2016/10/24

新国内レイティング S109


今期の集計に大きく影響した、9月のクラブ選手権

今日、新たな国内レイティングの更新を確認することができました。今期集計された主な大会は名古屋オープン、クラブ選手権、東京オープンなどです。試合をこなした国内上位プレーヤーのランキングと変動は、以下のようになっています。

Tran Thanh Tu 2484 (+9)
小島慎也 2461 (+-0)
青嶋未来 2388 (+37)
馬場雅裕 2355 (+4)
Alexander Averbukh (-7)


変動が緩やかなプレーヤーが多い中、クラブ選手権と東京オープンで負けなしの青嶋君は(東京オープンは6戦全勝優勝!)、+37 と大きくレイティングを伸ばし、2400復帰にかなり近いところまできています。私は名古屋とクラブ選手権の9勝1敗2ドローで、変動はありませんでした。2期連続で変動がないとは、少し意外な結果です。

今期は国内最大の大会であるクラブ選手権が集計の対象だったため、レイティング変動のあったプレーヤーは非常に多かったという印象を受けます。ご自身のレイティングが気になる方は、いつものように松戸チェスクラブのHP でご確認ください。

私は変動無しの2461 で、11月は中部快速オープン、ジャパンオープン、函館チェス大会の3大会に臨む予定です。それぞれの大会に参加予定の皆さん、よろしくお願い致します。地方大会では、普段試合をできないプレーヤーとのゲームも楽しみにしています。

2016/10/23

Weekly Chess Puzzle Vol.30


Liu, G (CHN, 2233) - Kojima,S (FM, JPN, 2339)
CAISSA 2015 November IM(5)
Black to move


Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
CAISSA 2013 October IM(8)
Black to move

今日は2つ、Caro-Kann のゲームから出題です。どちらのポジションも、白がピースを捨ててアタックをしており、しっかりディフェンスしなければキングが危うくなるか、マテリアルを取り返されてしまいます。それぞれ黒番で、どのように指せば良いでしょうか。2つ目は難問だと思います。いつも通り、答えが分かった方はコメント欄へどうぞ。

2016/10/17

中部快速オープン2016 Tournament Information


8月の名古屋オープンの様子

来月頭に開催される中部快速オープンに、今年も参加することを決めました。中部快速オープンは、夏の名古屋オープンに次ぐ賞金額のトーナメントで、今年は11月3日の文化の日に開催されます。2年連続で優勝している私は、3年連続5回目の優勝を目指します。

日程: 11/3 (祝)
会場: 名古屋市芸術センター
大会形式: 6R スイス式
タイムコントロール: 25分+1手10秒
参加費: 8000円 (18歳未満6000円)
賞金: 優勝40000円、2位25000円、3位15000円、A優勝15000円 (レイティング1700未満)

その他の詳細は名古屋チェスクラブのHP でご確認ください。まだエントリーの人数はさほど多くないようですので、これから増えてくることを願っています。それでは皆さん、名古屋でお会いしましょう!

2016/10/16

Saturday Lecture on 22nd October 2016


【日時】 2016年10月22日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Instructive Games in IOM International
【テーマ詳細】

今月参加したマン島のトーナメントは、アメリカのトップ3 のほか、世界各地からGM が集まり、予想を超えるハイレベルな試合が行われました。30手以内でのドロー禁止のルールのため、ファイティングなゲームも多く、大変見ごたえがあったと思います。今月のレクチャーでは、このマン島のトーナメントからゲームをピックアップし、皆さんにご紹介しようと思います。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

2016/10/11

Chess.com Isle of Man International R9 and Closing Ceremony


優勝し、カップを掲げるウクライナのGM Pavel Eljanov

9日間に渡るマン島のトーナメントも、昨日最終戦を迎え、無事に全ラウンドが終わりました。リスト5位だったウクライナのGM Pavel Eljanov が、6勝3ドローの7.5P という戦績で堂々の優勝です。リストトップのCaruana も、最終戦で勝ってポイントでは追いつきましたが、6R から1B でプレーを続けてきたEljanov にはタイブレークで敗れ、準優勝にとどまっています。直前のBaku Olympiad では、直接対決でCaruana に敗れ、アメリカの優勝を許してしまったEljanov としては、この優勝はとても嬉しいものでしょう。

一方、私は2連敗の後の最終戦、イギリスのFM Jackson James との対戦になりました。レイティングは2311 ですが、ベストは2380 を超えており、今大会不調でも侮れない相手です。私と似て、きっちりとセオリーを調べて指してくるプレーヤーだと前夜にわかり、私もそれなりの準備をしてゲームに臨みます。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Jackson, J (FM, ENG, 2311)
Chess.com Isle of Man International (9)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 c6 9. h3 Qb6 10. c5!?



去年のJapan League で南條くんに勝ったラインを、どうしても勝ちたい大事な最終戦で復活させます。白は1ポーンをギャンビットし、アクティブなピースでバランスを取ります。

10,,, dxc5 11. dxe5 Ne8 12. e6 fxe6 13. Ng5 Ne5 14. f4 Nf7 15. Nxf7 Bd4+ 16. Kh2 Rxf7 17. e5 Qc7!?


南條くんは早めに17... Nc7 からセンターにナイトを置くことを目指しましたが、その変化ではc8 のビショップがアクティブに使えません。彼の指した変化のポイントは、クイーンをb6 から退くことでb7-b6 を可能にし、ビショップをa6 で使えるようにすることです。

18. Ne4 b6 19. Qc2 a5!?



この手は前日の研究で見つけることのできなかったアイディアです。19... Ba6 20. Rf3!? Rd8 21. a4 からa4-a5 とaファイルを開き、aファイルにルークを2つ重ねて戦うのが私が準備していたアイディアで、これならば1ポーンの代償ははっきりあると言えそうです。本譜では、先に黒からa7-a5 と突いているために、このアイディアが使えません。そこでf1 のルークをどこで活用するか、頭をひねります。

20. h4 Ba6 21. Rd1


21. Re1 Rd8 22. Ng5 Bd3!=/+ を嫌った私は、一度ルークをdファイルに置き、d3 のマスをコントロールすることにします。

21... Ng7 22. a4 Re7 23. Ra3 Rf8 24. Ng5!?



f6 でのチェックも考えられますが、決定的な攻撃につながるか自信がなかった私は、e6, h7 を狙え、追い返されにくいg5 のマスを選ぶことにします。南條くんとの試合では、白マスビショップはBc8-Bd7-Be8 と動いていたため、黒はh7-h6 と突いても、g6 をなんとか守ることができました。しかし、ビショップがa6 にいる形では、黒はh7-h6 はやりづらいでしょう。

24... Rd8 25. Be4 Kh8 26. Kg2!?


