ラベル 将棋 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 将棋 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021/02/09

森内チャンネルチェスシリーズ Vol.4


今夜、森内チャンネルのチェスシリーズ第4弾が公開され、いよいよこのシリーズも終わりに近づいてきました。今回はチェスシリーズと呼びながらも、ずっと私が将棋を指している動画です。森内さんに2枚(飛車と角) を落としてもらったハンデ戦でした。私の将棋のレベルはまだまだですので、かなり鈴木さんにアドバイスをいただきながらの対局となっています。とても楽しかったですし、1局を通して将棋の手の作り方、局面の考え方などを勉強させてもらいました。

チェスではあまり駒落ちのハンデ戦はしないですし、指導相手に花を持たせるようなことも私はほとんどやりません。しかし、こうして将棋棋士の指導対局を体験してみると、こうした教え方も面白いなと思います。今回の森内チャンネルでのチェスシリーズが、将棋ファンとチェスファン、将棋棋士とチェスプレーヤーにとって、互いのやりかたや魅力を見つめなおすきっかけになると嬉しいです。

♯68 チェスのプロが将棋で森内に挑戦!大熱戦、衝撃の結果は?

2019/03/21

第六十七回ねこまど級位者大会


久々に将棋の話題オンリーです。今日は月に1回開催される、ねこまどの将棋級位者大会に参加してきました。将棋は数年前にハンガリーで旅人に教えてもらって以降、電王戦を見に行ったり、アプリで指したりと細々続けており、今回が私にとって初の大会参加でした。

ねこまどの級位者大会は、チェスの大会に比べるとかなりカジュアルです。持ち時間は15分30秒の秒読み。試合数は決まっておらず、13時過ぎのスタートから15時半頃まで、対戦相手を変えて指し続けます。今日のやり方を見る限り、終わった人同士で実力がなるべく近くなるような新しいペアリングを作っていました。勝てば3点、負ければ1点貰え、最終的に一番ポイントを稼いだ人が優勝となります。サッカーの勝ち点方式はともかく、早く指した人ほど多く対局するチャンスがあるというのは、チェスプレーヤーにとって斬新なスタイルですね。

結果は3勝1敗が4人並んでの同時優勝で、2局目で負けた私も幸運なことにそのグループに滑り込むことができました。参加者全員に賞品があり、私は香川愛生さんのサイン入り本をゲットできました。表彰式も16時には終わるので、3時間将棋を楽しみ、賞品も必ず貰えて、参加費2000円というのはお得だと思います。

私のような初参加の人も多く、小さな子供でも、初めての人でも参加しやすい工夫は色々とあったと思います。以下、多くのチェス大会と比べて、気楽に参加しやすいポイントだと思うものを箇条書きにしておきます。

・ 対局の持ち時間、および拘束時間が短い
・ 参加費が安い
・ 終わった人同士で次の対局が始まるため、待ち時間があまりない
・ 棋譜を取らなくて良い

対局数が違う、強い人同士で当たるとは限らないシステムは、試合数も対戦相手の強さも色も、なるべく公平性を求めるチェスからすれば、かなり不思議に感じるでしょう。それでも、今回のメンバーで、誰々は多く試合をしている、誰々はさほど強い人と対局していない、それで優勝は不公平だ、などと言い出す人はいません。そういった公平性を求める人は、違う大会に参加すればすむことです。反則負けなども取らない規則の緩い大会であることも告知されていますし、それでOK の人が集まり、とても楽しめるイベントでした。

このやり方をチェスでそっくりそのまま真似をして上手くいくかどうかはわかりませんが、是非ねこまどでもチェスの初心者大会をやりましょうとも誘われましたので、それは今後考えてみようと思います。ひとまず今日は、ねこまどの皆さん、参加者の皆さん、将棋を楽しませてくださり、ありがとうございました! またタイミングが合えば、参加させていただきたいと思います。

株式会社ねこまど
第67回ねこまど級位者大会 結果発表!

2015/05/26

第2回将棋ウォーズ帝王戦 最終日生中継


Photo by Sugiura

一つ前の記事で書いた通り、日曜日夜は久々のニコ生、第2回将棋ウォーズ帝王戦 最終日生中継に参加してきました。4時間を超える放送の枠で、私の登場は30分ほどでしたが、麻布の後輩であり、プロ棋士の青嶋くんとのゲームは、とても楽しませていただきました。互いにミスの続いたブリッツでしたが、せっかくですので、棋譜を公開しておきます。

Kojima, S - Aoshima, M
Blitz

1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 d5 4. cxd5 Nxd5 5. d4 Nxc3 6. bxc3 cxd4 7. cxd4 e6 8. g3 Nc6 9. Bg2 Bb4+ 10. Bd2 O-O 11. O-O Bxd2 12. Qxd2 Qa5 13. Qb2 Rd8 14.
Rfd1 Qb4 15. Rab1 Qxb2 16. Rxb2 a5 17. e3 a4 18. Rc1 Ra5 19. Nd2 a3 20. Rb3 Ra4 21. Nc4 Na5 22. Nxa5 Rxa5 23. Rc7 b5 24. Bc6 Ba6 25. Ra7 Rc8 26. d5



b, c ファイルから強いプレッシャーをかけた白は、大きなアドバンテージを掴んでいます。しかし、ここでは時間がなく、ポーンを取って良いのかどうか、瞬時に判断することができませんでした。26. Bxb5! Rxb5 27. Rxa6 Rxb3 28. axb3+- こうなれば、白勝ちのルークエンディングです。

26... exd5 27. Bxd5 h6 28. Bxf7+ Kh7 29. Bd5 b4 30. Be4+ Kh8 31. Kg2?


