2024/08/30

Practical Pawn Endings

Laszlo, C (AFM, HUN, 2063) - Kojima, S (IM, JPN, 2294)
Welcome Olympiad! U2400 (2)
Position after 43. Kxh3


先日の大会の試合で少し面白いポーンエンディングが登場したので、今夜はこちらをご紹介します。黒はポーンアップで最後のピースを交換しました。当然勝ちだと思ってこの局面にしたのですが、進めてみると予想よりも難しいことが分かりました。

43... Kh5!


白キングにg4に上がられるわけにはいかないため、最初はこの1手です。私は当初、これでdポーンをどんどん進めてそれを取らせている間に、h,fポーンを両方落として勝ちだと思っていました。

44. a4 d5 45. Kg3 f5!

しかし、ここでテンポを数えてみるともう少し工夫が必要であることが分かりました。白キングがdポーンを取ってからbポーンに向かった場合、クイーンができるのは同時でドローです。45... d4?? 46. Kf3 Kxh4 47. Ke4 Kg4 48. Kxd4 Kf3 49. Kc4 Kxf2 50. Kb5 f5 51. Kxb6 f4 52. Kxb7 f3 53. a5 Ke3 54. a6 f2 55. a7 f1=Q 56. a8=Q= そこで黒はfポーンも早めに前進させ、いくらかテンポを稼がなくてはいけません。白の最後に残るのがaポーンであることを考えれば、クイーンを先に作ってもa7まで進めらてしまえばドローなので、その点も注意が必要です。

46. Kf3


白はすぐにhポーンを諦めますが、ここでの変化で、面白いポーンエンディングの形があります。46. Kh3 d4! 47. Kg3 d3 48. Kf3 f4!-+と進んだ場合、白キングは2列離れたd,fポーンにマスを抑えられ、身動きが取れなくなります。このポーンとキングの位置関係は以下のようなポーンエンディングを思い起こさせます。
Reference Diagram

この局面は黒の2ポーンアップですが、手番側がツークツワンクで負けになっています。白番であればキングが動いて黒にプロモーションを許すか、hポーンを動かしてg7のマスを明け渡してしまいます。黒番であればキングが動いて白にプロモーションを許すか、a,cポーンのいずれかを動かして取られてしまいます。面白いのはf7のポーンが邪魔で、黒のキングの動けるマスが制限されていることです。私の試合の変化でも、白のf2のポーンがこれを同じ邪魔な駒になっています。

46... Kxh4

後はテンポを数えてみれば、白にドローを許さないぎりぎりの黒勝ちであることが分かります。上記のクイーンを作り合う変化に比べ、黒は2手分のテンポを稼ぐことに成功しています。

47. Ke3 Kg4 48. Kd4 Kf3 49. Kxd5 Kxf2 50. Kc4


50. Kd6からポーンを取りにくるルートを想定していたので、一瞬数え間違えたかと焦りましたが、テンポは同じです。

50... Ke3 51. Kb5 f4 52. Kxb6 f3 53. Kxb7 f2 54. a5 f1=Q 55. a6 Qb5+ 56. Ka7 Kd4 0-1

aポーンはa6までしか進めないため、これを落として黒の勝ちとなります。もっと余裕があると思っていたので、1手差を勝てて胸をなでおろしました。

2024/08/29

Welcome Olympiad! U2400 Day3

昨日、ブダペストに来て最初の大会が終わりました。最終日となる3日目、私は1勝1ドローでトータル4勝2ドローとなり、タイブレークの結果優勝となりました。これまでIMトーナメントでの優勝はありましたが、ブダペストのオープントーナメントでの優勝は初めてなので、とても嬉しいです。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2294) 5/6
2nd Place Benedek, Istvan (ROU, 2168) 5/6
3rd Place Urhegyi, Marton (FM, HUN, 2223) 4.5/6

Welcome Olympiad! U2400 Final Standings


今大会はリスト1でのスタートなので、優勝は妥当な結果かもしれませんが、リストトップスタートでの優勝が意外と難しいことは日本国内での大会でも常々実感しています。最終戦は今年12歳になる少年が相手でしたが、FM Urhegyiの生徒のようで、5Rまで負けなしの油断できない相手です。彼との最終戦をミスなく指しきれたのは大きな収穫でした。

Hangay, O (HUN, 2025) - Kojima, S (IM, JPN, 2294)
Welcome Olympiad! U2400 (6)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. Kb1 Qb6 14. Rhe1 O-O 15. c4!?