ここはとても迷いました。Bg2-Be4 を指した時点で、g6 へのサクリファイスは白の狙いに含まれています。26. Bxg6 hxg6 27. Qxg6 Ne8 28. Qh6+ Kg8 29. Nxe6 Rxe6 30. Qxe6+ Qf7 31. Qxf7+ Kxf7 32. Be3+/- と進めば、3ポーン+ルークvs. 2ピースの駒割となり、白はキングサイドの4コネクテッドパスポーンもあって、十分に優勢だと言えるでしょう。しかし、私はそのマテリアルよりも、シンプルにhファイルを開いて黒キングの頭を叩くプランを選びました。

26... b5 27. g4! b4 28. Rh3 h5?



すでにh4-h5 からhファイルを開く準備のできている白に対し、黒は何らかの対策をしなければいけません。しかし、本譜は不正確で、28... h6 29. Nf3 h5 30. Rg3+/- とするほうがまだ戦えたでしょう。

29. Bxg6?!


この手も悪くないですが、29. Bf3! 狙いはクイーンでg6 のポーンを取ることです。 29... Nf5 30. gxf5 exf5 31. Rg3+- としてピースをもらったほうが、確実に勝勢でした。

29... hxg4 30. Rg3 c4?


黒は30... Qd7 で耐える展開を選ばなければいけません。本譜は一気に白が勝負を仕掛けます。

31. Bf7!+-



ここは時間を使い、丁寧に読んでこの手を選びました。h7 でのメイトがある以上、黒のディフェンスは限られています。

31... Nf5 32. Nxe6 Nxh4+


32... Rxe6 33. Qxf5! Rh6 34. Qg5+- はもう一つの私の読み筋で、白の勝ちは確定です。

33. Kh1 Rxe6 34. Bxe6 c5



もちろん、この手も読みの範囲内です。黒はエクスチェンジを捨てた以上、とにかく反撃を作るしかありません。a8-h1 のダイアゴナルを開く手は素直な反撃のアイディアですが、私はこれに対してg3 のマスを空けることで、キングの逃走経路を得ます。

35. Rxg4 Qe7


しかし、ここでクイーンがナイトを守る手が私の読みになく、少し焦ってしまいます。35... Bb7+ 36. Kh2 Nf3+ 37. Kg3+- ならば、完全に白キングは安全で、次のRd1-Rh1 で勝負は決まっています。本譜でも、この変化のようにキングが先に逃げることも考えましたが、b4-b3 とされた際に少し自信がありませんでした。そこで残り時間5分を切るまで読んで、正解の手を見つけます。

36. Rxd4!!



このエクスチェンジサクリファイスが最も確実に白の勝ちを手繰り寄せるアイディアです。36. Qh2?? Bb7+ はキングが逃げられずに逆転負けですが、先にd4 の黒マスビショップを消しておけば、Qc2-Qh2 が有効になります。

36... Bb7+


先述の通り、36... cxd4 37. Qh2+- ならばナイトを取って勝ち、36... Rxd4 37. Rg8# は即白勝ちですので、黒には選択の余地がありません。

37. Kh2!?


キングはどちらに避けても勝ちで、37. Kg1 Nf3+ 38. Kf2 cxd4 39. Qg6!+- もありえたでしょう。

37... cxd4 38. Kg3!+-



時間の増える直前、このキングの上がる手で勝ちを確信しました。キングでもナイトをアタックすることで、39. Rxh4 をスレットにします。

38... Qxe6


38... Nf3 39. Qg6!+- となっても、白のアタックは決定的です。Qg6-Qh6-Qf6+ が止まらず、メイトになるでしょう。

39. Rxh4+ Kg8 40. Qh7+ Kf8 41. Qxb7+-


時間も増え、ピースアップになったところで一安心です。黒はここでリザインしてもおかしくありません。

41... Qg6+ 42. Rg4 Qd3+ 43. Kh4 Qf5 44. Qg7+ Ke8 45. Rg6 Rc8 46. Rf6 1-0



この大事な試合を気合でねじ伏せ、4.5P でのフィニッシュです! オリンピアードでもそうでしたが、大事な最終戦で同じ2300 台に勝てたのは嬉しいですね。この勝利でレイティングも+4 で終わることができました。10月の頭にはベストレイティングである2403 ジャストに戻し、久々の2400 台と日本ランキング単独1位に復帰です。

マイナークラスでは、なつみが4.5/7 で全試合を終え、単独4位となりました。惜しくも賞金獲得には届きませんでしたが、レイティングを20稼ぎ、彼女にとっても参加した甲斐のあるトーナメントだったと言えるでしょう。また次に2人で参加するトーナメントも、満足のいく結果を獲得したいと思います!


試合後は20時から会場の地下ホールでパーティー、そして表彰式です。パーティー中、一部のGM たちは食事や酒をそっちのけで、ブリッツに興じていました。指したいプレーヤーが増えてくると、通常のブリッツから2人組でのペアチェスへと移行。Caruana、Bok Benjamin、Vidit ら豪華なメンバーが、楽しげにプレーする貴重な様子を見ることができました。私が言うのもなんですが、皆さん本当にチェスが好きですね!


そしてこちらはスウェーデンのGM Tiger が、スコットランドのGM Arakhamia-Grant(奥の女性のほうです)に囲碁を教えているところです。日本語が分からないながらも、NHK の囲碁対局をYoutube で見て勉強しているというTiger は、囲碁のレクチャーも上手で、私も聞き入ってしまいました。他にはドイツのGM Georg Meier とは語学や経済の話を、イギリスのJovanka Houska とは、Caro-Kann の話をしたりと、試合後の交流をパーティーでは楽しむことができました。また次の海外大会でも、こうした機会があると良いですね。

オリンピアードに引き続き、このマン島での大会もライブでゲームをご覧いただいたり、応援メッセージをいただいたりと、本当にありがとうございました。次の国内、海外大会も参加が決まり次第、お知らせしたいと思います。

2016/10/09

Chess.com Isle of Man International R8

2005年、マレーシアの大会に彗星のように現れ、圧倒的な強さで優勝を果たしたノンタイトルの少年がいました。その年、GM のタイトルを獲得した少年は、現在は2700までレイティングを上げ、中国でもトップクラスのプレーヤーとして活躍を続けています。それがGM Wang Hao です。

そんなWang Hao とこの8R で対戦することになったのは、非常にラッキーだと思います。2700台のプレーヤーと公式戦で試合をするのは、2012年のイスタンブールオリンピアードの初戦、Dominguez との対戦以来です。

Wang Hao (GM, CHN, 2701) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)
Chess.com Isle of Man International (8)

1. e4 c6 2. Nf3 d5 3. Nc3 Bg4!?



