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2013/02/12

FS 2013 February 9th round - The Worst Game -


最終戦の結果を心待ちにしていた皆さんには申し訳ないですが、昨日の9R はあえなく破れてしまいました。あと一歩まで迫りながらノームを逃がしたことは悔しいですが、とにかく内容の悪いゲームでした。もう一度気を引き締め直し、2日後からケチケメートのトーナメントに向かいます。

Kojima, S (FM, JPN, 2368) - Koszo, K (HUN, 2236)
First Saturday IM February(9)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. e3 e6 7. Bxc4 Bb4 8. O-O O-O 9. Nh4 Bg4!?



相手がこのラインを指すことは事前に分かっていたので、ある程度は調べていましたが、この後の変化が予想外でした。

10. f3 Bh5 11. g4 Bg6 12. e4 Nbd7 13. g5 Ne8 14. Nxg6 hxg6 15. Be3 Nd6 16. Be2 e5


ここまで相手はノータイムで指してきます。私はSlav Defence Move by Move で読んだラインをなぞりながら、ここから考え始めます。白はダブルビショップを持っていますが、d4 を崩された後に、Bb4-Bc5 から黒マスビショップを交換されてしまうと、あまり面白みはないでしょう。

17. dxe5 Nxe5 18. Qd4?!



18. Qb3 Qa5= でもBb4-Bc5 が実現するので、あまり良くないだろうと思っていましたが、やはりc4 のマスは抑えておくべきでした。

18... Ndc4!


この手も読んでいたつもりでしたが、肝心なポイントを考えていませんでした。e3 のビショップが攻撃されていますが、g5 にポーンがあるので、これが逃げることができず、白はダブルビショップを諦めなくてはいけません。

19. Bxc4?



どちらのビショップを諦めるかという決断が、この試合での最大のミスです。ノームのためにあくまで勝ちにこだわり、同色ビショップを残そうとしましたが、c4 にナイトを運ばれるほうが、後々厄介でした。19. f4 Nxe3 20. Qxe3 Nd7 21. Kg2=

19... Qxd4 20. Bxd4 Nxc4-/+


このポジションでの黒のチャンスを過小評価していました。黒にはb2 アタックだけでなく、Nc4-Nd2-Nb3-Nxd4 + Bb4-Bc5 という狙いがあり、これを防ぐ方法がかなり限られています。

21. Kg2 Rfd8 22. Ne2 c5!



これで負けを覚悟しました。黒はすぐに決定的な突破を決めるか、駒得が確定します。

23. Rac1 Rxd4 24. Nxd4 Ne3+ 25. Kf2 Nxf1 26. Nb3 Nd2 0-1


黒マスビショップを残すという小さなことにこだわり過ぎた結果、全体のバランスを崩し、ひどい内容に終わってしまいました。白でこれほど悪いゲームは久々です。また初心に返り、ハンガリーでの最後のトーナメントを良い結果で締めくくれるよう頑張ります。

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359) 1/2-1/2
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1-0
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214) 1-0
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236) 0-1

最終結果はこちらから。IM クラスの2300台3人は最後に崩れ、あまり良い戦績とは言えませんでしたね。ほぼMark の一人勝ちといった具合でした。もちろんレイティングが上がれば、当然そこから稼ぐのも難しくなるので、2368 というベストレイティングになって初めての公式戦で、レイティングを落とさなかったことは、ポジティブに考えれば一つの収穫かもしれませんね。

2013/02/11

FS 2013 February 8th round - Hot Fighting in The Snow -


大会8日目、IM ノームのためには勝たなければいけない試合が続きますが、この日は試合前にリラックスのため、ブダペストのフォーシーズンズホテルのランチビュッフェに行ってきました。7500フォリントとハンガリーにしては高めですが、日本で行こうとした際の値段を考えれば非常にお得です。


メインディッシュはローストビーフ。ちなみに前回は10月に来たのですが、その日から体重は2.5kg 程落ち、食べられる量がかなり減っていました。楽しみにしていたケーキが...