ここは試合後に青嶋くんも気づいていたようで、Ba6-Bf1+ のディスカバードチェックのスレットを外せていません。白は代わりに、31. Rxb4+- とポーンを取れば、バックランクメイトのスレットができるため、黒はa7 のルークを取ることができませんでした。

31... Rb8? 32. Re7?



ここも指した直後に気づきました。バックランクメイトがあるため、32. Rxb4 が可能です。また、黒のディスカバードチェックを外してはいるものの、もう1つ、もっとシンプルなスレットを作らせています。

32... Kg8? 33. f4? Kf8?


私は試合後に1人で局面を思い返していて、Ba6-Bc4 でまずいことに気が付きました。32手目でも、33手目でも黒はこのチャンスがありました。

34. Rc7 Rab5 35. Bd3? Bb7+?



ここは黒のラストチャンスでした。とてもとても気づきにくいですが、35... R5b7! 36. Rxb7 Bxb7+ 37. e4 Bc6! ならば、ゲームはまだ分かりません。狙いは、Bc6-Ba4 から、b4-b3 のブレイクを狙うことです。

36. Kf2 Rb6 37. e4 g5 38. Ke3 gxf4+ 39. gxf4 Ba6 40. Bxa6 Rxa6 41. f5 Rf6 42. Kf4 Rbb6 43. e5 Rfc6 44. Rxc6 Rxc6 45. Rxb4


この辺りで私は一安心。ルークエンディングにすれば、2コネクテッドパスポーンを持つ白が勝てるでしょう。ここからは、やや不正確な手もありましたが、なんとかパスポーンを突き進めることができました。

45... Rc2 46. Ra4 Rxa2 47. f6 Rf2+ 48. Ke4 a2 49. Kd5 Kf7 50. Ra7+ Kg6 51. Kd6 Rd2+ 52. Ke7 Rf2 53. Ra3 Re2 54. e6 Rf2 55. f7 Kg7 56. Rg3+ Kh7 57. Rg1 1-0



最後のルークの切り替えは、先週出題したルークエンディングと似たアイディアですね。相手のパスポーンを止めるためには、後ろからルークでアタックするのが良いとされますが、時には横利きへの切り替えが必要です。


7時からフルで登場した青嶋くんにとっては、将棋ウォーズで3分指し切れを1時間続けて指すなど、ハードな内容だったと思います。そんな中でチェスにも頭を切り替え、私との対局に付き合ってくれたこと、とても感謝しています。


半年ぶりにニコ生に登場した私は、前回ほど緊張してはいなかったと思いますが、それでも青嶋くんとの対局がスタートすると、だいぶコメントする余裕がなくなりました(笑)すでに百傑、ゴールデンオープンでチェスの大会デビューを果たしている青嶋くんとは、これから公式戦で対戦できる機会も楽しみにしています。

最後になりましたが、今回のニコ生の出演に当たり、声をかけてくださった林さん、一緒に出演してくださった中村さん、青嶋くん、そして視聴者の皆さん、ありがとうございました。また次にニコ生に出演できる機会が待ち遠しいですね。

2015/05/22

ニコ生出演情報 on 24th May


昨年11月のニコ生の様子

Twitter では少しだけ告知していましたが、日曜日の夜、久々のニコ生に出演します。私自身、ニコ生への出演は、Check Mate Lounge、CHESS HEROZ 宣伝、Kasparov - 羽生さんイベントに続き、半年ぶり4回目となります。

放送のメイントピックは将棋ウォーズの帝王戦生中継で、4月にプロ棋士になったばかりの青嶋未来くんが登場します。私は21時10分頃からの登場予定で、CHESS HEROZ でプレーすることになると思います。チェスも嗜む青嶋くんとは、まだ試合会場で少し話をしただけですので、今回の放送で直接交流できることを、とても楽しみにしています。放送自体は19時からですので、皆さんよろしくお願い致します!