この数年で3... Nf63... a6 を両方試してきましたが、この日は負けないようにソリッドな3... Bg4 を数年ぶりに指してみることにします。序盤は私の狙い通り、2ピースを交換して黒が満足な展開になります。

4. h3 Bxf3 5. Qxf3 e6 6. g3 Nf6 7. Bg2 dxe4 8. Qe2 Nbd7 9. Nxe4 Nxe4 10. Bxe4 Nf6 11. Bg2 Be7


ここは将来的にd4 に伸ばしてくるであろうポーンには約プレッシャーをかけられるよう、11... g6!? 12. O-O Bg7 も面白かったと思います。

12. O-O O-O 13. Rd1 Qc7 14. d4 Rad8 15. Rd3 a5 16. c4 Rd7 17. Bf4 Bd6 18. Bg5 Be7 19. Rad1 Rfd8



自分のレクチャーでもこのようなポジションは扱ったがありますし、去年の名古屋オープンでのPhan さんとの試合にもよく似ています。黒は2ピースを交換していれば、相手にダブルビショップを持てせていてもこのポジションは大きな問題はないはずです。しかし、ここからWang Hao は少しずつ私が嫌がるように指してきます。

20. h4!? h6 21. Bf4 Bd6 22. Be3 h5?!


キングサイドのベストポーンストラクチャーは、h6-h5, g7-g6 と突いている形であるとイメージし、それを目指すことにしますが、そうする時間の余裕があるのか判断が正確にできませんでした。白がキングサイドでアタックするのであれば、g3-g4-g5 だと思ったのですが、22... Be7 23. g4 Nh7 ならば、黒は問題ないようです。

23. Bh3 g6?! 24. d5!



このポーンのブレイクが大丈夫であると読んだつもりでしたが、Wang Hao のタクティクスの計算は私の上をいっていました。

24... cxd5 25. cxd5 Nxd5 26. Bg5!


これで黒は困っています。エクスチェンジを捨てることも考えましたが、1ポーンダウンのクイーンエンディングは多少粘れるだろうと思い、そちらを選ぶことにします。

26... Be7 27. Bxe6! fxe6 28. Qxe6+ Kg7 29. Rxd5 Rxd5 30. Rxd5 Rxd5 31. Qxd5 Bxg5 32. Qxg5



ここまでストレートに進み、ポーンを失ったエンドゲームを迎えました。f7 がないのはかなり厳しそうですが、b7、a5 に気を付ければすぐに負けがはっきりすることはないと信じて試合を進めます。まずはg3-g4、h4-h5 をストップするために、d1 でチェックができるマスにクイーンを移動させます。

32... Qc2 33. Qe7+ Kg8 34. Qe6+ Kg7 35. Qb3 Qe4 36. a4 Qe1+ 37. Kg2 Qe4+ 38. Kh2 Kh8?


時間増える直前、どのように待てば良いかわからなくなり、ひどい手を選んでしまいました。38... Kh7 39. Qf7+ Kh8 40. Qf4 Qc2! ならば黒はまだゲームを続けることができます。Qf4-Qe5+ からa5 のポーンが落ちるのはダメだと思っていましたが、そのタイミングでb2 を取れるマスにあらかじめクイーンを動かしておけば良かったんですね。気付けませんでした...

39. Qc3+ Kh7 40. Qxa5 Qd4 41. Qc7+ 1-0



こうしたクイーンエンディングもほとんど指したことがなかったため、もう少し粘って色々と学びたいゲームでした。黒がポーンを不必要に落とさなかった場合、白はどのように勝ちを狙うのかは良い研究課題になりそうです。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923) 1-0
Shyam S (GM, IND, 2552) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Schroeder, J (GM, GER, 2514) 0-1
Wang Hao (GM, CHN, 2701) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Jackson, J (FM, ENG, 2311)

厳しいGM戦連敗がありましたが、次がいよいよラストです。最後はイングランドのFM に白を持ちますので、なんとかここを勝ってレイティングプラスで帰国したいところです。最終戦はいつもより1時間早い、日本時間の20時半開始です。

2016/10/08

Chess.com Isle of Man International R7


マン島で有名なものは何かと聞かれれば、真っ先に出てくるのが世界でも最も過酷なバイクレースです。100年以上の伝統を持つTTレースは、マン島全体を使ったバイクのレースで、今回の大会開催地のダグラス付近もコースに含まれています。そのためダグラスのお土産屋さんにも、タオルやポスター、本、カードなど、TTレース関連のお土産グッズが豊富に揃えられています。上の写真はエナジードリンク、モンスターとのコラボですね。

さて、マン島のトーナメントも終わりが見えてきました。7R はドイツのGM Schroeder に白を持ちます。2R で対戦したDonchenko と同じ1998年生まれ。昨年GM のタイトルを獲得し、これからドイツでのランキングもどんどん上げていくであろう、有望株との対戦です。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Schroeder, J (GM, GER, 2514)
Chess.com Isle of Man International (7)

1. Nf3 d5 2. d4 Bf5!?



初手を1. Nf3 から始める場合、Baltic Defence はなかなか嫌なオープニングです。GM のゲームもいろいろと見ていますが、これといった対策はまだ立っていません。ひとまず、オーソドックスなQGD のように組んでいきます。

3. c4 e6 4. Nc3 Nf6 5. Bg5 c6 6. e3 Nbd7 7. Bd3 dxc4!?


7... Bxd3 8. Qxd3 と進んだ場合、白マスビショップを交換して白にアドバンテージがあるかは確信が持てませんが、ゆっくりと安全に試合を進めていくつもりでした。 本譜の手は少し意外で、Classical Slav のような駒の配置になります。

8. Bxc4 h6 9. Bh4 Qb6 10. Qe2 g5 11. Bg3 Nh5 12. e4 Nxg3 13. hxg3 Bg4 14. d5!?



この手はc5, e5 のマスを作るというリスクもはらみますが、ダブルビショップを失った分はピースの早い展開と、e6 をアタックすることで補おうと思いました。

14... Ne5! 15. dxe6 fxe6 16. O-O-O Bg7!


f2 のポーンが落ちそうな16. 0-0-0 は自分としてはよく読み、思い切って指したつもりでしたが、あっさりとかわされてしまいます。16... Nxc4 17. Qxc4 Qxf2? (17... Qc5!? 18. Qb3=) 18. Ne5! Qxg3 19. Qd4! Rh7 20. Rd3 Qf4+ 21. Kb1+- ならば、次にg2-g3 と仕掛けてビショップを取り、白の勝ちです。本譜では黒はf8 を空けているため、ピンにされたf3 のナイトに3つ目のピースがアタックしてくることを予想し、白は手を見つけなければいけません。

