昨日指したFrench Defence のゲームに面白いものがあったので、今夜はそちらをご紹介します。
imsk (2566) - toshiromifume (2459)
lichess
1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nc3 Bb4 4. Nge2!?
French Defence に対しては、3. Nc3 のメインラインを指すか、3. Nd2 のTarrasch を指すか、1. e4 を指していた中学時代から悩んでどちらも使ってきました。4. Nge2 の変化は、古い世界チャンピオンシップでは黒にとって危険ではない手として紹介されていましたが、近年のゲームを見ると、白が面白い印象を受けます。ポイントはWinawer Variation の起こりやすい、混沌とした局面を避けられることにあります。 lichess
4... dxe4 5. a3 Be7
黒がビショップを退くと、Rubinstaein Vatiation に近い形になります。5... Bxc3+ 6. Nxc3 f5 7. f3! と進めば、白はポーンを完全に捨てても黒の黒マスが弱いこと、ピースの展開に勝ることで勝負できるでしょう。この変化の正式名称は知りませんでしたが、1931年にAlekhine がNimzowitsch 相手に白で使って勝ったことから、Alekhine-Maroczy Gambit と呼ぶようです。
6. Nxe4 Nf6 7. Nxf6+ Bxf6 8. Be3 b6 9. Nf4
7. N2g3 と指してe4 にナイトを残す手もありますが、私はナイトはf4 に跳んだほうが面白いのではないかと思っています。アメリカのXiong Jeffery の試合ではこの後にNf4-Nh5 と跳んで、ビショップナイトの交換を仕掛けて勝っている試合がありましたが、ナイトが4回も跳んでビショップと交換するのが得なのかは難しい判断です。私は本譜で少し違うナイトの活用を求めました。9... Bb7 10. Qg4!? g6 11. Bb5+!
これが黒にc7-c6 を強制する小さな好手です。11... Nd7? 12. Nxe6! fxe6 13. Qxe6+ Be7 14. 0-0-0!+- ならば、白は次にRh1-Re1, Be3-Bg5 などのアイディアで勝てるでしょう。
11... c6 12. Bc4 Qe7 13. O-O-O Nd7 14. Rhe1 O-O-O 15. Kb1 Qd6?
白はe6 のポーンにピースの利きを集中しているため、この手は非常に危険です。15... h5 くらいで一度クイーンを追い返しておくべきです。16. Nxe6!! fxe6 17. Bf4! Qf8 18. Rxe6 Qg7 19. Rxc6+!
18... b5 19. Qf3! Nb8 20. Bxb5! も強烈なアタックが決まりますが、本譜はまた印象的な形で試合が決まります。
19... Bxc6 20. Ba6+ Bb7 21. Qe6! 1-0
21. Qf3? Ne5! では黒に守られてしまいますので、d7 のナイトをピンにしたままでQc6+ を狙えば白のアタックは続きます。黒がここで降参しないとしても、21... Rde8 22. Qc6+ Kd8 23. Bc7+ Ke7 24. Qd6+ Kf7 25. Bc4+ からメイト、21... Rdf8 22. Qc6+ Kd8 23. Bxb7 からRd1-Re1 などでも黒はキングを守り切るのは難しそうです。この試合の組み立てと最後のフィニッシュはモデルがあり、そちらを勉強していたため私も指すことができました。2017年のJobava のゲームです。このAlekhine-Maroczy Gambit はまだまだ研究の余地があり、面白い変化として指し続けられそうです。
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