンピオン、Emanuel Lasker の Common Sense in Chess です。アメリカの元代表でもあるSeirawan の本は、ナイトビショップの差と働き方、ルークの活用などの基礎的な内容が多いですが、解説が丁寧で分かりやすく、非常に面白いです。私はチェスの上達において最も大切なことは、どれだけ基礎を理解できるか、だと思っていますので、それを振り返る意味でも、重宝する1冊です。

Seirawan, Y (GM, 2485) - Vukic, M (GM, 2485)
Nis 1979

1. c4 Nf6 2. Nc3 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. e4 c5 6. Nge2 Nc6 7. a3 a5 8. O-O d6 9. d3 Ne8 10. Be3 Nd4 11. Bxd4! cxd4 12. Nb5


12... Qb6 13. a4 Nc7 14. f4 Na6 15. h3 e5 16. f5 Bh6 17. h4 Bd7 18. Kh2 Nc5 19. Bh3! g5? 20. Nexd4!! exd4 21. Qh5 f6 22. Qxh6 Bxb5 23. axb5 g4 24. Rf4! gxh3 25. Rg4+ Kf7 26. Rg7+ Ke8 27. Qxh7 Kd8 28. b4 Kc8 29. bxc5 dxc5 30. h5 1-0


Lasker の扱う内容は古典だけですが、1900年近くに活躍したプレーヤーたちのゲームからも、私たちが学ばなければいけないことは山のようにあります。100年も前にこうしたチェスの研究がなされ、理論が体系化されていたことには、驚きを隠せません。


White to move and win

皆さんはこのポジションから、白が勝つ方法を見つけることができますか? Endgame Manual にも、逆サイドで載っているポーンエンディングの問題ですが、Corresponding Squares とTriangulation への理解が必要なので、そんなに簡単ではないはずです。答えの分かった方は、コメント欄にどうぞ。

Winning Chess Strategies はあと一息、Common Sense in Chess も今週中には読み終わるでしょう。次はReti のModern Ideas in Chess を読もうかと思います。(1920年のモダンなアイディアですがw) こうした勉強の成果は、すぐにゲームの中で結果に繋がらなくとも、必ずどこかで生きてくるはずです。

2015/02/09

全日本選手権地方予選 - 名古屋 広島 神戸 -


3年前の浜松

先週末から、各地で全日本選手権の地方予選が始まっています。私のところに集まっている情報によれば、2/1 の愛知県選手権はスコットランド(?) の方、2/8 の広島県選手権はウズベキスタンの方が優勝したようです。神戸は順当にいけば、元日本チャンピオンのSimon でしょうかね。どこも海外勢に優勝を取られているようですので、後半の地方予選では、日本の皆さん、頑張って下さい!

そして次の地方予選は、明後日に浜松で開催される、静岡県選手権です。東京のプレーヤーも参加しやすい浜松の地方選手権は、私も3年前に足を運びました。もう少し東京勢も参加するかと思いましたが、エントリーリストを見る限りは、そう多くもないようですね。私の生徒たちも参加するので、内容の良いゲームを皆さんができるように期待しています。

私が参加する福岡県選手権は、来月頭の3/1 の開催で、前日入りして2泊する予定です。福岡はエントリー状況が発表されていませんので (主催者に連絡すればわかると思いますが)、行ってからのお楽しみにしようと思います。来月頭は、初となる九州からのレポートもお楽しみに。

2015/02/08

The Highest Level Training in Japan on 29th January 2015 Vol.2

今日は将棋ファンたちと一緒に、リアル車将棋の中継を見ながら、Seirawan のWinning Chess Strategies を並べて勉強していました。最後の羽生さんの寄せの手順は見えるよう、時間のある時に将棋の勉強もしたいですね。羽生さん、豊島さん、そして関係者の皆さん、面白いイベントをありがとうございました。チェスでもなにか、面白いイベントをやってみたいです。

そして羽生さんの対局を見ながら、そろそろ前回のゲームの後半戦の解説もしなければいけないと感じていました。前回、1月29日に指した黒番のゲームは、さらに2回に分けてお届けしようと思います。

Habu, Y (FM, JPN, 2415) - Kojima, S (FM, JPN, 2397)
Training (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. Kb1 Qb6 14. c4!?