そしてこの日は勢いはさほどではありませんが、長い時間雪が降り、ブダペストの街を白く染め上げていました。久々に豪華な昼食を終え、決戦の会場へと足を運びます。

Szalanczy, E (IM, HUN, 2234) - Kojima, S (FM, JPN, 2368)
First Saturday IM February(8)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 c5 4. dxc5 Nc6 5. Bb5 e6 6. Qg4 h5!



Szalanczy の過去のゲームを全てチェックし、このラインになるのではないかという予感が的中しました。このラインでは、南條くんとのトレーニングで1試合、一昨年のラスベガスでIM Rodrigiesz, E に1試合、計2試合を指して敗れていますので、これが3度目の正直です。

7. Bxc6+?!


Rodriguez とのゲームを自分なりに分析し、6... h5 に対してのこのアイディアは、白としてベストではないと結論付けました。白はc5 をすぐに返しても、7. Qe2!? と指すのがおそらくベストで、h7-h5 を突かせたことによる弱点(h5 のポーン自体と、g5 のマス)を利用して戦うべきです。

7... bxc6 8. Qa4 Qc7 9. Be3 Nh6 10. c3?! Ng4!-/+



この3... c5 ラインでは、ナイトがf5 に跳ぶのが一般的ですが、このポジションではc5 と同時にe5 も狙わなければ、白にポーンを守られてしまいます。本譜の10... Ng4 ならば、黒は1ポーンを満足な形で取り返すことができ、しかもダブルビショップを得ます。

11. Nf3 Nxe3 12. fxe3 Bxc5 13. Nbd2 Bxe3


まさか、さらにポーンを捨てるとは... Szalanczy が早々に勝負を諦めたのかと思いましたが、ここからタフなエンドゲームに突入することは、この時点では予想不可能でした。

14. O-O-O Rb8 15. Rhe1 Qb6 16. Qb3 Qxb3 17. axb3 Bb6



クイーンをぶつけられてどのように捌くか多少迷いましたが、ダブルポーンを作らせたうえで、孤立したaポーンをビショップで守っておくことにします。

18. Kc2 Bd7 19. Ra1 Ke7 20. Ra4 Rh6 21. Rea1 Rg8 22. b4 c5 23. Rxa7!?


Szalanczy のお家芸であるエクスチェンジサクリファイスですが、丁寧に対処すれば全く危険はありません。

23... Bxa7 24. Rxa7 cxb4 25. cxb4 Rg6!



白はエクスチェンジを捨てて黒の強力な黒マスビショップを消し、ルークを7段目に運びました。これに対抗するためには、黒も眠っていたルークをアクティブに使うのがベストのプランです。

26. Nb3!? Rxg2+ 27. Kb1 Rg4


ここはベストのプランを見つけることができませんでした。27... Rb8!! 28. Nc5 Rxb4 29. Rxd7+ Ke8 30. Ra7 Rbxb2+ 31. Ka1 Rbf2-+ d7 のナイトを捨てても、7段目にルークを2つ突入させれば勝てると正確に読み切るのは、少し難しいでしょう。

28. Nc5 Rd8 29. Rb7!?



29. Nb7 Rxb4 30. Nxd8 Kxd8 とエクスチェンジを返してもらっても、2ポーン足りていなければ勝負にならないとSzalanczy は考えたのでしょう。白の頼みの綱は、bファイルのパスポーンです。

29... Ke8 30. b5 Rc4! 31. Na6 Bc8 32. Ra7 Rd7?!


