6月は公式戦の予定が今のところないため、オンラインで指したゲームをまた少しずつ紹介していこうと思います。今夜は色々と試している中で最近手ごたえのある、Ruy Lopez の一変化です。
Puntano (2575) - imsk (2550)
lichess Blitz
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Nxe4!?
オリンピアードに向けた準備として、Ruy Lopez Open Variaiton を少しずつ今年の頭から試しています。1995年のKasparov - Anand などで白が勝った鮮烈なゲームのイメージからか、日本のトップクラスにはさほど人気のない変化ですが、非対称なポーンストラクチャーとダイナミックなプレーのチャンスは、黒で大いにチャレンジする価値があると思っています。 lichess Blitz
6. d4 b5 7. Bb3 d5 8. dxe5 Be6 9. c3 Be7 10. Nbd2 O-O 11. Bc2 f5 12. Nb3 Qd7 13. a4!?
Ruy Lopez においては典型的な手ですが、このタイミングでは少し珍しいでしょう。13. Nfd4 とすぐ跳んでナイト交換を目指すのが一般的です。
13... b4 14. Nbd4 Nxd4 15. cxd4 f4!?
f4 まで伸びたポーンはターゲットにもなりうるものですが、c1 ビショップの利きを止めつつ、f4-f3 とさらなる押し込みからキングサイドアタックも作り出すチャンスがあります。16. a5 Rad8 17. Ba4 Qc8 18. Nd2 c5!
白はf3 にナイトを残したままだとBe6-Bg4 が多少気がかりですが、d4 のマスから利きを離せばこのカウンタープレーを食らいます。黒はdポーンを孤立にしようと、a7-g1 ダイアゴナルを抑えて白キングへのアタックチャンスを作りにいきます。
19. dxc5 Bxc5 20. Bb3 Kh8 21. Nf3 Bg4 22. Bxd5 Ng5 23. Qb3 Rxd5!
これは白にとっては手痛い一発で、どちらのピースを取っても嫌な展開が待ち構えています。24. Nxg5
白はルークではなく、本譜のようにナイトを取るしかありません。24. Qxd5 Bxf3 25. gxf3 Qh3!-+ から白はディフェンスがないというのが、私のメインの読みでした。
24... Qd7 25. e6 Bxe6 26. Nxe6 Qxe6-/+
白はポーンを返しても黒のダブルビショップを消しにいきますが、局面が落ち着けば互いの黒マスビショップの働きの差は明らかです。27. Qf3 h6
一度バックランクメイトを防ぐように端ポーンを突いておきましたが、27... Qd7 のような手からb2-b3 を牽制しておいても良かったでしょう。
28. b3 Qf5 29. Bb2 Rd3 30. Qc6 Kh7 31. Rac1 Ba7?
これは少し弱気な手でした。d3 にルークを入れて3段目をコントロールしたのであれば、31... f3! とポーンを強気に押し込むべきです。32. Qb7 Rf7 33. Rc7 Rdd7 34. Rxd7 Rxd7 35. Qc6 Rd2 36. Bc1 Re2?
ここもルークを逃がすのであれば、36... Rc2! がクイーンに当たるテンポを得て良いマスでした。この辺りはブリッツの荒さが出ています。
37. Qf3 Qc2 38. Bxf4??
ここは期待していた一発ブランダーで決着がついてしまいました。38. h4! Rxf2 39. Rxf2 Qxc1+ 40. Kh2 Bxf2 41. Qxf2 と進んだ場合、黒は1ポーンアップながらキングの守りが薄く、パペチュアルチェックを防ぎながらパスポーンを作って局面を進展させることは、なかなか難しそうです。38... Rxf2! 39. Qxf2 Bxf2+ 40. Rxf2 Qxb3-+
クイーンを取ってしまえばあとは時間の問題です。
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