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2013/10/18

FS 2013 October GM - The Third Norm Gainer? -


Photo by Miklos Szabo

昨日の夕方、First Saturday オーガナイザーのLaszlo Nagy 氏とIA のOrso Miklos 氏から、私の3つ目のノーム獲得に関するメールが届きました。昨晩にはFacebook でこれを報じ、すでに多くの反応をいただいていますが、現在私がどういった状況にあるか、今夜はブログ読者の皆さんにも詳しくご説明しようと思います。

まず一昨日の記事で書いた通り、私はFS の最終戦に敗れました。しかし、話題になったのは、私が9ラウンド終了時点で5ポイントを獲得し、2450を超えるパフォーマンスを得ている時点で、IM ノームが確定なのではないかということです。試合後にLaszlo 氏、Orso 氏と話をした結果、彼らがFIDE に交渉するということで、連絡待ち状態に入りました。

そして昨日届いたメールは、ハンガリーチェス連盟は私のIM ノーム獲得を認め、この申請をFIDE に提出したという、私にとって大変喜ばしいものでした。Laszlo 氏はすでに私が3つ目のノームを獲得したということで、FIDE の公式HPに記事を公開しています。

12 years old Havasi Gergo (HUN) a rising star at First Saturday Budapest tournament

ですが、まだ安心はできません! 私はOrso 氏とさらに連絡を取り、さらに詳しい状況確認を行いました。彼からの返信は長かったので、不必要な部分を削り、以下のように要約しておきます。なお、Facebook の投稿では、インドのチェンナイで私のIM ノームが受理されるかどうか決まると書きましたが、これはどうやら私の勘違いのようでした。すみません。

Orso 「私の意見としては、9R 終了時点でIM ノーム獲得を認めるべきであり、ハンガリーチェス連盟もこれに同意している。しかし、かつてFIDE はダブルラウンドロビンの場合はこれを認めないと、同じ条件でのノーム申請を拒否している。そのため、ノーム獲得についての保証はできない。以前、FIDE QC (おそらくノームの申請を受理する機関) の会長を務めていた人物は亡くなっており、ノーム受理の条件は変わっている可能性がある。(多少、私の意訳を入れています。) FIDE はノームの申請を1つ1つ個別にチェックするのではなく、全てIM タイトルの審査の際に、まとめてその有効性をチェックされる。

な、なるほどー。確かに私の1つ目、2つ目のIM ノームのページを見ても、The norms have been sent by the federations/organisers, but the norms have not yet been checked, they may not be valid. と記されています。ノームを獲得したつもりでも、それが有効かどうかすぐにはわからないというのは怖いですね。

IM Norms Shinya Kojima

さらにOrso 氏からのメールで、かつて私とCAISSA GM Section で戦ったCsonka も、かつてダブルラウンドロビンで5/9 という戦績を獲得し、IM ノーム申請をしたにも関わらず、FIDE に断られていることを知りました。彼が昨年の12月、私のドローオファーを蹴って勝負しようと考えたのは、そういう経緯もあったのですね。少し納得です。(5/9 で申請したということは、最終戦で敗れたのでしょう。)

今回、私のIM ノーム申請をハンガリーチェス連盟がFIDE に提出した裏には、FIDE QC のトップが変わったことで、状況が変化していてほしいという彼らの希望も含まれているのでしょう。こうして書くと、申請が受理される可能性は低そうにも見えてしまいますが、ひとまずハンガリーチェス連盟が申請を出したということは、私の3つ目のIM ノーム獲得への大きな前進です。しかし、FIDE がこれを受理するかは、私がレイティングを2400 に到達させ、IM タイトルの申請を行うまで分かりません。すでにお祝いのメッセージもいただいていますが、これはもう少し待ってください(笑) これから始まる別のトーナメントで、文句なしのIM ノーム獲得戦績を収められたとき、もしくは私のIM タイトル申請が受理されたとき、初めてお祝いとしましょう!

2013/10/16

FS 2013 October GM 10th round - The Second Norm Gainer And ? -


Photo by Geka

長い10R ダブルラウンドロビンのGM Section が、昨日終了しました。色々なやり取りがあった1日でしたので、試合前の話からお伝えしていこうと思います。前半は、すでにFacebook では告知済みの内容です。

私が会場にで試合開始を待っていると、インドネシアのSean も到着し、私に握手とノーム獲得のお祝いの言葉をくれました。私がまだ今日の最終戦でドローを取らないといけないんだと返したところ、5ポイント/9ラウンドであれば、すでにパフォーマンスは十分なのではないかと予想していなかった言葉が! 確かに大会途中であっても、ノーム獲得の最低試合数である9R 終了時点で、パフォーマンスが2450 を超えていれば、10R 以降の戦績が振るわなくともノームは達成となるのが一般的です。私もすっかりと忘れていました。


写真にある通り、9R 終了時点でのパフォーマンスは2474ですので、IM ノームの基準である2450 を超えています。それでは10R の結果にかかわらず、私はすでにノームを達成済みなのかと確認をしたところ、IA のOrso Miklos 氏は首を横に振りました。

彼の説明では、スイス形式やラウンドロビン形式では、10R 以上の場合、9R 終了時点でパフォーマンスが2450 を超えていれば(他にも細かい条件はありますが、ここでは割愛します)、ノーム獲得となるが、ダブルラウンドロビンの形式は例外だとのことです。私はイマイチ納得できませんでしたが、もともと試合をするつもりで会場に来たので、予定通り、Westerberg との対戦に向かいます。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)
First Saturday 2013 October GM (10)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. Qc2!?



昨年5月にハンガリーに渡ってから、メインのNimzo-Indian を受けてきましたが、数年ぶりにこのラインを復活させます。Kramnik らが得意としたNimzo-English の変化は、複雑なラインが少なく、負けるリスクが少ないと判断したためです。

4... c5!?