17. Bb3 O-O 18. Na4 Qb5!



Nc3-Na4-Nc5 からe6 をアタックするプランを見つけ、これで大丈夫かと思いましたが、シンプルにクイーンをぶつけてくる手を見落としていました。b5 で交換すれば、b5 にきたポーンがナイトをアタックしているのが白にとっては痛手になります。18... Qb4 19. Qd2 Qxd2+ 20. Rxd2 Nxf3 21. gxf3 Bxf3 22. Re1 b6 23. Bxe6+ Kh8=+ ならばダブルビショップで黒優勢の評価が出ますが、まだまだ勝負は分からないでしょう。

19. Qc2 Nxf3 20. gxf3 Rxf3!


ここはe6 を守っておくために白マスビショップはg4 に残し、安全にルークでポーンを取るのが正解です。20... Bxf3 21. Nc5! Bxd1 (21... Bxh1 22. Rxh1 Rf3 23. Nxe6 Rxb3 24. axb3=) 22. Rxd1 Rfd8 23. Rh1!? (23. Nxe6 Rxd1+ 24. Qxd1 Kh8 25. f4! これならば白は2コネクテッドパスポーンを作り、形勢不明です。) 23... Kh8 24. Nxe6 このように進んでも、白は黒のキングを脅かし、十分にエクスチェンジの代償を取れていそうです。

21. Rd2 Qe5 22. Nc5! Rf7 23. Re1 Re8 24. f4!



この手を見つけたことで、e6 にもf4-f5 からプレッシャーをかけるチャンスができて、私が望むような流れになってきました。この後はもう少し慎重にいかなければいけなかったのですが、時間切迫から焦って自滅してしまい、とても後悔しています。

24... gxf4 25. Nd3! Qc7 26. gxf4 h5! 27. Rf2 Rd8 28. f5?


残り時間数分で、はやくポーンでe6 への攻撃を仕掛けるべきか、もっと準備するべきかで判断できませんでした。f4-f5 に対してクイーンが侵入してくることは分かっていましたが、それは大丈夫だと勘違いしてこのタイミングで仕掛けましたが、振り返れば明らかに時期尚早でした。28. Nc5! Re8 (28... Rxf4 29. Bxe6+ Kh8 30. Bxg4 Rxg4 31. Rh1=) 29. Nd3 Bh6 30. Ref1 Ref8 31. Qc3! (私がゲーム中に読んでいた31. Qd2? c5! は白ダメです。) 31... Bxf4+? 32. Nxf4 Rxf4 33. Bxe6+ Bxe6 34. Rxf4 Rxf4 35. Qg3+ Kh7 36. Rxf4+/- このようなタクティクスがあり、f4 を取ることができないと読めていれば、迷わずナイトをc5 に戻していたでしょう。時間がなかっただけでなく、読む力が不足していました。

28... Qg3!-+



この手は指されてみて初めて、自分の予想よりもはるかに強力であることが分かりました。黒のダブルビショップパワフルで、白が十分に対抗する方法はありません。

29. fxe6 Re7 30. Nc5 Bh6+ 31. Kb1 Rd2!


この鮮やかなタクティクスでエクスチェンジが落ち、ゲームオーバーです。

32. Rxd2 Qxe1+ 33. Rd1 Qxd1+ 34. Qxd1 Bxd1 35. Bxd1 h4 36. Bg4 Rg7 37. Nd7 Bg5 38. Bf5 Be7 39. Ne5 Rg1+ 40. Kc2 Kg7 0-1



1ポーンを捨てた代償は多少ありそうなポジションにできたものの、途中の判断で時間を使いすぎ、大事なところで焦るという悪い流れでした。しかし、当たり前ですがGM は強いですね。これで再び勝ち越しなしに戻り、残りの2試合を迎えます。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923) 1-0
Shyam S (GM, IND, 2552) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Schroeder, J (GM, GER, 2514) 0-1
Wang Hao (GM, CHN, 2701) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)

そしてこのタイミングで中国のGM Wang Hao との対戦です! 今大会の対戦相手で一番レイティングの高い相手と、この指しわけ状態で当たるとは全く予想していませんでした。今大会は彼も絶不調ですので、なんとかポイントをもぎ取ってきたいと思います。

2016/10/07

Chess.com Isle of Man International R6

マン島の6R はタフなゲームで、40手以降は勝ちもあるかと思いましたが、技術が足りずにドローになってしまいました。


Shyam, S (GM, IND, 2552) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)
Chess.com Isle of Man International (6)

1. e4 c6 2. c4 d5 3. exd5 Nf6 4. Nc3 cxd5 5. cxd5 Nxd5 6. Nf3 Nxc3 7. bxc3 Qc7 8. d4 Nd7 9. Qb3 e6 10. Bd3 Bd6 11. O-O O-O 12. Qc2 h6 13. Qe2 b6! 14. c4
Bb7 15. Bb2 Rfe8 16. Rfe1 Bxf3 17. Qxf3 Bxh2+ 18. Kh1 Bf4 19. Re4 Bg5 20. Rae1 Nf6 21. Re5 Nd7 22. Rxg5?! hxg5 23. Qh5 f5 24. Qxg5 Nf6! 25. f3 Kf7! 26. Kg1 Rh8 27. Re5 Rh5 28. Qf4 g5?! 29. Qe3 f4 30. Qe2 Re8 31. Qc2 Rg8 32. c5 Nd5 33. Bc4 Rd8 34. Rxe6 Kxe6 35. Qg6+ Kd7 36. Bxd5 Rdh8 37. Ba3 Kc8! 38. Bg8? Qe7! 39. Qc6+ Kb8 40. Be6 Rh1+ 41. Kf2 g4!



この試合は後半の40手を見ていこうと思います。ダブルエクスチェンジサクリファイスからの相手のアタックを何とかしのぎ、時間も増えて反撃のチャンスがやってきました。41... g4!Qe7-Qh4 をスレットにし、とうとうGM戦の勝ちが来たかと思いましたが、ここから決め手を逃してゲームは長くなります。

42. Bb4


Shyam はe1 を守ってきました。42. cxb6 Qh4+ 43. Ke2 Qe1+ 44. Kd3 Qd1+ 45. Ke4 Qe2+ 46. Kf5 Qd3+ 47. Qe4 R1h5+ 48. Kxf4 Qxa3-+ ならば決定的な駒損になり、黒の勝ちですが、どこでクイーンのチェックを入れるかを正確に読むのは難しいでしょう。

42... g3+ 43. Ke2 R1h6 44. d5 Rxe6+!?