第2回将棋ウォーズ帝王戦 最終日生中継

2014/11/30

Denousen Special Match - Kasparov vs. Habu Event Report -


昨日、六本木のニコファーレにて、電王戦の特別企画、Kasparov と羽生さんの対局イベントが開催されました。来年の電王戦Final の、振り駒役を務めるために来日したKasparov が、羽生さんとの対局イベントも行うと急に聞き、驚いたチェスファン、将棋ファンも多かったと思います。対局の結果は、すでに多くのメディアで伝えられているため、ご存じの方も多いでしょうが、ゆっくりと昨日のイベントを振り返っていきましょう。


イベントは28日の午前10時スタートでした。今イベントの司会、聞き手は女流棋士の藤田綾さんが務め、イベント開始の挨拶とKasparov と羽生さんの紹介などの後、2人の対局が始まります。持ち時間は25分+1手10秒増加のラピッドで、1局目はKasparov が白を持ちます。解説の塩見さんと聞き手の藤田さんの掛け合いで、1局目は初心者向けにルール説明を交え、簡単な解説でゲームを追っていきます。こちらの記事では、多少詳しく解説を入れていきましょう。

Kasparov, G (GM, RUS, 2812) - Habu, Y (FM, JPN, 2415)
Denousen Special Match (1)

1. Nf3 Nf6 2. g3 b6 3. Bg2 Bb7 4. O-O e6 5. d3 d5 6. Nbd2 Be7



オープニングは、まさかのKing's Indian Attack です。試合後にKasparov は、定跡での研究勝負を避け、地力が出るような勝負にするつもりだった述べています。ちなみにここでは、6... Nbd7 と指すほうがフレキシブルで、本譜では白がキングサイドを攻めるクラシカルなプランで優位を築きます。

7. e4! O-O


7... dxe4 8. dxe4 Nxe4? 9. Ne5! Nd6 10. Bxb7 Nxb7 11. Qf3!+- というKasparov の試合後の指摘には、羽生さんも含めてなるほど!という反応でした。「あ、指さなくて良かった」と、こっそり羽生さんが呟いたのも面白かったですね。

8. e5 Nfd7 9. Re1 c5 10. Nf1 Nc6 11. h4 Nd4?!



控室でライブを見ながら、おやっと思ったのがこの手からです。黒は積極的にナイトが跳びこみますが、d4 のポーンは守りづらく、すぐに落ちてしまいます。ちなみに奇しくも、私が2年7か月前にNigel Short と指した際、最初に出た疑問手も、11... Nd4 というナイトの跳びこみでした!(偶然、手数まで同じです。) 私たちにとって、つい指してしまう魔の手でしょうか(笑)

12. Nxd4 cxd4 13. Qg4 Re8 14. Qxd4 Qc7 15. c3 f6!


黒としては、なんとかカウンタープレーを作らなくてはいけません。Rf8-Re8 でe6 のポーンを守ったので、ここは白のセンターポーンを消し、逆に黒がポーンの厚みを作ることで反撃を試みます。

16. exf6 Bxf6 17. Qg4 Ne5 18. Bf4!?



ここはクイーンが逃げても良い局面ですが、Kasparov はクイーンを交換してエンドゲームに持ち込みます。第2局ではさらに顕著になりますが、経験豊富なマスターと、そうではないプレーヤーの差は、特にエンドゲームで出ると言えるでしょう。

18... Nxg4 19. Bxc7 Rac8 20. Bf4 e5 21. Bd2 e4 22. dxe4 dxe4 23. Bf4 Rcd8 24. Re2?!


しかし、Kasparov にも多少緩手が出ます。ここは24. Rad1 と指して、ピース交換を進めれば、e4 が弱点になっている黒は、粘るのが相当厳しいでしょう。

24... Be5 25. Ne3!?



Kasparov はかなり考えたのち、黒マスビショップを諦め、g4 の強力なナイトとの交換を決断しました。ここから続くKasaprov のフィ二ッシュは、見事なものでした。

25... Bxf4 26. Nxg4 Bc7 27. Rae1 h5 28. Nh2 b5 29. Bxe4!


ここでe4 をすぐ取って問題なく勝てるのかは、しっかりと読む必要があるでしょう。ポイントは、Rd8-Rd2 にどう対処するかです。

29... Bxe4 30. Rxe4 Rxe4 31. Rxe4 Rd2 32. Nf3!



指されてみれば、自然ですし、なるほどと思えます。この戻ってきたナイトと、ルークに組合せによるアタックで、白のアドバンテージは決定的なものとなります。

32... Rxb2 33. Ng5! Bd6 34. Re8+ Bf8 35. Rb8!


35. Ne6?! Kf7 では、多少勝負は長引くでしょう。ルークを一度離しておき、あらためてNg5-Ne6 の狙いを作ります。

35... Re2 36. Kf1 Re7 37. Rxb5 g6 38. Rb8 Kg7 39. c4 1-0



最後は単にcポーンを伸ばしていけば、黒には抵抗する方法が残っていません。序盤でのミスが最後まで痛手となり、挽回はできませんでしたね。それにしても、Kasparov の優勢を勝ちに結びつけるテクニックには、舌を巻くほかありません。


視聴者に見えているモニターには現局面に加え、世界最強のチェスエンジン、Houdini 4 の評価がバーになって映っています。これはチェスに詳しくなくても、形勢を目視しやすいようにという工夫ですね。最近のチェスライブサイトでも見かけるサービスですが、ここ2回の電王戦でも、このシステムを採用しています。また、会場の360度ディスプレーには、ヨーロッパの城をイメージした映像を流しており、一体どこで対局を行っているのかと驚いた視聴者も多かったでしょう。