4... 0-0 5. a3 Bxc3 6. Qxc3 b6 というメインラインに比べれば指される頻度は落ちますが、こちらも見かける手です。

5. g3 O-O 6. Bg2 Nc6 7. O-O d6 8. d3 h6 9. a3 Bxc3 10. Qxc3 e5



黒はビショップとナイトを交換しましたが、センターに多くポーンを置き、ピースの展開でも優っています。ここからは、白がどのようにダブルビショップを生かせる局面に導くかが、ゲームのポイントとなりそうです。

11. e3


ここは素直にクイーンサイドを伸ばしておくべきでした。11. b4! Nd4 12. Re1 Bg4!? 13. bxc5! Bxf3 14. Bxf3 dxc5 15. Bg2+/= 確かにこのように進めば、d4 に侵入されたナイトをさほど気にする必要あないでしょう。少しセンターのマスに気を遣いすぎました。

11... a5 12. b3 Be6 13. Bb2 Re8 14. Rfe1 Qd7 15. d4!?



ゆっくり指すならば、15. Nd2 がありえそうですが、私はここで黒マスビショップの利きをこじ開けに行くべきだと判断しました。

15... Bh3 16. d5?!


ビショップをキープするプランは少し危険なため、1組のビショップを交換しても、クイーンサイドのブレイク(b3-b4)と、キングサイドのブレイク(f2-f4) のチャンスを両方持つ白が優勢だと判断いましたが、これが大きな間違いでした。16. Bh1 e4 17. Nd2 Bf5=

16... Bxg2 17. Kxg2 e4!



どうしてこのシンプルな手が見えていなかったのか。黒はナイトを逃すのではなく、白のナイトをアタックし返しつつ、e5 にマスを作ることでチャンスを掴みます。

18. dxc6?!


この手はキングをセンターにとどめなければいけないため、リスクが大きいことは承知していました。しかし、18. Nd2 Ne5 19. Qc2 Qf5 20. Rf1 b6-/+ と進めば黒のイニシアチブは明らかであり、どうしてもこのポジションを持つ決断が下せませんでした。

18... exf3+ 19. Kxf3 Qxc6+ 20. Ke2 d5!



地味ですが、深い一手だと思います。d6,d5 の弱点を消しておくと同時に、クイーンを5段目で振れるようにします。

21. cxd5 Qxd5 22. Kf1!? Qh1+ 23. Ke2 Qd5 24. Kf1


やはり白はこの手を繰り返します。24. f3?1 Qf5! 25. Qc4 b5-+

24... Qh1+ 25. Ke2 Qxh2! 26. Rh1 Qg2 27. Rag1!?



私はh2 のポーンを取らせ、キングサイドを突破するプランに逆転の望みをかけました。自然に見えるh6 のポーンを取る変化は、すぐに黒勝ちとなります。27. Rxh6? Ra6! (27... Qxf2+?! 28. Kxf2 Ne4+ 29. Kf3 Nxc3 30. Rh4 Nd5 31. Rah1 f6 32. e4 Ne7-/+) 28. Rh4 Rae6-/+ 黒はダイナミックにルークを振り、e3 取りをスレットにすることで勝ちを決定づけます。ここでも、d6-d5 から6段目を空けたことが生きています。

27... Qc6 28. g4 Re6!


f6 をルークの横利きで守るのは自然な一手で、私も読みの範疇でした。しかし、それでも私はまだ白がいけると判断していました。

29. g5 hxg5 30. Rh3



恥を承知で書きますが、私はここでドローオファーしました。それはドローになったら良いなという希望的観測ではなく、g,h のオープンファイルは黒にとって非常に危険で、ポーンの代償を伴って十分に勝負できていると考えた為です。正直、白の勝ちまであるんのではないかと思っていました。(だったらオファーせずに、勝負するべきなのですが...) 今振り返れば、冷静ではないですね。

30... Rd8 31. Rxg5?!


ルークをhファイルに重ねても白の攻めは届かず、ならばg7 に圧力をかけるほうが良いだろうと考えたのが、最終的な判断ミスでした。31. Rgh1! Kf8 32. Rh8+ Ke7 33. Rxd8 Kxd8 34. Qxa5+ (試合中、aポーンが浮いていることは全く気付いていませんでした。どうかしています。) 34... Ke7 35. Rd1 Rd6-/+ 黒良しであることは疑いようがないですが、黒はダブルポーンですし、これならばまだ白もゲームを続けられそうです。

31... Red6!-+



最悪、ダブルルーク vs クイーンにしても問題ないと思い、この手はあまり深く考えていませんでした。(時間切迫だったこともありますが) しかし、c5 を無視してこうして指されてみると、全く白にうまい受けがないことがわかります。クイーンを捨て、d2 にキングが行った瞬間に、Nf6-Ne4 のナイトフォーク、Qc6-Qd7 のダブルアタックが、両方スレットとして存在するのがポイントです。

32. e4


32. Rh4 Rd2+ 33. Qxd2 Rxd2+ 34. Kxd2 Ne4+ 35. Rxe4 Qxe4 36. Rxg7+ Kf8-+ この変化でチャンスがないようであれば、他もすべてダメでしょう。

32... Rd2+ 33. Kf1 Rxf2+ 34. Kxf2 Nxe4+ 35. Kg1 Rd1+ 36. Kh2 Nxc3 37. Bxc3 Qh1+ 0-1



完全に最後は蛇足でしたが、一応続けてみました。この試合の結果を受け、スウェーデンのWesterberg は2つ目のIM ノームを獲得。今年中にもう一度良い結果を残せば、IM タイトルを取るでしょう。この試合は完全に私の力負けでした。

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526) 1/2-1/2
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404) 0-1

FS 2013 October GM Final Results

試合後には、やはり私の9R 終了時でのIM ノーム獲得が認められるのか、IA のOrso Miklos 氏と、オーガナイザーのLaszlo Nagy 氏に確認をしに行きました。結論として、彼らからFIDE と交渉をするので、連絡を待っていてほしいとのことです。私は彼らの厚意をありがたく受け取り、過度な期待はせずに3日間の休みに入ろうと思います。結論はすぐに出るでしょう。

