今日、フランスから帰国しました。更新が遅れていた分、最後の2試合の記事をお届けします。GM との連戦を乗り切った翌日はベルギーの若いプレーヤーとの対戦になりました。最後の白ですので、ここで勝って弾みをつけたいところでしたが、思わぬ苦戦を強いられました。
Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Terryn, E (BEL, 2100)
Cappelle la Grande 2020 (8)
1. Nf3 g6 2. d4 Bg7 3. c4 c5 4. g3 cxd4 5. Nxd4 Nc6 6. Nc2 d6 7. Ne3
オンラインで指している際に
7. Bg2 Be6 8. Ne3 Be6 8. Ne3 Qd7 9. Nd5 Rc8 という変化に遭遇し、苦戦した記憶がありました。これを避けるため、
Bf1-Bg2 を遅らせてナイトで先にc4 を守っておきましたが、これもあまり納得できていません。
Ng8-Nf6 が遅い場合には白のキングサイドフィアンケットはやめようかと思っています。
7... Nf6 8. Nc3 Ng4 9. Bg2 Nxe3 10. Bxe3 Bxc3+
このビショップナイト交換は、普段であればポーンストラクチャーを崩されることを気にして避けるのですが、このタイミングでは避けようもなく、ダブルビショップで勝負することを受け入れました。
11. bxc3 Qa5 12. O-O O-O 13. c5
指してから
13. Qb3 などゆっくりやっても良かったかと思いましたが、ダブルポーンを早めに消しておくのも悪くありません。
13... dxc5 14. Qd5 ならば、すぐにポーンをは取りかえせます。
13... Rd8 14. cxd6 Be6 15. Bf4!
ルークですぐにd6 を取りかえされてはつまらないと思い、黒のポーンストラクチャーを乱しておきます。
15... g5 16. Be3 Rxd6 17. Qc1 f6 18. c4?!
d5 のマスを一時的に抑えるつもりでしたが、d4 のマスに利きが無くなることを軽視していました。最も自然に見える
18. Rb1 からゆっくりやって白は悪くないでしょう。
18... Nd4! 19. Bxd4 Rxd4 20. c5?
この2つ目のミスで白のチャンスはほぼ消えました。
20. Bxb7 (先に
20. Qe5 でも同じです。)
20... Rb8 21. Qe3 Qe5 22. Qxe5 fxe5 23. Rab1 (ここで
Bb7-Bd5 がディスカバードアタックになるため、ビショップ、ルークのどちらでもc4 を取れないことを失念していました。)
23... Kf8 24. c5+/= この変化がおそらく最も白にチャンスがあったと思います。
20... Bd5 21. Qe3 Bxg2 22. Qxd4 Bxf1
恥ずかしながら、20手目の時点ではここでエクスチェンジを取りかえされることを見落としていました。
23. Rxf1 Rd8 24. Qc4+ Kf8 25. Rb1 Rd7 26. h4
これでもチャンスを作れないことは分かっていましたが、他に何か手を作る方法も見つけられません。
26... gxh4 27. Qxh4 Qxa2 28. Qe4
28. Qxh7 Qxe2 と進めば、d1 からルーク交換の狙いができるため、それもドローにしかなりません。
28... Qd5 29. Qxh7 Qxc5 30. Qh6+ Kf7 31. Rc1?
31. Qh7+ で当然ドローですが、下相手に勝ちにいこうと無理をしすぎました。相手クイーンの動きを見落とし、ドロー局面を危なくしたのは名古屋での高橋くんの試合と全く同じです。
31... Qf5!
これでh5 でもh7 でもチェックできなくなってしまい、負けを覚悟しました。c8 にルークが入る手もすぐ負けになってしまうため、誤魔化すために必死に考えます。
32. Qe3 a5 33. Rc5 Qb1+ 34. Kg2 a4 35. Ra5 b5 36. Qf3 Rd1 37. Qh5+ Qg6?!
37... Ke6! 38. Rxb5 Qe4+ 39. Qf3 Qxf3+ 40. Kxf3 Rd5 これならば同じb5 を落としたルークエンディングでも、黒のチャンスが残っています。本譜はどうやってもドローですが、一応続けることにします。
38. Qxg6+ Kxg6 39. Rxb5 Rc1 40. Ra5 Ra1 41. Kf3 a3 42. e3 Kf7 43. Ra6 Ra2 44. g4 Ra1 45. Kf4 Ra2 46. f3 Ra1 47. Kf5 a2 48. Ke4 Ke8 49. f4 Kf7 50. Kf5 Re1 51. Rxa2 Rxe3 52. Ra7 Re1 53. Rb7 1/2-1/2
勝てなかったのは悔しいですが、途中は負けてもなんらおかしくない局面でしたので、その点ではラッキーでした。これで4勝1敗3ドローとなり、翌日の最終戦を迎えることになります。最後、オランダのプレーヤーとのゲーム紹介は、また翌日の更新にさせていただきます。
R1 Nilssen, E (WFM, DEN, 2065) - Kojima, S (IM, JPN, 2397) 1/2-1/2
R2 Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Cappon, J (FRA, 2087) 1-0
R3 Primel, D (FRA, 1893) - Kojima, S (IM, JPN, 2397) 0-1
R4 Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Dimtrov, R (GM, BUL, 2519) 1/2-1/2
R5 Mallevaey, A (FRA, 1714) - Kojima, S (IM, JPN, 2397) 0-1
R6 Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Sadikhov, U (GM, AZE, 2496) 1-0
R7 Martinez Alcantara, J (GM, AZE, 2617) - Kojima, S (IM, JPN, 2397) 1-0
R8 Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Terryn, E (BEL, 2100) 1/2-1/2
R9 Meurs, T (NED, 2249) - Kojima, S (IM, JPN, 2397)