彼は2RでもCaro-Kannにメインラインを指していたので、ある程度準備をしてきました。Rh1-Re1とc2-c4の組み合わせは少し珍しく、すぐにNg3-Nf5と跳びこむほうが一般的です。15. Nf5 exf5 16. Rxe7 Qd8 17. Re2 Ne4を指してみようと思っていました。

15... Rad8 16. Bc3 Bb4!


私のこれまでCaro-Kannを指してきた感覚では、ClassicalのメインラインでBd2-Bc3と組むセットアップは、g2-g4-g5のチャンスが薄くなるためあまり黒にとって脅威ではありません。さらにここではb6にクイーンを出していることを利用し、すぐにビショップ交換を持ちかけられます。これによりNg3-Nf5からe7のビショップが狙われることもなくなり、黒は安全にゲームを進められると考えました。

17. Qd2 Bxc3 18. Qxc3 Rfe8 19. Qc2 c5!

2マイナーピースを交換して白のアタックチャンスを十分に削ったうえ、このブレイクからd4を崩せば黒は満足な局面です。ここで彼がd4-d5の押し込みを狙っていることは分かっていましたが、ここまでピースを捌けばf5にナイトが入っても具体的なアタックはなく、白のdポーンは長期的なターゲットになります。

20. d5 exd5 21. Rxe8+ Rxe8 22. cxd5 Qb4!


4段目が綺麗に開いたことを利用し、クイーンの横利きで4段目を抑えてしまいます。黒クイーンはg4,f4,e4の好位置を睨み、h5のポーンを落とす具体的な算段も立ちそうです。

23. Nf5 Qf4!?

直接的な23... Qg4もありえますが、d6のマスを抑えることでナイトの跳びこみを防ぎ、f5のナイトを困らせようと考えました。ここで白がh5を守るにはナイトを戻すしかありませんが、たった今ナイトがf5に跳びこんだ以上、その手は心理的に指しづらいでしょう。

24. d6 Re6!


d6に跳びこむチャンスの無くなった白のナイトは、d6にポーンを刺して足場を作り、e7に入る以外ありません。そこで早めにルークを6段目に上げておくことでe8で抑え込まれるのを防ぐと同時に、d6のポーンを狙えるようにします。

25. Re1 Rxe1+ 26. Nxe1 Nxh5 27. Nf3 Nhf6

h5ポーンを落としたうえでd6も狙いにいけば、黒は必勝のエンドゲームへと入れるでしょう。白には具体的なプランがないうえ、キングの守りが薄いためにクイーンの強制交換が避けづらい状況です。

28. Ne7+ Kf8 29. Qd1 Ne4! 30. Nc8 Nxf2 31. Qf1 Qe4+ 32. Ka1 Qc2


クイーンを交換するタイミングとマスは少し悩みましたが、c2の位置からであればd1での交換を狙いつつ、次にNf2-Nd1からメイトを狙うこともできます。

33. a3 Qd1+!?

クイーンを残したまま白キングを攻めるアイディアが分からず、安全なクイーン交換に踏み切りました。33... Nd1! 34. Qb5 c4! 35. Ne1 Qc1+ 36. Ka2 c3! 37. Nd3 cxb2 38. Qxb2 Qxc8-+と進めて白のナイトを落としても黒勝ちです。

34. Qxd1 Nxd1 35. Nxa7 Ne3 36. Ka2


36. g3 Nf5がポーン2つを同時に狙うナイトの好位置で、d1でクイーンを交換したポイントとなります。また36. Ne1 h5 37. Nb5 h4 38. Nc3 Nxg2!も狙っていた手です。いずれにせよ白はgポーンを残すことができず、黒はgポーンを落として3コネクテッドパスポーンを作ることができます。

36... Nxg2 37. b4 cxb4 38. axb4 g5 39. b5 g4 40. Nd4 h5 41. Nf5 h4 42. Nc6 h3 43. Ncd4 Nh4 44. Ng3 f5 45. Ne6+ Kf7 46. Nf4 Kf6 0-1