しかし、この記事を書きながら考え直すと、2つ目のノームを獲得した昨年12月も、ダブルラウンドロビンの10R で、9R 終了時点のパフォーマンスは2450 を超えていました。もしあの大会でも、すでに9R 終了時点でノーム達成だったのであれば、クリスマスイブ前日のあのCsonka との激闘はなんだったのか、ということになります。やはりダブルラウンドロビンでは、途中でのノーム達成は認められないような気がしますね。いずれにせよ、次のCAISSA でも頑張って勝ち星を積み重ねたいと思います。

少しポジティブな話もしておきましょう。今大会、レイティングだけを見れば+17 と久々に大幅上昇です。実はこの数字は、先月のFS とCAISSA で落とした合計でもあるのですが(笑) IM になるためには、2400 にレイティングを載せる必要がありますので、韓国以来落としてきた数字を、少しずつでも戻していければと思います。


そして昨日の昼には、中高の同級生が1人、ブダペストまで遊びに来てくれたので、試合後は彼とハンガリー料理を楽しんできました。これから私がケチケメートに向かうまでの3日間は、彼とブダペストでゆっくり遊ぼうと思います。(もちろん、時間を見て研究もしますよw) その間も記事は更新しますので、引き続きこちらのブログのチェックもよろしくお願いします!

2013/10/15

FS 2013 October GM 9th round - The First Norm Gainer -


計10試合を行うGM Section に対して、1試合少ないIM Section は、昨日全試合が終わりました。優勝したのは今年12歳になるハンガリーのHavasi で、7/9 という脅威的なスコアでIM ノームを獲得しています。最終戦は黒で勝たなければいけないラウンドでしたが、IM Section 最大の敵であるIM Kislik, E にSicilian Najdorf を使って勝ち。私が見たとき、ゲームは以下のポジションでした。


Kislik, E - Havasi, G
Position After Nh5-Nf4

黒はエクスチェンジを捨てていますが、白のポーンは全てバラバラです。この後、黒はゆっくりプレッシャーをかけて白キングを追い詰めたか、ポーンをかすめ取ったのでしょう。Havasi はこの大会でレイティングを50上げており、このレベルのチェスができるならば、すぐに2300 にも乗りそうです。まだまだハンガリーには恐ろしいユースプレーヤーが隠れているものですね。それでは私の試合へ。

Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
First Saturday 2013 October GM (9)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. c4!?



若干マイナーな変化ですが、彼の得意ラインということで調べてきました。白はd5 にアウトポストを作りますが、スペースアドバンテージを得ることでバランスを取って戦います。

4... e6 5. Nc3 Ne7 6. a3 dxc4 7. Bxc4 Nd7 8. Nge2 Nb6 9. Bb3 Qd7!?


フレキシブルな一手だと思います。d8 にマスを作ることで、Ra8-Rd8 やロングキャスリングを指せるようにし、素早くd4 にプレッシャーをかけられるようにしておきます。9... Ned5 10. Ng3 Bg6 11. h4 h6 12. h5 Bh7 13. Nce4 f6!? Recommended by IM Lakdawala

10. Nf4!?



白がアドバンテージをキープして戦うのであれば、ナイトは進んで交換しにいかないでしょう。この時点で、相手もドローで十分だと考えていることがわかりました。

10... Ned5! 11. Ncxd5 Nxd5 12. Nxd5 cxd5


安全に指すならば、ポーンのいるファイルは白黒同じにしておくべきでしょう。白にキングサイドポーンマジョリティを持たせる理由はありません。

13. O-O Be7 14. Be3 1/2-1/2



ナイトを2組交換した白には、もはやスペースアドバンテージを生かす手段が残されていません。普段ならば続けても良いポジションですが、現在の状況であれば、彼からのドローオファーを受けて十分です。

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526) 1/2-1/2
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)

FS 2013 October GM

さて、いよいよ3つ目のIM ノームをかけた最終戦を迎えます。昨年10月のFirst Saturday で初めてのノームを獲得してから、ちょうど1年という時間が流れました。これまでハンガリーのトーナメントで、ノームがかかっていた"勝負掛け" の最終戦は4回経験しており、2回成功、2回失敗です。

12/10/16 Kojima, S (FM, JPN, 2307) - Lengyel, B (IM, HUN, 2252) 1/2-1/2, IMノーム獲得成功
12/12/23 Csonka, B (FM, HUN, 2320) - Kojima, S (FM, JPN, 2340) 1/2-1/2, IMノーム獲得成功
13/02/11 Kojima, S (FM, JPN, 2368) - Koszo, K (HUN, 2234) 0-1, IMノーム獲得失敗
13/02/21 Kojima, S (FM, JPN, 2368) - Juhasz, A (HUN, 2185) 1/2-1/2, IMノーム獲得失敗

今回は幸運なことに白を引き、これまで成功させた2回と同様に、ドローでノーム獲得となります。しかし、今日の試合は、以前と大きく異なる点が1つあります。それはこのラウンドは、相手にとってもノームがかかった試合であるということです!

黒で勝たなければいけないWesterberg よりも、ドローで十分な私のほうが条件は良いのですが、IM Section で、Havasi が200レイティング上のKislik に勝ったように、勝負は何があるか分かりません。何が何でもドローの欲しい私と、何が何でも白星をもぎ取ろうとする彼の、意地の張り合いの勝負となるでしょう。どちらかは必ずノーム獲得となるため、互いに緊張するなというのは無理な話ですが、それでもこれまで通り、楽しめる一局にしてこられればと思います。それでは、吉報をお楽しみに!


日本からは友人が応援に駆けつけてくれました。これから最終戦、頑張ってきます!

