昨日、11/30 にIVL が開催され、前回に続いてのフル参加でした。今回は名古屋オープンで声をかけた高橋くんと、数年ぶりとなるポール飯沼さんが参加し、計8人でのスイス式でした。(写真を取り損ねたのは不覚です...)
私は初戦、塩見さんに勝ったゲームは良かったものの、2R の野口さん、3R の青嶋くんとの試合でドローを蹴って勝ちにいき、両方時間落ちで敗れました。時間が落ちるのは優勢なポジションで決めきる力がないためですので、その点をしっかり見直してまた次の試合につなげたいと思います。今夜は4R の古谷くんとの試合をご紹介します。
Furuya, M - Kojima, S
31st IVL (4)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 e6 8. Ne5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 Nd7 11. f4 Be7!? 12. h5?!
2016年に登場した
11... Be7 ラインはまだ広く知られていない変化だと思います。
12. Bd2 Nxe5 13. fxe5 Bxh4 14. O-O-O Bxg3 15. Qxg3 Ne7 16. Qxg7 Rg8 と進むメインラインは、現在ではドローが有力ということで落ち着いています。本譜のように遅れて
h4-h5 と押し込む手は、
7... e6 ライン特有の白が1手得をして
Nf3-Ne5 ができたメリットを消してしまいます。
12... Ngf6 13. Bd2 O-O 14. O-O-O c5 15. Ne2 cxd4 16. g4
前回のIVL でも、古谷くんは別の変化で面白いタイミングの
g2-g4 を見せてくれ、とても勉強になりました。しかし、ここではe5 に孤立ポーンを作るデメリットが大きいでしょう。
16. Nxd7 Qxd7 17. Qxd4 でも黒は満足なエンドゲームですが、本譜のような弱点を作ることなく指せるため、ベターだったかもしれません。
16... Nxe5 17. fxe5 Nd5
e5 のポーンを狙うのであれば、
17... Nd7 もあったと思いますが、ここはもう少し積極的に動きます。
g4-g5 もさほど危険はなく、黒はキングサイドを気にすることなくアタックのチャンスをセンターとクイーンサイドで求められるでしょう。
18. Qxd4 Rc8 19. Kb1 Qc7 20. Nc3 Rfd8 21. Qe4 Qc4!?
21... Nb6 から
Nb6-Nc4 を狙う作戦も魅力的ですが、e5 の孤立ポーンの弱さを考えれば、イコールのルークエンディングでも黒の勝つチャンスは十分です。リスクを取らず、安全なエンドゲームに持ち込んで確実にポイントを挙げるのは私のチェスの1つの特徴です。
22. Qxc4 Rxc4 23. Rdg1 Bb4
白の反撃の狙いが
g4-g5 であることは分かっていましたが、それを許してもポーンストラクチャーを乱し、ピース交換を進めれば勝てると思いました。しかし、試合後に古谷くんから
23... Bg5! を指摘されます。こちらであれば白の
g4-g5 のチャンスを一切消したうえ、本譜同様にピース交換を進められそうです。
24. g5 Nxc3+ 25. Bxc3 Bxc3 26. bxc3 hxg5
ここまで捌けばgファイルを開けられてもさほど危険はないですが、
26... Kf8! ならばh6 に残るポーンをルークではアタックしづらい形ですので、さらに白が苦しいダブルルークエンディングだったでしょう。
27. Rxg5 Kh7! 28. Rhg1 Rg8
通常であれば、こうしたパッシブディフェンスはルークエンディングにおいてもったいないですが、ここではcファイルのダブルポーン、eファイル、hファイルの孤立ポーンと白に弱点が多いため、しっかり守るべきポーンを守った後、十分に駒を取りにいくチャンスがあるでしょう。
29. R5g3 Rf4!?
少し悩みましたが、f7 を守りつつ、e5、h5 の孤立ポーンをルークの横利きで狙います。
30. Rd1 Rf5 31. Rd7 Rf8 32. Rxb7 Rxe5 33. Rf3 f6 34. Rg3 Rg5 35. Rxg5 fxg5
こうしてキングでサポート可能なパスポーンができれば後は簡単です。
36. Rb4 Kh6 37. Rb7 g4 38. Rxa7 g3 0-1
最終戦、ポールとの試合も悪い序盤をなんとか盛り返して逆転勝ちし、なんとか勝ち越しで終えることができました。優勝は私に勝った野口さんと青嶋くんで、互いに4勝1敗です。次回は2週間後の開催ですが、私は残念ながら参加できません。仕事後、夕方にでも顔を出せればと思います。