最後は黒キングの前進に対応できず、白はリザインとなりました。今大会は全体を通し、局面を大きく悪くすることが無かったのが良かったですね。また次のトーナメントもこの調子で頑張り、良い流れでオリンピアード本番に繋げられたらと思います。引き続き応援をよろしくお願いいたします。

8/26 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Sinoros-Szabo, D (HUN, 2012) 1-0
8/26 R2 Laszlo, C (AFM, HUN, 2063) - Kojima, S (IM, JPN, 2294) 0-1
8/27 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Benedek, I (ROU, 2168) 1-0
8/27 R4 Gaspar, D (HUN, 2041) - Kojima, S (IM, JPN, 2294) 1/2-1/2
8/28 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Szabo, B (FM, HUN, 2230) 1/2-1/2
8/28 R6 Hangay, O (HUN, 2025) - Kojima, S (IM, JPN, 2294) 0-1
小さな大会でしたが、入賞者全員にメダルと優勝者にカップの贈呈がありました。壊さぬよう気を付けて日本に持って帰ります。

2024/08/28

Welcome Olympiad! U2400 Day2

会場の壁にはハンガリーのここ800年ほどの歴史が、イラストとともに綴られています。

オリンピアード開催記念大会の2日目です。初日の2戦を連勝した私は、ルーマニアの若いプレーヤーとの対戦になりました。ルーマニアはハンガリーのさらに東に位置する東欧の国で、何十年も前からヨーロッパではチェスの強豪国です。2008年のドレスデンオリンピアードでは、ルーマニアの当時No.1だったNisipeanuと試合をしたことも懐かしく思い出されます。

Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Benedek, I (ROU, 2168)
Welcome Olympiad! U2400 (3)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nc6 7. Nc3 e5 8. dxe5

オンラインの対局では散々指してきましたが、公式戦でこの変化が現れるのは初めてです。かつてはポーンを突きこすのが主流でしたが、8. d5 Nb8!が黒がかなり指せることが分かり、次第にポーンを捌く変化の人気が上がってきました。

8... dxe5 9. Bg5 Qxd1!?


黒からクイーンを交換する手は見たことがありませんでした。単純に白はdファイルを抑えて良さそうですが、小さな優位をどう活かすか工夫が求められます。

10. Rfxd1 Bg4 11. h3 Bxf3 12. Bxf3 Nd4 13. Bxb7

g2にビショップを退く手でビショップペアをキープし、b2-b4-b5からゆっくりアクションを起こすプランも考えました。しかし、bファイルからルークで反撃されたところで白は丁寧に対応すれば問題なく、g2のビショップが後々活きてくるのではないかと考えました。

13... Rab8 14. Bg2 Rxb2 15. Kf1 Rfb8 16. Rab1


少し迷いましたが、bファイルでルーク交換を狙います。最も脅威となる黒のルークを捌いてしまえば、ダブルビショップを持つ白がやや有利なエンドゲームになるでしょう。

16... h6 17. Be3 c5?!

この手は少し奇妙に感じました。c5,e5をどちらも黒マスで固めてしまえば、g7のビショップを活用するのが難しくなるうえ、c5のポーン自体がターゲットになるうるからです。17... Nd7くらいでナイトを組み直すアイディアが良かったでしょう。

18. Bd2! R8b4 19. e3 Nf5 20. Rxb2 Rxb2 21. Ke1?!


黒がNf5-Nd6とマヌーバリングし、c4を狙ってくることは分かっていたので、それに対応する手を指したつもりでしたがやや緩かったようです。ここは21. Be1! Bf8 22. Rd8 Kg7 23. Rc8!+-としてルークをdファイルから活用すれば白勝勢でした。e1のビショップでナイトを守っておけば、a2,c3,c4のいずれもルークに狙われる心配がなく、b2のルークを全く気にしなくても良いことに気づきませんでした。

21... Nd6 22. Bf1?!

22. Bc1! Rc2 23. Rxd6 Rxc3 24. Kd2 Rxc4 25. Ra6!+- ビショップを退く手は考えましたが、c4を先に取らせてもa7を後に落とせれば、ダブルビショップを残した白が十分に勝ちのチャンスがありました。

22... Nfe4 23. Bc1!