2013/10/14

FS 2013 October GM 8th round - Simplifying The Position -


マラソン大会の見学のために早めに起きたので、アンダンテに戻ってから再びベッドに撃沈。試合直前の準備はいつもよりも少なめでしたが、重要なラインだけは前日のうちに抑えて会場に向かいます。8R は、すでにWesterberg - Fogarasi (1-0), Seres - Sean (1-0) がすで消化済みであったため、GM Section は私たちだけの少し寂しい雰囲気でした。それでも、Sean が途中で様子を見に会場に来てくれたのには嬉しかったです。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526)
First Saturday 2013 October GM (8)

1. Nf3 Nf6 2. c4 b6 3. g3 c5 4. Bg2 Bb7 5. Nc3 g6!?



Hedgehog の裏の顔、Double Finchetto Variation の登場です。全く予想外のオープニングで、実戦経験もほぼありません。ところがラッキーなことに、どこかで指す機会があるかなと思い、たまたま先月終わりに調べ直していました。

6. O-O Bg7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 d6 9. Rd1 Nbd7


白はQd4-Qh4 からBc1-Bh6 (or Bc1-Bg5) と展開したいので、黒はキャスリングを遅らせて、白がビショップをe3 に置くのを待つのが基本です。黒がキャスリングする前に白がQd4-Qh4 と指した場合は、h7-h6, g6-g5 と突いてしまえば問題ありません。

10. Be3 Rc8 11. Rac1 O-O 12. Qh4 a6 13. b3 Rc7 14. Bh3 Qb8 15. Bh6!?



Topalov が1999年に指した当時の新手で、Gordon はこの手をよく知らないようでした。先月の研究で15. g4!? と攻めにいく変化もチェックしましたが、ドローで十分なこのゲームでは局面を単純化して、わかりやすい展開を望みます。

15... b5!


試合後に15. Bh6 を知らなかったとコメントした割に、このベストムーブをしっかり見つけるあたりさすがです。15... Re8 16. Ng5! Bh8 17. e4!+/= は私が試合中に読んでいた変化で、白は攻撃の形を作れています。 15... Bxh6 16. Qxh6 Bxf3 17. exf3 b5 18. Bxd7! Rxd7 19. Rd4!+/= Topalov,V - Van Wely,L /Monte Carlo 2005/

16. Bxg7 Kxg7 17. Bxd7! Rxd7 18. cxb5 axb5 19. Qb4!



これが私の研究していたアイディアで、黒にb6-b5 を許しますが、孤立したbポーンを狙うことでチャンスを作ろうとします。このような柔軟なクイーンの振りは(Qd1-Qd4-Qh4-Qb4)、このラインで非常に特徴的なマヌーバリングです。ちなみにここで一度ドローオファーしますが、Gordon はこれを蹴って勝負を続けます。

19... Bxf3


19... Rc8! 20. Nxb5 Rc5 21. a4 Ba6 22. Rxc5 dxc5 23. Qe1 Bxb5 24. axb5 Qxb5 25. Rxd7 Qxd7 26. b4 cxb4 27. Qxb4 Qd1+ 28. Qe1 Qxe1+ 1/2-1/2 Topalov,V -Karjakin,S /Astana 2012/ 先月研究した際は、19.Qb4! で白にわずかなアドバンテージがあると思っていましたが、このゲームは完全にイコールでした。

20. exf3 Rb7 21. Nd5! Nxd5 22. Rxd5 Rb6 1/2-1/2



今度はGordon からここでドローオファー。ここまでピースを捌いていれば、白としてはドローを取るのに問題はないでしょう。これを受けて8R を締め、昨年から続いていたイングランドのGM への連敗(Short, Williams, Gordon) をストップさせました。

試合後にはGordon から、ノーム獲得へGood Luck だとメッセージを貰えたので、最後のFogarasi 戦、Westerberg 戦も、なんとか負けることなく乗り切りたいですね。2月にノームを取り損ねた悔しさからここまで這い上がってきましたので、目標達成まであとたったの2試合、頑張って指してこようと思います!

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526) 1/2-1/2
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)

FS 2013 October GM

日本では東京オープンが終わったようですね。こちらはイングランドのFM Lewis さんが優勝、次いで南條くん、弘平くん、桑田くんの88年トリオでしょうか。優勝の行方は少し意外な結果でしたが、Lewis さんは南條くんとほぼ変わらないFIDE レイティングの持ち主らしいので、それならば納得のいく結果です。参加した皆さん、お疲れ様でした。

2013/10/13

FS 2013 October GM 7th round - The End of Defence -


今朝は年に1回開催される、ブダペストのマラソン大会でした。こちらに住む友人が参加するとのことで、私も珍しく早起きし、スタート地点である英雄広場に足を運んでみました。しかしそこは、見渡す限りの人、人、人の山! 連絡手段がなければ、とても友人を探すことはできませんでした。アナウンスを聞いたところ、60か国以上から2000人以上(聞き間違いでなければ) の参加者が集まって走るそうです。彼らは本格的なマラソンランナーから、趣味の人、国旗を掲げて走る人まで老若男女様々でしたが、中にはお手製の衣装で登場する人もいます。


まさかのルービックキューブが登場(笑) ハンガリーの数学者、ルービックが考案し、世界的に有名になったゲームですが、こうした演出に使われると観客も大喜びです。他にも仮面の騎士や、クルトシュカラーチの着ぐるみも走っていました。


さて時間を昨日に戻します。ハンガリーでできた兄弟分、インドネシアのSean との対戦も、早くも4回目となります。もはや会うたびに Hi brother! と声をかける仲ですが、チェス盤を挟めば、当然ライバル関係に戻ります。前日にはWeterberg を倒し、浮上のきっかけを掴みたい彼ですが、そうは問屋が卸しません!

Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
First Saturday 2013 October GM (7)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. Kb1 Qb6 14. Rhe1 O-O 15. Nf5 Bb4 16. Nxh6+!?



このピースサクリファイスをノータイムで指してきた時点で、完全に彼のプリパレーション通りに進んできたことを悟りました。試合後に、この手は今年、Karjakin が初めて実戦投入した手だと教えてもらっています。あまり調べていなかったとは言え、私もCaro-Kann Classical は、ここ2年半で1度も負けのない十八番中の十八番ですので、そう簡単に崩れるわけにはいきません。

16... gxh6 17. c3 Ba3 18. Bc1


白は1テンポを使っても、キング前を弱めずにb2 へのメイティングアタックに対処しました。おそらくここがゲームのクリティカルポジションの1つで、白のキングサイドアタックにどう対応するかは、非常に難しいところだと思います。

18... Kh8?



