2023/12/19

Christmas Chess Party 2023 Tournament Report

12/17に大井町で開催されたクリスマスチェスパーティーに参加してきました。ジャパンオープンで年内の公式戦は全て終わりだと思っていましたが、予定を上手く調整でき、参加を決めました。この時期の国内大会は毎年開催されていますが、海外での試合に参加していた年も多く、参加は15年ぶりだったようです。久々のクリスマス大会はオープンとU1400の2セクションに分けられ、計77名と盛況でした。今日は初戦の黒田くんとの試合をご紹介します。

Kojima, S - Kuroda, Y
Christmas Chess Party 2023 (1)

1. c4 e5 2. g3 Nf6 3. Bg2 c6 4. Nf3 e4 5. Nd4 d5 6. cxd5 Qb6 7. Nb3 a5 8. d3 a4 9. N3d2 exd3 10. O-O cxd5 11. exd3 Nc6 12. Nc3 Qa5 13. Re1+ Be7 14. b4!

1.c4はまだ慣れておらず、うろ覚えの変化も多いです。この手はなんとか覚えていたポーンサクリファイスで、黒がどう対処しても白が有利になります。

14... Nxb4?


ナイトで取る手は白勝勢まで研究されています。アンパッサンするかクイーンで取るかの二択でしょう。14... axb3 15. Bb2! Qd8 16. Nxb3 O-O 17. Nb5+/=, 14... Qxb4 15. Nxd5 Nxd5 16. Bxd5+/= 後者の変化ではd3に孤立ポーンを残しますが、d5を消すことでc4,e4の2マスを奪い、Nd2-Nc4,Nd2-Ne4,Bd5-Be4などの楽しみがあります。

15. Rxe7+! Kxe7 16. Ba3 Kd8 17. Rb1!?

エクスチェンジを捨てて黒キングのポジションを危うくするのがポイントです。その後、クイーンで当てる手を忘れていましたが、ルークもさほど悪くはありません。研究していた正確な手は17. Qb1! Nc6 18. Nxd5 Nxd5 19. Nc4+- でした。本譜と似ていますが、Nd5-Nc3の跳びこみにQb1-Qb2とかわす手があり、確実にナイトを取り返せるのがポイントです。

17... Nc6 18. Nxd5?


上記の変化が頭にあり、d5でのサクリファイスが成立していると勘違いしてしまいました。d1にクイーンが残っていると黒から返し技があり、難しい局面になってしまいます。白がアドバンテージを保てる安全な手はNc3-Nb5とかわし、d6へのナイトの侵入を見せるアイディアです。18. Nb5! Re8 19. Nf3+- 落ち着いてピースの位置を改善していけば黒はb7,b6の弱点のカバーや、キングの安全の確保が難しく、白がエクスチェンジの代償を十分に持ってプレーできました。

18... Nxd5 19. Nc4 Nc3! 20. Qe1!

20. Qc2 Nd4!-+ があることを失念しており、時間ギリギリまで考えて本譜の手を見つけました。

20... Re8 21. Be4! Qh5?


クイーンがいよいよ逃げる手は自然に思えますが、c3でナイトを返してもらえれば白は危ないポイントがなく、Nc4-Nd6を中心とした手で黒キングに迫るアイディアが分かりやすく、白勝勢です。黒はクイーンをa5で捨てるつもりで手を探さなくてはいけません。21... Nxb1!? 22. Nxa5 Nxa3 23. Nxc6+ bxc6 24. Qc1 Rxe4! (検討ではこの手を見落としました) 25. dxe4 Nb5 26. Qxc6 Nc7 27. Qd6+ Bd7 28. Qf8+ Ne8 29. Qxf7+/= コンピュータはやや白良し評価ですが、実際に指してみるとどう転ぶか分からないでしょう。しかし、これよりも黒は堅実な変化があります。

21... Nd4! 22. Nxa5 Rxe4! (22... Nf3+? 23. Bxf3 Rxe1+ 24. Rxe1 Rxa5 25. Be7+! (25. Bb4 Rf5 26. Bg4 Rb5 27. Bxc3 Bxg4 28. Bxg7 Be6=) 25... Kc7 26. Rc1+-) 23. Qxe4 Nxe4 24. dxe4 Ne2+! 25. Kf1 Nxg3+ 26. hxg3 Rxa5= Nc3-Ne2+-Nxg3+がポイントで、黒がクイーンを取り返したうえで1ポーンアップになります。とは言え、白はBa3-Bb4,a2-a3くらいで黒マスを固めてドローに持ち込めるでしょう。

