試合会場の入り口付近では、有名な選手を一目見たり、一緒に写真を撮ろうとする地元のチェスファンが、カメラを片手に大勢並んでいます。この日は「Giriだ!」という声が上がり、オランダのAnish Giri を追いかけるファンが複数いました。ちなみにGiri はダッシュで逃げていました。有名選手は試合前から大変です。
私がブログ更新のタイミングを間違えたことと、休憩日の昨日は私が特に出かけなかったため、今日は遅れていた6R の記事をお届けします。この日のオープンチームは、南米ウルグアイとの対戦になりました。ウルグアイはGM Georg Meier がドイツから移籍してきたことで、大幅にパワーアップしています。
Modern Defence は予想の範囲内でしたが、Ng8-Nf6 が早いPirc への変化は予想外でした。ここは5. h3 がメインの準備でしたが、細かい変化を覚えていなかったので早速違うセットアップにしてみます。
8. h4 からh4-h5 の押し込みをメインに考えるのもありえそうです。私はh5 にナイトを跳ばし、センターポーンの形を決めさせることにしました。
この試合はお互いに序盤の10手ほどでかなり時間を使いました。私はクイーン交換を受け入れるつもりでキャスリングをしましたが、Misha からはh2-h4 で黒のピースを抑え込んだままにしたほうが良いと指摘されました。13. h4 hxg5 14. hxg5 Rxh1+ 15. Nxh1 Be7 16. d5! とかわせば、g5 のポーンは残り黒は多少窮屈な状態が続きます。
このポーンストラクチャーの固定の仕方は致命的に悪いわけではないのですが、b2ポーンの身動きが取れなくなってしまうため、もう少し違った形にすべきか別の機会に時間を取って考えるつもりです。
この手を軽視しており、失敗したと感じました。白はb2 のポーンを守り切ることができません。このポーンを捨ててドローを目指す最善策を探しましたが、肝心なところで間違えてしまいました。
b2 を取らせた後で、ナイトを簡単に生還させないという基本的な方針はあっていましたが、自身のキングがどこに行くべきかという判断を間違えました。30. Rxd8! Kxd8 31. Bd1! Nxb2 32. Bc2! Ke7 33. Kd4!= 私はキングがc1 を目指してナイトを狙いにいくべきだと思っていましたが、本譜のビショップをぶつける手があるため、そのアイディアは働きません。代わりに黒キングを8段目に下げさせたうえで、どんどん白キングが上がれば、黒のクイーンサイドのポーンを狙うチャンスもあり、十分にドローにできました。
上記の通り、キングが上がるべきでした。ナイトを低い位置から攻撃することにこだわらず、33. Kd4! とすれば白は問題ありません。
ナイトを追う手もf5 を守られてしまい、意味がありません。41. Ke2 Kd6 42. Kf2 Nh4-+ さらにナイトを追うとb5-b4 でブレイクされてしまいます。
ウルグアイからはTuさん、小林くんがドローを取りましたが、残り2人が敗れてマッチは1-3でした。女子はフィジーを相手に上位ボード2つが勝ち、下位ボード2つが負けて2-2の引き分けになっています。後半戦最初となる次のマッチでは、チームとしての勝ちをオープン、女子ともにもぎ取りたいですね。
7R のペアリングはオープンが12年ぶりの対戦となるネパール、女子がエチオピアです。この組み合わせであればどちらも勝ちたい相手ですが、勝負はやってみなければ分かりません。頑張ってきます!
私がブログ更新のタイミングを間違えたことと、休憩日の昨日は私が特に出かけなかったため、今日は遅れていた6R の記事をお届けします。この日のオープンチームは、南米ウルグアイとの対戦になりました。ウルグアイはGM Georg Meier がドイツから移籍してきたことで、大幅にパワーアップしています。
Kojima, S (IM, JPN, 2346) - Diaz Hollemaert, N (IM, URU, 2425)
Chennai Olympiad (6)
1. e4 g6 2. d4 d6 3. Nc3 a6 4. Be3 Nf6 5. f3
Modern Defence は予想の範囲内でしたが、Ng8-Nf6 が早いPirc への変化は予想外でした。ここは5. h3 がメインの準備でしたが、細かい変化を覚えていなかったので早速違うセットアップにしてみます。Chennai Olympiad (6)
5... b5 6. Qd2 Nbd7 7. g4 Bb7 8. g5!?