私はポーンとエクスチェンジを返すつもりで、キングを危険だと判断したgファイルから、まずは寄せることにしました。しかし、このディフェンスはすでに失敗で、黒はもう少し慎重にマテリアルをキープすべきでした。18... Rfe8 19. g4 Nh7 20. c4 Bf8 21. g5 hxg5 22. Nxg5 Nxg5 23. Bxg5 Kh8 Karjakin, S - Mamedyarov, S / Renova FIDE GP / 2013 / この形の長期的なピースの代償は非常に評価が難しいですが、ひとまず黒からはアタックが遅い以上、白のイニシアチブは持続しそうです。

19. Ka1! Be7 20. Bxh6 Nd5


黒マスビショップを消せば、黒マスが多少弱くなるので、このd5 のナイトは活躍するだろうというのが私の読みでしたが、これは勘違いだったと言わざるをえません。

21. g4?!



なんとなくですが、Sean ならば、駒を取るよりアタックを優先すると考えていました! しかし、ここは駒を返してもらったうえでも、十分に白の攻めは続きます。21. Bxf8! Rxf8 22. c4 N5f6 (22... Nb4?! 23. Qd2 Kh7 24. a3+- このようにb4 にナイトが跳ぶアイディアが働かないのであれば、Nf6-Nd5 は良くないアイディアだったと判断できます。) 23. Ng5!+- やはり白はナイトを追い返し、攻めの態勢を作り直すことができます。ナイトをf6 に退かざるをえないのであれば、g5 を守るつもりでe7 に退いたビショップも、意味がなくなってしまいます。

21... Rg8 22. g5 Bf8?!


危険な黒マスビショップは消しておくべきだと判断しましたが、これは黒のキングのディフェンスを弱める結果になってしまいます。22... Qa6!? 23. Qc2 Qc4 がベターで、多少白のキングにも脅威を見せておくことができます。

23. Bxf8 Raxf8 24. Qd2



24. c4! Nb4 25. Qc3 Kh7 26. a3+- 上記のラインでも出たように、b4 に跳んだナイトが働かないというのは、私たち2人にとっての大きな見落としだったでしょう。

24... Qc7 25. c4?


今度はc3-c4 を突くタイミングを完全に間違えています! 私から試合後に指摘したのは、25. Re4! Rg7 26. c4 Ne7 27. Qc3+/- と進める変化で、一度f4 のマスを抑えてからでも、c3-c4 は遅くありません。

25... Qf4!



キングサイドの猛攻を止めるための、最も重要なディフェンスのアイディアです。ここでナイトの交換ができたことは、黒にとっての大きなプラスになります。

26. cxd5 Qxf3 27. g6!?


試合中、私が読んでいたのは27. dxe6 fxe6 28. Rxe6 Qxf2 29. Rh6+ (29. Qa5!?) 29... Kg7 30. Rg6+ Kh8 31. Rh6+= というドローの変化です。もちろん、白はパペチュアルを避けて勝負にいくのもありでしょうが、ナイトの交換前に比べ、チャンスが激減しているのは明らかです。

27... Rg7 28. dxe6



28. Qh6+ Kg8 29. gxf7+ Qxf7 30. dxe6 Qf6! (このオンリーディフェンスによって、白のポーンフォークが働かないことは、お互いに直前まで気づいていませんでした。) 31. Qe3 Nb6= コンピュータはイコール評価ですが、ゆっくりやれば黒が良いと彼は判断したのでしょう。私もこれは黒にチャンスがあると思っていました。

28... fxe6 29. Rg1?


この試合、初めて出た白の弱気な一手! 黒が一方的だったディフェンス側から脱出できるチャンスがやってきました。29. Rxe6 Rf6! ( 29... Qxf2 30. Qc1! Qf5 31. Rde1! 非常に難しい判断ですが、これならば白のイニシアチブは持続します!) 30. Re8+ Rf8 31. Qh6+ (31. Re6 =) 31... Kg8 32. Rde1 Qxf2= ならば、まだ結果はわからないでしょう。

29... Rf6!=/+



黒はh5-h6 さえ止めてしまえば、ひとまずは怖いところはありません。ここからカンウタープレーの時間です。

30. Qa5 a6 31. Rdf1 Kg8! 32. Qd8+ Nf8 33. Rh1 Rf5!


白の2コネクテッドパスポーンは、ピースの代償の要であるため、これが落ちれば黒の優勢は明らかになります。

34. Qh4 Rf4 35. Qd8 Rd7 36. Qe8 Rfxd4-+



これでほぼ勝負は決しました。窮屈なディフェンスにしか使えていなかった黒のダブルルークは、ようやく活動の機会を得て白のキングにプレッシャーをかけます。

37. a3 Rd8 38. Qe7 R8d7 39. Qe8 Rd8 40. Qe7 R4d7 41. Qh4 Rd3!


40手まで到達させて持ち時間を増やした直後、決定的な一手を発見しました。a3 取りからルークを2段目に入れる狙いで、メイトスレットを作ります。

42. Qe7 R8d7 43. Qe8 Qf6! 0-1



a3 取りとb2 へのプレッシャー、クイーン強制交換を交えることでゲームセットです。怪しいゲームでしたが、なんとかこれを気合でねじ伏せ、再び1つ勝ち越しグループに戻ってきました!

Sean にはこれで3勝1ドローですが、決して彼は弱いプレーヤーではありません。8月のFirst Saturday では、初めてのノームを獲得しています。9月はFS, CAISSA それぞれで、1つ星が足りずにノームこそ逃していますが、 ともに単独優勝でした。当然、彼が日本に来れば、対抗できるプレーヤーはほぼいないでしょう。それでも、これだけ苦戦するのがGM Section です。今は彼にとって必要な試練の時間だと思いますので、ここを乗り切って強豪インドネシアのトップクラスにのし上がってほしいと思います。

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526)
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)

FS 2013 October GM

残るは3戦で白が2回残っています。その大事な1回は、今大会のトーナメントリーダー、Gordon に次のラウンドで使います! 前半戦で唯一黒星をつけられた相手に、白でも負けるわけにはいきません。ここを乗り切れば、いよいよゴールが見えてきます。

2013/10/12

FS 2013 October GM 6th round - Second Half for A Norm -


Westerberg - Sean はすごい試合になりました!