ここは当初の予定通り、ナイトを取り除いておけば勝ちでしたが、a6 まで進んだポーンの対処が分からず、別のプランを選ぶことにしました。32... Bxa6! 33. bxa6 Rf4 34. Rb7 Rxf3 35. a7 Rf1+ 36. Ka2 Rc1 37. Rb8 Rcc8 38. a8=Q Rxb8-+ ピースを捌いた結果、ポーンの多い2ルーククイーンになるというユニークな変化です。

33. Ra8 Rb7?!



再びルークを戻して上記のラインにすべきでしたが、私の読みに勘違いが一つありました。33... Rd8 34. Ra7 Bxa6-+

34. Nd2! Kd8


完全に34. b3? Rxb6-+ しか読んでおらず、c4 のルークをアタックできる駒が別にあることを見落としていました。それでもエクスチェンジを切り返すアイディアは、別のラインで構想にあったため、キングを寄せて冷静に対処します。

35. Nxc4 dxc4 36. Nb4 Rxb5!



この手はSzalanczy にとって、少し意外なものであったと予想します。私も一瞬タクティクスで白勝ちかと思いましたが、黒にはそれをすり抜けて、勝ちのエンドゲームを手繰り寄せるトリックがあります。

37. Nc6+ Kd7!


37... Kc7?? 38. Rxc8+! Kd7 39. Na7 Rxe5 40. Rxc4+/= これは白の大逆転。気付かなければいけない落とし穴です。

38. Rxc8 Rc5!



このエンドゲームは、多少自信を持って勝てると読み、36... Rxb5 を敢行しました。白がこのルークエンディングを戦うためには、ほぼ一本道です。

39. Rg8 Kxc6 40. Rxg7 Rxe5 41. Rxf7 Re2!-+


1ポーンアップのルークエンディングですが、黒にはパスポーンがあり、さらにはルークもキングの位置も、白よりベターです。あとは最終的な勝ちの形をイメージするのみです。

42. Rf4 Rxh2! 43. Rxc4+ Kd5



h2 とc4 のポーンを交換するのが黒のベストプランです。この先出てくるエンドゲームの形は、チェスプレーヤーにとって必修科目です。

44. Rc8


44. Rc1 h4 45. b4 h3 46. b5 Rg2 47. b6 Rg7 48. Ka2 h2 49. Rh1 Rg2+ 50. Kb3 Kc6-+ のほうが、黒にとって読み切るのが難しいですが、それでも結果に変わりはないでしょう。

44... h4 45. b4 h3 46. Rc5+ Kd6 47. Rc3 Rh1+ 48. Kb2 h2



ここまで進めば、なぜ黒が簡単に勝てるのかお気づきの方も多くなるでしょう。白はルークで黒のhポーンを後ろから止めていなければいけませんが、そうするとeポーンの前進を止める方法がありません。白キングがセンターに寄れば、Rh1-Ra1-Ra2 で勝利です。

49. Rh3 Kc6 50. Rh5 e5 51. Ka2 e4 0-1


黒はキングで白のパスポーンをブロックし、eポーンを進めていけばゲームオーバーです。この形を41... Re2 の時点でイメージできていたので、私のエンドゲームテクニックも、気付かぬ間に上達しているのかもしれません。


検討中のLyell Mark(右)

この試合中、私にとって喜ばしいことが一つ起こりました。それは隣のボードでLyell Mark がSzeberenyi を破り、7勝2敗の見事な戦績で自身2つ目のIM ノームを確定させたのです。(最終戦は早い日程で行われており、すでに消化済みです。)その試合内容は鋭いファイティングで、そばで見ていて非常に面白いものでした。自分としのぎを削り合うライバルたちが、苦労した結果にIM ノームを獲得すれば、自分にとっても大きな励みになります。私も今日の最終戦を白で勝ち、3つ目のIM ノームを獲得してこようと思います!

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359) 1/2-1/2
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1-0
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214) 1-0
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236)



2013/02/10

FS 2013 February 7th round - Little Hope -

前日のZhou, G への痛い敗北で崖っぷちに立たされましたが、もうこれで残り3試合を勝つしかなくなり、余計なことを考えなくても良くなりました。そんな大事な3連戦の初戦は、ハンガリーのFM Keschiz, G との対戦です。今はレイティングを落としていますが、昨年にはGM クラスにチャレンジして、2400後半にも勝っているプレーヤーです。

Kojima, S (FM, JPN, 2368) - Keschiz, G (FM, HUN 2214)
First Saturday IM February(7)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. O-O d6 6. d4 c6 7. Nc3 a5 8. e4 Na6!?