8. h4 からh4-h5 の押し込みをメインに考えるのもありえそうです。私はh5 にナイトを跳ばし、センターポーンの形を決めさせることにしました。
8... Nh5 9. Nge2 e5 10. Ng3 Nf4 11. Nce2
11. Bxf4?! exf4 12. Qxf4 h6! は手痛い反撃を食らいます。11... Nxe2 12. Bxe2 h6!? 13. O-O-O?!
この試合はお互いに序盤の10手ほどでかなり時間を使いました。私はクイーン交換を受け入れるつもりでキャスリングをしましたが、Misha からはh2-h4 で黒のピースを抑え込んだままにしたほうが良いと指摘されました。13. h4 hxg5 14. hxg5 Rxh1+ 15. Nxh1 Be7 16. d5! とかわせば、g5 のポーンは残り黒は多少窮屈な状態が続きます。
13... hxg5 14. dxe5 Nxe5 15. Bxg5 Qxg5 16. Qxg5 Bh6 17. h4 Bxg5+ 18. hxg5 Ke7
クイーンが消えて一気にエンドゲームに突入します。この局面は互角ですが、この先のプレーは相手が一枚上手だと思わされる手がいくつかありました。19. Kd2 d5 20. Ke3 Rxh1 21. Rxh1 c5 22. exd5 Bxd5 23. a3 Rc8 24. Rh4 c4 25. c3
このポーンストラクチャーの固定の仕方は致命的に悪いわけではないのですが、b2ポーンの身動きが取れなくなってしまうため、もう少し違った形にすべきか別の機会に時間を取って考えるつもりです。
25... Nd7 26. Rd4 Nb6 27. Ne4 Be6 28. Nf6?!
d5 のマスを抑えつつ、キングへのけん制にもなると思ってナイトをこの安定したマスに置きましたが、ナイトがf6 で働くのはもう少し違った形でした。ここは28. Rd6! Rb8 29. Rd2= くらいで互角です。28... Na4 29. Rd2 Rd8
この手を軽視しており、失敗したと感じました。白はb2 のポーンを守り切ることができません。このポーンを捨ててドローを目指す最善策を探しましたが、肝心なところで間違えてしまいました。
30. Bd1?
b2 を取らせた後で、ナイトを簡単に生還させないという基本的な方針はあっていましたが、自身のキングがどこに行くべきかという判断を間違えました。30. Rxd8! Kxd8 31. Bd1! Nxb2 32. Bc2! Ke7 33. Kd4!= 私はキングがc1 を目指してナイトを狙いにいくべきだと思っていましたが、本譜のビショップをぶつける手があるため、そのアイディアは働きません。代わりに黒キングを8段目に下げさせたうえで、どんどん白キングが上がれば、黒のクイーンサイドのポーンを狙うチャンスもあり、十分にドローにできました。
30... Nxb2?!
しかし、相手も時間がギリギリでキングの正しいマスを見失います。30... Rxd2 31. Kxd2 Nxb2 32. Bc2 Bf5! ならば白キングを下げさせたことで得になり、上記と異なる変化になります。31. Rxd8! Kxd8 32. Bc2 Ke7 33. Kd2?
上記の通り、キングが上がるべきでした。ナイトを低い位置から攻撃することにこだわらず、33. Kd4! とすれば白は問題ありません。
33... Bf5! 34. Bxf5 gxf5 35. Ke3 Nd3 36. f4 Ne1 37. Kd2 Nd3 38. Nh5 a5 39. Ke3 Ne1 40. Kd2?