私は自分のキングの守りもかなり気にしており、エクスチェンジを返しても、クイーンを交換して安全なエンドゲームを戦おうとg4-g3 の時点で考えていました。ただし、冷静にポジションを見れば44... Qc7 とクイーンをディフェンスに使えば、白のアタックはなさそうだと分かります。

45. Qxe6 Qxe6+ 46. dxe6 Re8 47. cxb6 Rxe6+ 48. Kd3 Rxb6?!


黒は純粋にエクスチェンジアップですが、f4, g3 のポーンが黒マスで固定されているため、これらをビショップで取られてしまえば勝つのが難しくなってしまいます。勝ちを確実にするためには、ここは慎重に手を選ばなければいけません。48... Re3+! 49. Kd2 axb6 50. Bd6+ Kb7 51. Bxf4 Ra3! 52. Bxg3 Rxa2+ 53. Kd3 Rxg2-+ と進め、ルーク+bポーンvs. ビショップ+fポーンのエンドゲームに持ち込めば勝ちでした。Re6-Re3+ は読んでいたはずでしたが、Bb4-Bd6+ からのテンポでf4 が落ちるのはダメだと、なぜか勘違いをしていました。

49. a3 Rh6?



私はf4 を守ることはできないため、g2 をすぐに取りにいくしかないと思っていました。しかし、実際には4段目でのディフェンスがあり、その間にキングの位置を改善して黒の勝ちになります。49... Ra6! 50. Ke4 Ra4 51. Kd5 Kb7 52. Kc5 a6 53. Kd5 a5 54. Bd6 Kb6 55. Ke5 Kc6 56. Be7 Kb5 57. Kf5 Kb6 58. Bd6 Kc6 59. Bxf4 Rxa3 60. Bxg3 Kd5-+

50. Ke4!


私はShyam がなぜこの手を指したのか理解できませんでしたが、私が考えていたビショップでポーンを取りにいく手は上手くいきません。50. Bd2? Rd6+! 51. Kc2 (51. Ke2 Rd4!) 51... Rf6 52. Kd3 Kb7 53. Ke4 Re6+ 54. Kxf4 Re2 55. Bb4 Rxg2 このポジションは本譜に似ていますが、黒はキングを1マス早く上げています。56. Kg4 Rg1 57. Kh3 Kc6 58. Bd2 a6 59. Ba5 Kb5 60. Bc3 a5 61. f4 g2 62. Be5 Ra1 63. Kxg2 Rxa3-+ このようにaポーンさえ取れれば、黒の勝ちです。

50... Rh2 51. Kxf4 Rxg2 52. Kg4! Kb7 53. Kh3 Rg1 54. Bc5 Rc1 55. Bb4 Rg1 56. Bc5 Rc1 57. Bb4 Kc6 58. Kxg3



このようにaポーンを残したままで、黒のgポーンを取ってしまえば、白はドローに持ち込めるでしょう。依然としてコンピュータは黒勝勢評価ですが、黒が勝つ方法はないと思います。それでも負ける理由がない黒は、ゲームを続けます。

58... Kd5 59. Kf4 Rf1 60. Ke3 a6 61. Ke2 Rh1 62. Ke3 Rh4 63. Kd3 Rc4 64. Ke3 Ke5 65. Kd3 Rc6 66. Ke3 Kf5 67. Bd2 Rb6 68. Kd4 Rb3 69. Kc5 Rxa3 70. Kb6 Rxf3 71. Kxa6


fポーンを捨てても、aポーンを回収することに成功した白は、キングをright corner に向けてドローです。

71... Rb3 72. Ka7 Ke6 73. Bf4 Kd7 74. Be5 Kc6 75. Bf4 Rb7+ 76. Ka8 Kb6 77. Be3+ Ka6 78. Bf4 Rf7 79. Be5 Rf8+ 80. Bb8 Kb6 1/2-1/2



ビショップvs. ルークの場合、ビショップを持つ側のキングは、ビショップと色の違う角に逃げるのが鉄則で、逆の角に逃げてしまうと最後のようなステールメイトが発生せず、ビショップが落ちて負けとなります。私としても勉強はしていても、自分のゲームで現れたのは初めてでした。私が白を持っていれば、各所で負けていたでしょう。このエンドゲームも、大変勉強させてもらいました。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923) 1-0
Shyam S (GM, IND, 2552) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Schroeder, J (GM, GER, 2514)

7R はドイツのGM Schroeder との対戦です。今回5人目のGM で、またしても18歳です。1998年生まれのGM は多いのでしょうか? 初戦勝ちのあとで5連続ドローですが、そのドローの中にはLeko、Adams が含まれています。残り3試合も無駄にせぬよう、学ぶことの多いゲームをしてきたいですね。


2016/10/06

Chess.com Isle of Man International R5


5R のあったこの日は、お昼ご飯に新しいお店を開拓してみることにします。会場の先の通りにあるTea Junction というカフェレストランは、少し前に見つけて気になっており、実際に入ってみると、小さなシャンデリアや俳優の肖像画のあるオシャレな内装で、ゆったりとお茶を楽しめる専門店でした。


紅茶はこのように葉のサンプルを渡され、香りを確かめながら好みのものを注文することができます。フォートナム&メイソンのアフタヌーンティーも良かったですが、私はこちらのお店ほうが好きなお茶を選ぶことができて気に入りました。お茶とパニーニで、久々にゆっくりととした昼食の時間を過ごし、この日の試合に向かいます。

5R の相手はアイルランドから来ている18歳の少年です。レイティングは1900 ですが、直前のラウンドには2200 に勝っていますし、初戦も隣のボードでIM 相手にしっかりと指しているのを見ていました。絶対に勝ちたいラウンドですので、油断せずに試合に臨みます。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman, R (IRL, 1923)
Chess.com Isle of Man International (5)

1. Nf3 e6 2. c4 Nf6 3. d4 c5 4. Nc3 cxd4 5. Nxd4 Bb4 6. g3 O-O 7. Bg2 d5 8. O-O!?



手順こそ一般的なものではないですが、Nimzo-Indian の一変化です。2012年にハンガリー留学を始めた当初、Nimzo-Indian を積極的に受けていたので、その頃の研究を思い出しながら指していきます。この変化では8. cxd5 と取るほうが多いですが、私はCatalan スタイルでc4 を一時的に取らせるラインを勉強していました。

8... dxc4 9. Qa4 Qa5!?