22. Qxc3 Ra6 23. Nd6 Re6 24. Qxg7+-

まだ黒はエクスチェンジアップですが、ルークのポジションが悪くピースをまとめるのが難しい状況です。白はこのまま危険な黒キングに迫って勝てるでしょう。

24... Kc7 25. Nb5+ Kb8 26. Bd6+ Rxd6 27. Nxd6 1-0


2試合目までは良かったのですが、その後のラウンドでポイントを落とし、優勝争いから後退してしまいました。3勝1敗1ドローという不満の残る戦績でしたが、初戦の黒田くんとの試合を始め、指してみたいいくつかの変化を実戦で試せたのは良かったです。年明けすぐの東海オープンでは、優勝を狙えるよう頑張りたいと思います。またプレーヤーの皆さん、運営の皆さん、今年も多くの大会でお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
大会後の抽選会ではアジア大会のスタンドピンバッジをいただきました。代表として参加した私がゲットして良いものなのか少し悩みましたが、一応遠慮して最後の最後にくじを引いたのでお許しください。

2023/12/08

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第26回予告

12月のYouTubeでの講座告知です。今月の講座は今週末、12/10 20時からスタートです。

12月のYouTubeの講座テーマは『Strategic Point of View』です。チェスの解説を英語で読んでいると、しばしばこのStrategic Point of View、戦略的観点という言葉が出てきます。私のこれまでの講座でも、戦略的な局面の見方と判断は多くご紹介してきました。今回の講座では今年の総集編として、あらためてチェスにおける戦略的とはどういうことかを考えていこうと思います。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第26回『Strategic Point of View』|2023.12.10

2023/12/07

有田セラミック・チェス大会2023 - 佐賀編 - Vol.2

有田のチェス大会についての最後の記事となります。今回の大会は非公式戦でかなりカジュアルです。基本は15分+10秒、4Rのスイス式ですが、なるべく同じチェスクラブ、所属を当てないように調整します。ボード番号も決まっておらず、対戦相手との相談でどこの有田焼のチェスピースを使うかを決めます。参加者は佐賀、福岡、熊本、長崎の九州4県と東京からで計18名でした。私は長崎の東さん、福岡の樋口さんに勝って、次は熊本の中山さんとの対戦となります。中山さんとは6年前に福岡で一度試合をしています。

Kojima, S - Nakayama, R
Arita Ceramic Chess Tournament (3)

1. c4 Nf6 2. g3 g6 3. Bg2 Bg7 4. Nc3 d6 5. d4 c6 6. h3 O-O 7. Nf3 c5?!

私のh2-h3を見てc6-c5の突き直しを決めたそうですが、特に白の手は無駄にならず、黒の1手損である感は否めません。初戦もKing's Indianで、7...Nbd7 8.0-0 e5 9. e4 というスタンダードな進行でした。

8. d5 Na6 9. O-O Nc7 10. e4 a6 11. a4 Rb8 12. a5 b5 13. axb6 Rxb6


黒はe7-e6をしてこなかったのでBenoni Defenceとは違いますが、クイーンサイドでの互いのアクションはBenoniでよく見られるものです。黒はbファイルを開いてb2にプレッシャーを作りますが、代わりにaポーンを弱点にしています。

14. Re1

最も自然だと思える手でe4-e5を狙いますが、コンピュータは面白いアイディアを示しました。14. Nd2! Bd7 15. Nb3!+- 白の狙いはNb3-Na5-Nc6の跳びこみで、黒のbポーンが消えたことでa5がアウトポストになったことを利用しています。黒はビショップでc6のマスを受けますが、c6をずっと気にして窮屈な状況が続けば黒は厳しいでしょう。

14... Nd7 15. Qc2 Ne5 16. Nd2 f5


f2-f4の際にd7にナイトが戻るようでは面白くないので、f7にナイトの退くマスを作りますが、キングの周辺やe6のマスを弱める欠点があります。代わりに16... g5!?は面白い手で、f2-f4を牽制しつつ、g6にナイトを退けるマスを作ります。

17. f4 Nf7 18. Nf3 fxe4 19. Nxe4 Nh6?

これは決定的なミスだったのではないかと思います。しかし、代わりに満足なアイディアも見つけられません。e7-e6からブレイクを仕掛け、ナイトをd4に向かうプランはゲーム中に気にしましたが、白もd5を使えるため依然として大きく優勢です。19... e6 20. dxe6 Nxe6 21. Nc3 Nd4 22. Nxd4 Bxd4+ 23. Kh2+/-

20. g4! Bd7 21. Ra2!?