1日休憩日を挟み、昨日からFirst Saturday の後半戦がスタートしました。前半戦とは色は逆になりますが、対戦相手の順番は同じなので、私はGM Seres との対戦からです。何が何でも星を落としたくない後半戦の初戦は、得意の堅いSlav の変化を使います。

Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
First Saturday 2013 October GM (6)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. e3 g6 5. Nc3 Bg7 6. Be2 O-O 7. O-O a6 8. a4 a5!



今年のカペルから導入しているこのa6 変化もこれで3度目で、全てGM 戦です。そろそろポイントを取りたいこの試合、ようやくメインに近い形が現れました。黒はa2-a4 と突かせたことでb4 が弱まったことに満足し、a6-a5 とポーンを突き直すことで、その重要なマスをコントロールします。

9. Qb3 e6 10. Bd2!?


Seres は、3R でGordon が指したのと同様に、ルークをセンターに配置する前にビショップを展開しました。10. Rd1 Qe7!? 11. Ne5 Nbd7 12. f4 Nxe5 13. fxe5 Nd7 14. cxd5 exd5 15. e4 Qb4! というのが私のメインの準備でしたが、ルークがd1 にまだ来ていない本譜では何ができるかをじっくり考え、次の手を実行してみることにしました。

10... Ne4!?



このアイディアは、Gordon 戦の解析の際にチェックしていました。dファイルにまだルークをまわしておらず、d2 のマスを埋めてしまった白は、e4 のナイトを取りづらいでしょう。

11. Rfd1!?


もしビショップを退かれた場合はどうしようか試合中考えていて、11. Be1 Nd6!? 12. c5 Nf5 というマヌーバリングを思いつきました。実際に試合後に調べたところ、Kamsky の実戦もある変化で、黒は割と指しやすそうです。

11... Nxd2 12. Rxd2 Na6!



白はダブルビショップを諦めて素早い展開で戦おうとします。対する私は、どこに置くべきか難しい白マスビショップの対処を後回しにし、まずはナイトをb4 のアウトポストまで運ぶことを優先します。

13. e4 Nb4 14. Re1 b6 15. h4 Re8!?


センターのテンションはキープしたまま、白から開いてきても問題ないように対応します。白マスビショップの場所をb7 にするかa6 にするかは、この後に決めます。

16. Rdd1 Bb7 17. Bf1 Rc8 1/2-1/2



少し早い合意ですが、ここでドローにしました。うまくポジションを開いて、ダブルマスビショップの利きを使えれば黒にチャンスはありそうですが、この日はリスクを避けて今日からの4戦に備えることにします。次はこの1月で2勝1ドローと相性の良い、Sean との4度目の対戦です。

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526)
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)

FS 2013 October GM

そしてこの日、FM 対決となったWesterberg - Sean 戦は、なかなか見ごたえのある試合になりました。私の試合が終わる直前、Westerberg がピースサクリファイスを決行し、ノーム安全圏となる2つ勝ち越しのために勝負を仕掛けました。私もその攻めは悪くないと思っていましたが、2時間ほどして会場に戻ると、ゲームは以下のようなポジションを迎えていました。


Westerberg - Sean

なかなかお目にかかることのないマテリアルバランスです。黒はポーンを根こそぎ取られましたが、ルークによる決定的なチェックで白キングを追い詰めています。Westerberg はここでクイーンを捨てなければならず、ここからSean はナイトビショップで勝ち! 前日にGM Fogarasi を下して勝ち越しグループに入ったWesterberg にとって、最下位のSean に白で負けたこのゲームは、悔やんでも悔やみきれないでしょう。

私としては次の相手であるSean には沈んだままでいてほしかったですが、彼も死んだままではいませんでしたね。初手に1.e4 が来るか、1.d4 が来るかは予想できませんが、どちらがきても対応できますので、面白いゲームを指してこられればと思います。


昨晩のアンダンテはカレーパーティーでした。昨年の夏には毎週やっていたのを懐かしく思い出します。

そして今日からは東京オープンのスタートですね。参加している皆さん、頑張ってきてください。結果の報告も楽しみにしています。

2013/10/11

Looking for Some Open Tournaments in Europe


ブダペストでの試合が開始して1週間弱、追っていたいくつかのトーナメントが終わったり、新たに始まったりしています。先週こちらの記事でも扱ったEuropean Youth Chess Championship は、マケドニアでの全日程を終了しました。大山くんは中盤で少し崩れましたが、最後に1800台に連勝し、レイティング+13 でフィニッシュしています。これからのトーナメントで負けることがなければ、次回の更新でレイティングを2000に乗せるでしょう。彼には引き続き、ヨーロッパで腕を磨いてほしいと思います。

一方で、彼と同じU14 Section に参加していたハンガリーのトップユースコンビ、Gledula とKantor はイマイチな戦績でした。2年前のU12 チャンピオンGledula は、5勝4ドローで4位フィニッシュですが、リストよりも順位を落としていますし、レイティングもマイナスです。本人としては不満の残る結果でしょう。他のハンガリー組も戦績は振るわず、ハンガリー勢にとっては苦い遠征だったようです。

European Youth Chess Championship 2013 U14 Section

さて、今日のメインの話題に移りましょう。現在参加しているブダペストのFirst Saturday が終わってから、どの大会に参加するかをこのところ模索しています。前回のハンガリー遠征中は、12月にLondon Chess Classic Open Class、1月にBela Perenyi Memorial と2つのオープントーナメントに参加しました。それらを思い返し、今大会のノーム獲得云々にかかわらず、また近隣の国でのトーナメントに参加してみるのも面白いと思って、クローズドのトーナメントを少し離れてみることを検討しています。オープントーナメントでも、ノーム獲得のチャンスは十分にありますし、レイティングを上げるだけが目標であれば、参加費の高いクローズドトーナメントに参加する必要もないでしょう。なにより、せっかく遠征に来ているのに、ハンガリー国内でしか試合をしないのはもったいないですからね。今のところ、チェックしている大会を以下に記しておきます。

