今日は5か月ぶりに松戸チェスクラブの例会に参加するため、北千住に足を運んできました。2試合とも難しいゲームでしたが、なんとかどちらも勝ち切ることができました。後半のラウンドで指した、東野さんとのゲームをご紹介します。
Queen's Indian d5 Gambit で、黒がポーンを取らないラインは、かつてマレーシアで1試合指したことがあります。その際は13... a5 から、Nd7-Nc5 と進みましたが、この試合では黒はb6-b5 を目指します。いずれにせよ、スペースの広さとcファイルのコントロールにより、白が優勢でゲームを進めることができるでしょう。
スペースの狭い黒は、クイーンの置くマスを工夫します。ここではQd8-b8-Qa7 とクイーンをぶつける作戦で、a8 のルークの活用を図ります。
正直に言えば、Ne5-Ng6 を見落としており、e4 を取られて白の優位は消えてしまうものと最初は考えました。しかし、よくよく読んでみると、2つのポーンとクイーンの交換後、白はアクティブなピースと形の良いポーンストラクチャーを持つことがわかり、それでもアドバンテージがあると考え直しました。もう一つの候補手だったのはクイーンが上がる手ですが、21. Qd4?! Nxf4 22. gxf4 c5! 23. dxc6 Rxc6= と進めば黒は満足でしょう。
ここは駒交換を進めてくると思いましたが、23... Nf6 24. Nc3+/= と進める変化もありそうです。
d4 をブロックし、d5 の孤立ポーンを攻撃できるようにすれば、白は満足なエンドゲームになります。ここからもきっちりと指せたと思っていましたが、一つミスがありました。
ここは難しい手ですが、30. Nc8 から、e7 のマスを狙うのが良かったようです。時間のない中、自信無く指したRd1-Re1 には、黒の上手い返し手があります。
30... Ne8! 31. Rc8 (31. Rc2 Nd3! 32. Ree2 Ne1+ 33. Rxe1 Rxe1 34. Nxd5 Rd8=/+; 31. Ra7 Nc6!-+) 31... Rxc8 32. Nxc8 Nc6= このようにc7 のルークをアタックし、ピースを捌いてしまえば、黒は危機を脱することができました。このワンチャンスを黒が逃したことで、勝負は決まりです。
こうしてd5 を2つ目のナイトでアタックしてしまえば、黒には満足なディフェンスがありません。
一瞬ひやりとしましたが、ナイトフォークでエクスチェンジを取り返せるため、黒マスビショップの攻撃を恐れる必要はありません。
少し迷いましたが、ピースを捌いてa6 が落ちるところまで読めたので、このように単純に進めることにしました。
クイーンサイドに2コネクテッドパスポーンを持つルークエンディングでは、白の勝ちは明らかです。黒番でも試したいオープニングができたので、久々に北千住まで足を運んだ甲斐がありました。また日程があえば、松戸チェスクラブの例会には顔を出したいと思います。
Kojima, S (IM, JPN, 2461) - Higashino, T (JPN, 2013)
Kitasenju (2)
1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. d4 b6 4. g3 Bb7 5. Bg2 Be7 6. O-O O-O 7. d5 exd5 8. Nh4 Re8 9. cxd5 d6 10. Nf5 Bf8 11. Nc3 Nbd7 12. Bg5 h6 13. Bf4 a6!?
Kitasenju (2)
Queen's Indian d5 Gambit で、黒がポーンを取らないラインは、かつてマレーシアで1試合指したことがあります。その際は13... a5 から、Nd7-Nc5 と進みましたが、この試合では黒はb6-b5 を目指します。いずれにせよ、スペースの広さとcファイルのコントロールにより、白が優勢でゲームを進めることができるでしょう。
14. Rc1 b5 15. Qd4 Qb8!?
スペースの狭い黒は、クイーンの置くマスを工夫します。ここではQd8-b8-Qa7 とクイーンをぶつける作戦で、a8 のルークの活用を図ります。
16. Rfe1 Qa7 17. Qd2 Rac8 18. e4 Ne5 19. b3 Qb8 20. h3 Ng6 21. Be3!
正直に言えば、Ne5-Ng6 を見落としており、e4 を取られて白の優位は消えてしまうものと最初は考えました。しかし、よくよく読んでみると、2つのポーンとクイーンの交換後、白はアクティブなピースと形の良いポーンストラクチャーを持つことがわかり、それでもアドバンテージがあると考え直しました。もう一つの候補手だったのはクイーンが上がる手ですが、21. Qd4?! Nxf4 22. gxf4 c5! 23. dxc6 Rxc6= と進めば黒は満足でしょう。
21... b4 22. Na4 Nxe4 23. Qxb4 Bxd5
ここは駒交換を進めてくると思いましたが、23... Nf6 24. Nc3+/= と進める変化もありそうです。
24. Qxb8 Rxb8 25. Rxc7 Nf6 26. Rd1 Bxg2 27. Kxg2 d5 28. Bd4!?
d4 をブロックし、d5 の孤立ポーンを攻撃できるようにすれば、白は満足なエンドゲームになります。ここからもきっちりと指せたと思っていましたが、一つミスがありました。
28... Ne5 29. Nb6 Re6 30. Re1?
ここは難しい手ですが、30. Nc8 から、e7 のマスを狙うのが良かったようです。時間のない中、自信無く指したRd1-Re1 には、黒の上手い返し手があります。
30... Rbe8?
30... Ne8! 31. Rc8 (31. Rc2 Nd3! 32. Ree2 Ne1+ 33. Rxe1 Rxe1 34. Nxd5 Rd8=/+; 31. Ra7 Nc6!-+) 31... Rxc8 32. Nxc8 Nc6= このようにc7 のルークをアタックし、ピースを捌いてしまえば、黒は危機を脱することができました。このワンチャンスを黒が逃したことで、勝負は決まりです。
31. Ne3!+-
こうしてd5 を2つ目のナイトでアタックしてしまえば、黒には満足なディフェンスがありません。
31... Bb4 32. Rd1 Ba5 33. Nbxd5
一瞬ひやりとしましたが、ナイトフォークでエクスチェンジを取り返せるため、黒マスビショップの攻撃を恐れる必要はありません。
33... Nxd5 34. Nxd5 Rd8 35. Rc5!
少し迷いましたが、ピースを捌いてa6 が落ちるところまで読めたので、このように単純に進めることにしました。
35... Nc6 36. Be3 Kh7 37. Rdc1 Re5 38. Rxc6 Rdxd5 39. Rxa6 Bd2 40. Rd1 1-0
クイーンサイドに2コネクテッドパスポーンを持つルークエンディングでは、白の勝ちは明らかです。黒番でも試したいオープニングができたので、久々に北千住まで足を運んだ甲斐がありました。また日程があえば、松戸チェスクラブの例会には顔を出したいと思います。
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