少し奇妙な手ではありますが、c1のビショップを展開した際にb2が取られないようにしなければいけません。この手を挟まずに本譜同様にg5にナイトを跳ばせても良かったと思います。

21... Qb8 22. Neg5! Re8 23. Nxh7!

g5にナイトを置く手が強力で、eファイルを開いてe7を取る狙いを作ると同時に、このキングに迫る決定的なタクティクスを準備していました。

23... Kxh7 24. Ng5+ 1-0


ここで黒の時間が落ちましたが、24... Kg8 25. Qxg6の後、黒のディフェンスは厳しいでしょう。白はBc1-Bd2-Bc3, Bg2-Be4 など複数の狙いがあり、全てを受けきることは黒はできません。g6からクイーンを追い出すアイディアがないことも苦しい要因ですね。

最終戦は同じ東京から参加した古瀬くんに勝ち、2年連続での全勝優勝を決めました。今年も色とりどりの有田焼のチェスピースでチェスを楽しませていただき、佐賀まで足を運んだ甲斐がありました。参加された皆さん、お疲れ様でした。運営を行った伊万里チェスクラブの皆さんにも心より感謝いたします。こうした非公式の地方大会も、盛況が続いていくことを願っています。
こちらのショーケースに入れられた有田焼のチェスピースは、試合では使わなかった展示用です。九州陶磁文化会館に常設されるようになったのかと思いましたが、そうではなく大会1週間前からイベントのプロモーション用に置かせてもらっていたそうです。一般のお客さんの中にも「チェスやってる」と興味を示してくださったかたがいました。
昼食をいただいた2階のカフェにあった有田焼の箸置きや小皿です。昨年は新型コロナの影響で一時閉鎖していたため、今年初めて利用しました。開通したばかりの九州新幹線の他、紅葉やカボチャがありました。個人的にはウチワエビ(おそらく)がいて、ポイント高いです。
大会終了後は車で送っていただき、アリタセラで開催中だったフィンランドフェアに顔を出してきました。このマシュマロツリーの裏では、フィンランドから来た本場のサンタクロースと記念撮影ができるイベントが行われていました。私も撮りたかったですが、事前に配布された整理券がないと列に並べず、断念しました。
日曜日の宿は博多に取っていたため、行きと同じリレーかもめで名残惜しく有田を後にします。こちらはJR同様有田駅を通る松浦鉄道の電車で、有田と並び焼き物で有名な伊万里や、日本最西端のたびら平戸口駅などを通り、のんびりと長崎県の佐世保駅に向かいます。来年以降、私も乗ってみたいです。
博多での夕飯は天ぷらをいただきました。博多と言えば、ラーメンやもつ鍋、鉄なべ餃子などがよく知られていると思いますが、天ぷらも良い店が多いと思います。この日はキャナルシティにある博多天ぷら たかおにお邪魔しました。まとめて天ぷらが出るのではなく、何品かずつ揚げたてを運んでくれるのが嬉しいですね。夜でも安く、利用しやすい店だと思います。かなり気に入ったので、東京、神奈川の店舗にも今後足を運んでみるつもりです。

