2023/05/09

Japan Chess Championship 2023 Day5 Tournament Report

5日間に渡る全日本選手権も、無事に最終戦を迎え閉幕しました。9試合を終え、8勝1敗となった南條くん、Tuさんの2人でしたが、タイブレークの本当にごくわずかの差で南條くんが優勝を決めました。もし直接対決の結果がタイブレーク上位に用いられていれば、南條くんに直接勝っているTuさんの優勝でした。本当にどちらが優勝でも全くおかしくなかった、大接戦の全日本選手権となりました。各セクション含め、入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Nanjo Ryosuke 8/9
2nd Place Tran Thanh Tu 8/9
3rd Place Kojima Shinya 7/9
4th Place Aoshima Mirai 6.5/9
5th Place Matsuo Tomohiko 6.5/9

Japan Chess Championship 2023 Final Standings


私は最終戦、Alexとの試合を白番で制し、7Pで並ぶわずかな可能性にかけましたが、上位2名もきっちり勝ち、3位でにフィニッシュでした。最終戦の結果は順位に直結しますが、入賞した上位5名は全員が最終戦を勝っているんですね。また今大会の振り返りを細かくし、力をつけて次のビッグトーナメント、ジャパンチェスクラシックスに備えたいと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2334) - Averbukh, A (CM, JPN, 2153)
Japan Chess Championship 2023 (9)

1. Nf3 e6 2. c4 f5 3. g3 Nf6 4. Bg2 d5 5. O-O Be7 6. d4 Ne4 7. b3 Nc6 8. Bb2 h5!?

Alexとの試合ではこれまで何試合かStonewall Dutchを指しており、今回もそうなる可能性はあると思っていました。黒がキャスリングを放棄、もしくはクイーンサイドキャスリングを見据えてhポーンを伸ばしてくるのは少し驚きでした。しかし、実戦例もいくつかあるようです。黒は将来的なキングの安全性とアタックのスピード、全体のバランスをとるのがなかなか難しいと思います。

9. Nc3 h4 10. e3 hxg3 11. hxg3 Bf6?!


e5のマスを受けるアイディアは分かりますが、少し消極的に見えます。検討戦では11... Bb4! 12. Ne2 Qf6 13. a3 Bd6 と進む変化を考えましたが、これはコンピュータ評価は黒が良いようです。e2-e3からe2のマスにナイトを退くアイディアは、キングサイドのカバーやNc3-Ne2-Nf4-Nd3と使いますが、本譜ではe2にクイーンを上げてルークを連携することにしました。

12. Qe2 a6 13. Rfd1 Qd7 14. Ne5!

ここは十分準備もでき、ナイトを跳びこんでセンターを開く良いタイミングだと感じました。黒のプランであるg7-g5からh7にクイーンを振ってキングサイドを攻めるのは理解できますが、キングを危険なまま、a8のルークを置き去りにしたままやるほどの価値があるプランだとは思えません。

14... Bxe5 15. dxe5 Qf7


早々にd5のポーンを諦めてきたのには驚きました。15... Nxc3 16. Bxc3 Ne7 17. Bb4 c6 18. Rac1+- でも白のアドバンテージは十分で、黒はe7のナイトのせいでクイーンを7段目から横に振るというオリジナルの作戦が使えません。ただし本譜の形勢もかなり厳しいものです。

16. cxd5 exd5 17. Nxd5 Be6 18. Nf4 g5 19. Nxe6 Qxe6 20. Rac1+/-

白は1ポーンアップ+ダブルビショップで、ルークも両方活用できています。唯一気にすべきはhファイルからの反撃ですが、最悪クイーンを先頭にh2のマスでチェックされても、f1に逃げたキングに追撃はありません。

20... Kf7 21. Qc2!


この手は最初はe4を取ってさらにポーンアップするつもりでしたが、g2のビショップが抜けることでキングの守りが薄まることが気になります。指すことを決める直前で、g3-g4からf5のポーンを崩し、e4のナイトを不安定にする狙いと組み合わせることで、21. Qc2は力をはっきりすることに気づき、自信をもって指すことができました。

21... Rh6 22. g4! Rh4 23. f3 Ng3 24. Qf2 f4 25. exf4 gxf4 26. Qd2

g3にナイトをおびき寄せ、生命線となるf4のポーンを落とせばナイトは逃げ場がなく、勝負は決まると考えました。h1でのチェックは気になりますが、再びクイーンがf2から離れたことでKg1-Kf2と逃げられるようにもなっているので、最悪hファイルに2つヘビーピースを重ねられても怖くはないでしょう。

26... Kg6 27. Rc4! Rf8 28. Re1!


この手はe2のマスを守ることでNg3-Ne2+の反撃を防ぎ、f4のポーンを落とすのが第一の狙いです。(今大会e2でのナイトフォークを見落とし、中原くんとの試合では大変な目に合うところでした) 第二の狙いはe5のパスポーンを後ろから支え、クイーンがどいた際にe5-e6と進めるようにすることです。黒はf4のポーン、g3のナイトを連続で取られるか、eポーンが進むことを許すかどちらかです。

28,,, Qf7 29. e6 Qh7 30. Qd3+ Kg5 31. Rc5+ Kh6 32. g5+ 1-0

5/3 10:30 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2334) - Karmalkar, D (IND, 1848) 1-0
5/3 15:30 R2 Nagataki, K (JPN, 1965) - Kojima, S (IM, JPN, 2334) 0-1
5/4 09:30 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2334) - Okabe, Y (JPN, 1900) 1-0
5/4 14:30 R4 Tran, TT (CM, JPN, 2412) - Kojima, S (IM, JPN, 2334) 1-0
5/5 09:30 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2334) - Otsuka, S (JPN, 2137) 1/2-1/2
5/5 14:30 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2334) - Nakahara, K (CM, JPN, 2095) 1-0
5/6 09:30 R7 Aoshima, M (FM, JPN, 2343) - Kojima, S (IM, JPN, 2334) 1/2-1/2
5/6 14:30 R8 Yonemitsu, K (JPN, UR) - Kojima, S (IM, JPN, 2334) 0-1
5/7 09:30 R9 Kojima, S (IM, JPN, 2334) - Averbukh, A (CM, JPN, 2153) 1-0

最後になりますが、大会運営とスポンサー、そしてGWO含め、参加されたプレーヤーの皆さん、5日間お疲れ様でした。そしてありがとうございました。また次のトーナメントでお会いできることを楽しみにしています。

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