ジャパンチェスクラシックも3日目を終え、久々の大会も大詰めを迎えます。私は午前のゲームでカザフスタンのYesbolatova さんに勝ち、午後のゲームでは半歩先を走るTu さんとの対戦になりました。逆転優勝を目指すためには、是が非でも勝ちたいラウンドです。今夜は時間に余裕が無いため、終盤の局面からご紹介することにします。
Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Tran, T T (CM, VIE, 2338)
Japan Chess Classic 2020 (5)
Position after 39... Ra8
中盤、難しい判断でしたが私はエクスチェンジを捨て、ナイト+2ポーンで勝負することにしました。大分駒が捌けてきたこの局面では、お互いほぼ時間が無く、特に私は落とさないように必死でした。
40. Nxf5! Qb7+ 41. Kg1
a2 への反撃とh1 へのクイーンの侵入を気にしなければいけない以上、キングの避けるマスはここしかないと思いました。もちろん悪くない手ですが、41. e4! Ra7 42. Ne3 Re6 43. Nd5 Qa8 44. f5 gxf5 (44... Rxa2 45. fxe6 Rxd2+ 46. Rxd2+-) 45. exf5 Rd6 46. Qxb4 Rxa2+ 47. Kf3+- が難しいながら、さらに良い変化でした。Nd4-Nb5-Nd6-Nf5 と跳んでいたナイトでしたが、1つ理想と思い描いていたd5 のマスに、こうして落ち着けるとは思いませんでした。
41... Ra7 42. Nd6 Qa8 43. Nb5?
これが勝ちを逃す痛い手でした。a2 を取る余裕はないと思い、ひとまず黒ルークをaファイルから追い払っておいてゆっくり進めようと考えました。代わりに43. Ne4! Rff7 44. Qd3! Rae7 (44... Rxa2 45. Rd8! Ra1+ 46. Kg2 Qa2+ 47. Kh3 Qb2 48. Rd6+-) 45. Nd6+- ならば3ポーン目を取り、黒からの反撃も抑え込めているので白の勝勢です。
43... Rxa2!
時間のない中、黒はこれを見つけてドローを確保します。白ルークとクイーンがdファイルに重なっており、7段目、8段目への侵入を見せている以上、ルークが自陣を離れるのは危険に見えますが...
44. Rd7+ Kg8 45. Rd8+ Rf8
黒はぎりぎりこの手があり、クイーンが落ちることは避けられます。クイーンを取り合った形は白がポーンを活かせる状態ではなく、エンドゲームは黒勝ちでしょう。白はパペチュアルチェックで満足するほかありません。
46. Rxf8+ Kxf8 47. Qd6+ Kg7 48. Qe7+ Kg8 49. Qe6+ Kg7 50. Qe7+ Kg8 51. Qe6+ 1/2-1/2
これまでTu さんと指した試合の中でも、かなり上位に入る難解な試合でした。ここでドローは痛く、3.5/5 グループで最終日を迎えます。ここまで5連勝のSamuelくんがどうなるか、残り2試合も要注目です。
Fukuda, T (JPN, 1740) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 0-1
Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Scott, T (JPN 2190) 1-0
Otawa, Y (JPN, 2122) - Kojima, S (IM, JPN, 2397) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2397) - Yesbolatova, A (KAZ, 1814) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Tran, T T (CM, VIE, 2338) 1/2-1/2
Shiomi, R (JPN, 2046) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
Japan Chess Classic 2020 R6 Pairings
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