1局目で試合開始の合図を出した私は、解説の塩見さんの様子を見守りつつ、南條くんと控室で待機します。控室には2人のプロ棋士が来ており、南條くんが細かくレクチャーを行っていました。先日、将棋会館に足を運んだ際もそうでしたが、こうしてプロ棋士と話をし、将棋とチェスの話ができるのは大変楽しい時間です。

カスパロフ相手の緊張からか、黒では羽生さんらしくない試合運びでしたが、白ではそれを挽回するような良いプレーを見せてくれました。続いて羽生さんが白を持つ、第2局の解説へ移りましょう。

Habu, Y (FM, JPN, 2415) - Kasparov, G (GM, RUS, 2812)
Denousen Special Match (2)

1. e4 g6!?



私は2局目の開始合図を出してからしばらく、Kasparov の初手を待ちましたが、まさかの1... g6 です! 羽生さんは直前のトレーニングでは、1... e5 が予想で、伝家の宝刀、1... c5 が来るなら光栄だと言っていました。

2. d4 Bg7 3. Nc3 d6 4. Be3 a6 5. Qd2 Nd7 6. h4!?


羽生さんはこの試合、白で攻撃的なセットアップを採用します。

6... h6 7. O-O-O b5 8. Nh3 Ngf6 9. f3 Nb6 10. Nf4 b4 11. Nce2?!



これは解説をしていて作戦ミスだと思ったところです。f1-a6 のビショップのダイアゴナルをカットしてしまえば、Nb6-Nc4 からのナイトビショップの交換が入り、黒にイコアライズのチャンスを与えてしまうでしょう。ここは思い切って、11. Ncd5 と跳びこむべきだと思います。

11... Nc4 12. Qd3 Nxe3 13. Qxe3 c6 14. Kb1 Qb6 15. Qd2 h5?!


ここでポーンを突き直し、ビショップをc1-h6 のダイアゴナルに使い直すアイディアは、なかなか巧妙だと感じました。しかし、この後の展開から振り返れば、15... Ra7! と指して、e4-e5 を防いでおくほうが黒にとって安全策だと、Kasparov は検討で述べています。しかし、Ra8-Ra7 というやや特殊なルークの動きは、私にはぱっと思いつかないでしょう。

16. e5!



黒マスビショップこそ失ったものの、キャスリングをしてキングが安全になり、dファイルのコントロールが強い白にとって、センターを開くことは大きなプラスになります。

16... dxe5


イベント後、夜にKasparov に会った際、ポーンを交換せずに16... Nd5! 17. exd6 Ra7 ならば、黒にはポーンの代償があり、本譜よりも良いと言われました。それを聞いた私と羽生さんは「??」といった状態でしたが、今並べてみてもはっきりとは分かりません。おそらく、キングさえ安全になれば、黒のダブルビショップが生きてくるということだと思いますが、それが十分にポーンの代償になるのかの判断は、非常に難解です。

17. dxe5 Nd5 18. Nxd5 cxd5 19. Qxd5 Ra7?!


ここでルークが上がる手は小さなミスでした。明らかに黒にとってベターなのは、19... O-O! 20. Qxa8 Bb7 21. Qxf8+ Kxf8 という変化で、2ルークとクイーンの交換であっても、キングが安全になり、ダブルビショップも持っている黒は、満足に戦えるでしょう。

20. Qd4 Qc7 21. Nf4!?



コンピュータは、21. f4 O-O と進めるほうが白にとって良いと判断しますが、人間の感覚からすれば、黒にダブルビショップを残させ、逆サイドキャスリングからの攻め合いで戦うのは(特にKasparov が相手では!)、少し嫌な感じがするでしょう。羽生さんの指した手は、ポーンを返しても黒マスビショップを返してもらう安全策で、実戦的にありだと思います。

21... Bxe5 22. Nd5 Bxd4 23. Nxc7+ Rxc7 24. Rxd4 a5 25. Rd5 Ra7 26. Bb5+ Kf8 27. Rhd1 Kg7 28. Bc4 Be6 29. R5d4 Bf5 30. Bd3


ここで羽生さんが再びビショップをぶつけたことで、ドローの可能性が高いと解説中は思いました。黒からビショップ交換を避け続けることはできないですし、かと言ってd3 を取ってもドローが濃厚です。しかし、この数手後、Kasparov が指した手に、私と塩見さんは度肝を抜かれます。

30... Be6 31. Bc4 Bf5 32. Bd3 Rc8!!



ダブルポーンを作らせる手はないと思っていたため、恥ずかしながら私は、この手はライブのミスだと思いました。しかし深く考えてみれば、f5 にポーンが移動してダブルポーンができても、黒はe7-e5-e4 とポーンを伸ばし、パスポーンを作るチャンスが早くなります!

