昨晩、ウルグアイのGM と幸運なことにオンラインで試合をすることができたので、今日はそちらのゲームを紹介しようと思います。ウルグアイのGM Alejandro Hoffman はウルグアイの代表として、昨年のチェンナイオリンピアードにも参加しています。
AHoffman (2544) - imsk (2511)
Lichess Blitz
1. d4 d5 2. c4 c6 3. e3 Nf6 4. Nc3 Bf5!?
Slav Defence に対しての白のセットアップは3手目、4手目の組み合わせがポイントとなります。e2-e3, Nb1-Nc3 はSemi-Slav Meran に持ち込みやすく、白側の準備が少なくてすむと長年考えられてきましたが、近年はこのBc8-Bf5 からb7 を捨てる変化が注目されています。 Lichess Blitz
5. cxd5 cxd5 6. Qb3 Nc6!
黒はb7 を捨て展開の早さで勝負します。私はBoris Avrukh のThe Classical Slav (Grandmaster Repertoire) でこの変化の基本を学びましたが、実戦投入はためらっていました。しかし、最近学び直して黒側で試してみようという気になったので、せっかくのGM戦で指してみることにします。
7. Qxb7 Bd7 8. Qb3 Rb8 9. Qd1 e5
白がポーンを取ったクイーンを安全な初期位置まで逃がす間に、黒はbファイルをコントロールしてb2 を攻撃し、d5 の弱さを気にせずセンターを大胆に開きます。この変化がAvrukh の本ではGlasgow Kiss Variation という名で紹介されています。10. dxe5 Nxe5 11. Be2 Bd6 12. Nf3 Nxf3+ 13. Bxf3 Qc7 14. h3 O-O 15. O-O Rfd8 16. Nxd5!?
黒がBd7-Be6 と組み直してd5 を守る前にポーンを取りにいきますが、これには黒に少し気づきづらい返し技があります。
16... Nxd5 17. Bxd5 Bb5! 18. e4 Bxf1 19. Qxf1 Kh8!?
黒は2つ目のポーンを捨てる代わりにエクスチェンジを取ります。18. Re1?! Bb4 でも黒はしつこくルークを追いかけます。黒の19手目はf7-f5 の準備で、e4 を崩すことでd5 のビショップを不安定にする狙いがあります。20. b3 f5 21. Bg5 Rf8 22. Rc1 Qa5 23. Qe2 Rbe8?!
ここは指した直後に、単にe4 を取ったほうが良かったと感じました。23... fxe4 24. Qxe4? Rbe8! 25. Qd3 Re1+ 26. Rxe1 Qxe1+ 27. Qf1 Bh2+-+ ならばクイーンを落として黒の勝ちです。
24. Bc6 Re6 25. Qc4?!
黒のキングサイドアタックチャンスを過小したこの手で白は崩れました。白は25. Qd2 からクイーン交換をして黒のダイレクトアタックチャンスを削り、ビショップペアを持つエンドゲームを戦うべきです。25... Rg6 26. Be3 f4 27. Bd4 f3 28. g4?
28. g3 Bxg3 29. fxg3 Rxg3+ 30. Kf1 Qd2 31. Bf2 Rxh3-+ もメイトまで一直線です。28. e5 が白が生き延びる唯一の手でしたがが、g2 もe5 も捨てれば黒の駒得での優位は明らかです。
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