2016/03/29

ACC Spring Training 2016


先週末の金曜から日曜日の3日間、日光で行われた麻布学園チェス部の合宿に、コーチとして参加してきました。私の出身クラブでもあるACC には、昨年の夏合宿からお邪魔させてもらっています。春合宿への参加は、卒業直後の2007年以来、実に9年ぶりのことです。

金曜夜、都内での仕事を終え、東武日光駅に到着したのは午後7時過ぎでした。この時期の日光は実に寒い! そして7時を過ぎれば辺りは真っ暗。店も閉まり、出歩く人もほとんど見当たりません(笑) 駅の近くで夕飯を済ませた私は宿へと向かい、終わったばかりの試合の検討戦に軽く参加して、この日を終えました。

私の仕事メインは土曜日です。この日は試合をなしにし、丸一日私のために時間を空けてくれた後輩たちのために、少し張り切りました。午前はエンドゲームから考えられる各ピースの使い方や、タクティクスをメインにレクチャーを行い、午後はこちらから与えたテーマで、各々に簡単なプレゼンテーションを行ってもらいました。


夕飯後は8名の部員+1名の顧問の先生を相手に9面指しを行います。3時間半指して、結果は7勝1敗1ドローでした。顧問強し(笑) 中2の矢野くんも、非常に手堅く指してよくドローをゲットしたと思います。昨年は何か所かで同時対局を行いましたが、今年はこれが初で、ポイントを落とすのも久々です。こうして自分でもやってみると、先月、1敗もしないで30面を指し切ったGM Naiditch の偉大さがよく分かります。


10時間以上、チェスを教えた土曜日を終え、翌日曜日は午前の試合を簡単に見てから、宿を後にしました。中1の松山くんは、最終戦をおそらく勝ったでしょう。ジュニアチャンピオンの小柴くんに並び、5/6 でのフィニッシュは、中1にしては上出来な内容だと思います。私も14年前の春合宿で先輩相手に貴重な白星を挙げ、とても嬉しかったことを思い出しました。普段は小学生の指導することが多い私ですが、こうして中高生の後輩たちが成長する姿を間近で見るのも、とても楽しいですね。


こちらは麻布チェス部の部員であったメンバーには懐かしいチェスセットでしょう。ボードは変わっても、このピースは20年以上、ACC に受け継がれています。合宿のラウンドが、私が現役時のスタンダードだった9R から減ったり、私がコーチとして参加するようになったりと、世代によって部活動のスタイルが変わっていくこともありますが、中高生がチェスに傾ける情熱や、チェス部に在籍しながら過ごす青春など、変わらないものもあると思っています。

2016/03/28

Saturday Lecture on April 9th 2016


Adams, W - Torre, R
New Orleans 1920
White to move

【日時】 2016年4月9日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Deflection
【テーマ詳細】

なんらかの駒をぶつけたり取ったりすることで、相手の駒の利きをそらし、スレットをつくるDeflection というタクティクスは、覚えておくととても便利です。例えば、相手のクイーンがa とb の2か所を守っていなければいけない際に、自分のクイーンを相手のクイーンにぶつけてしまい、a,b どちらかから相手のクイーンの利きをそらして勝ちになる、というような具合です。Deflection はBack Rank Mate と非常に相性が良いため、その組み合わせでも例を挙げながら、Deflection について理解を深めていきましょう。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満


2016/03/24

Weekly Chess Puzzle Vol.22


Kuwata, S (JPN, 1773) - Kojima, S (JPN, 1955)
Japan Junior Chess Championship 2004
Black to move


Mohammad, N (IND, 2199) - Kojima, S (FM, JPN, 2329)
Thailand Open Chess Championship 2011(5)
White to move

タクティクスは桑田くんとの12年前のゲームです。ここで決め手を逃した私は、なんとか6ポーンvs. ルークのエンドゲームを勝ち切りました。黒が最も簡単に勝つ方法を見つけてみてください。

エンドゲームでも、ようやく面白いポジションを発掘できました。不利な白はここで間違え、ドローに持ち込む方法を逃してしまいました。何がドローにするためにベストかを考えてみてください。答えはコメント欄にどうぞ。

2016/03/22

Hyakketsu 2016 Day3 Tournament Report


今年の百傑戦、オープンクラス入賞者たち, Photo by Hasegawa

今年最初のビッグトーナメント、全日本百傑戦は昨日、無事に3日間の全日程を終了しました。3日コースの参加者67名のトップに立ったのは、昨年からの勢いが衰えないTu さんで、6戦全勝という圧倒的なスコアでした! 昨年のクラブ選手権、東京オープンに引き続き、3回目の全勝ですね。Tu さん、おめでとうございます!

