2026/02/28

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.9

ハンガリーの建築や像をモチーフにしたチェスセット。気づくと売り切れてました...

このシリーズもすっかりご無沙汰になってしまいました。時間を見て残していた棋譜解説を書いていこうと思います。第9弾はオリンピアード直前の大会で、ハンガリーのIM Nomin-Erdene とのゲームです。彼女はモンゴルの女子プレーヤーとして有望視されていましたが、私がIMを取る直前の2014年頃にはハンガリーに移住&移籍し、ノームトーナメントを転戦していた記憶があります。近年は調子を落としていますが、GMノームも獲得している女子の強豪選手です。

Kojima, S (IM, JPN, 2299) - Nomin-Erdene, D (IM, HUN, 2319)
XIII. Premium Nemzetkozi Sakkverseny (6)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Bf4 Nb6!?

この手は指されるまで全く知りませんでした。多くのQGDの変化において、b6はナイトが早めにいくマスではありませんが、白がBc1-Bf4を早く決めた際には、Bf8-Bd6でビショップ交換を狙えること、将来的にNb6-Nc8-Nd6のようなマヌーバリングを見込めることから、このタイミングでは悪くなさそうに思えます。

7. e3 Bf5 8. Nh4 Be6 9. Bd3 Bb4 10. Nf3 Ne4 11. O-O!? Bxc3 12. bxc3 Bg4 13. c4?


ここはe4のナイトが不安定になるので早めに仕掛けてみようと考えましたが、もう少し辛抱強く指すほうが良かったでしょう。13. Qc2! Bxf3 14. gxf3 Nd6 15. a4 Qf6 16. Rfb1 という進行であれば、白は開いたキング前もさほど気にせず、クイーンサイドでプレッシャーをかけて戦えそうです。

13... Nxc4 14. Bxe4 dxe4 15. Qa4+ c6 16. Qxc4 exf3 17. Rfb1 Qd7 18. Qb4 b6 19. d5!

ポーンをさらに捨てるリスクを取りましたが、黒キングがキャスリングする前に局面を開いてチャンスを求めます。

19... cxd5 20. e4 d4 21. Rc1 a5 22. Qa3 Ra7 23. gxf3


f3でぶつかっているポーンに手を出すべきかどうかずっと悩んでいましたが、ポーンはポーンだということでこのタイミングで回収しました。2つポーンを捨てている状況では、早めに1つは取り返しておきたいという心理もあったと思います。ここは早さ重視で、23. Rc2 b5 24. Qc5 f6 25. h3 Be6 26. Rd1 d3 27. Rc3 Bc4 28. a4+/= という進め方もあったでしょう。

23... Be6 24. Rc2 b5 25. Qc5 d3 26. Rd2 f6 27. Rc1 Bc4 28. Rxc4?!

ここは上記の変化同様、28. a4! が正確な手でしたが、エクスチェンジを捨て、さらにd3をルークで取った際の黒の対応は難しいのではないかと考えました。

28... bxc4 29. Qxc4 g5?

黒キングの逃げるマスはf7に確保できているので、この手はポーンストラクチャーを弱めてしまううえ、白に主導権を与えてしまいます。29... Rb7! 30. Rxd3 Qb5! 31. Qe6+ Re7=/+ ならば、黒はキングを守り切れています。8段目を弱める手はh8のルークがターゲットになった危ないと考えていましたが、d3のルークに反撃しているのがポイントです。

30. Rxd3 Qb7 31. Rb3 Qa6 32. Rb8+ Ke7 33. Qc5+ Kf7 34. Rxh8+-

h7取りがあるため、白はビショップを取られる心配がありません。マテリアルを挽回し、不安定な黒キングを攻め続けることができるので白勝勢です。

34... Kg7 35. Qf8+ Kg6 36. Rg8+ Kh5 37. Bd6 Qb5 38. Qxf6 Rd7 39. e5 Qb1+ 40. Kg2 h6 41. Qe6 1-0


この試合で勝ったことが、こちらのプレミアム大会で優勝できた大きな要因なので、どこかで紹介する機会を持ちたいと思っていました。今のところ予定はないですが、また次のハンガリーでの試合も楽しみにしています。

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