トリッキーな手ですが、e7-e5-exd4 からナイトをc5 に運べれば、通常のClassical Line に手順前後します。

9. h3 e5 10. Be3 exd4 11. Nxd4 Re8 12. Qc2 Nc5 13. Rad1


これで前夜に準備していた通りの形になりました。次の手は15... Qe7 が自然に見えますが...

13... Qb6?



クイーンがビショップのダイアゴナル上にくる、見るからに危なそうな手です。何か気付いてない狙いがあるのかと考えましたが、結局自然な手で対応することにします。

14. Nb3 Nfd7


黒は思い切ってポーンを捨ててきました。d6 を守ろうと14... Bf8 15. Nxc5 dxc5 16. b3!+/- ならば、白は理想的なポーンストラクチャーを得ます。Avrukh によれば、この形でf4-e5 と指せれば、白はほぼ勝勢です。

15. Rxd6! Qb4 16. Rfd1 Be5


16... Qxc4? 17. Nxc5 Nxc5 18. Bf1 Qb4 19. R6d4!!(試合中、この手の存在に気づけたことは、その後、安心して指せる大きな要因となりました。) 19... Bxd4 20. Rxd4 Qb6 21. Rc4+-

17. Nxc5 Nxc5 18. Rd8! Be6 19. Rxa8 Rxa8 20. Nd5!+/-



これで白はさらなるポーンか、ダブルビショップを得ることが決まり、一気に勝ちを手元に手繰り寄せることになります。

20... cxd5 21. cxd5 Bd7


これはかなり予想外な一手。21... b6 22. dxe6 Nxe6 23. Qc6 Rb8 24. Bf1+/- と対抗してくると思っていました。

22. Bxc5 Rc8 23. Bxb4 Rxc2 24. Bxa5 Rxb2 25. a3!



25. Rd2?? Rb1+ 26. Kh2 b6=/+ とビショップが落ちる展開は勘弁です。

25... Bd6 26. Rc1!?


出来ることならばaポーンも守っておきたいですが、そうするとBd6-Bc5 からf2 へのカウンターパンチが跳んできます。そこでポーンは一つ返してしまうことにし、白もルークを7段目に入れることで、センターのパスポーンを進める作戦をチョイスします。

26... Bxa3 27. Rc7 Be8



黒はこうなってしまうと、どう指しても抵抗できません。あとは白のセンターポーンが決定打となります。27... b6 28. Bc3! Rc2 29. e5 Bc5 30. Bd4+-

28. Rc8+- Kf8 29. e5 Rb1+ 30. Kh2 f6 31. d6 Rd1 32. Bf3 Rd3 33. Be2 Rd5 34. Bc4 Rd4 35. Bb5 1-0


この勝利で、IM ノームへの僅かな望みをつなげました。今日は黒で2連勝中と相性の良い、IM Szalanczy が相手です。今大会はさほど悪くない戦績ですが、この3試合は3連敗中のようですので、ここでも叩かせてもらいます。今月のFS も残りは2試合!死力を振り絞って指し続けます。

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359) 1/2-1/2
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1-0
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214) 1-0
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236)


とんかつを食べて、今日も勝ちにいきます!

2013/02/09

FS 2013 February 6th round - Gambit Play -


ショッキングな敗戦から一夜明け、ようやく棋譜を見直す余裕が出てきました。まだまだ私のチェスも甘いところが多く、反省しなければいけません。

Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
First Saturday IM February(6)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 c5 4. dxc5 Nc6 5. Nf3 Bg4 6. Bb5 Qa5+ 7. Nc3 e6 8. Be3 Nge7 9. a3 O-O-O 10. b4 Bxf3 11. gxf3 Qc7 12. Bxc6 Nxc6 13. Bd4!