2023/12/05

有田セラミック・チェス大会2023 - 佐賀編 - Vol.1

有田のチェス大会は鹿児島編と佐賀編に分けてお送りしますが、佐賀編は長くなりそうなのでさらに分割します。今回は棋譜解説の直前までの前半です。月が替わった12/1(月)に名残惜しみつつ鹿児島を去り、まずは博多行きのバスに乗ります。博多で昼食とデザートを食べた後は、2日間滞在することを決めた佐賀県の鳥栖にJRで向かいました。鳥栖は博多から電車で一本のアクセスの良い場所にあり、大会当日の朝に無理なく有田まで移動できることが魅力でした。もちろん博多滞在でも良かったのですが、2年連続で佐賀県の大会に参加しておきながら、佐賀県に1泊もしないのはどうなのかと思ったのです。本当は佐賀県内であれば唐津も行ってみたかったのですが、有田へのアクセスの面で断念しました。
鳥栖に滞在した2日間はほとんど仕事ばかりでした。夕方から夜にかけて久留米に出ましたがそちらは割愛します。佐賀県内での活動は日曜日の早朝から。6時前に起きて早い時間のリレーかもめで武雄温泉に向かいます。武雄温泉は昨年の九州遠征の際に知った場所で、2022年の九州新幹線開通とともに新幹線駅になりました。事前に武雄温泉で朝から入れる温泉を探してそちらを目指します。ちなみに上の写真は実際に乗ったリレーかもめですが、反対側のホームには新幹線のかもめが停車中で、ダブルかもめ停留状態でした。
武雄温泉は新幹線も止まり、立派な駅舎ですが驚く勿れ、IC乗車券が使えませんでした...指宿でもそうでしたが、現金で清算をした後、清算済みの証明書を駅員から受け取り、別の駅でIC乗車券の乗車記録を消してもらうことになります。この武雄温泉駅から中心となる温泉地までは徒歩10分ほどです。
駅からしばらく歩いてたどり着くのが、こちらの武雄温泉楼門です。この先に目指していた元湯、蓬莱湯などがあります。
チケット売り場です。こちらを見てわかる通り、温度設定が高い! 元湯のあつ湯は45度近くあり、ぬる湯でも他の温泉のあつ湯かそれ以上ありそうです。今回は明治9年から続いており、現存する温泉施設としては日本最古だという元湯を選ぶことにしました。値段は元湯、蓬莱湯ともに500円、6時半から入浴可能です。
料金を払って靴を脱いで上がると、旅館の大浴場か銭湯の入り口を思わせるような雰囲気です。男湯のれんの先は脱衣所なので写真はここまで。元湯はシンプルな作りであつ湯とぬる湯の2つの浴槽に、洗い場のみ。多くの大浴場で見られるようになったサウナ、水風呂などはありません。「浴室は天井が吹き抜けになっており、外気が入るので意外とあつ湯も快適に入れますよ」と入り口で言われましたが若干嘘(笑)45度はやはり熱く、ぬる湯に比べれば入浴している客もまばらでした。でもどちらもとても気持ち良かったですよ。
30分ほどの入浴後、武雄温泉駅に戻っていよいよ有田駅に向かいます。2両編成のかわいらしい電車に乗り、12分ほどで有田駅に到着。会場である九州陶磁文化会館は昨年と同じですが、少し時間が早かったので途中にあるキルンアリタ(観光案内所のようなところ)で時間をつぶしながら、有田町の中心地は少し外れていること、近くのショッピングモールでフィンランドフェアが開催されることなど、情報収集をしました。写真は会場に向かう途中で渡る橋にある有田焼です。
集合時間の20分ほど前に九州陶磁文化会館に到着しました。数多くの有田焼の展示があるだけでなく、有田焼を始めとする焼き物の歴史を学ぶことができます。9時会館、入館無料です。
昨年の大会参加の際は巨大なからくり時計は見たものの、通常展示を見損ねてしまいました。今年はきちんと反省をいかして試合前に展示ブースを回ることにします。中国から来た焼き物の技術を有田でどのように活かしたか、そこから有田焼がどのように発展し、逆に海外進出したかなどを学ぶことができます。
ここの有田焼の並びは圧巻ですね。小皿から巨大な壺まで有田焼はバリエーションが多く、また赤と青の色合いが特徴的で美しいと思います。写真が多くなりすぎたので、前半はここまでで後半は有田焼のチェスピースの紹介と棋譜解説から再開しようと思います。

2023/12/02

有田セラミック・チェス大会2023 - 鹿児島編 -


明日、12/3(日)に佐賀県の有田町で開催される、有田セラミック・チェス大会2023に参加するために九州に来ています。昨年と大会名こそ変わりましたが、有田焼のチェスセットを使う日本で唯一の大会である点は変わりません。私は少し早く、火曜日に鹿児島から九州入りしています。鹿児島は初めて訪れる地ですので、3日間の鹿児島滞在を写真で振り返ろうと思います。チェス要素はほぼありません。
11/28(火)お昼前に羽田からの便で鹿児島空港に到着します。九州で有名な温泉と言えば大分の別府というイメージでしたが、鹿児島市は日本の県庁所在地として最多の温泉数を誇るそうです。空港を出てすぐの場所に足湯があるのは驚きました。温泉大好きなので、ここでゆっくりしながら鹿児島市内へと向かうバスを待ちます。空港から市内までは1時間弱です。
鹿児島の中心と言えば天文館、そしてJRの駅としては鹿児島駅ではなく鹿児島中央駅が有名です。鹿児島中央駅は九州新幹線も止まり、九州各県へ走る高速バスの停留所もあります。鹿児島中央駅直結のアミュプラザ鹿児島にある観覧車はとても目立ちますね。
鹿児島に到着した初日は、オンラインレッスンまで時間がなかったため、観光は軽めにしておきます。駅から天文館へ向かう途中には大久保利通の像がありました。鹿児島と言えば、西郷隆盛のイメージだったので少し意外でしたが、西郷隆盛の像も少し離れた場所にあるようです。
センテラス天文館の最上階展望台からは、鹿児島のシンボル、桜島がよく見えました。最終日にカツオを食べた店の店員さんは、「ずっと鹿児島に住んでるけど、桜島は行ったことがない。桜島は眺めるもの」と言っていました。確かに実際フェリーで島に渡るのは、県外からの観光客が多いかもしれませんね。
鹿児島市内散策中、チェスボードらしきものを見つけました。チェスピース持ってくれば良かったです。初日の観光はここまでで、夕方からは仕事があり、遅い夕飯は鹿児島ラーメンにしました。こちらは期待ほどではなく...ちょっと残念。
鹿児島2日目は鹿児島中央駅から電車に乗り、指宿枕崎線の指宿(いぶすき)駅へ。鹿児島市以外では北の霧島温泉と南の指宿温泉が県内で知られた温泉地です。指宿駅前にも足湯がありました。
そして指宿の名物といえば、温められた砂に体を埋める砂むし温泉で、世界的にもかなり珍しいとのことです。砂をかぶる場所はiPhone持ち込み禁止で撮影ができませんので、興味のある方は画像検索をしてみてください。しかし日本各地でポケモンとのコラボがあるのは知っていましたが、いぶすき→イーブイ好きとは(笑)