1st Place Tran Than Tu (CM, VIE, 2445) 6/6
2nd Place Kuwata Susumu (JPN, 2258) 5/5
3rd Place Irie Yuki (JPN, 2196) 5/5
4th Place Shinoda Taro (JPN, 1994) 4.5/6


私は3日目も1勝1ドローとなり、トータルでは3勝3ドロー。4位タイの6位に終わりました。有利だと思ったエンドゲームが、実際はそうでもなかったり、どのようにチャンスを広げれば良いか分からなかったりで、星をそこまで伸ばすことができませんでした。今回の反省を踏まえ、1か月半後の全日本選手権に臨みたいと思います。

今回の入賞者の中での注目は、オープン初入賞となる篠田くんです。今大会では最終戦で南條くんを破り、3勝3ドローの負けなしで、堂々の4位獲得となりました。2月のカペルでも格上からポイントを取り、FIDE レイティングを大きく上げています。10年以上の付き合いになる後輩が、こうして結果を残してくれるというのはとても嬉しいものです。この数年間はトレーニングやIVL でしか対戦の機会がありませんが、近いうちに公式戦でも対戦できることを楽しみにしています。

それでは、今大会最後の棋譜解説へ。初対戦となる、高橋さんとのゲームです。

Takahashi, M (JPN, 2001) - Kojima, S (IM, JPN, 2471)
Hyakketsu 2016(6)

1. g3 e5 2. d3 d5 3. Nf3 Bd6 4. Bg2 c6 5. O-O Nf6 6. c4 h6 7. Qc2 O-O 8. Na3 Bg4 9. Re1 Nbd7 10. h3 Bh5 11. Nh4 Re8 12. Nf5 Bf8 13. e4 Rc8 14. Bd2 dxe4 15. dxe4 Nc5 16. g4 Bg6 17. Red1



最終戦の高橋さんとのゲームは、意外な手順で始まりましたが、進めてみればKing's Indian Attack のような形に落ち着きました。ここでは白がe2-e4 だけでなく、c2-c4 もついているため、d3 やd4 のマスが弱いとみて仕掛けます。

17... Qd3! 18. Qc1 Rcd8 19. f3


e4 を守るためには仕方のないように見えますが、この手では厳しいだろうと試合中には読んでいました。e4 を捨てる代わりに7段目にルークを入れるのがベストですが、それでも黒が優勢です。19. Be3! Qxd1+ 20. Qxd1 Rxd1+ 21. Rxd1 Ncxe4 22. Bxe4 Nxe4 23. Rd7 Bxf5 24. gxf5 a5=/+

19... Bxf5! 20. gxf5 Qe2!



f5 のナイトを取り除いた後は、Nf5-Ng3 がないため、e2 にクイーンを侵入させることができます。黒からはNc5-Nd3, Bf8-Bc5, Nf6- Nh5-Nf4 といった狙いが豊富にあり、白が守り切ることは難しいでしょう。

21. Be1 Rxd1 22. Qxd1 Qxb2 23. Nc2 Qb6!


1ポーンアップになりましたが、まだまだ油断はできません。次にRa1-Rb1 が意外に厄介であることに気づいた私は、クイーンをさげつつ、Re8-Rd8 としてルークを攻撃に参加できるようにします。

24. Bf2 Rd8 25. Qe2 Nh5 26. Be3 Qb2 27. Rd1 Rxd1+ 28. Qxd1 Qxa2 29. Qd8 Qxc4 30. Ne1 b6 31. Kh2 Qe2 32. Bxc5 bxc5 33. Nd3 c4 34. Nxe5 Nf4 0-1