この手がメインムーブで、CAISSA のFarkas 戦をここで外れます。これに対しては休みの間に研究した、さらなるギャンビットのラインを採用します。

13... a6 14. f4 g5!


これが私の用意していた手で、黒は一時的に2ポーンを捨てることで、圧倒的に早いピースの展開を得ます。

15. fxg5 h6 16. gxh6 Bxh6 17. Ne2 Rhg8 18. Qd3 Rg4!



すぐにe5 のポーンを取り返すよりも、c3 を突かせてd3 のマスを弱めさせるほうが良いと判断しました。

19. c3 Nxe5 20. Qh3 Rg6 21. f4?!


この手は疑わしいと私は思います。黒のナイトは絶好のアウトポストに跳ぶだけで、f4-f5 のスレットはさほど怖くありません。

21... Nc4 22. Rf1 Kb8 23. a4 Rdg8 24. b5 Qa5!?



24... a5 と固める手も当然考えましたが、せっかくa5 のマスを空けてもらったので、そこを利用することにしました。

25. f5?!


またもや怪しい判断です。fファイルを開いて勝負するつもりだと思いますが、黒マスビショップのダイアゴナルを開いては、白キングはあまりに危険です。

25... Bd2+ 26. Kd1 Rh6 27. Qf3 axb5 28. fxe6 fxe6?



ここは時間もあったのに、判断を誤ったことを深く後悔しています。28... Rxe6! 29. Qxf7 (29. Qxd5 Rd8 30. Qf3 Be3 -+) 29... Rge8 30. Nf4 R6e7 31. Qf6 Bxf4 32. Qxf4+ Ka8-+ このポジションが黒勝勢であることはすぐに分かりませんでしたが、冷静に見返せば、白のキングは大変危険で、さらにはカウンタープレーがほとんどありません。黒はルークをeファイルに振り、ダイレクトにキングを狙うべきでした。

29. Qf7 Rc8 30. Qg7!


これが私の見落としていた手で、7段目を完全にコントロールすることで黒キングを狙うと同時に、e5 に利きを作ることでBd4-Be5 も視野に入れます。この白のプランに対して、再び正解を見つけることができませんでした。

30... bxa4??



30... b4!! 31. Rf7 Qa6 32. cxb4 Bxb4! 33. Qxh6 Nb2+ 34. Kc1 Bxc5= 黒は驚くべきことで、ルークを捨ててパペチュアルチェックの狙いを作るのが、唯一のディフェンスでした。

31. Rb1+- b5 32. Rf7 Qa6 33. c6 Qxc6 34. Be5+ Nxe5 35. Qxe5+ Ka8 36. Kxd2


黒のビショップが落ち、ポジションはほぼ望みがありませんが、敢えて試合を続けます。

36... Rh4 37. Rf4 Rxh2 38. Rfb4 Qc7 39. Qxc7!



唯一の希望は39. Rxb5? Rxe2+! からのパペチュアルチェックでした。

39... Rxc7 40. Rxb5 Rh4 41. Nd4 Rh2+ 42. Ne2 Rh4 43. Rb6 e5 44. Rb8+ Ka7 45. R8b5 Ka8 46. Rxd5 a3 47. Ra5+ Ra7 48. Rxe5 Raa4 49. Nd4 Rh2+ 50. Re2 a2 51. Ra1 Rh8 52. Kc1 Rh1+ 53. Kb2 Rh3 54. Rc2 1-0


これでIM ノーム獲得のためには、残り3戦を3連勝するしかなくなりました。チャンスの残っている限りは、全力で戦おうと思います。

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359) 1/2-1/2
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1-0
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214)
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236)

2013/02/07

FS 2013 February 5th round - The First Half -


前半戦のラスト、5R はあっという間に終わらせました。棋譜を載せる必要もないぐらいです。

Kojima, S (FM, JPN, 2368) - Kislik, E (IM, USA, 2359)
First Saturday IM February(5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 b6 3. g3 Bb7 4. Bg2 e6 5. O-O Be7 6. d4 O-O 7. Re1 d5 8. cxd5 exd5 9. Nc3 Nbd7 10. Bf4 c5 1/2-1/2