私が訪れたのは砂むし温泉 砂楽という指宿では人気のスポットで、1000円程度で砂むし温泉と通常の温泉入浴(砂を落とす意味もあります)がセットになっており、手軽に砂むし温泉を楽しむことができます。お客さんは更衣室で浴衣1枚に着替えたら、海岸近くの砂むし温泉に移動し、埋められる順番を待ちます。砂楽では6人が埋まるスペースが6つほどあり、2/3ほどのスペースを順次使いながらお客さんを埋めているようでした。(使っていないスペースは高温の温泉で消毒中でした) 体にかける砂の量で熱さが決まるようで、熱さが苦手な人は砂を減らしてもらったり早めに脱出できます。私は温かい砂の心地よさに、目安の10分を超えて50分くらい埋まっていました。苦手な人はのぼせたり低温やけどの恐れがあるそうなので、砂むし温泉をこれから体験されるかたはくれぐれも無理はなさらないでください。
砂むし温泉という素晴らしい体験をした後、昼食取ってから指宿市内を少し散策します。せっかく指宿に来たならと、昨年まで将棋の竜王戦の対局が行われたことで有名になった白水館を訪れることにしました。しかし、なんと繁忙期以外の水曜日は毎週休館日とのことで、宿泊客も取っていないそうです。併設されている薩摩伝承館もお休みでした。美術館や博物館ならともかく、旅館に休館日があるというのは盲点でした... 帰りは指宿駅ではなく隣の二月田駅から鹿児島中央駅に戻りました。あわよくば指宿、桜島行きを同日に決行しようと思っていましたが、とてもそんな時間も体力もなく、桜島行きは翌木曜日にまわします。
2日目の夕飯は鹿児島でも有名なとんかつの名店、川久へ。鹿児島のブランド豚である黒豚のとんかつをいただきます。今でこそ様々なブランド豚のとんかつが有名になり、チェスの試合でもよく通った蒲田、池上にもとんかつの有名店が多いですが、黒豚のとんかつにはちょっと思い入れがあり、この鹿児島で食べられて感無量でした。
木曜日はいよいよフェリーで桜島へと渡りました。桜島へは鹿児島港のフェリー乗り場から乗船してわずか15分で到着。料金も200円という安さです。チェスの試合で日本各地に行っていますが、フェリーは地元神奈川で大昔に乗って以来なので懐かしいですね。
桜島では最初にビジターセンターを訪れました。こちらは桜島初上陸のお客さんにお勧めの場所のようで、桜島の成り立ちを10分ほどで動画や展示物で知ることができ、お土産も買うことができます。
桜島が北岳と南岳の噴火によってできた複合火山であることや、大正時代の大噴火で大隅半島と陸続きになったことは初めて知りました。こちらは大正時代の大噴火の様子です。
展示物は写真撮影OKなのだろうかと思っていましたが、撮影してばんばん桜島の宣伝をしてくれとのことでした。現在も活動を続ける活火山の桜島ですが、そんな桜島と生きる鹿児島県民は本当にすごいと思います。今回の短い滞在時間では桜島のごくごく一部しか見られなかったので、次回鹿児島を訪れる時はもっと時間を取り、1日かけてで桜島を巡ろうと思います。

金曜日にはバスで博多へ移動し、現在は佐賀県の鳥栖に滞在しています。明日は朝、時間に余裕があれば武雄温泉に寄ってから有田の大会に向かうつもりです。更新は遅れるかもしれませんが、後半の大会編もよろしくお願いいたします。
Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.