5R の三ツ矢さんとの試合は、黒マスビショップを30回以上動かしてへとへとでしたので、最終戦はなんとか勝てて一安心です。また全日本選手権でも、気を引き締め直して頑張りたいと思います! 百傑戦参加者の皆さん、お疲れ様でした。また次の大会でも、よろしくお願い致します。

2016/03/20

Hyakketsu 2016 Day2 Tournament Report


Otawa, Y (JPN, 1965)- Kojima, S (IM, JPN, 2471)
Hyakketsu (4)
Position After 18... Rd7

百傑戦2日目の今日は、石井さんにドローの後、大多和くんとの対戦です。昨年、全日本ジュニアチャンピオンも獲得し、レイティングを2000近くまで伸ばしてきた大多和くんとは、意外なことに今回が初対戦でした。g6 Slav から、難解な中盤を迎えます。

19. a3?!


試合後の検討では、ビショップとナイトを一組交換しておくのが、白の安全策だと話をしました。19. Bxe5!? Bxe5 20. Nc5! Nc3! 21. bxc3 Rxd1+ 22. Rxd1 Qxc5 23. Rd7+/= 異色ビショップになりましたが、7段目にルークを入れることで、白は少しアドバンテージがあるでしょう。

19... Nd3!


ここは思い切ってナイトを突入させます。白はd3 を抑えるピースの数は足りていながら、ここでの交換で駒を取ることができません。

20. Bxd3 exd3 21. Qe1



21. Rxd3 Nf4! 22. exf4 Qxe2 23. Rxd7-+ これでは白は、クイーンを捨てた代償は不十分です。21. Qxd3 Nxc3 22. Qxd7 Qxd7 23. Rxd7 Ne2+-+ こちらもナイトフォークでルークを取り返した黒が、ピースアップとなります。本譜ではd3 に強力なパスポーンが残り、黒がはっきりアドバンテージを取りました。

21... Nxc3 22. Nxc3 Qh4!?


ここは少し悩みましたが、Nc3-Na4 と戻ってくるのを防ぎ、それからcポーンを伸ばす作戦を選びます。

23. Qf1 Rad8 24. Rd2 c5 25. f4?! Qe7



大多和くんは4段目のクイーンの利きを遮ることを考えましたが、f2-f4 はe3 のポーンを弱めるため、黒にとって楽になると思います。私は代わりに、25. Qa4!? を提案しました。

26. Qf3 c4 27. e4 Bd4+ 28. Kh1 Qc5!?


Bd4-Be3 を狙いますが、ここはシンプルにピースを捌いても黒勝ちでした。28... Bxc3! 29. Rxc3 Rd4 30. e5 Qh4!-+ これでf4 のポーンが落ちます。

29. Nd5 f5! 30. b4 fxe4 0-1



最後はナイトを支えるe4 のポーンを崩せばゲームオーバーです。2,3R のドローで少し後退しましたが、3/4 で、3B まで戻ってきました。最終日の午前、5R のペアリングは以下の通りです。

1B 入江(4) - Tu(4)
2B 南條(3) - Alex(3.5)
3B 小島(3) - 三ツ矢(3)


今日はTuさんが、南條くんに勝って4連勝。さらに昨年から良い大会結果を残している入江さんも、山田くんに勝って4連勝を決めています。3P は他にも、Gary くんや桑田くん、塩見さんといった強豪メンバーも残っています。入賞は5P が並ぶことも予想できますので、残り2試合、勝てるようにしっかり頑張ってきます!

2016/03/19

Hyakketsu 2016 Day1 Tournament Report


今日から3日間、全日本百傑戦が開催されます。全日本選手権の東京予選も兼ねるこの大会、トップ勢は私、Tuさん、南條くんと、2400台が揃いました。私は初日の今日、勝田くんに勝ち、尚広くんにドローで、1.5P となっています。初戦の勝田くんとのゲームをご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2471) - Katsuta, Y (JPN, 1918)
Hyakketsu 2016 (1)

1. Nf3 d5 2. d4 c6 3. c4 e6 4. Qb3 dxc4 5. Qxc4 Nf6 6. g3 Nbd7 7. Bg2 Bd6 8. O-O O-O 9. Rd1 Qe7 10. Nc3 e5 11. Bg5!



このオープニングを指すのは初めてでしたが、黒がe6-e5 を実現できた以上、ピースを捌いて早めにdファイルをコントロールする以外、白がアドバンテージを保つ方法はないと考えました。

11... h6 12. Bxf6 Nxf6 13. dxe5 Bxe5 14. Nxe5 Qxe5 15. Qb4!?


