チェンナイオリンピアードは早くも3試合目を迎えました。この日はオープンがサウジアラビア、女子がアイルランドとの対戦です。サウジアラビアは全員が2000を少し切るくらいのレイティングですので、しっかりと各ボードでポイントを取り、マッチに勝ちたい相手でした。
Alharthi, A (KSA, 1935) - Kojima, S (IM, JPN, 2346)
Chennai Olympiad (3)
1. d4 d5 2. Bf4 Nf6 3. e3 e6 4. c3 c5 5. Nd2 Bd6 6. Bg3 O-O 7. Ngf3 Qc7 8. Bd3
London System に対してはJapan CHess Classic でのTuさんとの試合同様、Qd8-Qc7 のセットアップを採用します。その試合では8. Ne5 Nc6 9. f4 Ne7 10. Bd3 Nf5 と組み替えました。中盤でミスが出て敗れはしたものの、序盤は満足です。Chennai Olympiad (3)
8... Nbd7 9. O-O Bxg3 10. hxg3 e5!
ここでe6-e6 と突きなおすのがこのラインのポイントで、黒は白マスビショップの利きを開き、満足なポジションを迎えます。
11. e4 dxe4 12. Nxe4 Nxe4 13. Bxe4 Nf6 14. Bc2 exd4! 15. cxd4 Rd8
私が事前に見ていたゲームは14. Qc2 でビショップを諦めるゲームでしたが、それでも黒は不満がありません。本譜はd4 にプレッシャーをかける展開に持ち込もうとしましたが、次の相手の手を見て作戦を変えます。16. Qc1?! c4!
クイーンがcファイルにくる不自然な手を見て、cポーンを押し込み、クイーンサイドのポーンマジョリティで勝負することにしました。本譜に替えて、16. Rc1 のほうが良かったと思います。
17. Bd3 Be6 18. b3 b5 19. bxc4 bxc4 20. Qc2 Qa5!
孤立とは言えパスポーンができたので、次のステップとしてこれをどう進めるかを考えます。クイーンをピンになってるcファイルから外し、c3 のマスを抑えられるようにしておきます。21. Be2 Rac8 22. Rac1 c3 23. Bd3 g6 24. Ra1 Rb8
試合後にMisha から24... Bg4 はどうかと指摘されました。確かにこれでd4 を取りにいくのも良さそうです。
25. Qc1 Kg7 26. Bc2 Rb2 27. Bb3 Bd5 28. Ne5 Rc8 29. Nd3 Rd2 30. Rd1 Re8!
ここでルークをeファイルに振るのが好手で、e2 へのルークの跳びこみを見せておきます。31. Nf4 Bxb3 32. axb3 Qb4
32... Rxd1+ 33. Qxd1 c2! 34. Qc1 Qc3-+ と跳びこんでも白はほとんどの駒が動けず、黒が勝勢でした。
33. Nd3 Qxd4 34. Rxd2 cxd2 35. Qb1 Rc8 36. Ra4 Rc1+ 37. Kh2 Rxb1 0-1
最後はシンプルにクイーンを取って終わらせましたが、37... d1=Q 38. Qxc1 Ng4+ 39. Kh3 Nxf2+ 40. Kh2 Qh5+ 41. Kg1 Qh1# というメイトもありました。Open R3 Japan - Saudi Arabia 3-1
Tran, Thanh Tu (CM, JPN, 2376) - Al Mutairi, Abdullah F (KSA, 1916) 1-0
Kojima, Shinya (IM, JPN, 2346) - Alharthi, Ahmed Mohammed A (KSA, 1935) 1-0
Averbukh, AlexC (CM, JPN, 2155) - Alzamil, Abdulaziz (KSA, 1871) 1-0
Kobayashi, Atsuhiko (JPN, 2156) - Alrehaili, Ahmed Abdullah S (KSA, 1986) 0-1
Women R3 Japan - Ireland 0.5-3.5
Sakai, Azumi (WCM, JPN, 1759) - Kanyamarala, Trisha (WIM, IRL, 2270) 1/2-1/2
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1782) - Putar, Lara (IRL, 1969) 0-1
Misawa, Yuki (JPN, 1587) - Mirza, Diana (WFM, IRL, 1898) 0-1
Mitsuyama, Rikka (JPN, 1157) - Ni Mhuireagain, Eibhia (IRL, 1638) 0-1
Tran, Thanh Tu (CM, JPN, 2376) - Al Mutairi, Abdullah F (KSA, 1916) 1-0
Kojima, Shinya (IM, JPN, 2346) - Alharthi, Ahmed Mohammed A (KSA, 1935) 1-0
Averbukh, AlexC (CM, JPN, 2155) - Alzamil, Abdulaziz (KSA, 1871) 1-0
Kobayashi, Atsuhiko (JPN, 2156) - Alrehaili, Ahmed Abdullah S (KSA, 1986) 0-1
Women R3 Japan - Ireland 0.5-3.5
Sakai, Azumi (WCM, JPN, 1759) - Kanyamarala, Trisha (WIM, IRL, 2270) 1/2-1/2
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1782) - Putar, Lara (IRL, 1969) 0-1
Misawa, Yuki (JPN, 1587) - Mirza, Diana (WFM, IRL, 1898) 0-1
Mitsuyama, Rikka (JPN, 1157) - Ni Mhuireagain, Eibhia (IRL, 1638) 0-1
オープンチームは前日金星を挙げた小林くんは残念ながら負けてしまいましたが、他の3つのボードで勝って3-1となっています。6年前にも3-1で破ったサウジアラビアでしたが、こうした勝つべきマッチをしっかり勝ち切ることが大切です。
女子チームはアイルランド相手に坂井さんがドローを取るのみで、0.5-3.5でアイルランドに敗れました。相手はどのボードも強かったと思います。気を取り直して次の試合に向かってもらいたいですね。
次はオープンがパラグアイ、女子が台湾との対戦です。パラグアイはGMが3人いる強豪国で、優勝候補のアメリカに2.5-1.5の僅差で敗れています。私もGM との試合が確定していますので、またしっかりと準備をしてゲームに臨みたいと思います。一方で女子は少し下の相手である台湾が相手ですので、ここを勝ってまた上がってくることを期待します。
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