単にナイトを捌く手は、23. Nxe4? Nxe4 24. Bg2 Nxd2 25. Rxd2 Rxd2 26. Kxd2=と異色ビショップだけが残ってドローです。本譜のルークを先に追い返す手が成立することに気が付き、白が勝つチャンスはまだまだあることを意識しました。

23... Rb6


23... Nxc3 24. Bxb2 Nxd1 25. Kxd1+/-はダブルビショップを持つ白が指しやすいエンドゲームです。23... Rxf2? 24. Nxe4 Nxe4 25. Rd8+! Kh7 26. Bd3+-ならば、黒はナイトを諦めなくてはいけません。

24. Nxe4 Nxe4 25. Rd8+ Kh7 26. Rd7?!

ここはa7とf7をフォークする自然な手を選んだつもりでしたが、先にb1のマスにルークが入られないよう受けておくべきでした。26. Bd3! Nc3 27. Rd7 e4 28. Bc2 Nxa2 29. Ba3 Nb4 30. Bxe4+/- e5-e4がビショップに当たるテンポを嫌いましたが、実際にはa2を取らせても、e4がターゲットになって落ちるため問題なかったようです。

26... Rb1 27. Kd1 Nxf2+?


ここで黒は最後のチャンスを逃しました。27... Ra1! 28. Rxa7 Nc3+ 29. Kd2 Nxa2 30. Bb2 Rxf1 31. Ke2 Rh1 32. Rxa2= ならば互角です。ナイトはf2を取るか、a2を取るか、選択肢を残しておくほうが柔軟性があって良いということですね。

28. Kc2 Ra1??

この手はピースが落ちるため、白にとって楽な流れになりました。28... Rb6 29. Rxf7 Ne4 30. g4+/-でも白が優勢ですが、黒はせめてこちらで粘るべきです。

29. Rxf7 Rxa2+


29... e4 30. Rxg7+ Kxg7 31. Bb2++- これは綺麗なタクティクスでピースが落ちて白の勝勢です。

30. Kb1 Ra4 31. Rxf2 e4 32. Ra2 Rb4+ 33. Kc2 Rb7 34. Bd2 Be5 35. g4 Bb8 36. Bg2 1-0

最後は相手がb4にルークを置こうとし、ビショップが利いていることに気づいてリザインしました。自分でも指しながらベストではないだろうなと思う手が多いゲームでしたが、なんとか勝ち切れて良かったです。続く4Rは相手の準備がしっかりしており、早めのドローで合意しました。下に準備されてもドローに落ち着かず、とことん勝負できる変化をもう少し探ってみようと思います。

8/26 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Sinoros-Szabo, D (HUN, 2012) 1-0
8/26 R2 Laszlo, C (AFM, HUN, 2063) - Kojima, S (IM, JPN, 2294) 0-1
8/27 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Benedek, I (ROU, 2168) 1-0
8/27 R4 Gaspar, D (HUN, 2041) - Kojima, S (IM, JPN, 2294) 1/2-1/2
8/28 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Szabo, B (FM, HUN, 2230)

Welcome Olympiad! U2400 R5 Pairings
試合会場からは聖イシュトヴァ―ン大聖堂まで徒歩5分くらいです。クリスマスマーケットの時期は特に混み合う、ブダペストでも人気の観光名所です。

2024/08/27

Welcome Olympiad! U2400 Day1

昨日からブダペストでオリンピアード開催記念大会、Welcome Olympiad!が始まりました。トップにエントリーしていたFM Botiはキャンセルとなり、私がリスト1となっています。6試合の短い大会なので、途中1つの負けが入賞に厳しく影響しそうです。初戦はハンガリーの少年で、双子で同じセクションに参加しています。

Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Sinoros-Szabo, D (HUN, 2012)
Welcome Olympiad! U2400 (1)

1. d4 Nf6 2. c4 d6 3. Nf3 g6 4. g3 Bg7 5. Bg2 O-O 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 c6 9. h3 Qe7!?

