2016/05/02

Japan Chess Championship 2016 Day2


全日本選手権2日目の今日は、Simon、Alex と厳しい相手との連戦です。3R のSimon 戦は、相手のミスで駒得をし、異色ビショップながらもエンドゲームを勝ち切りました。3連勝で臨んだ4R のAlex 戦は、奇しくも再び異色ビショップエンディングとなります。

Averbukh, A (JPN, 2191) - Kojima, S (IM, JPN, 2400)
Japan Chess Championship 2016 (4)

1. e4 c6 2. b3 d5 3. Bb2 dxe4 4. Nc3 Nf6 5. Nge2 Bf5 6. Ng3 e6 7. Qe2 Be7 8. Ncxe4 Nxe4 9. Nxe4 O-O



ここでは9... Bxe4 10. Qxe4 Bf6 11. Ba3 Be7 も考えましたが、ここは短い手数ドローの可能性を捨て、長期戦を覚悟してゲームに臨みます。

10. g4 Bxe4 11. Qxe4 Qd5 12. Bd3 Qxe4+ 13. Bxe4 Nd7 14. O-O-O Nf6 15. Bf3 Nd5 16. h4 a5 17. a4 Rfd8 18. c4 Nb4 19. d4 Rd7 20. Be4 Rad8 21. g5 Bd6 22. Kb1


ここはあっさりd4 のポーンをくれたので、黒が有利になりました。22. Rhe1 であれば、d1 のルークは守られたままで、Bd6-Bf4-Be5 も使えないため、本譜の手筋はありませんでした。

22... Bc5!



これでポーンアップになりますが、ここから黒が勝つのは簡単ではありません。

23. Rd2 Bxd4 24. Rhd1 c5 25. f4 g6 26. Bf3 b6 27. h5 Kf8 28. Be4 Ke7 29. Bc1 Bc3 30. Rxd7+ Rxd7 31. Rxd7+ Kxd7


黒はピンにされたd4 のビショップを解放するため、このように2ルークの交換に応じなければいけません。ここからどこで進展を作るか、頭を悩ませます。

32. hxg6 hxg6 33. Be3 Bd4 34. Bd2 Na6 35. Kc2 Nc7 36. Kd3 Ne8 37. Bf3 Nd6 38. Bg4 Ba1 39. Bh3 Ke7 40. Bg4 Kf8 41. Bh3 Nf5 42. Bg4 Nd4



ナイトがd4 へ行く形は良いと考えました。これで一時的に白マスビショップを守りに退かせておき、次に手を作るポイントを絞ります。

43. Bd1 Bb2 44. Ke4 Ke7 45. Be3 Kd6 46. Bd2 Nf5 47. Bg4 Bd4 48. Bh3 Bg1 49. Bg4 Nd4 50. Bd1 Bh2 51. Be3 e5


ここでポーンをぶつけ、g5 を孤立させます。Nd4-Ne6 もg5 を狙う形になっているため、これはチャンスがあるだろうとこの時点では考えていました。

52. fxe5+ Bxe5 53. Bd2 Bg3 54. Be3 Ne6 55. Bg4 Be1 56. Bc1 Bc3 57. Be3 Bg7 58. Bd2 Bf8



苦労しながら、黒マスビショップをe7 まで組換えるマヌーバリングで、g5 のポーンを狙うことができることに気づきました。しかし、白にはうまい手順でドローに持ち込む方法があります。

59. Bf4+! Nxf4


59... Kc6 60. Bxe6 fxe6 61. Bc1 を試すべきだったかもしれませんが、おそらくドローでしょう。本譜は異色ビショップでも、b3 を取りに行けるため、2ポーンアップで勝てると思いこんでしまいました。しかし実際には...

60. Kxf4 Bg7 61. Bf3 Bb2 62. Bd5 Bc1+ 63. Kg4 Ke7 64. Bc6 f6 65. gxf6+ Kxf6 66. Bd7 Ke5 67. Be8 g5 68. Bd7 Kd4 69. Be8 Kc3 70. Bd7 Kxb3



取りにいく前の段階で気づいていましたが、これは2ポーンアップでも、ドローにしかならない局面です。白はgポーンをキングでブロックし、b5 のマスをビショップで抑え続ければ安全です。

71. Bb5 Bd2 72. Kf3 Bf4 73. Kg4 Be3 74. Kf3 Bc1 75. Kg4 Kc3 76. Kf3 Kd4 77. Kg4 Bf4 78. Kf3 Bc7 79. Kg4 Bd8 80. Kf3 Kd3 81. Kg4 Ke3 82. Bc6 Kd4 83. Bb5 1/2-1/2


どこかでb6-b5 のブレイクができないかと考えましたが、もちろんビショップで取られてダメです。短手数ドローにせず、しっかり試合をして良かったとは思いますが、これで4連勝の馬場さんに一歩差をつけられ、2位グループに後退です。

今日は上位ボードで、青嶋-馬場、Andrew-Tu、山田-南條など、面白いペアリングが組まれ、いずれも決着がつきました。4R を終えた現在の上位は以下の通りです。

4P 馬場
3.5P 小島、Tu、南條、Alex


この中で当たっているのは、私とAlex だけなので、まだまだ上位勢の直接対決で、大きくポイントと順位は動きそうです。しかし、明日は平日で申請bye が多いため、ペアリングは以下のようになっています。

小島(3.5)-Tu(3.5)
南條(3.5)-青嶋(3)
権田(3)-中村(3)
三ツ矢(3)-高橋(3)


単独トップの馬場さんは、ここで2試合bye となり、1P を落とします。これは後半で順位に影響を与えるかもしれません。私は宿敵、Tuさんとの対決です。これまで黒で2敗していますが、白でも負けるわけにはいきません。しっかりポイントを取って、再びトップに立ちたいと思います! それでは皆さん、3日目もよろしくお願い致します。

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