33. Bxf5 gxf5 34. b3 Rac7 35. R1d2 e6 36. Kb2 Kf6 37. Rd6 Ke5!


そして、Kasparov はキングを素早くセンターに運びます。これに対して白は、キングがクイーンサイドから離れることができず、キングの働きに差が出始めます。

38. Ra6 Rc5 39. Ra7 R8c7 40. Rxc7?



そして、このルーク交換は白の決定的なミスとなります。「全てのダブルルークエンディングはドロー」という格言があるように(実際はもちろん違いますが)、白はルーク2つ残すほうが、ドローを取る可能性が高かったでしょう。40. Ra8! とルーク交換を避け、h ファイルにまわるなどして反撃を作るプランが有効そうです。

40... Rxc7 41. a3 Kf4!


黒のキングはさらに前進します! こうしたキングの使い方はエンドゲームの基本として学びはしますが、時間の無い中で10手近く前から構想を練り、それを実行するマスターの決断力と勇気には、ただただ感服するのみです。

42. axb4 axb4 43. Rd4+ Kg3 44. Rxb4 e5!



私はまず、44... Kxg2 とポーンを掠め取ると思いましたが、素早くパスポーンを作るアイディアのほうがシンプルです。

45. Rc4 Re7! 46. b4 e4 47. fxe4 fxe4 48. b5 e3 0-1


後ろからルークでサポートされた理想的なパスポーンを止めることはできず、白はリザインするほかありません。3回同一局面のドローを蹴り、素晴らしいアイディアをKasparov は見せてくれました。


2局目からは私も解説役に加わり、塩見さん、藤田さんとの3人体制で試合を中継していきました。自分で動画を見直し、何回「そうですね」って言ってるんだろうと苦笑しつつも、解説が分かりやすいというコメントを多く目にし、とても嬉しかったです。直接、感想のコメントをくれた友人たちも、ありがとうございます!


対局と検討戦の後は、Kasparov と羽生さんの対談、そしてインタビューが行われました。対談の中では色々と面白い話が飛び交いましたが「いくらコンピュータが発達しても、チェスは人と人との勝負であり、そこから生まれる感情や熱狂が大切である」というフレーズは印象的でした。これは思い付いた人であれば、誰にでも口にできることではありますが、実際にIBM と死闘を繰り広げ、その後も発達を続けてきたコンピュータと、人間にチェスプレーヤーの関わり方を見続けてきたKasparov が述べるからこそ、聞き入ってしまう言葉でしょう。今後、将棋の世界では、どのように人とコンピュータが関わりを持つか、私も見届けさせてもらうつもりです。


イベント後の打ち上げは、Kasparov 夫妻、羽生さん、南條くんたちと表参道の日本食へ。ここでの話題は、チェスや将棋のルーツとなるチャトランガや、そこから派生したアジアのボードゲームたちの話、日本の話、ロシアの現状の話など、多岐に渡りました。緊張する席ではありましたが、とても有意義な時間でした。

今回のKasparov の電撃来日とイベントに、まだ日本のチェス界と将棋界は興奮冷めやらぬという状況で、そこからまたどんな波紋が生まれるかは、まだまだ予想できません。私も今まで以上に多くの人と関わり、チェスと将棋のことについて考えさせられた期間でした。単純な感想ではありますが、今後ますます、チェスと将棋に興味と関わりを持つ人が増え、互いの交流となる活動を続けられればと思います。最後になりましたが、今回のイベントでご協力くださった多くの皆さん、本当にありがとうございました。

2014/11/26

Former World Champion Garry Kasparov vs. Yoshiharu Habu


今日は、来年4月に開催される電王戦 Final の記者発表会に出席するため、六本木のニコファーレに塩見さんと足を運んできました。電王戦が5対5の団体戦形式になって3回目となる今回、連敗中のプロ棋士側はなんとしても白星を挙げたいでしょうが、コンピュータ側も強豪ソフトが揃っています。


マイクを持っている平岡さんは、今回の先鋒を務めるApery の開発者です。平岡さんはHEROZ のメンバーであり、CHESS HEROZ の開発にも携わっています。先週金曜日には、一緒に三田祭に足を運び、チェスと将棋の出展に顔を出してきました。第24回世界コンピュータ将棋選手権の優勝ソフトであるApery に対するプロ棋士は、斉藤慎太郎五段です。


電王戦ではすっかりお馴染みとなった、Ponanza 開発者の山本さんとは今年の4月に知り合い、4日前のニコ生でもお世話になりました。副将のPonanza に対するのは、村山慈明七段です。他の開発者とプロ棋士が頭を下げ合う中、ファイティングポーズを取り合ったのは、粋な演出でしたね。

そして5人ずつのプロ棋士と開発者による、組み合わせ発表と挨拶が終わると、次はどちらが先手を多く持つか決める振り駒です。前回は安倍晋三首相が登場したということで、一体今回は誰が振り駒を行うのかに注目が集まる中、壇上に現れたのは...


Garry Kasparov です!