メインの手はどれだか思い出せませんでしたが、Qd1-Qa4 の直後でクイーンをぶつけられたらどうしようかと考え始めました。クイーンの交換後はピースの展開の早さと、黒のピースの働きの悪さを上手くつかなければ、ポーンの代償を得ることができないため、良い選択だと思います。

10. Qxa5 Bxa5 11. Ndb5 Rd8!



相手はこの手を指すのに、驚くべきことに50分近くも費やしてきました! 11... Nc6 12. Rd1 a6 13. Nd6 Bxc3 14. bxc3 Nd5 15. Nxc4!? このようにc3 を取らせ、黒マスの弱さで代償を取りにいくのは、今大会も参加しているベテランGM Romanishin のアイディアです。このラインに比べ、先にdファイルを取りにいくのは自然だと思います。

12. Bf4N


私としては、d6 を抑えなければb5 にナイトを跳んだ意味がないため、この手だろうと思って指しました。実戦では12. Rd1 Rxd1+ 13. Nxd1 というゲームが残っており、こちらのほうがe6-e5 でテンポを取られない点で良かったかもしれません。

12... Nc6 13. Rfd1 e5 14. Bg5 Be6 15. Bxf6?!



過去にa6 Slav を羽生さんと研究した際にも、似たポジションでこの交換を試して良くなかったことを、試合後の振り返りで思い出しました。私としては、ポーンストラクチャーを乱し、d5 とe4 のマスを使いやすくするプラスが大きいかと思いましたが、ダブルビショップを失うマイナスをもう少し考えるべきでした。15. Rxd8+ Rxd8 16. Bxc6 bxc6 17. Nxa7= ならば、イコールでゲームは続くでしょう。

15... Rxd1+?!


15... gxf6! 16. Ne4 Rab8! (16... f5 17. Nc5 e4 18. g4!) 17. Nxf6+ Kg7 18. Nd5 a6 19. Nbc3 Rd7=/+ 私が用意していたのは、Nc3-Ne4-Nc5 というアイディアでしたが、冷静に考えれば黒はf6 のポーンを返し、ダブルビショップで優位に試合を進めることができます。b7 にもう少しかけられると思っていたプレッシャーは、簡単にかわされてしまいます。

16. Rxd1 Bxc3 17. bxc3 gxf6


こうなってみて、ここからどうするか改めて作戦を立てます。Nb5-Nd6 はdファイルでピンにされてしまうため、もはや有効ではありません。Rd1-Rd6 とルークが侵入する手も、d8 でルークをぶつけられてしまい、ポーンを取りかえすことができません。すると勝てるかどうかわかりませんが、ピースを交換してルークエンディングに持ち込むくらいしか、白には手立てがないことがわかります。

18. Bxc6 bxc6 19. Nc7 Rb8 20. Nxe6 fxe6 21. Rd6



この時点で相手は10分を切っているのに対し、私は1時間10分ほど残っていました。経験の浅いプレーヤーであれば、このルークエンディングは十分に間違える可能性があると思いながらも、黒のベストディフェンスは私もよく分かっていませんでした。

21... Rb1+


21... Rb6 22. Rd8+ Kg7 23. Rd7+ Kg6 24. Rxa7 Rb1+ 25. Kg2 Rc1 26. Ra6 Rxc3 27. Rxc6 Ra3 28. Rxc4 Rxa2= このように進め、ダブルポーンは持ちながらもキングサイドで4対4 のポーンを持つ形に持ち込むのが、黒としては最も簡単にドローに持ち込む方法です。しかし、ルークを敵陣に飛び込みたくなる気持ちはよく理解でき、私もb1 かb2 のどちらかばかり読んでいました。

22. Kg2 Rc1?


これで白がはっきり有利になったと感じました。1ポーン足りていない白ですが、あっという間にポーンの数が逆転します。22... Kf7 23. Rxc6 Rb2 24. a4 Rxe2 25. Rxc4 Kg6 26. Rc7 a5 27. Rc5 e4 28. Kf1 Rc2 29. Rxa5 Rxc3 これならば白はもちろんゲームを続けますが、黒がきちんと指せばドローになるでしょう。

23. Rxe6 Rxc3 24. Rxf6 Ra3 25. Rxc6 Rxa2 26. Rxc4 Rxe2 27. Ra4 e4 28. Kf1! Rb2 29. Rxe4-+



aファイルのパスポーンはきちんとルークで止めにいけば怖くないため、消しにいくべきはe4 のポーンです。白が間違えて29. Rxa7? e3! と進めば、黒はドローに持ち込めるでしょう。

29... Rb6 30. Re7 Ra6 31. h4 Ra5 32. Kg2 h5 33. Kf3 Kf8 34. Rb7 Kg8 35. Kf4 Kf8 36. f3 Kg8 37. Re7 a6 38. Re5 Ra4+ 39. Kg5 Rb4 40. Ra5!


黒は最後にトラップを用意しています。40. Kxh5?? Rb5!-+ となれば、大逆転で黒の勝ちです。

40... Rb5+ 41. Rxb5 axb5 42. Kf5 1-0



上記のh5 を取ってしまった変化は、白キングがスクウェアに間に合いませんが、g5 からならばぴったり間に合っています。1900 相手にかなり怪しい試合をしてしまったことを反省しつつ、これで再び浮上できたことに胸をなでおろしています。そしてこの日は、マイナーセクションでプレーしていたなつみも、非常に内容の良いチェスでリスト1 のプレーヤーを下し、優勝争いにしっかりと残っています。

Fukuya, N (WCM, JPN, 1647) - Smith P (ENG, 1743)
Chess.com Isle of Man International (3)

1. e4 d5 2. exd5 Qxd5 3. Nc3 Qa5 4. d4 c6 5. Bd2 Qc7 6. Nf3 Nf6 7. Bc4 e6 8. Qe2 Be7 9. O-O-O Nbd7 10. g4 Nb6 11. Bd3 Bd7 12. Ne5 h6 13. h4 Rf8 14. g5 hxg5 15. hxg5 Ng8



16. Nxf7! Rxf7


ここはエクスチェンジを切る手が大正解で、逃げ遅れていた黒キングは大変な目にあいます。16... Kxf7?? 17. Qh5+ g6 18. Qxg6# ならば、即勝負ありです。

17. Bg6 Kf8 18. Bxf7 Kxf7 19. Qf3+ Ke8 20. Rh8 Kd8 21. Rxg8+ Be8 22. Ne4 Nc4 23. Nc5 Bxc5 24. dxc5 1-0



一番大事なポジションで決定的な手を見つけることができ、一気に勝ちを手繰り寄せました。残りは4試合ありますが、このまま私はU2400 での優勝を、彼女はマイナーセクションでの優勝を果たせればと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923) 1-0
Shyam S (GM, IND, 2552) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)

マン島のトーナメントも半分を消化し、今日からは後半戦に突入します。R6 は再びインドのGM で、Shyam との対戦です。彼は初戦で2200 に負け、その後も格下としか試合をしておらず、そこでもポイントを落としています。今大会絶不調な彼との対戦で、私もポイントを取らせてもらいたいところです。今日は再び中継のボードに戻りますので、日本時間の21時半からゲームをチェックしてみてください!