初戦はKing's Indianになりました。黒はどこかでセンターを開いてe4に反撃するものですが、クイーンが頭だと少し困ることがあります。e8のルークとc5のナイトの組み合わせでe4を攻める作戦が一般的です。

10. Re1 Re8 11. Be3 a5 12. Qc2 exd4 13. Nxd4 Nc5 14. Rad1! Ne6


14... Ncxe4 15. Bf4! d5 16. cxd5 cxd5 17. Nxd5!+-は白の勝ちです。クイーンがe7にいるとe4へのプレッシャーが強くなるように思えますが、逆にピンが負担となります。

15. b3 Nxd4 16. Bxd4 Be6 17. Qd2!

e4はもう大丈夫なので、d6へのプレッシャーに切り替えます。e1のルークに守りを増やすことで、次にNc3-Nd5と跳びこむ狙いもあります。

17... c5 18. Be3 Red8 19. Kh2 Ne8 20. f4 Nc7 21. f5! Bc8 22. Bg5!


黒はe5のマスを使いたいですが、白はこの手によりそれを許しません。ビショップ交換ならd6を落として十分なので、黒はf7-f6とどちらを選ぶか苦渋の選択です。

22... f6 23. Bf4 Ne8 24. Nd5 Qf7 25. Nb6 Ra6 26. Nxc8 Rxc8 27. e5!

白マスビショップの利きを開き、Bg2-Bd5を狙えば勝負ありです。

27... Kh8 28. exd6 Nxd6 29. Bxd6 Rd8 30. Qd5!?


ピンをかわしてピースアップを維持する方法はいくつかありますが、これが一番シンプルだと感じました。

30... Qxd5 31. Rxd5 Rdxd6 32. Re8+ Bf8 33. Rxf8+ Kg7 34. Rb8 1-0

最後は反撃の無いピースダウンのため、黒はリザインしました。続く2試合目もタフな試合をポーンエンディングまで指しきり、なんとか連勝です。大会2日目の今日も頑張ります。

8/26 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Sinoros-Szabo, D (HUN, 2012) 1-0
8/26 R2 Laszlo, C (AFM, HUN, 2063) - Kojima, S (IM, JPN, 2294) 0-1
8/27 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2294) - Benedek, I (ROU, 2168)

Welcome Olympiad! U2400 R3 Pairings
会場のすぐ目の前はエリザベート広場の観覧車です。結構回転が速いという噂で、乗ったことはまだありません。
ブダペストはベトナム料理の美味しい店が多いと思いますが、私の判定が甘いだけかもしれないので、Tuさんと合流したらもう少し厳しくジャッジしてもらおうと思います。

2024/08/20

オリンピアード直前遠征

8月も後半に入り、ハンガリーへの遠征の日が近づいてきました。ブダペストで開催されるチェスオリンピアードは9月10日スタートですが、オープンチームのメンバーのうち、私と弘平くんは事前の大会参加のために早く日本を発ちます。私は今週土曜日、8月24日の夜出発で、約1か月のブダペスト滞在となります。

オリンピアード前に参加する大会は、今のところ8月26日-29日のKöszöntünk Olimpia(ハンガリー語でオリンピアードへようこそ) と、9月5日-8日のXIII. Prémium Nemzetközi Sakkverseny Budapest の2つの予定です。後半の大会は前回のチェンナイオリンピアードで対戦したパラグアイ代表たちや、タイの代表もエントリーしているようです。オリンピアードの最終調整として頑張りつつ、オリンピアードが始まる直前のブダペストの様子をお届けできればと思います。オリンピアードを含め、応援をよろしくお願いいたします。

Köszöntünk Olimpia/Welcome Olympiad! U2400 Entry List
XIII. Prémium Nemzetközi Sakkverseny Budapest Entry List

2024/08/03

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第34回予告

8月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、8/4(日) 20時からスタートです。今月末にはオリンピアード遠征のために日本を離れるため、私の都合で月の前半にさせていただきました。

8月のYouTubeの講座テーマは『センターポーンの交換』です。序盤ではセンターの支配とピースの展開を目的とし、センターのポーンが動いてゲームが始まることが多いでしょう。するとセンターでポーンがぶつかり合い、交換するかしないかの選択を早くに迫られることになります。センターポーンを交換した際の互いのメリット、デメリットに着目しつつ、いくつかのケースを追っていきましょう。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第34回『センターポーンの交換』|2024.08.04
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