この手を見て、私はあることを察しました。羽生さんは昨年、インドのGM Negi が書いたGrandmaster Repertoire の最新シリーズを購入したのだと。この本はFrench, Phildor, Caro-Kann の対策が全てメインラインで載っており、私もケチケメートで簡単に目を通していました。私が使う13... Qb6 の対策が書いてある、現在、世界で唯一の本だと思います。将棋だけでなく、チェスでも世界の最先端の流行に遅れない羽生さんには、本当に驚きです!

14... Qa6!?


c4 を白から突かれている以上、通常ならば迷わずに指す、Ra8-Rd8, c6-c5 の組み合わせが使えません。そこで、b7-b5 のプランに切り替えますが、b6 のクイーンをもう一度動かさなければいけないのが、このラインでは少し痛いかもしれないと感じました。

15. Bf4 b5 16. c5 Rd8 17. Qe2 O-O 18. Ne4 Nxe4 19. Qxe4 Nf6 20. Qe2 Rd5!?



b7-b5 に対し、白はクイーンサイドを開かずに閉じるものです。クイーンサイドのブレイクにより、黒はd5 に素晴らしいアウトポストを得ますが、それで反撃が十分になるかは定かではありません。そこで、d5 のマスにナイトではなくルークを置き、ディフェンス中心でゲームを進めて見ることにしました。昨年の7月に新潟でWGM Wang Jue と指した際に、こうしたゲーム展開にする選択肢を学んだのです。

21. g4 Nh7 22. Ne5 Rfd8 23. Be3 Qb7 24. f4 f6


白はd4 へのカウンターにしっかり対処しつつ、クイーンサイドのポーンを伸ばし、g4-g5 のチャンスを探ります。単にg4-g5 を許しては潰れてしまう黒は、丁寧なディフェンスを続けて耐える展開を続けます。

25. Nf3 Qd7 26. Rde1 e5!



ここは私の経験上、リスクを承知でも大胆にg4 を取りにいくべきです。取ってダメなら、どうせダメだと割り切り、クイーンをアクティブに使って反撃を作ります。

27. fxe5 Qxg4 28. Ka1 fxe5?


ここは26... Ng5!? という手があり、こちらのほうがディフェンスができました。羽生さんは、このナイトを取って白がやや良いのではないかと指摘しましたが、d4 の弱点を攻め続けることで黒はなんとか戦えますし、何より他の選択肢は黒が極端に悪くなります。

29. Reg1 Qe6 30. Rg6 Bf6 31. dxe5?



31. Bxh6! Nf8 32. Rxf6! Qxf6 33. Bg5 という手順は、検討戦で羽生さんが発見しました。これで黒は戦うのが難しいのであれば、やはり26... Ng5 を指すべきでした。

31... Nf8 32. exf6 Nxg6 33. hxg6


なんとか白の攻撃を耐えきり、2ピースルークというマテリアルに落ち着きました。しかし、長時間のゲームならば、互いにここからという状況ですが、ラピッドのゲームではそんな余裕はありません。私は開いたdファイルに並んだルークは、間違いなく黒になんらかのチャンスをもたらすと直感的に思いましたが、その利用方法を間違えてしまいます。

33... Rd3?



ここは大人しく、危険なf6 のポーンを取り除いておくべきでした。33... Qxf6 34. a3 Re8! ならば、黒が優勢です。私も羽生さんも、ルークはdファイルで突入する手しか見えておらず、34... Re8 という指摘されればシンプルな手を見落としていました。

さて、ここからゲームはどう進行していくでしょうか。この後も互いのミスによって形勢は二転三転するのですが、それもまたとても勉強になる内容でした。難解なミドルゲームの後半、そして終盤は、また次回の更新に回そうと思います。

Vol.3 へ続く。

2015/02/06

CHESS HEROZ February 2015 Event - Gibraltar Championship -


ジブラルタルでのトーナメントは先日、Nakamura Hikaru の優勝で幕を閉じました。8.5/10 で大きくレイティングを上げたHikaru は、So Wesley を抜いてアメリカのNo.1 に返り咲くようです。アメリカも、So がフィリピンから移籍したことで、今後はさらに代表争いが白熱していきそうですね。

しかし、今夜のメインの話題はそちらのジブラルタルではなく、CHESS HEROZ の話題です。私が監修をしたアプリ、CHESS HEROZ では、2月のイベントとして、Gibraltar Championship が開催されています。将棋ウォーズファンにはお馴染みですが、CHESS HEROZ でも1月から、期間内で最も戦績の良かったプレーヤーたちが表彰される、トーナメント企画がスタートしています。今大会の賞品は、3手を自動で指してくれるCAISSA の使用権利ですが、今後は賞品の異なる大会企画もスタートするようです。12月からはAndroid 版だけでなく、ios 版も公開されていますので、iPhone をお持ちの方は、是非インストールしてみてください。