Kasparov と言えば、チェスファンならば知らぬ人はいない、伝説的な強さを持つ元世界チャンピオンです。Kramnik に敗れるまで、15年世界チャンピオンの座に君臨し、2005年に世界ランキング1位を保ったまま、現役引退を表明しました。その後は政治家としての活動を続けながら、各国で時々、エキシビジョンの対局や同時対局を行ってきました。

そしてなにより、Kasparov は、IBM の開発したチェスプログラム、Deep Blue に敗れたことで、一般の人にも知られているのではないでしょうか。それだけ20世紀末に、チェスのチャンピオンがコンピュータに敗れたことは、チェスファンにとどまらず、多くの人に衝撃を与えた出来事だったと思います。そんな経験を持つKasparov だからこそ、プロ棋士が将棋プログラムに押されつつある電王戦に関わる意義があるでしょう。今後、人間と将棋がコンピュータを介し、どのように繋がっていくべきかを伝える役割として、ぴったりの人選です。


振り駒の結果は、歩が3枚でプロ棋士側が先手を多く持つこととなりました。団体戦になって3回目の電王戦ですが、ここまでは全てプロ棋士側が多く先手を持っています。振り駒後はKasparov から「今回のイベントでの人間の勝利とは、5試合で1勝でもすることだ。なぜならば、それは人間の全力中の全力が、まだコンピュータを上回ることの証明になるからだ」とコメントしました。これを将棋ファンがどのように受け止めるかは、皆さんの判断にお任せしますが、私はそう言う考え方もあるかと納得しています。


そしてKasparov の来日目的は、当然のことながら、電王戦の振り駒だけではありません。この気になるテロップと...


この見覚えのありそうな手の映像の後に登場するのは...


羽生さんです! このKasparov と羽生さんの対局こそ、今年の日本で行われる最大のビッグチェスイベントです。後で将棋連盟の谷川会長もおっしゃっていましたが、このイベント発表時が最も盛り上がったように感じます。それだけ、羽生さんに人気は絶大ですね。

当たり前ですが、このイベントについては私も知っていましたが、ドワンゴから関係者以外、内密にと念を押されていましたので黙っていました。もっと早く知りたかった!と思ってらっしゃる日本のチェスファン、将棋ファンの皆さんには、申し訳ないです。今夜は情報解禁ということで、詳細について語りましょう。

イベント内容: Garry Kasparov vs. 羽生善治
日時: 2014年11月28日、10時~13時
ゲーム形式: 25分+1手10秒 × 2試合(色を交代して白黒1局ずつ)
解説: 塩見亮(2003全日本チャンピオン)、小島慎也(2005-2008,2010全日本チャンピオン)
聞き手: 藤田綾(女流初段)
通訳: 南條遼介(2010,2012,2014全日本チャンピオン)
電子ボード担当: 中村尚広

このような内容とメンバーでお送りします。急すぎて驚きだと思いますが、明後日金曜日の午前中からスタートです! イベント公式ページでは、私はゲストとなっていますが、1試合目を藤田さんと塩見さんにお願いし、私は2試合から解説役として加わる予定です。イベント内容や、Kasparov と羽生さんのプロフィールなどについては、以下のページをご参照ください。

Denousen Special Chess Match
【電王戦特別企画】ガルリ・カスパロフ vs 羽生善治チェス対局

今回のイベントは一般観戦は無しで、ニコ生での放送のみとなります。ご了承ください。それでは皆さん、急な発表となりましたが、今回のイベントを楽しみましょう! 明後日は3時間、よろしくお願い致します。


発表会の締めは、Kasparov を中心に、電王戦Final のメンバー全員で!

2014/11/25

A Special Shogi Day


ジャパンオープン終了直後の今日は、千駄ヶ谷の将棋会館に足を運んできました。羽生さんの招待を受け、来日中のブラジルのIM James Mann さんたちと一緒に、プロ棋士の対局観戦をするためです。案内された対局室では、森下さんや塚田さんが対局をちょうど始めるところでした。わずかな時間でしたが、プロ棋士が真剣に対局する、緊張感のある空気を感じることができました。


4階の対局室見学の後は地下のスタジオを案内され、さらに実際に将棋を指すこととなりました。私は主にカメラマンに徹し、James Mann さんとポーランドのStanaszek さんが、羽生さん、野月さんと対局する様子を見守ります。野月さんは、昨年の電王戦で解説をしている姿を見かけましたが、実際にお話しするのは初めてのことです。James さんは2人のプロ棋士の平手で挑み、当然2戦とも敗れましたが、非常に高い実力があることが分かりました。

そして羽生さんとは2010年からの付き合いですが、実際に目の前で将棋を指している姿を見るのは初めてでした。私と羽生さんの付き合いや、ブログへの登場頻度を考えれば、これを聞いた読者の皆さんにとって、なにより私自身にとっても、とても意外なことだと思います(笑) 他にも蒲田にお住まいで、以前私のレクチャーに参加してくださったプロ棋士の藤森哲也さんも、顔を見せてくれました。久々の再会、とても嬉しかったです!