相手の早々のドローオファーを受け、これで5試合が終了しました。残りは下位の4人が相手ですので、十分にあと3P を狙っていけるでしょう。今日は休憩日ですので、休息と明日からの4試合の準備に費やし、肝心の四連戦を迎えるつもりです。

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359) 1/2-1/2
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214)
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236)

Ranking After R5


これだけでは寂いしいので、もう一つ昨日のゲームからポジションを載せておきます。


Balint,V (HUN, 2254) - Zhao,G (CHN, 2178)
First Saturday IM February(5)
Whie to Move


昨日、試合開始から2時間半ほどして会場に戻ると、ふとこのポジションが目に入りました。白のBalint Vilmos はここで長考しています。私も考えてみましたが、b6、d6 は弱点なので白が勝てそうに見えて、黒のキングサイドのカウンタープレーも、白としては多少警戒しなければいけません。ここから白がどのように指せば良いか、皆さんも考えてみてください。ちなみに次にっては私としてはかなり意外(良いとは限らない)でしたが、結果は白勝ちになったようです。

2013/02/06

FS 2013 February 4th round - A Strong Passed Pawn -


不思議なことに3、4R で黒が続いてしまいましたが、黒の多いリストを引いてしまったのは、自分のくじ運の悪さが原因です。そして、IM ノームを獲得するためには、黒でも勝ちをもぎ取る必要があります。4日目の対戦相手、Farkas,L は、ここまで2敗1ドローで最下位に沈んでおり、このラウンドは是が非でも勝ちたいところでした。

Farkas, L (HUN, 2228) - Kojima, S (FM, JPN, 2368)
First Saturday IM February(4)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dxc4 5. a4 e6 6. e4 Bb4 7. e5!?



ハンガリーで長くSalv を指していながら、2回目の4. Nc3 メインラインです。この変化は最近、5... e6 対策として人気が上がってきており、白はポーンを捨てて非常にシャープなポジションを求めます。

7... Nd5 8. Bd2 b5 9. axb5 Bxc3 10. bxc3 cxb5 11. Ng5 Nc6 12. Qh5 Qe7 13. h4!


Morozevich が成功したことで注目されている手。Rh1-Rh3-Rg3 というマヌーバリングを見せながら、従来の13. Be2 に比べて、テンポロスをしないでc4 を取るのが狙いです。

13... b4 14. Bxc4 bxc3 15. Bc1 g6 16. Qd1!?



16. Qf3 Nxd4 17. Qd1 Nf5 18. g4 c2 19. Qd2 Qc7 20. Bxd5 exd5 21. gxf5 Qxe5+ 22. Qe2 Qxe2+ 23. Kxe2 Bxf5 と進み、ビショップを捨ててアンクリアーなポジションにするのが、私が12月にケチケメートで研究したラインでした。

16... Qb4 17. Ne4 c2+ 18. Qd2 Qxd2+ 19. Bxd2?!


黒の強力なパスポーンをキングで抑えながら、h1 のルークを素早く使う可能性を作るため、ここはキングで取る手が正解でした。19. Kxd2! Nxd4 20. Nd6+ Kd7=

19... Nxd4 20. Bxd5?



白が早々に白マスビショップを放棄することは、黒にとって後のプレーを非常に楽なものにします。1ポーンの代償を求めるならば、ダブルビショップは間違いなく残しておくべきです。20. Nd6+ Kd7 21. Nxf7 Rf8=/+

20... exd5 21. Nf6+ Kd8 22. Ba5+ Ke7 23. Nxd5+ Kd7


一度、21... Kd8 を挟むことで、白のNd5-Nb6+ をスレットでなくしておくことがポイントです。

24. Bc3?



これはお粗末なミス。h8 のルークに目がくらんだのだと思いますが、c1 のマスとa1 のルークを守るためには、Nd4-Nb3 は絶対に防いでおかなければいけませんでした。24. Rh3 が正解です。

24... Nb3! 25. e6+ fxe6 26. Bxh8 exd5 27. Ke2 c1=Q!


