2025/08/27

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.7


続いては昨年の夏にトレーニングで指したゲームをご紹介します。松村くんは現在、日本でトップクラスの力を持つユースプレーヤーで、こちらのトレーニングの主催者でもあります。毎回、オープニングを指定して集まったメンバーでラピッドを指すのが主な活動ですが、この時はNimzo-Indianがテーマだったため、白番黒番どちらでも指したい変化を調べてきました。

Kojima, S - Matsumura, C
Training

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. e3 d5 5. Nf3 O-O 6. Bd3

この日はオーソドックスなRubinstein Variationを選択しました。6. Bd2が現在はよく指されており、私も何回か経験がありますが、今回は古くからのメインラインに松村くんがどんなセットアップをするかが気になりました。

6... b6!?


白マスビショップの活用して普通に見えますが、センターへの反撃を優先するのが人気の変化です。6... c5 7. O-O cxd4 8. exd4 dxc4 9. Bxc4 b6と進めてIQPを決めてから、a8-h1の広いダイアゴナルをビショップで抑える、いわゆるKarpov Variationは手堅いでしょう。私は黒で主にこの変化を指していました。

7. O-O dxc4 8. Bxc4 Bb7 9. Qe2

他のオープニングでも、c4を黒から交換してからBc8-Bb7と組む変化はありますが、白のセンターの厚みを過小評価するべきではありません。遅かれ早かれc7-c5を狙うのであれば、上記のKarpov Variaitionの手順がやはり優秀に思えます。c7-c5が遅れるようであれば、c7のポーンは白から絶好のターゲットになります。

9... Nbd7 10. Rd1 Qc8?!


これは指されて少し驚いた手です。クイーンの避け場所はe7が安全で、じっくりc7-c5のチャンスを窺えます。c8の位置だと、Ra1-Rc1からクイーンもターゲットになってしまい、苦しい展開でしょう。

11. Bd2 Re8 12. Rac1 h6 13. a3 Bxc3 14. Bxc3

ここもIQPを早めに決めているKarpov Variationとの違いで、d4が孤立ポーンでない本譜では、白はd4-d5をじっくり狙えるため、c3はビショップの位置として悪くなく、黒が黒マスビショップを手放す代償が十分ではないように思えます。

14... Ne4 15. Be1! e5 16. Ba2!


e4のナイトはアクティブではありますが、白は黒マスビショップをキープしてゆっくり対処することで、十分にダブルビショップの強さが活きる展開を目指せます。白マスビショップも退いてcファイルを開ければ、次にQe2-Qc4を狙い、c7、f7にプレッシャーをかける準備が整います。

16... Ba6 17. Qc2 exd4 18. Qxc7! Qxc7

Bb7-Ba6はc4のマスをカバーしますが、代わりにe4のナイトが浮いてしまいます。ここはいずれにしても白勝勢ですが、一か八かc3にナイトを跳びこむべきではないかと、検討で松村くんに指摘しました。ちょうどこの頃に自身の著「チェスが強くなる人の本」の執筆が佳境で、その中で少し触れたInterferenceというタクティクスです。

18... Nc3!?
Analysis Diagram

19. Bxf7+!! (19. Qxc8? Ne2+ 20. Kh1 Raxc8) (19. Rxc3!? dxc3 20. Qxd7 Qxd7 21. Rxd7 cxb2 22. Bc3 Rad8 23. Rxd8 Rxd8 24. Nd4+- 試合後の検討ではこの変化を出しました。) 19... Kh8 20. Qxc8 Ne2+ 21. Kh1 Rexc8 22. Rxc8+ Rxc8 23. Be6+- 先にf7を取れば、すぐにc8でクイーンを交換する変化と違い、白は駒得のうえにe6のマスが使えて勝勢です。

19. Rxc7 dxe3 20. Rdxd7 exf2+ 21. Bxf2 1-0


本譜はd7のナイトも見捨ててきたため、白の駒得が大きくすぐに決着となりましたが、c7での交換で7段目を抑えられてしまっているため、黒はどうしても苦しいでしょう。長くNimzo-Indianのメジャーな変化は白側で避けてきましたが、こうしてある程度の自信をもって指せたのは良い経験でした。

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