対局後は羽生さん、野月さんのお2人とも、とても丁寧に検討と指導を行っていました。プロ棋士による英語と日本語での将棋の指導も、目にするのは初めてのことです。チェスのプレーヤーに対しては、ポーン、ルーク、ビショップ、プロモーションといったチェスの用語を使うんですね。チェスプレーヤーとしては、知らなかったことが少し恥ずかしいです(笑) 私自身も少し将棋を嗜むので、技術的な内容ももちろん面白かったです。

そしてさらに思ったことですが、国際将棋フォーラムの各国代表とは言え、プロ棋士が(特に日本トップの棋士である羽生さん自ら!)、アマチュア相手にこれほど丁寧に指導をするということ自体にも驚きました。例えばトロムソのオリンピアードで、私たち日本代表がカールセンに会えたとして、時間を割いて指導をしてくれるでしょうか。オリンピアードと国際将棋フォーラムでの参加選手の数の違いや、イベント内での羽生さんとカールセンの立場の違いもあるので、完全に同じようには考えられないですが、海外のファンに対するプロの接し方を考える、良いきっかけになったことは間違いありません。今日、将棋会館に足を運んだ最大の成果です。


対局後はピノーさんも駆けつけてくれ、一緒に昼食へ。ここでもブラジルやポーランドでのチェス、将棋の話が中心で、とても面白かったです。私もロンドンで森内さんと一緒に、Kramnik に将棋のルールを教えたことを、懐かしみながら話したりしました。James Mann さんとは、ジャパンオープン中はゆっくり話ができませんでしたので、この日、時間を取れて良かったです。今日お世話になった皆さん、本当にありがとうございました!

2014/11/11

FM Yoshiharu Habu vs. GM Peter Heine Nielsen


日本将棋連盟にも情報が掲載されたので、こちらでも発表してしまいましょう。来月の12月に静岡で開催される第6回国際将棋フォーラムにて、羽生さんとデンマークのトップGM Peter Heine Nielsen の公開チェス対局が行われます。Nielsen は昨年も来日し、上智大学チェスサークルの協力で、リトアニアのGM Viktorija Cmilyte(現在、Nielsen の奥さんです) と一緒に、同時対局イベントを開催しています。ちなみにNielsen は、今回の国際将棋フォーラムのデンマーク代表選手でもあります。


Cmilyte、Nielsen と、2人から同時対局でドローを取った南條くん

羽生さんとNielsen の対局イベントは、12/7(日) に開催されます。解説はピノーさんと、そして佐藤康光九段と発表されており、こちらもとても楽しみな情報になっていますね。佐藤九段といえば、10年以上前にフランスのGM Joel Lautier が来日した際、羽生さん、森内さんとともに、3面同時対局を行ったプロ棋士です。その棋譜を見る限り、チェスも相当な実力だと思います。Lautier の来日以来、日本のチェスイベントに佐藤九段が登場するのは初めてのことでしょう。


昨年の同時対局イベントでのNielsen

私はハンガリーにいるために、この時期、静岡に行くことはできませんが、時間の取れたチェスファンは是非静岡まで足を運んでいただければと思います。メインとなる国際将棋フォーラムの将棋対局には、スイスのGM Pelletier 、ブラジルのIM Mann De Toledo、モンゴルのFM Genden たちの名前も確認できます。将棋ファン、チェスファンにとって、非常に興味深いイベントになると思いますので、盛り上がることを遠くハンガリーから期待しています!

第6回国際将棋トーナメント」代表選手


2014/03/15

第一回日吉公式例会 & 第三回電王戦第一局 - 菅井五段 vs. 習甦 -


今日は私はチェス、将棋の二足の草鞋です。まずは午後の早い時間、日吉キャンパスで初開催となる公式例会に足を運びました。2008年の春にチェスサークルを立ち上げて以来、このキャンパスには数えきれないほど通ってきました。そんな慶應のサークルが、公式戦を開催するというのは非常に感慨深いものです。

12時20分からの1R に参加したのは、私を含めて12名です。私はカペルから帰国したばかりの尚広くんと。日吉のキャンパスでは、最も試合をした相手の1人かもしれません。

Nakamura, N (JPN, 2127) - Kojima, S (FM, JPN, 2416)
Hiyoshi Training (1)

1. Nf3 d5 2. c4 c6 3. e3 Nf6 4. Nc3 a6 5. Be2 e6 6. O-O Nbd7 7. b3?!



私はセンターを黒に抑えられては、白としての面白味はあまりないと考える派です。ここはオーソドックスに、7. d4 と指しておくべきだと思います。

7... e5 8. cxd5 cxd5 9. d4 e4 10. Ne5 Bd6 11. f4 exf3 12. Nxf3 O-O=


黒はすでにスペースが狭いという典型的なオープニングの問題を解決し、満足なポジションです。白はできそこないのFrench Tarrasch のような形ですね。

13. Qd3!? Re8 14. Bd2 Nf8 15. Rae1 Ng6 16. Ng5!



これは指されてみて面白い手だと思いました。先日送ったチェス通信の原稿でも、こうしたFrench のアタックが決まった好例を紹介し、まだ油断のならないポジションだと気を引き締めます。16... h6? 17. Nxf7! Kxf7 18. Bh5! があり、このナイトは簡単に追い返せないのがポイントです。

16... Qc7?!