・ CAISSA IM 10/19-10/25, Kecskemet, Hungary


オープントーナメントを探していると書いたのに、いきなりいつも通りのCAISSA です(笑) こちらはすでに、先月の大会中に10月分もエントリーしてしまったので仕方がありません。First Saturday でノームが獲得できなければ、こちらでのリベンジです。

・ Memorijal "Milja Vujovic" 10/29-11/03, Novi Sad, Serbia


FIDE のHP で見つけたこの大会は、かつてオリンピアードが開催されたセルビア北の都市、ノビサドで試合が行われます。大会情報として、6人から8人のグループを作って9R Swiss System と全く理解できない内容が記されており、詳細はわかっていません。コーチのMisha もよく知らないそうです。昨晩、大会オーガナイザーにメールをしたので、その返事で大会の概要はつかめるだろうと信じています。

・ Z Szachami Przez Polske 11/08-17, Zakopane, Poland


この時期のトーナメントはいろいろあるのですが、前後の大会との調整を考えるとこれがベストかなと。(チェコの大会も捨てがたいのですが) この大会が開催される小さな都市、ザコパネは、ポーランドの人気観光地、クラクフからバスで向かいます。こちらはポーランド語ではありますが、きちんと大会詳細が発表されています。参加するのであれば、大会2日前ぐらいにブダペストを出て、クラクフで観光をしてから向かいましょうかね。他のポーランド国内での大会情報については、ポーンランド籍の友人に連絡を取って、現在確認してもらっています。

37th TENKES CUP Open 11/23-12/01, Harkany, Hungary


ハンガリー南の都市、ハルカーニでも面白そうなオープントーナメントを発見しています。ペーチからバスで向かうこの地方都市は、ブダペスト同様に温泉が名物のようで、大会要項の大会目的の中に、ハルカーニの温泉を楽しむことと記されています(笑) ハンガリーに11ヶ月もいながら、国内はブダペストとケチケメート、エゲルの3都市しか見ていないため、そろそろ他の町に行くのも良いでしょう。エントリーフィーが安い割に賞金がしっかり用意されており、ちょっと楽しみな大会です。

ここで紹介した大会は、あくまで私が調べて興味を持ったもので、実際に参加するかどうかはまだ全くわかりません。Misha からは別のセルビアでのトーナメントを勧められていますし、最終決定はもう少し先になりそうです。他にも面白い大会の情報を持っている、もしくは11月までにこういった大会に参加する、という方は、私まで知らせていただけると嬉しいです。


Seres - Sean の検討戦には、ドイツのFM Brustkern が参加していました。

最後に1つ。昨日の夕方頃に会場を覗くと、7R に予定されていたSeres - Sean と、Westerberg - Fogarasi の対戦が行われていました。(一瞬、今日は休憩日じゃなかったのかと焦りましたw) Sean はここで手痛い3敗目を喫し、一方で最後まで確認はしていませんが、Westerberg はおそらく勝利を収めたでしょう。GM Section のFM たちも、今回は明暗がはっきりと分かれています。もちろん、私も明るいグループに残るために、今日からの後半戦で負けるわけにはいきません!

2013/10/10

FS 2013 October GM 5th round - Escape from Disaster -


前半戦最終日のこの日、遅く起きたにもかかわらず、お客さんの持ってきたペグソリティアに熱中して (ピンを1つ飛び越すと、飛び越されたピンが消えます。最後の1つが残るまで消せればクリアの、1人用ボードゲームです。) 、あまり試合の準備に時間を割きませんでした。結構反省しています。

Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
First Saturday 2013 October GM (5)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4!?



昨年来日したことでも記憶に新しい、フランスのGM, Vachier-Lagrave が得意とするこの変化は、近年流行の兆しを見せつつあります。(個人的には、同じキングサイドを攻めるのでも、4. Nc3 よりもフレキシブルなのではないかと思います。) 3... Bf5 の経験が浅い私にとって、もう少しゲームをチェックしておけば良かったなぁと思いますが、ゲームが始まってからでは手遅れです!

4... h6


Caro-Kann Defence Move by Move では、4... h5 5. c4 e6 6. Nc3 というラインを勧めていますが、この日は気分でもう1つのラインをチョイスしました。

5. g4 Bd7!?



5... Be4!? 6. f3 Bh7 7. e6 Qd6! という変化の解説はSutovsky のゲームで見ましたが、大事な試合でこのような見るからに危ない変化を指す気はなかったので、ややパッシヴでも固い形を目指します。

6. Nc3 c5 7. dxc5 e6 8. Be3 Qc7 9. Nf3 Bxc5 10. Bxc5 Qxc5 11. Qd4!?N


白は早々にクイーンを交換し、グッドビショップとd4 のコントロールで勝負しようとします。

11... Qxd4!


11... Qa5?! 12. O-O-O Nc6 13. Qf4 Nge7 14. h5+/- クイーン交換を避けては、白のアドバンテージは確かなものであると、検討戦で互いの見解を一致させています。

12. Nxd4 a6?!



指した直後、これはさほど効果的ではないと思い直しました。ナイトがb5 に跳ばれることはさほど脅威ではなく、黒はピースの展開を急ぐほうが自然でしょう。12... Nc6 13. Ncb5 Nxd4 14. Nxd4 Ne7=

13. f4 Nc6 14. O-O-O h5!?


私は白からh4-h5 と突かせるべきではないと考えていましたが、黒マスビショップがすでに消えている現状では、14... Nge7 15. h5 f6!= と指して、h6 のポーンを弱めてもさほど問題はないようです。

15. gxh5 Nxd4 16. Rxd4 Ne7!?