Chess.com Isle of Man International R6 Live Games

2016/10/05

Chess.com Isle of Man International R4

4R はインドの18歳、Suniduth Lyna との対戦です。2R ではトップボードでCaruana に敗れこそしたものの、非常に力強いプレーを見せています。私は2R と少しラインを変えるつもりで準備をしていましたが、序盤の研究ははずれ、難しいエンドゲームに突入することになります。

Suniduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)
Chess.com Isle of Man International(4)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 g6 5. Nf3 Bg7 6. Bd3 O-O 7. O-O Bg4 8. h3 Bxf3 9. Qxf3 dxc4 10. Bxc4 Nbd7 11. Rd1 e5 12. d5 e4 13. Nxe4 Nxe4 14. Qxe4 Nb6 15. Bb3 cxd5 16. Qf3 Qf6 17. Qxf6 Bxf6 18. Rb1 Rfd8 19. Bd2 Nc4 20. Bc3 Kg7 21. Bxf6+ Kxf6 22. Rd4 b5 23. Bd1 Rac8 24. b3 Na3 25. Rb2 Rc1 26. Kh2 Ke7 27. Bf3 Rc2 28. Rxc2 Nxc2 29. Rd2 Na3 30. Kg3 Ke6 31. Kf4 f6 32. h4 Rd6 33. Bg4+ Ke7 34. Rd1 b4 35. Be2 Kd7 36. h5 gxh5 37. Bd3 d4 38. Bf5+ Kd8 39. Rxd4 Rxd4+ 40. exd4 Nb5 41. Ke3?!



このゲームは、時間の増えたこのポジションから見ていこうと思います。私はルークを交換し、ビショップvs. ナイトのやや分が悪いエンドゲームに持ち込みました。黒の狙いは言うまでもなく、Nb5-Nc3-Nxa2 で、これに対して白がどうするかは悩むところだと思います。コンピュータの判断はd4 を捨て、h7 を取るというもので、41. Bxh7! Nxd4 42. Bd3 Ke7 43. g3+/- としておけば、h5 のポーンを白マスで固定でき、白が優勢です。それでは、本譜ではどうなるでしょうか。

41... Nc3


私の判断は、h7 のポーンを取らせてでも、a2 を急いで取りにいくというものでしたが(Ke3-Kd3 まで寄られてからでは、Nb5-Nc3 に対して、a2-a3 があります。)、a2 を取るのを諦めてでも、h7 を残す判断もあるようです。41... h6! 42. Kd3 Nd6 43. Bg6 h4+/=

42. Bxh7 Nxa2 43. Kd3 h4 44. Kc4 Kc7 45. Kc5 a5 46. d5 Nc3 47. Bf5 Ne2 48. Bd3 Nc3?



ここはこのゲーム最大のチャンスでしたが、それを活かすことができませんでした。48... Nf4!! 49. d6+ (49. Bf1 f5!=) (49. Be4 f5 50. d6+ Kd8 51. Bc6 Nd3+ 52. Kb5 Ne5 53. Bb7 Kd7 54. Kxa5 Kxd6 55. Kxb4 f4 56. Kc3 f3 57. gxf3 h3 58. Be4 Ng6 59. f4 Nxf4 60. b4 Nd5+ 61. Kc4 Nf6 62. Bh1 h2 63. Kd4 Ng4 64. f4 Nf2 65. Bg2 h1=Q 66. Bxh1 Nxh1 67. f5 Ng3 68. f6 Nf5+ 69. Kc4 Kc6=) 49... Kd8 50. Bf1 a4 51. bxa4 b3 52. Bc4 b2 53. Ba2 Kd7 54. a5 Nd3+ 55. Kb6 Kxd6 56. a6 Nb4 57. Bb1 Nd5+ 58. Kb7 Kc5 59. a7 Nb6 60. Bd3 Kd4 61. Bh7 Kc5 62. Be4 (62. a8=Q?? Nxa8 63. Kxa8 Kd4 64. Kb7 Ke5! 65. Bc2 f5 66. Kc6 f4 67. f3 Kd4 68. Kb5 Ke3 69. Kb4 Kf2-+) 62... Kb5 63. f4 Kc5 64. Bc2 Kb5 65. Bb1 Kc5 66. Ka6 Kc6 67. Be4+ Kc5 68. Kb7=


Analysis Diagram

こうなれば白には勝つ方法がなく、ドローにするしかないでしょう。Ne2-Nf4 は考えていたのですが、b5 にキングを侵入されないことを優先し、反撃のチャンスを逃してしまいました。

49. Bc2 Ne2 50. d6+ Kd8 51. Bf5 Nc3 52. Kc4 Ke8 53. Kc5 Kd8 54. g3


白は黒を完全に抑え込んでいましたが、そのうえでSuniduth Lyna は冷静で焦りません。g4 までポーンを進めてしまえば、白は狙われるポーンがなく、黒の反撃を全く恐れる必要がなくなります。

54... hxg3 55. fxg3 Ne2 56. g4 Nc1 57. Be6 Ne2 58. Bc4 Nc3 59. Bd3 Kd7 60. Bf5+ Kd8 61. Kb6+-



ここまで状況を整えてから、ようやくaポーンを取りにいくという周到ぶりに舌を巻きました。この時点で負けは分かっていましたが、最後まで続けることにします。

61... a4 62. bxa4 Nxa4+ 63. Kb5 Nc3+ 64. Kxb4 Nd5+ 65. Kc5 Nf4 66. Kc6 Ke8 67. Kc7 Nd5+ 68. Kc8 Nb6+ 69. Kb7 Nd5 70. Be4 Kd7 71. Bxd5 Kxd6 72. Be4 1-0


後で振り返れば、何か所か付け入るポイントはあったようですが、それでもとても強い相手でした。こうした少し悪いエンドゲームの中で、いかにドローのチャンスを逃さないようにするかは、今後も課題になると思います。このラウンドは若いマスターから、勉強させてもらいました。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923)

今日は2200台くらいかと思っていましたが、予想外の1900台でした。リストがちょうど半分くらいなので、これは仕方ないですね。ここをしっかり勝って、またGM に挑戦したいと思います。

2016/10/04

Chess.com Isle of Man International R3


イギリスでは食事のことを多少なり心配していましたが、ここまでは特に問題なく過ごせています。会場近くには昼前からオープンしているカフェがあり、この3日間はそこで昼食を取り、13時半からの試合に向かうという流れが続いています。近くで昼から食事をできるところはさほど多くないため、ほかのマスターともよく顔を合わせます。この店のハンバーガーは美味しいのですが、ポテトとあわせるとかなり量が多く、試合前の食事としては大変です(笑)

Donchenko とドローになった翌日は、インドのLalith Babu との対戦です。私はCaro-Kann を研究している際に彼の名前を見つけ、たくさんのゲームを参考にしてきました。そんな彼が、2006年のAsia Junior で対戦したプレーヤーだと気付いたのは、実はつい最近のことです。10年も前の大会で対戦したプレーヤーが、現在でもチェスを続けており、互いに実力を伸ばして再戦できるということは、とても嬉しいことです。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith, B (GM, IND, 2586)
Chess.com Isle of Man International (3)

1. Nf3 Nf6 2. c4 b6 3. g3 c5 4. Bg2 Bb7 5. Nc3 g6 6. O-O Bg7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 d6 9. Rd1 Nbd7 10. Be3 Rc8 11. Rac1 O-O 12. Qh4 a6 13. b3 Re8!?