15. Qd4 も考えましたが、一旦b7 をアタックし、ビショップの展開を妨害します。

15... Qc7 16. Qd6! Qb6 17. Rd2 Bf5 18. Rad1 Rfe8 19. b4! Re6 20. Qf4 Bg6 21. Na4!



私はこのポジションでクイーントラップの形を見つけ、勝てるであろうと読みました。しかし、予想外の手が返ってきたために、少し慎重になります。

21... Qb5 22. Nc5! Nh5 23. Qh4!


試合後、塩見さんとTuさんに指摘されたのは、クイーンをサクリファイスする変化です。23. Nxe6!? Nxf4 24. Rd8+ Rxd8 25. Rxd8+ Kh7 26. Nf8+ Kg8 27. Nxg6+ Kh7 28. Nxf4 Qxb4+/- これでも、ルーク+2ピースvs. クイーンですので、白の駒得は大きなものです。ただ、私はあくまで、自分の気に入ったクイーントラップを目指しました。

23... Ree8



23... Rxe2 24. Rd8+! (24. a4 Rxd2 25. Rxd2 Qb6 26. Rd7 Nf6 27. Rxb7 Qd8 これなら白良しながら、黒クイーンは生き残っています。) 24... Rxd8 (24... Re8 25. Bf1! Qb6 26. R8d7 Rab8 27. Na4+- この形でのクイーントラップは読んでいませんでした。) 25. Qxd8+ Kh7 26. Bf1+- こちらも本譜に似た形で、白は駒得を決めて勝勢です。

24. a4 Qb6 25. Rd7!


先にc7 のマスを抑えつつ、b7 取りのクイーントラップを作れば勝負ありです。

25... Rab8 26. a5 Qb5 27. Bf1 Rxe2 28. Re7 1-0



2R の尚広くんとの試合は、少し良いポジションもあったかと思いましたが、調べてみるとそうでもなかったようです。黒でのドローは仕方ないかもしれませんが、この一歩後退は最終日の優勝争いに響いてくるかもしれません。気を取り直して、明日も頑張ってきます!


夕飯は久々に同期たちと中村屋へ。カレーが有名ですが、他にも洋食メインで色々選べます。

2016/03/17

World Youth Chess Championships 2016 Tournament Information


Khanty-Mansisk の街並み

ヒーバートさんからの依頼で、今年のWorld Youth の情報を告知します。一昨年は南アフリカのダーバン、昨年はギリシャのハルキディキで開催されたWorld Youth は、今年、ロシアのハンティマンシスクで開催されます。ハンティマンシスクと言えば、2010年のオリンピアード開催地で、日本のチェスファンにとっても聞き覚えのある土地でしょう。私も6年前のオリンピアードを懐かしく思い出します。

[Date] 20th Sep to 4th Oct 2016
[Place] Khanty-Mansisk, Russia
[Section] Open U18, U16, U14, Girls U18, U16, U14,

今年は色々と大会の制度が変わります。まず、U12、U10、U8 の3セクションは、Youth とは別のCadets という大会になります。そのため、これまでのような小学生から高校生までが、日本代表としてチームを作ることはなくなります。さらに、World Youth に参加する日本の代表、招待選手は、例年のようなジュニア選手権の結果ではなく、6月20日付の国内レイティングで決められます。ちなみに、8月開催のWorld Junior の代表は、例年通りに日本のジュニア選手権の順位で選考されるそうです。Youth の代表は報告の締め切りが早く、ジュニア選手権前に確定させなければいけないためです。

U18、U16、U14 の各セクションで代表を狙うプレーヤーとその親御さんたちは、今年の代表選考方法がレイティングであることを覚えておいてください。6月の更新までに間に合う主な国内大会は、百傑戦、全日本選手権、ゴールデンオープン、快速選手権などです。現在のレイティングと参加できそうな大会は、今のうちからチェックしておくと良いでしょう。今年もWorld Youth 遠征が盛り上がることを期待しています。

