2026/04/02

麻布学園チェス部春合宿2026

3月31日から4月1日にかけ、毎年恒例となっている母校麻布学園のチェス部春合宿にお邪魔してきました。今回の合宿地は山梨県の山中湖です。同じ富士五湖の河口湖は合宿や観光で足を運んでいますが、お隣の山中湖は初めて訪れました。しかし、あいにくの連日雨模様で、湖を直接見て写真を撮ることや、湖畔らしいアクティビティは何もできず残念です。それでも2日間、後輩たちの指導は充実したものでした。

今年の春合宿は「白のd4ポーンに黒がc5ポーンをぶつけるのは、どんな時でどんな狙いがあるか」といったテーマで、いくつの局面を想定するところから始めました。普段何気なく指している手でも、どんな意味があるかを深堀してみると新たな発見があるものです。部員たちが慣れてくる頃には、逆に部員からテーマを出してもらいました。
White to move

こちらは過去にYoutube講座でも扱った局面で、白番で駒を動かさずに何手メイトかを読み切るという問題です。必ず駒を動かさずに頭の中で考えるのがポイントで、かなり読める人でも間違えてしまいがちです。初見のかたはぜひチャレンジしてみてください。
Korchnoi, V - Korpov, A
World Championship 1981 (9)
Black to move

Karpov とKorchnoi の試合は2試合紹介し、部員たちを2人組にして、途中局面から白黒交代で指してもらいました。問題を解いてもらうだけでなく、想定した局面を実際に指してもらうと、部員たちの大まかなレベル(盤面全体が見えているか、丁寧に指し手の候補を挙げられるか、局面のポイントを整理できるか等)が分かります。この局面はKarpovが実際に指した手以外にも良いアイディアがいくつかあるので、それを見つけた部員たちも複数いました。
初日の夜は部員全員との同時対局です。昨年の夏合宿は19面指しで倒れるかと思いましたが、今回は10面指しで少し楽でした。幸いにも10面全て勝つことができましたが、試合後に指摘されて少し面白かったのが以下の局面です。
Kojima - Kumasawa
Azabu Spring 2026 Simul
Position after 21.Rd2

2ポーンアップでしたが、b2を取られて1ポーン差に詰め寄られ、Rd1-Rd2と指した局面です。これでb2のナイトを追い返し、e7へプレッシャーをかけて白十分だと考えていました。

21... Nc4?


ナイトが逃げてルークに当て返す手は自然に見えますが、21... Bh6! が勝りました。e2-e3でダイアゴナルをふさぐと、Nb2-Nd3とナイトが逃げつつ、ナイトフォークをかける手があります。翌日の講評では、22. Rxb2 Bxc1 とエクスチェンジを切ってe7を取る勝負の変化を示しましたが、それでも白有利とはならないようです。

22. Rdc2 Bh6 23. e3!+-


Bg7-Bh6 のタイミングが1手遅れると上記の変化のような効果を発揮できません。以下、駒得を守りつつe7を攻め続けて落とし、白の勝ちとなりました。

2日目は10面の棋譜の振り返りと講評をし、部員たちのレベルに合わせたアドバイスをしました。この合宿直後の週末にユース選手権に参加する部員は大変なスケジュールだと思いますが、合宿で学んだことが少しでも生きれば嬉しいです。オリンピアード前の夏合宿でも指導ができることを楽しみにしています。
宿を離れてから少し湖周辺を見られるかと思っていましたが、霧交じりの雨となり、視界が全く利かないので断念しました。山中湖は水陸両用バスや冬季のワカサギ釣りなどの湖での楽しみがあるそうなので、次回はそれを楽しみに訪れたいと思います。
東京へ帰るバス待ちの間、バス停すぐのパティスリーでケーキをいただきました。可愛いラテアート、ありがとうございます。
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