2023/04/15

Tokai Open 2023 Tournament Preview


あと3週間ほどで全日本選手権の開催を迎えますが、その先の大会の予告をしておきます。名古屋チェスクラブが主催する東海オープンに今年は参加することを決めました。最後に参加した2020年には無事に優勝することができましたが、2021年、2022年はコロナの影響を考慮して参加を見送りました。名古屋オープン、中部快速オープンは参加していますが、それとは別に3年ぶりの東海オープンを楽しみにしています。

【日時】 2023年5月28日(日)
【会場】 名古屋市芸術創造センター (地下鉄東山線、新栄町駅)
【形式】 スイス式4R、30分+1手30秒
【参加費】 5000円、U18 4000円
【主催】 名古屋チェスクラブ

その他大会詳細は名古屋チェスクラブの大会ページをご確認ください。

エントリーリストを見ると、こちらの記事公開時点で残り参加枠は10名弱になっているようです。参加をご検討のかたは定員に達しないうちにお申し込みください。来月、名古屋でお会いできることを楽しみにしています。

2023/04/14

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第18回予告

4月のOPENREC での講座案内です。今月は今週末の日曜日、4/16 20時からスタートです。白熱中の世界選手権と一緒にお楽しみください。

4月のOPENREC の講座テーマは『Flexibility』 です。チェスでは攻め合いのスピード勝負になることもありますが、方向性をすぐに決めず、相手の手を見てから柔軟に自身の作戦を決めるほうが、選択の幅が広く残っており有効な場合も多々あります。どのような手がFlexibility(柔軟性)があり、自身のチャンスを広げるのか、逆に相手の選択の幅を狭める手はどのようなものか。これらを中心にゲームを見ていこうと思います。冒頭30分の無料視聴は可能ですので、サブスク登録がまたのかたはこの機会にぜひよろしくお願いいたします。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第18回『Flexibility』| 2023.04.16
NCS サブスク登録 (OPENREC)

2023/04/04

麻布学園チェス部春合宿2023

報告が遅くなりましたが、先月末に母校、麻布学園のチェス部春合宿にコーチとして参加してきました。2020年からの新型コロナ流行により、春合宿の開催は4年ぶりのこと。当然ながら私の参加も4年ぶりとなります。懐かしい気持ちで、2018年の夏合宿と同じ、山梨県の河口湖駅に降り立ちました。帰りはバスですが、行きは京王線、JR、富士急行線などを乗り継いで昼前に到着しました。
合宿所で前日から来ていたチェス部の現役部員たちと合流し、昼食後からチェスを始めます。初めて合宿に参加するメンバーもいる中で、久々の合宿メニューをどうするか悩みましたが、最初は「チェスは○○ゲーム」 というテーマで、○○に入るものを自由に考えてもらいました。(相手キングを追い詰める、だけは一番出やすそうなので無しにします) チェスがどんなゲームかまずは皆でイメージし、様々なアイディアを出しあうことで、その後の講座を進めやすくする狙いでしたが、「チェスは戦略立てるゲーム」 「チェスは違う特性の駒を使うゲーム」 「チェスは駒の連携が大事なゲーム」など様々な意見を出してくれて、私自身このミニゲームを楽しめました。

その後、Nimzowitsch の試合を解説し、途中途中でどう指すか質問しながら、チェスの局面の考え方、手の作り方などを説明していきました。時間が少し余ったときには、有名なスタディを2人1組で解いてもらいます。先輩、後輩が力を合わせながら、ああでもない、こうでもないとアイディアを出し合うのは、過去の合宿でもOBたちが繰り返してきたことです。夕飯前には私の講座を中断し、12人の部員同士で試合をする時間設けます。私は全6試合を見回りましたが、ちょっとした面白いポジションが現れました。
Position after 7. Bg5

白がf2-f3 と突いたのがすでに変ですが、それとBc1-Bg5 の悪さを咎めるアイディアが分かるでしょうか?

7... Nxe4! 8. Bxd8??


8. fxe4 Qxg5 9. Nf3 Qd8-+ と進めてもポーンを失った白は敗勢ですが、粘るならばメイトされる本譜ではなく、こちらを選ばなくてはいけません。

8... Bf2+ 0-1


以下、9. Ke2 Nd4# がぴったりチェックメイトになっています。色が逆ですが、Legal's Mate と呼ばれる200年以上前からあるメイトの1つです。実戦で目の当たりにするとは思いませんでした。黒もよく見逃しませんでしたね。
初日の夜はもう1つNimzowitsch の試合を見てからメニューは終了。2日目を迎えます。いつもはのんびり起きて朝食から合流していましたが、この日は集合時間を確認しておらず、早めに外に出て部員たちを探すと、ちょうどチェス部合宿伝統のゲーム、灯台守をやっているところでした。このゲームを簡単に説明すると、鬼を中心において円形で行う、だるまさんがころんだです。鬼は動いた人の名前を呼ばなければいけないため、部員同士、先輩後輩同士が顔と名前を一致させるのにもってこいのゲームとして、私が現役当初からありました。
また到着初日は曇り空で気づきませんでしたが、合宿所のすぐ裏には富士山が顔を覗かせていました。凄い迫力!

その後、2日目の午前中は恒例の同時対局を行いました。私にとってもかなり久々の対面での多面指しでしたが、なんとか12面全てを勝ち切って、コーチといての面目を保ちました。今回はそこまで部員数が多くなかったことも要因だと思います。過去の合宿では、歴代部長に結構ポイントを落としており、この合宿での同時対局は私にとってハードなメニューです。2日間で教えた内容をすぐに実戦に活かすのは難しいですが、「説明されたのはこういうことだったのか」 と腑に落ちるようなゲームがあったならば幸いです。

次はまたスケジュールが合えば、8月の夏合宿にお邪魔させていただきたいと思います。新年度を迎え、新入部員を増やして賑やかなチェス部になっていくことを願っています。また大会でも後輩たちが活躍するのを楽しみにしています!
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