相手はこのタクティクスを見逃していたようです。2枚のルークでこれを取れば、Bc8-Ba6 のチェックから、h8 のビショップを取って、黒のピースアップとなります。

28. Rhxc1 Nxc1+ 29. Ke3 Nb3



正直、ここから相手がなぜ続けようと思ったのかは分かりませんが、確実に勝てるよう油断せずに指し続けます。

30. Ra3 Nc5 31. Bd4 Kd6 32. Ra5 Nb3 33. Rxa7 Rxa7 34. Bxa7 d4+!? 35. Bxd4 Nxd4 36. Kxd4 Bb7-+


hファイルの最終マスが白マスであることを考え、これで十分に勝てると判断しました。あとは時間の問題です。

37. f3 h5 38. Ke3 Ke5 39. g3 Bc6 40. Ke2 Kd4 41. Kf2 Kd3 42. g4 Bd7 0-1



オープニングからエンドゲームまで、何も問題なくすっきりと勝利です。これで早くも、First Saturday では最高戦績の、3.5/4 となりました!もちろんまだ油断はできませんが、この調子でいけば、残り5試合で2つ勝ち越しは十分達成できそうな気がします。今日のKislik 戦はあまり無理をせず、後半の4試合が勝負所のつもりで、最後のIM ノームに向けて戦おうと思います。

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359)
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214)
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236)


会場で時々見かけるパン。オーガナイザーからの差し入れで、プレーヤーは無料で食べられます。

2013/02/05

FS 2013 February 3rd round - Superior Pieces -


3日目と4日目は、黒が連続して続く前半の正念場です。3Rの私の相手はハンガリーのBalint Vilmos、どこかで聞いたことのある名前だと思っていましたが、先月のBela Perenyi Memorial で5位入賞を果たしたプレーヤーでした。IM ノームのためには、黒でも勝ちたい重要な一戦です。

Balint, V (HUN, 2254) - Kojima, S (FM, JPN, 2368)
First Saturday IM February(3)

1. e4 c6 2. b3!?



早速、直前までの準備を全て無駄にしてくれます ┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ・・・

2... d5 3. e5 Bf5 4. Ba3!?


これもまた面白い手。白は明確に黒マスビショップの交換を狙っているので、黒は適切なタイミングを計ります。

4... Nd7 5. f4 h5 6. Nf3 e6 7. Bxf8 Nxf8



一般的にポーンは、残ったビショップと逆の色に置くべきとされていますが、ここでは白がe5、f4 にポーンを固めているため、g4、f5 といった白マスが弱点となっており、黒はそこを突くことでキングサイドのチャンスを得ようと考えます。

8. Nd4 Bg4 9. Be2 Nh6 10. c3 Ng6?!


ここは一気に10... g5!-/+ からキングサイドとセンターを崩しにいくべきでした。どうもこういった、ポーンによる崩しが見えません。

11. O-O Qb6 12. Na3 c5 13. Ndb5 Nf5 14. Bxg4!?



これは勇敢な決断です。私がメインで考えていたのは、g1-a7 のダイアゴナルを閉じて安全に戦うプランですが、それでも黒のほうがわずかに指しやすいと読んでいました。14. c4 d4 (14... a6!? 15. Nc3 d4 16. Ne4 d3 17. Bxg4 hxg4 18. Qxg4 Qd8=/+) 15. Bxg4 hxg4 16. Qxg4 a6 17. Nd6+ Nxd6 18. exd6 Qxd6 19. g3 O-O-O=/+

14... hxg4 15. Qxg4 c4+ 16. Kh1 O-O-O


ポーンはいずれ取り返せるので、先にa8 のルークを使えるようにし、白キングへのダイレクトアタックを作れるようにと考えました。しかし、黒によりさらに良い手があります。16... a6! 17. Nd6+ Nxd6 18. exd6 Qxd6 19. Nc2 Rh4!(これでf4 が単純に落ちるのを読み落としていました!) 20. Qe2 Rxf4-/+

17. g3 Nge7!?



