昨日は東京科学大学で開催されたラピッド大会に参加してきました。こちらは大学チェスサークル主催では初めてとなるFIDE公式ラピッド大会で、60名以上の定員は割と早めに埋まったと記憶しています。日本チェス連盟が主催する全日本ラピッドチェス選手権や、名古屋チェスクラブが主催する中部快速オープン以外にも、日本国内でFIDE公式ラピッド大会が開催されるのは喜ばしいことですね。
私は午前の2試合を仕事の都合でbyeにし、3試合目からの参加でしたが、体力的にきつく3試合を指したところで大会を抜けることにしました。今夜は5試合目に指したKamateさんとの試合をご紹介します。
Bogo-Indianに対して少し珍しいセットアップですが、逆サイドにキャスリングして攻め合うのは面白いアイディアだと思います。白は黒マスビショップを交換しても、広いスペースと働きの良いピースを持ちます。
h7を狙うチャンスの無くなった白マスビショップは、いっそ交換してしまってd5、f5のマスのコントロールを得やすくして良いと考えました。c6へのビショップの跳びこみは少し気になりますが、15... Rf8!?のように指して、白マスビショップの交換は避ける選択肢も黒にはあったでしょう。
d5のマスは何かしら使うチャンスがあると思ったので、本譜ではポーンを交換しました。悪い選択肢ではないですが、黒はb5のマス、b6,d6のポーンが弱いため、22. d5! からセンターを完全に閉じて、黒の反撃チャンスを断ってしまうのもありだったでしょう。
c8経由でd6をブロックするものと思い込んでいたため、ここで初めてd4にナイトを運ぶプランであることに気づきました。
後の流れを考えるのであれば、29... a4!= として白のb2-b4を止めておくのが安全です。
33... Rc7 34. Ra6 b5 35. Rxd4 exd4 36. Kxb5 +/- でも白は本譜同様にエクスチェンジサクリファイスをし、パスポーンの力で勝負できそうです。
参加した3試合は少し怪しい点もありながら、なんとか3勝することができて良かったです。最後まで大会を見ることはできませんでしたが、南條くんはさすがの強さで全勝優勝だったようですね。全日本に向けて良い調整もできたので、5日間の長丁場となる全日本も引き続き頑張ろうと思います。また今週末の下北沢か、GWに大井町でお会いしましょう。
私は午前の2試合を仕事の都合でbyeにし、3試合目からの参加でしたが、体力的にきつく3試合を指したところで大会を抜けることにしました。今夜は5試合目に指したKamateさんとの試合をご紹介します。
Kojima, S (IM, JPN, 2273) - Kamate, A (JPN, 1823)
Science Tokyo Rapid Chess Tournament (5)
1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 Bb4+ 4. Bd2 Qe7 5. e3 O-O 6. Bd3 Bxd2+ 7. Qxd2 d6 8. Nc3 Nbd7 9. O-O-O!?
Bogo-Indianに対して少し珍しいセットアップですが、逆サイドにキャスリングして攻め合うのは面白いアイディアだと思います。白は黒マスビショップを交換しても、広いスペースと働きの良いピースを持ちます。 Science Tokyo Rapid Chess Tournament (5)
9... b6 10. Kb1 e5 11. Bc2 Re8 12. e4 Nf8 13. h3 Ng6 14. Rhe1 a5 15. Ba4 Bd7
h7を狙うチャンスの無くなった白マスビショップは、いっそ交換してしまってd5、f5のマスのコントロールを得やすくして良いと考えました。c6へのビショップの跳びこみは少し気になりますが、15... Rf8!?のように指して、白マスビショップの交換は避ける選択肢も黒にはあったでしょう。
16. Bxd7 Nxd7 17. g3!?
白マスビショップを交換したことでh3が問題なくなったので、白はNg6-Nf4を防ぐためにgポーンを突いておきます。17. dxe5 Ngxe5 18. Nd5 Qd8 19. Nxe5 Nxe5 20. Qc3 +/=とd5に早めにナイトを入れるアイディアもあったでしょう。17... Nf6 18. h4 h5 19. Qg5 Rad8 20. Rd2 c6 21. a3 c5?! 22. dxc5
d5のマスは何かしら使うチャンスがあると思ったので、本譜ではポーンを交換しました。悪い選択肢ではないですが、黒はb5のマス、b6,d6のポーンが弱いため、22. d5! からセンターを完全に閉じて、黒の反撃チャンスを断ってしまうのもありだったでしょう。
22... dxc5 23. Nd5! Nxd5 24. exd5?!
d5のマスを埋めるとしても、パスポーンを作るべきだと考えて本譜の流れにしましたが、取るポーンが不正確でした。本譜では黒のナイトに理想的な組み直しのチャンスを与えてしまうため、24. cxd5! Qxg5 25. hxg5 Nf8 26. a4 +/- とすべきでした。こうなれば黒はパスポーンをブロックしながら、b6の弱点に対応するのが大変そうです。24... Qxg5 25. Nxg5 f6 26. Ne4 Ne7! 27. Red1 Nf5!
c8経由でd6をブロックするものと思い込んでいたため、ここで初めてd4にナイトを運ぶプランであることに気づきました。
28. Kc2?!
d4へのナイトの侵入は受け入れるしかないですが、それに対する反撃として不必要な手を入れてしまいました。本譜でもラッキーなことに成功しましたが、ここで早めの28. b4! が正確です。b4で一時的にポーンを取られても、Rd2-Rb2から取り返すことができます。28... Nd4+ 29. Kc3 Kf7?
後の流れを考えるのであれば、29... a4!= として白のb2-b4を止めておくのが安全です。
30. b4! axb4+ 31. axb4 cxb4+ 32. Kxb4 Re7?
32... b5! 33. cxb5 Rxd5 34. Nc3 ならば白は少し指しやすいと思いますが、試合中は自身がありませんでした。bポーンが捌かれず残るのであれば、白はこれを狙って大きく優勢です。33. Ra1! Rdd7
33... Rc7 34. Ra6 b5 35. Rxd4 exd4 36. Kxb5 +/- でも白は本譜同様にエクスチェンジサクリファイスをし、パスポーンの力で勝負できそうです。
34. Ra6! Kg6 35. Rxb6 Rb7 36. c5 Rxb6+ 37. cxb6 Rb7 38. Rxd4!?
よくよく考えればd2のルークはナイトに守られているので、38. Kc5 Nb3+ 39. Kc6 Nxd2 40. Nxd2 のようにNd4-Nb3のフォークを待ってエクスチェンジを捨てても、白は問題ありませんでした。いずれにせよ、キングにサポートされたパスポーンを黒のルークは止めることができず、白の勝勢です。38... exd4 39. Kc5 d3 40. Kc6 Rb8 41. b7 Re8 42. Nd2 Kf5 43. Kc7 Ke5 44. d6 Ke6 45. d7 1-0
参加した3試合は少し怪しい点もありながら、なんとか3勝することができて良かったです。最後まで大会を見ることはできませんでしたが、南條くんはさすがの強さで全勝優勝だったようですね。全日本に向けて良い調整もできたので、5日間の長丁場となる全日本も引き続き頑張ろうと思います。また今週末の下北沢か、GWに大井町でお会いしましょう。