白はe3-e4 からアウトポストとバックワードポーンという2つの弱点を解消すれば、多少指しやすくなると感じました。そこで大人しい手を避けたのですが、16... Bd7 17. e4 dxe4 18. Ncxe4 Nxe4 19. Nxe4 Bxh2+ 20. Kxh2 Qh4+ 21. Kg1 Qxe4 22. Qxe4 Rxe4 23. Bc4 と進むぐらいで、黒は満足すべきだったようです。

17. Kh1!? Bxh2



ここは他にうまい手が見つからず、白の誘いに乗ることにします。

18. Rxf6! gxf6 19. Nxd5 Qd6?


19... Qd8! 20. Ne4 Rxe4 21. Qxe4 Bg3 22. Qf3! (22. Rf1? f5! 23. Rxf5 Bxf5 24. Qxf5 Qh4+ 25. Qh3 Kg7=/+) 22... Bxe1 23. Nxf6+ Kg7 (23... Qxf6?! 24. Qxf6 Bxd2 25. Qd8+ Kg7 26. Bg4! Bxg4 27. Qxa8 Bxe3 28. Qxb7+- これは3ピースクイーンですが、d4 のポーンが取れないため、黒が苦しく見えます。) 24. Nh5+ Kg8 25. Bxe1+/-

20. Ne4!



恥ずかしながら、この手が見えていませんでした。これで黒はエクスチェンジを返すほかなく、苦しいポジションを強いられます。

20... Rxe4 21. Qxe4 f5 22. Qe8+ Kg7 23. Bb4!?


これは面白試みだと思います。d5 のナイトも強いですが、あえてh2 のビショップと交換することで、白はダブルビショップを得るととともに、f8 への狙いを作ります。

23... Qxd5 24. Kxh2 f4 25. Bf3!?



私が試合後に尚広くんに指摘したのは、もう1つのダイアゴナルでビショップを使うアイディアです。 25. Bc4! Qf5 26. Kg1! (こうしたキングを早めに逃がして安全にしておくアイディアは、予防の手として有効です。) 26... b5 27. e4 Qd7 28. Qxd7 Bxd7 29. Be2+/- こうしたポジションは私が避けたかった類のもので、白はクイーンを交換してもダブルビショップとセンターのパスポーンで、かなり優位に試合を進められるでしょう。(おそらく、ほぼ白勝ちです。)

25... Qg5 26. exf4??


この手は黒に大逆転を許すあまりにお粗末な1手でしたが、代わりに正着を指せと言われると難しいものです。例えば、26. d5? (a1-h8 のダイアゴナルを開く、検討のメインのアイディアですが、黒はパペチュアルチェックの狙いを作れます。) 26... Qg3+! 27. Kg1 Bg4!! 28. Qe4 (28. Qxa8 Bxf3 29. gxf3 Qh3+=) 28... Re8 29. Qd4+ f6= これは非常に難しいポジションになりそうです。

正解は、26. Re2!! と指して、g2 をあらかじめ守っておくアイディアです。a8 のルークは慌てなくてもどこにも逃げません。以下、26... Qg3+ 27. Kh1 fxe3 28. Bc3+- と進んで白が勝てそうです。

26... Qxf4+ 27. Kg1 Qxd4+ 28. Re3 Qxb4-+



こうしてチェックを絡めながらビショップを取り、勝負ありです。白からはもう恐ろしいスレットはありません。

29. Bd5 Be6!? 30. Qxa8 Qd4 31. Kf2 Qd2+ 32. Re2 Qxd5 33. Qb8 Qd4+ 34. Kg3 Qh4+ 0-1


尚広くん、今回はだいぶ優位なポジションを作りましたが、私への初白星はまたまたお預け。百傑、全日本で当たるようであれば、またよろしくお願いします。


午後4時からの2R では、南條くんや弘平くんも駆けつけてボード数が増えましたが、私は一足早く日吉を後にします。次なる今日の目的は、六本木のニコファーレで行われている第三回将棋電王戦の第一局、菅井五段 - 習甦の中継、解説の観戦です。解説役は私と同い年で、王座戦で羽生さんに挑戦した中村大地六段。夕食休憩後は、昨年の電王戦でも解説役で見かけた鈴木大介八段も加わりました。


朝の10時から始まった対局は、夜の8時20分頃、コンピュータプログラム、習甦に軍配が上がりました。昨年の第二回電王戦では、コンピュータ側で唯一の負けを喫していたため、開発者の竹内さんとしては雪辱を晴らせたと言えるでしょう。対局前のインタビューで、阿部光瑠さんは昨年、本当に強いプログラムに勝ったのだと証明したいとコメントしていたことが、私にとっては印象的でした。

プロ側がリベンジを果たしたい今回の第三回電王戦ですが、初戦がプログラムの白星となったことで、残り4局がどうなるか、ますます注目されるでしょう。来週は百傑でニコファーレには来られず、それ以降はタイに行ってしまいますが、なるべく結果は追い続けていきたいと思います。

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.