過去にこのポジションを持った際、黒は13... Rc7 と指してきました。Lalith が選んだ13... Re8 のアイディアは、先にe7 のポーンを守っておくと同時に、c8 のルークは動かさないでおくことで、Rc8-Rc5 をテンポロスすることなく指すことだろうと考えました。そこでe3 のビショップを動かすのは遅らせることにします。

14. Bh3 Ba8 15. Bh6 Bxf3!?


このラインではときどき見かける手ですが、ビショップを下げた直後に、もう一度動いて取ってきてのは予想外でした。白はポーンストラクチャーを乱しますが、その代わりにeファイルを開くことで、e7 にプレッシャーをかけやすくなります。

16. exf3 Rc5 17. Bxg7 Kxg7 18. Qd4 Kg8 19. f4 Qb8 20. a4



この時点では多少白が良いだろうという自覚はありましたが、どのように進めていくかは迷うところです。ビショップを返してでもd7 を取り、Nc3-Nd5 と入るプランや、eファイルにルークを回してe7 をアタックするプランも考えましたが、まずはb6-b5 を止め、黒のクイーンサイドのアクションを抑え込むことにします。

20... Qc7 21. Re1 Rh5 22. Bxd7


a2-a4 を突く際に危惧していたのは、c5 に跳ばれたナイトにb3 をアタックされることです。それを気にしてナイトを消しに行ったのですが、コンピュータは実に面白い変化を示します。22. Bg2 Nc5?! 23. Qxf6!! gxf6 24. Rxe8+ Kg7 25. Nd5 Qd7 26. Rg8+! Kh6 27. Nxf6+/- クイーンを捨てる変化は多少考えましたが、Nc3-Nd5 からエクスチェンジを取りかえせるところまでは読めず、断念しました。

22... Qxd7 23. Ne4 Nxe4 24. Qxe4 Rc5



マイナーピースをすべて消し、ポジションを単純化しました。ここから白はe7 にプレッシャーをかけつつ、あわよくばf4-f5 を仕掛けるのに対し、黒はb6-b5 のブレイクのタイミングを伺うという展開になります。クイーンを交換したうえでのRh5-Rc5 は少し自信がありませんでしたが、問題はなさそうです。24... Qh3 25. Qg2 Qxg2+ 26. Kxg2 Rc5 27. Rcd1 Kf8 28. g4! b5 29. cxb5 axb5 30. Rc1 Ra8 31. Rxc5 dxc5 32. axb5 Rb8 33. f5 gxf5 34. Re5 Rxb5 35. Rxf5=

25. Rcd1 Qc7 26. Rd5 e6 27. Rd3 b5!?


黒は念願のb6-b5 を仕掛けますが、この時点であれば白はaファイルにできるパスポーンを武器に、黒が少し嫌がるような展開にできるのではないかと考えました。ポーンを単純にさばいてしまい、黒にdファイルのパスポーン、白にb3 の弱点となる孤立ポーンになってしまっては、もちろん白はダメです。

28. cxb5 axb5 29. a5! d5 30. Qb4!



a5 を守りつつ、b5 をアタックできるマスにクイーンを置きます。c4 を弱めるため、b3-b4 はなるべく突かないようにしようと思ったため、b4 のマスを埋めてしまうことは問題ではありません。

30... Ra8 31. Ra1 h5


31... Rc1+ 32. Rxc1 Qxc1+ 33. Kg2 Qc7 34. Rc3 Qd8 (34... Qxa5?? 35. Rc8+! Kg7 36. Qf8++-) 35. Qxb5 d4 36. Rd3 Rxa5 37. Qc6 Rd5= これはおそらくドローにするチャンスが十分あるでしょう。Lalith はピースを残し、難しいポジションを保ちます。

32. Rdd1 Rc2 33. h4 Qc6 34. Qd4 Ra6 35. f5!?



時間が増えるまであと5手、残り時間は2分という状況で、この手を仕掛けることを決断しました。黒キングの前が開けば、パペチュアルチェックのチャンスが生まれますし、h5 も取ることができそうです。

35... gxf5 36. Qf6 Qc3 37. Qg5+ Qg7 38. Qxh5 f4 39. Rac1!


h5 を取る前から、このようにルークを交換することは頭にありました。バックランクの弱い黒は、オープンファイルをルークにとられるわけにはいきません。

39... Rac6 40. Rxc2 Rxc2 41. g4 b4



白からのb3-b4 を防いだ手をなるほどと見ながら、ここからどうするか考えます。g4-g5 からクイーンを退くプランは、42. g5 Qe5 と進み、g5 でクイーンのチェックができなくなることを嫌いました。もう一つ、思いついて指したのは、aファイルのパスポーンを餌にして、cファイルのオープンファイルを取りにいくプランですが、これは黒が上手く対処すればすぐドローになることが分かりました。時間の増えた直後で余裕があり、しばらく考えて白で勝ちにいくアイディアをひねり出そうとしましたが、結局は思いつかず、ドローの変化を選ぶことにしました。

42. a6 Ra2 43. Rc1 Ra1 1/2-1/2


相手から早々にドローオファーがきたのは意外でしたが、ルーク交換後は互いにパペチュアルチェックの狙いを持ち、それを外しにいくこともできなさそうなので、ドローを受けることにしました。昨日の記事で、2600近くから久々のドローと書きましたが、この日もそれが続きました。ここまでは上手く指せていますので、残りの2/3 のラウンドもこの調子で続けていきたいですね。


Nakamura - Van Foreest はドローとなり、アメリカのトップ3人衆は全員0.5P 落としています。

今日は昨日に続き、インドのGM との対戦です。Sunilduth Lyna はまだ18歳になったばかりの少年で、この数年はWorld Junior での活躍を続けています。この大会には彼のような若者も含め、インドからマスターが大挙して押し寄せています。若い才能に負けないよう、このラウンドもしっかり指してこようと思います!

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)

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