2016/03/14

Watch Chess


Watch Chess トップ画面

今夜は新しく手に入れた、Watch Chess というチェスアプリのご紹介です。一昨日の池上でのレクチャーの際、参加者の一人から教えてもらい、私も早速、インストールしてみました。Watch Chess は、Chess Bomb やChess 24 と同様に、海外大会の試合をライブで観戦できるアプリです。大会の開催国により、表示される写真が違うのもオシャレだと思いますが、それ以上に素敵な、Watch Chess 独自の機能があります。


こちらはCandidates からの一戦で、昨日のTopalov - Aronian 戦です。Candidates は、世界チャンピオンであるCarlsen への挑戦者を決定する大切な大会で、現在進行中の大会の中でも、最も注目を集めているでしょう。昨夜、序盤で大失敗をしたTopalov は、結局挽回することができず、Aronian の50... Qd5 を見てリザインしました。この棋譜は、公式サイトや24 でも当然見られますが、Watch Chess が優れている点として、棋譜の表示部分を左右にスクロールすることで、盤面の駒を動かすことができるのです!

私は普段、iPhone では24 を主に使い、大会の棋譜をチェックしていますが、ボタンを1回ずつ押さなければ、盤面の駒を動かすことができません。反応が悪い時は、何回もボタンを押してしまい、気になった局面を通り過ぎて、何手もまとめて動いてしまうこともあります。その点、Watch Chess であれば、何度も画面をタップせずに駒を動かせますし、気になる局面でストップすることも簡単です。局面評価が出ていないことや、24 よりも中継されている大会数が少ないことなど、劣っている点はありますが、画面のスクロールで棋譜が進むというのは、それを補って余りある素晴らしい機能だと思います。

気になっる方は是非、Watch Chess をインストールしてみてください。今夜はCandidates はレストデイですので、また明日からここでライブをチェックしてみましょう。

2016/03/07

盤上のポラリス最終話


先日、月刊少年マガジンの最新号、2016年4月号が届きました。川原さんの新連載も目を引きますが、お伝えしたいのは別の話題です。昨年から連載されていたチェスコミック、盤上のポラリスは、この号に掲載されている15話を最終話とし、連載終了となります。すでに前号の時点で連載が終了することは伝えられていましたし、すでに書店やコンビニで月マガ最新刊を購入し、最終話をチェックされた方もいらっしゃるでしょう。


一兵は新たなライバル、八雲青との再戦を制し、ニューヨークでヒロインのひめちゃんと再会するという流れで、物語は幕を閉じます。私も昨年のハワイ大会以降、ポラリスの棋譜や単行本の問題制作、7月のトークイベント、月マガ40周年記念号へのコメント寄稿と、関わりの多い作品でした。そのため、ここで連載が終わってしまうことを寂しく思います。それでも、この作品を通じて多くを学ぶことができ、私にとって成長できる一年でした。若松さん、木口さん、1年以上の連載お疲れ様でした! また次回作にも期待しています。

さて、ポラリスの本編は終了ですが、これから番外編の制作を行い、それを収録した最終第4巻が、5月17日発売となります。最終巻の発売までは、気を抜かずに作品作りに取り組みたいですね。雑誌ではなく単行本派のかたには、もうしばらくお待ちいただき、一兵たちの世界を見守っていただければと思います。

2016/03/05

Weekly Chess Puzzle Vo.21


Misaka, S - Kojima, S
8x8 Carnival 2013(4)
Black to move


Kojima, S (2081) - Kuwata, S (1806)
Master Tournament Class A 2005
White to move

久々にタクティクスとエンドゲームの2問セットです。三阪さんとの試合はシンプルな手ですが、すぐに黒の駒得が決まります。エンドゲームは、思い出深い麻布時代のものを発掘しました。白はh4 のポーンが取れそうですが、取ったうえで確実に勝つためには、多少の工夫が必要です。答えが分かった方は、お気軽にコメント欄にどうぞ。

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