検討ではすぐにh5 を取り返すほうが良いのではないかと話し合いましたが、f5 を抑えに行く本譜のプランでも良さそうです。

17. Be2 Nf5 18. Rd2 Kf8?


試合後に並べ直してみて、なぜこんな美しくない手を指したのかと首をかしげたくなります。黒が1ポーンの代償を伴って指すためには、ビショップやa8 のルークを素早く戦場に出す必要があることは明らかです。18... d4! 19. Nd1 (19. Ne4?! Bc6! 20. Bf3 0-0-0 の後、白がどう指せばよいのかよくわからない、というのはWesterberg の意見です。) 19... Bc6 20. Rh3 Rd8! 21. Bg4 Nh6 22. Be2 (22. Rg3?! (少し違ったポジションでも話題に上がったアイディアですが、ここではうまく働きません。) 22... Nxg4 23. Rxg4 Kf8 24. Rg5 f6! 25. exf6 gxf6 26. Rc5 Bf3!=/+) 22... Nf5= 途中の分岐にあるRh3-Rg3 が良くない以上、白には優勢を得るアイディアがなく、ビショップとナイトを退き合ってドローに落ち着ける展開が見えてきます。

19. Rh3 f6 20. Bg4! Nh6 21. Nxd5!



Bd7-Be8-Bxh5 という私の目論見は、このタクティクスによって崩壊します。b6 のマスを弱めていたのは私の盲点でした。

21... Nxg4 22. Nb6 Rd8 23. Rg3! f5 24. Rgd3


本譜の手も悪くはありませんが、ルークでbポーンを素直に狙えばシンプルに白勝勢です。24. Nxd7+! Ke7 25. Nc5 Rxd2 26. Kxd2 Rxh5 27. Rb3+-

24... Rxh5 25. Nxd7+



ルークを突入させた場合、黒も多少のカウンターがあるのではないかというのが、検討での結論です。25. Rxd7 Rxd7 26. Rxd7 Rxh4 27. Rxb7 Rh1+ 28. Kd2 Rh2+ 29. Kc3 Ne3+/-

25... Ke7 26. Nc5 Rxd3 27. Rxd3 b6!


ルークが7段目に突入してきて、すぐにe6 のポーンを狙われる展開はなんとか避けなくてはいけません。

28. Nxa6 Rxh4 29. Nb8 Nf2 30. Nc6+



本譜もなかなか怪しい展開になりそうですが、黒はf4 を取ってgポーンが進める形になれば、なんとか対抗策が見えてきます。30. Rd7+ Kf8 31. Rb7 Rxf4

30... Ke8 31. Rd4?


試合後に彼が悔やんだのがこの一手。f4 はどうしても守れないので、bポーンを取ってパスポーンレースにする展開が白の取るべき道だと私は考えていました。しかし、実際はそれも怪しく、正しくはe6 を取りにいって、センターにパスポーンを作るのが白の正しいプランでした! 31. Rd8+! Kf7 32. Rd7+ Kg8 (32... Kf8? 33. Nd4!+-) 33. Nd4 Rh1+ 34. Kd2 Ne4+ 35. Ke2 Rh2+ 36. Kf1 g5 37. Nxe6+/-

31... Ne4 32. b4 Rxf4 33. a4 Nc3!?



私の残り時間は2分。gポーンを進めるのとこの手と、どちらが正解なのか結論は出ず、直感でこの手を選びました。33... g5 34. a5 (34. Kb2 Rh4 35. Rd8+ Kf7 36. Rd7+ Kg6 37. a5 bxa5 38. bxa5 Nc5=) 34... bxa5 35. bxa5 Rf1+ 36. Kb2 Nc5 37. Rd8+ Kf7 38. Rc8 g4! (aポーンのブロックにいったナイトを簡単に捨てて良いのかは、時間の少ない中、正確に読み切るのは大変です。) 39. Nd8+ Ke8 40. Rxc5 g3 41. Rc7 Kxd8 42. Rg7 Rf4 43. Rxg3 Ra4= 実戦的には、本譜のようにナイトとルークディフェンスするプランで悪くないと思います。

34. Rd8+


34. Rxf4 Ne2+ 35. Kd2 Nxf4= こうなれば、あとはキングをクイーンサイドに寄せてドローでしょう。

34... Kf7 35. a5?!



それはないだろうという一手ですが、正確に指したところで白が勝つのは難しそうです。35. Rd7+ Ke8 36. Rxg7 Na2+! 37. Kd2 Nxb4 38. Re7+ Kf8 39. Rxe6 Nxc6 40. Rxc6 Rxa4 41. Rxb6 Ke7 42. Rf6 Rf4= このルークエンディングはまだ油断できませんが、ドローに持ち込むことが可能です。

35... Na2+! 36. Kd2 Nxb4 37. Rd7+ Ke8


大切なポーンをうっかり失ってしまった白は、黒のミスでしか勝ちはあり得ません。37... Kf8?? 38. Nxb4 Rxb4 39. a6 Ra4 40. a7 は当然白勝ちです。

38. Rd8+ Kf7 39. Rd7+ Ke8 40. Rd8+ 1/2-1/2



黒もキングの逃げ位置はここしかなく、ドローは両者にとって仕方のない結果です。この日ポイントを拾えたのはラッキーでしたが、前日には勝ちにいくべきゲームをドローにしてしまいましたので、それと帳尻があっているのかもしれません。なんにせよ、これで1勝1敗3ドローのイーブンで前半5試合を終え、休憩日1日を挟んでいよいよ勝負の後半戦を迎えます。

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1-0
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) 1/2-1/2
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526)
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)

FS 2013 October GM

この日は3ボードともにドローで、Gordon が2つ勝ち越し、Sean が2つ負け越しという結果は変わっていません。それにしても、3人が5ドローというのは珍しいですね(笑) 後半は私は黒を多く持ちますので、前半戦以上に慎重に、それでいてチャンスがあれば思い切って指していこうと思います。後半戦も引き続き、応援よろしくお願いします!

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