2016/06/14

Japan Rapid Chess Championship 2016 Day2


更新が2日遅くなりましたが、週末の大会結果報告です。快速選手権2日目、私は3勝1敗で、トータル6勝1敗1ドローの6.5P となりました。7R で私に勝ったAlex が、7勝1敗での優勝です。オープンクラスの順位は、以下のようになっています。

1st Place Averbukh Alex 7/8
2nd Place Kojima Shinya 6.5/8
3rd Place Katsuta Yuki 6/8


3位入賞を果たしたのは、KUCC の後輩、勝田くんです。私とAlex の上位2名にこそ敗れたものの、他6試合をきっちりと勝ちました。特に7R の青嶋くんとのゲームは、完璧に近い内容だったと思います。私の記憶にある限り、このレベルの大会でのオープン入賞は初めてでしょうかね。勝田くん、おめでとう!

私のゲームからは、最終戦の権田さんとの試合を載せておきます。久々に指したCatalan でしたが、良い内容のゲームが指せたと思っています。

Kojima, S - Gonda, G
Japan Rapid Chess Championship 2016 (8)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. g3 d5 4. d4 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O c6 7. Qc2 Nbd7 8. Nbd2 b6 9. e4 Bb7



Catalan Closed の一変化です。これまで、9... dxe49... Ba6 しか指されたことはなく、こちらの変化も実戦で試したいと思っていました。

10. e5 Ne8 11. cxd5 cxd5 12. Re1 Rc8 13. Qa4!


一旦a7 のポーンをアタックしておくことでテンポを稼ぎ、キングサイドアタックの準備を進めます。

13... a6 14. Bf1!?



King's Indian Attack のイメージが強いプレーヤーは、Nd2-Nf1-Nh2-Ng4 というマヌーバリングを考えるでしょう。もちろんそれも良いと思いますが、私は先に白マスビショップを、黒キングに向くd3 のマスに切り替えておきます。私が初めてCatalan を勉強した際、GM Avrukh の本で学んだアイディアです。

14... b5 15. Qd1 Nb6 16. Bd3 Nc7 17. Nf1 f5


この手を入れなければ、黒は白のキングサイドアタックに対抗できないでしょう。白からは、Nf1-Nh2-Ng4、h2-h4、Nf3-Ng5 といった直接的な攻撃があり、黒はディフェンスが厳しくなります。しかし、fポーンを突けば、黒にはe6 のバックワードポーンとe5 のアウトポストができるため、白はそれを利用してゆっくりとチャンスを作ることができます。

18. exf6 Bxf6 19. Bf4 Qe7 20. Rc1 Nc4 21. Qe2



Bd3-Bb1 から、クイーンをb1-h7 のダイアゴナルで重ねるアイディアも考えましたが、ここでは焦らずに、b2 を守りながらe6 へのプレッシャーを増やしておきます。

21... Rfe8 22. h4 Nd6 23. N1d2


黒マスビショップを出した後は、ナイトはd2 に戻ることにします。黒からのNd6-Ne4 という反撃を防ぎつつ、チャンスがあればNd2-Nb3-Nc5(or Na5) というナイトの侵入を狙います。

23... Ba8 24. Ne5 Nc4 25. Ndf3 Bb7 26. b3! Nd6 27. Nc6! Qd7 28. Nfe5+-



ここは最後まで読み切って指すことができました。c6 とe5 という絶好のマスにナイトが侵入した白は、黒のディフェンスの要である黒マスビショップを貰っておき、いよいよ黒キングへの決定的な攻撃を作り出します。

28... Bxe5 29. Nxe5 Qe7 30. Bg5 1-0


ここで黒の時間が落ち、白の勝ちになりました。本譜の代わりに、30. Bxh7+! Kxh7 31. Qh5+ Kg8 32. Ng6 Qf6 33. Be5 Qd8 34. Qh8+ Kf7 35. Qxg7# でも勝ちですが、私が読んでいたのは、30... Qf8 31. Bxh7+! Kxh7 32. Qh5+ Kg8 33. Ng6 Qf5 (33... Qf7 34. Qh8#) 34. g4! Qd3 35. Qh8+ Kf7 36. Ne5#


このような手順と形です。いずれにせよ、h7 を取る手が決定的になりますね。このラインを初めて試せたのは、良い経験になりました。

次回は7月のサマーオープンに参加する予定です。自分の試合だけでなく、生徒たちの試合も7月は多いので、そちらも楽しみにしています。皆さん、また次の大会でお会いしましょう!

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