最初はシンプルに17... a6 からポーンを取り返すつもりでしたが、d6 でナイトを交換した後に、Na3-Nc2-Nd4 というマヌーバリングが厄介です。そこでナイトを先に退くことで、再びナイトをf5 に組み変えられるようにし、d4 のマスを先に抑えてしまおうと考えました。

ところが、ここでも黒にはベターな手があります。17... Qa5!(狙いはa7-a6 からのピース取り) 18. b4 Qa4-+ 端に固まった白のナイトはお互いに何もできず、片方が落ちて勝負ありでした。

18. Nd6+ Nxd6 19. exd6 Nf5! 20. bxc4?


dファイルを開くことは、d2 にバックワードポーンを持つ白にとって、大きな負担となります。

20... Qc5!? 21. Nc2 dxc4 22. Qf3 Rxd6-+



これで一時的に捨てた2ポーンを取り返し、さらにはRd6-Rd3 をスレットにすることで、さらなる駒得を確定させます。

23. Rf2 Rd3 24. Ne3 Nxe3 25. dxe3 Rxe3 26. Qg2 Rxc3


ここは少し迷いましたが、白がbファイルにルークを重ねようとしても、Qc5-Qd5 からクイーンを交換してしまえば怖くないので、ありがたく2ポーン目をいただくことにします。

27. f5 Qd5 28. fxe6 fxe6 29. Qxd5 exd5 30. Rd1 Rd8 31. Rfd2 Kc7 32. Rxd5 Rxd5 33. Rxd5 Kc6-+



1ポーンを返してしまっても、ルークを1枚交換してキングが前進すれば、キングの位置の差とパスポーンの存在によって、問題なく勝つことができます。

34. Rd8 Rd3 35. Rc8+ Kb5 36. Kg2


36. Rc7 b6 37. Rxa7 Rd2 38. Rxg7 c3-+ 白はポーンを取りに行っても、キングが1段目に縛られているようでは勝負になりません。

36... Rd2+ 37. Kf3 Rxa2 38. Rc7 b6 39. Rxg7 Rxh2 40. Rxa7 Kb4



黒はポーンを交換して、シンプルなポジションに導きます。キングにサポートされた2コネクテッドパスポーンと、孤立のパスポーンでは勝敗は明らかです。

41. g4 b5 42. g5 Rh1 43. g6 Rg1 44. g7 Kb3 45. Kf2 Rg6 46. Ke3 c3 47. Rc7 b4 48. Kd3 Rg3+ 49. Ke2 Kb2 50. Kf2 Rxg7 51. Rxg7 c2 52. Rb7 b3 0-1


これで2、3R 連勝となり、早速IM セクションでの単独トップに立ちました。明日は2敗1ドローと沈んでいる、Farkas Lajos との対戦なので、黒でもポイントをもぎ取って、良い形で前半戦を終わりにしたいと思います。

02/02 Szeberenyi,A (IM, HUN, 2328) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 1/2-1/2
02/03 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Lyell,M (FM, ENG, 2200) 1-0
02/04 Balint,V (HUN, 2254) - Kojima,S (FM, JPN, 2368) 0-1
02/05 Farkas,L (HUN, 2228) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/06 Kojima (FM, JPN, 2368) - Kislik,E (IM, USA, 2359)
02/07 Rest Day
02/08 Zhao,G (CHN, 2178) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/09 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Keschiz,G (FM, HUN 2214)
02/10 Szalanczy (IM, HUN, 2234) - Kojima,S (FM, JPN, 2368)
02/11 Kojima,S (FM, JPN, 2368) - Koszo,K (HUN, 2236)

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