ここで再度、d2 がキングにとって良くない位置であることを見抜けなかったため、私の負けが決まりました。ちょうど時間の増える魔の40手目です。c2 でのフォークを避け、a3 を取らせないようにするにはこの手しかないと思っていましたが、a3 を捨てても早くキングサイドを捌くことがドローのカギでした。40. Ng7 Nc2+ (40... Ng2+ 41. Kd4! Nxf4 42. Nxf5+ Ke6 43. Ng3 Nd5 44. Ne4 Nc7 45. Ng3=) 41. Kd2 Nxa3 42. Nxf5+ Kd7 43. Ne3 b4 44. cxb4 axb4 45. Kc1 Ke8 46. Nd5 b3 47. Kb2 Nb5 48. f5= 黒のキングサイドのパスポーンは強そうに見えますが、落ちずに前進させる方法がありません。40... Ng2! 41. Ng7
ナイトを追う手もf5 を守られてしまい、意味がありません。41. Ke2 Kd6 42. Kf2 Nh4-+ さらにナイトを追うとb5-b4 でブレイクされてしまいます。
41... Nxf4 42. Nxf5+ Ke6 43. Nd4+ Kd5 44. Nxb5 Ne6 45. Ke3 Nxg5 46. Kf4 Ne6+ 47. Kf5 Kc5 48. Na7 Nc7 0-1
白を多く持たせてもらっているにもかかわらず、こうして負けてしまいチームメイトには申し訳ないです。次の黒番で挽回したいと思います。Open R6 Uruguay - Japan 3-1
Meier, Georg (GM, URU, 2613) - Tran, Thanh Tu (CM, JPN, 2376) 1/2-1/2
Diaz Hollemaert, Nahuel (IM, URU, 2425) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2346) 1-0
Vazquez, Facundo (FM, URU, 2336) - Averbukh, Alex (CM, JPN, 2155) 1-0
Roselli Mailhe, Bernardo (IM, URU, 2413) - Kobayashi, Atsuhiko (JPN, 2156) 1/2-1/2
Women R6 Japan - Fiji 2-2
Sakai, Azumi (WCM, JPN, 1759) - Lyons, Kieran (WFM, FIJ, 1767) 1-0
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1782) - Sewak, Aarti (FIJ, 1412) 1-0
Misawa, Yuki (JPN, 1587) - Terubea, Cydel (FIJ, 1450) 0-1
Arai, Yuki (JPN, 1495) - Prasad, Tanvi (FIJ, 1165) 0-1
Meier, Georg (GM, URU, 2613) - Tran, Thanh Tu (CM, JPN, 2376) 1/2-1/2
Diaz Hollemaert, Nahuel (IM, URU, 2425) - Kojima, Shinya (IM, JPN, 2346) 1-0
Vazquez, Facundo (FM, URU, 2336) - Averbukh, Alex (CM, JPN, 2155) 1-0
Roselli Mailhe, Bernardo (IM, URU, 2413) - Kobayashi, Atsuhiko (JPN, 2156) 1/2-1/2
Women R6 Japan - Fiji 2-2
Sakai, Azumi (WCM, JPN, 1759) - Lyons, Kieran (WFM, FIJ, 1767) 1-0
Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1782) - Sewak, Aarti (FIJ, 1412) 1-0
Misawa, Yuki (JPN, 1587) - Terubea, Cydel (FIJ, 1450) 0-1
Arai, Yuki (JPN, 1495) - Prasad, Tanvi (FIJ, 1165) 0-1
ウルグアイからはTuさん、小林くんがドローを取りましたが、残り2人が敗れてマッチは1-3でした。女子はフィジーを相手に上位ボード2つが勝ち、下位ボード2つが負けて2-2の引き分けになっています。後半戦最初となる次のマッチでは、チームとしての勝ちをオープン、女子ともにもぎ取りたいですね。
7R のペアリングはオープンが12年ぶりの対戦となるネパール、女子がエチオピアです。この組み合わせであればどちらも勝ちたい相手ですが、勝負はやってみなければ分かりません。頑張ってきます!
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