私も帰国後から、CHESS HEROZ をかなりやりこんでいますが、全体では35位、Gibraltar Championship では13位と、まだまだトップに食い込めていません。駒は落ちるのに意外としぶといCPU や、アメリカ、インドの強豪ユーザーたちに、思ったよりもポイントを落としています。今後、CHESS HEROZ のユーザーは国内外でまだまだ増えていくと思いますので、これからも気を引き締めてプレーしていこうと思います。私と対戦が組まれた方は、お手柔らかにお願いします。

2015/02/03

IM 取得記念イベント at 松戸チェスクラブ


3月末の土曜日、松戸チェスクラブにご協力いただき、私のIM タイトル獲得記念イベントを開催することになりました。先程FIDE のリストで確認したところ、私にも正式にIM タイトルが授与されており、これで看板に偽りなくイベントを行うことができます(笑) ここ数年、日本ではIM Skripchenko, GM Nielsen, GM Cmilyte, GM Lafuente らが日本で同時対局を行っています。この流れの中、私も久々の同時対局イベントで緊張しますが、皆さんと一緒に楽しめればと思っていますので、よろしくお願い致します。

日程: 2015年3月28日(土) 14:00 スタート
会場: 北千住東京芸術センター(最寄り駅、北千住駅)
イベント内容: 同時対局 + レクチャー
参加費: 一般1000円、20歳未満500円
主催: 松戸チェスクラブ

その他、詳しいイベント情報は松戸チェスクラブのHP をご参照ください。また、イベントへのお申し込みは私ではなく、松戸チェスクラブにお願い致します。皆さんのお申し込みをお待ちしています。

2015/02/02

Hawaii Chess Festival Tournament Information


福岡選手権に参加する情報を公開したので、次は海外大会についてです。私は来月、ハワイで初めて開催されるインターナショナルトーナメントに参加します。メインとなるInternational Open は、4日間で6試合という試合数の少ない大会ですが、南国のハワイでのんびり、2400 になって初の公式戦にトライするというのが魅力的でした。昨年の夏には、2年ぶりに再会したポール飯沼さんから大会の情報を聞いていましたし、招待選手や賞金を見ても、ハワイチェス協会が非常に力を入れている大会であることが分かります。

Place: Hilton Waikiki Beach
Data: 3/19-22
Time Control: 90m+30s/m
Entry Fee: GM/IM/WGM/WIM Free, 2000+ 249$, U2000 299$

招待選手は、女子世界チャンピオンのGM Hou Yifan, アメリカ本土から、GM Samuel Shankland, GM Timur Gareev らと発表されています。メインのトーナメント以外にも、GMのレクチャー、ブリッツ大会、チェスキャンプ、観光ツアーなども企画されているようです。興味のある方は、是非、大会情報をチェックしてみてください。

1つだけ残念なことは、この大会日程が3月の百傑戦と重なっていることです。そのため、私は今年の百傑戦は不参加となります。2-4月のチェスイベントはまだ確定していませんが、タイミングが合わなければ、5月の全日本選手権までお会いできない人もいるかもしれません。なるべくそうならないよう、都内のイベントは積極的に顔を出していきたいですね。

Hawaii Chess Festival

2015/02/01

Saturday Lecture on February 14th 2015


【日時】 2015年2月14日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Play Like Viswanathan Anand
【テーマ詳細】

私が1. e4 を指していた中高時代、Kasparov, Svidler, Leko, Topalov たちのゲームを勉強しましたが、なにより多く並べたのは、Anand のゲームです。インドの皇帝は95年のマッチこそKasparov に敗れましたが、それから13年後にKramnik を破り、アジアのプレーヤーとして初めて、世界チャンピオンの座を獲得しました。そんな彼のシャープなSicilian やRuy Lopez のゲームは、1. e4 プレーヤーでなくともチェックしておくべきだと思います。Kramnik と並び、Kasparov のライバルとして腕を磨いてきたアジア最強のプレーヤーのゲームを、2月は見ていきましょう。

【参加費】 一律1200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

今月からレクチャーの参加費が1200円となります。ご了承、よろしくお願い致します。

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